根本的な解決を目指す「精神疾患の治療方法」とは

精神疾患(こころの病)を克服するための根本的な治療方法とは。

こんにちは、現役バーテンダーの湊です。
ここからはこれまで判明している医学的根拠や、精神医療の現状、現在研究が進められているうつ病を始めとした精神疾患治療法の可能性を踏まえた上での私個人の見解です。

精神疾患を克服するために

現在精神医療の現場ではセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンを増やすものであったり、その他の不安などに関わる神経伝達物質(GABAなど)に働きかけるものが第一の選択薬として中心に使用されているといいます。実際に親戚の子(精神疾患を患い闘病中)もこれらの組み合わせで向精神薬を処方されています。

しかしこれらの薬は脳内の神経伝達物質を一時的に(結果的に)増やすものなので、飲まなければ神経伝達物質はまた不足状態に戻ってしまうため、根本的な解決にはならず、体調を維持するためには薬を飲み続けなくてはいけなくなってしまいます。
確かにこれらの精神薬を服用することで、親戚の子の精神的な状態や、自律神経の異常による症状が抑えられているのは間違いありません。
ですが、これらの薬には副作用として依存性などがあるため、薬を止めれば離脱症状に襲われますし、止めるのが不安で手放せなくなるといったデメリットがあります。

それならば、腸内環境を改善することで神経伝達物質を正常に作り出してあげればいいのではないかと私は考えています。
食の欧米化や、肉中心の料理、野菜不足、インスタント食品やジャンクフードによる食生活の乱れや、ストレスや睡眠時間などの生活習慣の乱れと、挙げれば切りがないですが、腸内環境が万全な方はほとんどいないのではないでしょうか。
事実私は対人恐怖症、うつ病、ギャンブル依存症などの精神疾患が重なり、深刻な状態だった時は下痢が続いたり(酷い時は一カ月以上も毎日のように)、何かストレスがかかればすぐにお腹を壊し、毎日同じ時間帯に腹痛に襲われたりと、腸内環境は荒れに荒れていましたし(過敏性腸症候群と思われます)、その際に引き起こされる腹部の痛みは日々負の感情を生み続けていました。

私は精神疾患を克服するために調べ、学び、実践することで病を克服することができましたが、当時はまだ腸内細菌や腸内フローラの存在が精神状態や行動に影響を与える可能性があるといった研究報告は今ほど見かけることはありませんでした。
しかし脳と腸がお互いに密接に関わり合い影響を及ぼし合うことや、神経伝達物質と自律神経が感情や行動、体の機能に影響を与えることは明らかにされていました。
私はそれらの判明している医学的な根拠から精神疾患を克服するためには何をしなければならないのか、このように考え、実行しました。

「精神疾患を克服するためには、腸内環境の改善がスタートとなる」

皆さんは精神疾患を患う前はどのような性格でしたか?

私は活発で、社交的で、いつも笑顔で、人と接するのが大好きでした。
しかし精神を病むにつれて、何事においても活発的でなくなり、内向的になり、次第に笑顔は消え、古くからの友人でさえも会いたくない、話したくないと思うようになっていきました。
それに伴い、それまでは体調を壊したり、風邪を引いたりすることはほとんどなかったのが、病気にかかりやすくなり、治りにくくなり、異常なまでにお腹を壊すようになっていきました。
当時はなぜここまで体が弱体化しているのか、お腹の調子が悪いのか見当もつきませんでしたが、今思えば精神を病むことで腸内環境が悪化し、腸内環境の悪化によって精神を病む悪循環に陥っていたのだと思っています。

腸内細菌を定着させ、腸内環境を変化させたマウスの性格が変化したという研究報告がありましたが、それはマウスだからであってヒトは違うとはあながち言い切れないことかもしれません。
実際に私の性格も変化したわけですから(笑)

うつ病患者と健常者の腸内細菌

うつ病患者と健常者の腸内におけるビフィズス菌、ラクトバチルス(両方とも乳酸菌の一種)の数を比較した研究があります。

うつ病患者と健常者を比較したところ、うつ病患者は健常者と比較してビフィズス菌、ラクトバチルス共に菌数の低下が見られ、これらの菌数が低いとうつ病リスクが高いことが示唆されました。(1)
また、同じ被験者で過敏性腸症候群を合併している人の割合は、健常者が12%だったのに対して、うつ病患者は33%と頻度が高いことが確認され、ビフィズス菌、ラクトバチルスが少ない事と過敏性腸症候群が関連していることが示唆されました。(2)
さらに、乳酸菌飲料やヨーグルトなどの摂取頻度と腸内細菌の関係を調べたところ、うつ病患者の中で摂取が週に1回未満の人は、週に1回以上摂取している人と比べて、腸内のビフィズス菌の総数が有意に低いという結果が得られ、プロバイオティクス(※1)を含む食品を摂取する習慣がビフィズス菌の数に影響を与える可能性が支持されました。(3)

