
パチンコがやめられないよ



だったら、公営ギャンブルに移行すればいいんじゃ……?
パチンコをしていると、「やめたい」と思ってもやめられなくなってきますよね。
でも、この問題には、荒ワザ的な対策があるわけです。
それこそが、本記事でお話しする「パチンコ以外の公営ギャンブルに移行する方法」です。
- 公営ギャンブルとパチンコはそもそも何が違うのか
- 遊技人口・売上の推移からみる公営への移行のアリナシ
- 公営ギャンブルをしてみる方法(あまりおすすめできない)
さきにいっておくと、パチンコから公営ギャンブルに移行するのは、あまりおすすめできません。
歴10年以上の元ギャンブル依存者である私には、依存のくら替えになってしまう危険性が高いと思えるからです。
ただ、この荒ワザを使うことで、パチンコだけでなくギャンブルそのものから離れられる可能性があるのも事実。
知っておいて損はない話なので、公営賭博への移行も考えているのなら、どうぞ最後までごらんください。


パチンコと公営ギャンブルは何が違うのか



パチンコって公営ギャンブルじゃなかったのか?
まずはこのことからお話ししましょう。
- 賭け麻雀
- 闇カジノ
- 友人間での賭けポーカー
こういったギャンブル行為が、ちまたでは定期的に問題になりますよね。
これは、そもそもの話、日本では「ギャンブル行為は違法」となっているからです。



友人間での賭けごとも違法なんですよ



でも、その場でジュース1本くらいならOK、と
ただし、これにも例外(お金を賭けてもいい場合)があるわけですね。
それこそが「公営ギャンブル」です。
公営ギャンブル(公営賭博、公営競技とも)とは、以下の法律によって、特例として国内での賭博が許可されたものをいいます。
- 競馬
競馬法
- 競輪
自転車競技法
- 競艇(ボートレース)
モーターボート競争法
- オートレース(バイク)
小型自転車競走法
- 宝くじ
当せん金付証票法
宝くじはレース系とは属性がちがいますが、これも法律でみとめられた公営のギャンブル。
ようは、「国によって許可されたものだけはおおやけに賭けごとをしてもいい」ということです。
パチンコは公営ギャンブルじゃない
では、パチンコの場合はどうかというと、これは公営ギャンブルではないのですね。



でも、みんなお金を賭けてるぞ



いえ、パチンコ店で金銭のやりとりがあるなどという事実は……
これはいったい、なぜなのでしょうか?
その答えは簡単です。
パチンコは公営ギャンブルじゃないけれども、「三点方式」という抜け道を使うことで、実質的には賭博がおこなえるグレーな状態となっているからです。
- お客さんは現金で出玉を借り、増やした出玉は特殊景品に交換される
- パチンコ店の近所にある景品交換所(買取所)が、お客さんの特殊景品を買い取る
- 交換所に渡った景品は、景品問屋(卸業者)に買い取られ、パチンコ店におろされる
パチンコ店がやっているのは、はっきりいってただの賭博です。
ところが、この三点方式でお金を移動させる(=直接換金はしていない)ことで、ふつうに営業できてしまっているわけ。
実態はお金を賭けたギャンブルですが、この抜け道によって、パチンコは「ギャンブルではない」ということになっているのです!



もはや屁理屈としか思えませんが……そういうことになっています
ようするにパチンコは、「黙認された賭博」として日本に存在するギャンブル、ということができるでしょう。
ギャンブルの売上と遊技人口の推移
パチンコと公営ギャンブルの違いがわかったところで、ここからは、「パチンコをやめるのを目的とした公営への移行」についてお話ししていきます。
パチンコ店は駅近にあるのですぐに行けますが、つぎのような理由から、ネットでもできる公営ギャンブルに移った人も多いそうです。
- 出玉規制の強化で勝てなくなった
- 勝てないからやっていても面白くない
また各ギャンブルの売上や遊技人口など、公表されているデータの推移を見ると、公営に移行するメリットも見えてきます。
はじめに、それぞれの統計から見ていくことにしましょう。
まずはパチンコ関連の統計からどうぞ。
パチンコの売上と遊技人口の推移


(レジャー白書2020をもとに作成)
こちらはパチンコの売上(市場規模)推移のグラフ。
かつては30兆円規模とよばれていたパチンコ業界は、ここ10年ほどで、みごとに衰退の一途をたどっています。
ついに2019年には、大台の20兆円を割り込むところまできました。


(レジャー白書2020をもとに作成)
つづいてこちらは、パチンコの遊技人口推移のグラフ。
市場規模と同様に遊技人口も減り、2019年には900万人を割り込むなど、こちらも過去最低を記録しました。
これらのデータから、つぎのことがいえると考えられます。
パチンコ産業を支えるために、1人あたりの負担する金額が増えている。
たとえば、2009年と2021年を比較すると、以下のとおりとなります。
2009 | 2021 | 減少率 | |
---|---|---|---|
売上 | 28.2兆円 | 14.6兆円 | 48.2% |
遊技人口 | 1720万人 | 710万人 | 58.7% |
遊技人口の減少率も深刻ですが、対して売上は、遊技人口ほど減っているわけではありません。
それに加えて、遊技台などの(パチンコ店の)経費は、値上がりによって増えているわけです。
それでもパチンコ店が営業をつづけていられる理由。
これは結局のところ、お客さんの負担が増えているからこその話なのではないでしょうか?