(※1 プロバイオティクスとは腸内フローラのバランスを改善して体にいい影響を与える生きた微生物のことで、代表的なものにビフィズス菌などの乳酸菌があります

これらのことからプロバイオティクスを摂取すると、ストレス症状やうつ病症状を緩和する可能性が考えられました。そして以下の研究に繋がります。

一般成人を対象とした研究でプロバイオティクスとプラセボ(有効成分を含まない偽薬のことで、薬だと信じる事で安心感や症状の改善が見られることもありますが、今回の場合は本物の薬の効果を明らかにするために使用)を投与した人の比較です。
ビフィズス菌やラクトバチルスなど数種類のプロバイオティクスを30日間投与された人は、プラセボを投与された人と比較してストレス症状(うつ、不安、身体症状)が有意に減少し、ストレス対処法も改善しました。(4)
また、1745人の妊婦女性を対象とした調査では、ヨーグルトを多く摂取する人は、摂取が少ない人と比べてうつ症状が少なかったという報告もあります。(5)
さらにうつ病の患者を、通常の抗うつ薬治療に加えビフィズス菌やラクトバチルスなど数種類のプロバイオティクスを上乗せした群と、プラセボを上乗せした群に分けて8週間の治療後に比較したところ、プロバイオティクス群のうつ病症状の減少はプラセボ群と比べて有意に改善していました。(6)

(1~6)参照:功刀浩 うつ病・自閉症と腸内細菌叢(pdf)

これらのことからも、プロバイオティクス、つまりビフィズス菌などの乳酸菌を摂取し、腸内環境を整えることがうつ病の治療に有効であることが示唆されています。

人を対象とした介入研究はまだ少ないといいますが、これらの研究結果からも腸内フローラのバランスを整え、腸内環境を改善することは精神疾患の治療に一定の有効性はあるのではないかと考えられています。

精神疾患の根本的な治療法とは

これまで見てきた神経伝達物質、自律神経、腸内環境の関係と、近年研究が進んでいる腸内細菌も含め、精神疾患を根本的に治療するための方法は、私はこのように考えています。

「精神疾患を克服するためには、腸内環境を整え、神経伝達物質の不足などの異常を解消し、自律神経のバランスを保つ」

言ってしまえばこれだけです(笑)
腸内環境を整えることは神経伝達物質、自律神経にも影響するため、腸内環境の改善が精神疾患を克服するためのスタートだと私は考えています。
私はこの考えの下、腸内環境を整え、神経伝達物質を増やし、自律神経の異常を改善し、その過程で性格や物事の考え方も少しずつ変化していき、最終的に対人恐怖症、うつ病、ギャンブル依存症やその他の疾患を克服することができました。

もちろん腸内環境を改善するために食生活を見直したり、補助食品を取り入れたり、
神経伝達物質を増やすため、自律神経のバランスを保つために生活習慣を改善したり、
ストレスと戦うため性格、考え方を必要に応じて変えていくことや、症状に合った対策を練るなど、やるべきことは色々とあるのですが、それらはこれから研究によって明らかにされている情報や方法、私個人の考えや方法も交え、一つずつ説明していきたいと思っています。

最後に

今回で精神疾患を根本的に治療し、克服するための基礎知識は終わりです。
次回からは精神疾患を克服するための具体的な方法や知識など、実践するための情報をお届けしたいと思っています。

ところで精神疾患を克服するためにまずするべきことは腸内環境の改善と先程言いましたが、それより先にやらなければならないことがあります。

それは、一歩を踏み出すこと。

精神疾患という足枷は私たちが前に進もうとする歩みを妨げますが、本当の意味で私たちの足を止めるのは「諦め」です。
目標に向かって前進し続けることは精神を患っていなくてもとても難しいことです。
だから少しだけでいいのです。少しだけ、一歩だけ踏み出してみる。
例えば乳製品をちょっと飲んでみようかなとか、これがだめだったから次からはこうしてみようかなとか、そういった一歩、一歩でなくても半歩でも、4分の1歩でも、どんなことでもいいから少しだけでも、休憩を挟みながら前に進んでみる。
その前進の繰り返しは確実に皆さんの力となってくれますし、一歩一歩前進する度に精神疾患という足枷のネジは緩み、いつか歩いている最中に足枷は自然と壊れ、取れてしまうことでしょう。

前に進みたいと思って下さるのであれば、私がそのお世話を引き受けます。
私はバーテンダー、「旅人の世話をする人」ですから。

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