じゃないと、パチンコ店はもっと閉店していると思います
レジャー白書によると、2017年の1人あたりの“年間”平均費用は8万5100円だったそうです(ただし有効回答は3000件ほど)。
しかし、厚労省による2017年度の調査では、ギャンブル依存症が疑われる人の“月”平均の賭け額は5万8000円だったといいます。
じっさいに私も、パチンコでは年間100万円ペースで負けていました。
それでもやめられないからパチンコに行ってしまうのですが、だったら、べつのギャンブルをしていたほうがマシだともいえますよね。
パチンコをやっていて、年間8万円程度ですむ人なんて、ほとんどいないのではないでしょうか?
公営ギャンブル(公営競技)の売上推移
つぎに、公営ギャンブルの売上を見てみましょう。近年の推移は以下のようになっています。


(各省庁の資料等をもとに作成)
公営競技の売上は、全体的に右肩上がりとなっています。
とくに2018年以降は、コロナ需要もあって爆発的な伸びを記録しました。
- 競馬のテレビCM放送
- 競艇は正式名称を「ボートレース」に変更+CM
など、イメージアップ戦略があと押ししている部分もあるはずです。
しかし結局は、パチンコ・パチスロユーザーが流れているのが大きいのではないかと思われます。
また競馬に関していえば、2017年のデータは以下のとおりとなっていました。(JRA公表値)
- 売得金(投票売上から返還金を引いたもの)は約2兆7500憶円
- 競馬場の来場者数は約620万人
- 総参加数は約1.8憶人
それだけあってもパチンコより売上が低い(※1)ということは、パチンコとくらべて公営競技のほうが良心的であるといえる、ひとつの根拠にもなるでしょう。
公営競技の控除率(胴元の取り分)は、一般的に20~30%と、パチンコよりも高いとされています。
とはいえ、これまでのデータから見ても、やはり公営競技で遊んでいたほうがマシなのではないでしょうか?
公営ギャンブルの始め方
それでは、公営ギャンブルをはじめるにはどうすればいいのか?
これは、スマホなどを使って投票券をネット購入したら、あとは結果を待つだけです。



すごい時代になったものです
公営競技はほぼ毎日、なにかしらのレースが開催されています。
事前に投票券を買うなどして、自宅でレースの結果を見ていれば、パチンコに行くよりも充実した時間を過ごせるかもしれません。
ということで以下、いくつかの投票券を購入できるサイトをご紹介します。
競馬・競輪・オートレース


(出典:オッズパーク公式サイト)
公営ギャンブルをはじめるには、「オッズパーク
- オッズ(倍率)、レースのスケジュール
- 予想情報、レース映像(LIVE映像)
- 年会費や入会費
オッズパークは、これらすべてが無料。
パチンコとちがって投票券も100円から購入できるので、コスパもいいといえます。
慣れてきたらすこし足を伸ばして、競馬場に馬を見に行ったりするのもいいかもしれませんね。



まあでもあそこは、ギャンブルをしないほうが面白いですよ
ボートレース


(出典:テレボート公式サイト)
水上の格闘技とも呼ばれるボートレースは、6艇による競技なので、初心者でも的中しやすいのが魅力。
投票するにはTELEBOAT(テレボート)というネット投票サービスに登録することで、つぎのことができるようになります。
- 舟券の購入
- レース情報のチェック
- レース結果の確認
こちらも年会費や入会費は無料で、舟券は100円から購入できます。
私もボートレース場には行ったことがありますが、迫力がありますし、たしかに当たりやすいですよ。



たまに水がくさかったりするんだよな
オートレースの宝くじ
また、射幸性がかなり高いのおすすめできませんが、当たるんですという、ロトくじのようなものがあります。
当たるんですは、オートレースの1着を4連続で当てるもので、以下のような特徴があります。
- 予想して投票するのではなく、ランダムで番号が割り振られる
- オートレースの知識がなくても気軽に投票できる
オートレースは1レース8車が出走するので、1着が4連続で当たる確率は「8×8×8×8」で4096分の1。
ようは、1セット4096口の中からかならずだれか1人は当たるという仕組みで、買えば買うほど当選確率が上がるようになっています。
具体的には以下のようになっています。


(出典:当たるんです公式サイト)
投票券にはミニ・メガ・ギガの3種類があり、種類によって1口の値段や当選金が変わります。
ただ、買うだけ当選率が上がっていくことや、1口の金額もけっこう高いので、射幸性がひじょうに高い。
そのうえ、当選率がパチンカー・スロッターには馴染みのある数字なので、深みにはまってしまう危険性もあります。



ちょっとヤバそうな気配を感じますね
ミニの場合は、4096口購入にかかる金額は204万8000円。
当たりは143万円なので、控除率(胴元の取り分)は30.2%です。
そこに税金もかかるのですが、パチンコで1日に数万円を失うのなら、これをやっていたほうがまだマシなのかもしれません。
といっても、やればやるだけ投資金額を回収したくなると思うので、やはりおすすめはできませんが……。
パチンコ以外のギャンブルに移行する注意点
ここまで、公営ギャンブルに移行するメリットや、具体的な始め方を解説してきました。
最後に、パチンコからパチンコ以外のギャンブルに移行する注意点をお話ししておきます。
パチンコ・パチスロで1000万円以上を失ってきた元ギャンブル依存者の私は、このようにも考えています。
依存先をほかのギャンブルに変えても、こんどはそのギャンブルに依存してしまうだけで、問題はなにも解決しない危険性がある。
私はレース系のギャンブルにはまったくハマりませんでした。
ただ「見ているだけ」のように感じ、パチスロのレバーオンのような「自力感」をそこに見いだせなかったからです。
ですから、パチンコをやめるため、そして最終的にはどのギャンブルもやめるための「暇つぶし」としてだけなら、この方法もありかもしれません。



あくまで「短期間だけ」ということです
しかし、これが「依存のくら替え」となってしまった場合、この方法はつぎのような超ド級の危険性を発揮しだします。
- 公営は基本的に賭け金には上限がない青天井
- 超ハイレートも可能なギャンブルでスリル・興奮はパチンコ以上
- ハマれば生活の破綻、借金地獄におちいる可能性大
パチンコは1玉4円、スロットは1枚20円の上限が、風営法という法律で決められています。
しかし公営ギャンブルは、賭け金に基本は上限がありません。
突っ込もうと思えば、いくらでも突っ込めてしまうのです。



カジノとかと変わらなそうだな
また、さきほど私は、「公営ギャンブルにはハマらなかった」といいましたよね。
でも、最後に競馬場に行ったときは、負けを取り返そうと思って、結局そのときの所持金をすべて失いました。



一発当たればまくれるような3連単に賭けまくって全敗しました……
ようは、お金がかかるギャンブルをすれば、ハマろうがハマらなかろうが「負けを取り返したくなる」わけです。
そんなわけですから、パチンコ以外のギャンブルをするのなら、お金を賭けない趣味をはじめることをおすすめします。
いちおう選択肢として公営ギャンブルについてお話ししましたが、やはりこれは、あまりおすすめできるものではありません。
パチンコ以外の趣味・暇つぶしはたくさんあるので、そういったものをしたほうがいいと私は思いますよ。
今回のまとめ
- パチンコよりも公営ギャンブルのほうが健全といえば健全
- ただしギャンブル依存者にとっては依存のくら替えとなってしまう危険性が高い
- パチンコ以外のお金を賭けない趣味・暇つぶしがおすすめ
「楔(くさび)を以て楔を抜く」という言葉があります。
固く打ち込まれたくさびはちょっとやそっとじゃ抜けないため、ほかのくさびを打ち込んでゆるめてから抜く、という意味の言葉です。
ようは、パチンコの依存は根が深いので、ほかのギャンブルでゆるめてから、すべてのギャンブルを断つというワザもあるということ。
でも、それだったら、パチンコをやめたあともつづけられる趣味を(最初から)していたほうがよくないですか?
私の経験上、ギャンブル依存症を克服するにあたって、以下のようなことを感じたからこそ、あえて今回は公営ギャンブルの話をしました。
- すべてのギャンブル(たとえば1枚200円の宝くじ)がパチンコの衝動を呼び覚ますかというと、そういうわけではなかった
- ギャンブル依存症といっても、なんでも依存してしまうかというとそれもちがった(たとえばレース系のギャンブル)
とはいえ、ギャンブル依存者がギャンブルをするのは、つねに危険がつきまといます。
それに、依存をゆるめるくさびは、なにもギャンブルである必要はないのです。
そんなわけですから、パチンコをやめたいのなら、ギャンブル自体をやめることを私はおすすめします。
重度のギャンブル依存者だった私でもできたのですから、だいじょうぶ。
その方法は以下の関連記事にも書いてあるので、どうぞこちらもあわせてごらんください。
パチンコ以外のおすすめな趣味
借金問題の解決策まとめ
パチンコをやめる方法まとめ
コメント