【最強神話崩壊】ベーシックストラテジーだけでは勝てないと気付いた夜

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今旅最大の強敵が現れたことで戦況は一変。妄信していた戦術はその効力を失い、敗戦は濃厚。果たして勝負の行方はいかに。

1回のゲームで使用する手数を増やし、一気に勝負を畳みかけようと目論む私の元に、遂に「その時」が訪れてしまう。それは、ベーシックストラテジーという戦術の最強神話が崩れ去る時でした。

妄信していた戦術書を失い、窮地に立たされるミナト。奈落の底へ突き落される時は、刻一刻と近づいてきていました。

前回はこちら↓
【ブラックジャック】マルチハンドでさらなる勝利を呼び込めるか!?

目次

裏シンガポール旅行(2日目・中編2)

空いているベッティングエリアにチップを置き、複数のハンドで勝負をすることができるマルチハンド。リスクを分散させられる気分になると共に、勝負の効率も上げることができる強力な戦法です。

しかしこの時の私はまだ気付いていなかったのですが、この戦法は裏を返せば、ハイリスクという側面も持ち合わせていたのです。

マルチハンド+ベーシックストラテジーという2つの強力な戦術を駆使して戦う私でしたが、戦局は一進一退。

暫く横ばいの状態が続いてはいましたが、次第にチップが減り始めてきていたこと、他のプレイヤーのアクションに肝を冷やしていたということもあり、ここで私はテーブルを移動することに。

マリーナベイサンズで挑む2日目の夜、ブラックジャックでの戦いは第2ラウンドに突入!

マルチハンドはハイリスクハイリターン

テーブルを移動した私は引き続き2ハンドで勝負を開始しますが、予想とは裏腹に、チップは一気に増えるどころかジワジワと減っていく苦しい展開に。

2ハンドでの勝負は片方のハンドが勝利しただけではプラスマイナスゼロなので、両方のハンドが勝利しなければチップを増やすことはできません。

よって、理想的なのは両ハンドが生きている状態でのディーラーのバーストか、両ハンドにいい手が入るかなのですが、これまでの勝ち続けてきた展開とは打って変わって、プレイヤー側になかなかいい手が入らない。

また、これまでのベット額は1ハンドでミニマムベットの50SGDか、勝っている時はチップを上乗せして75SGD、さらに好調な時は100SGDと、大体75SGD前後で勝負していたのに対し、今回のマルチハンドは最低でも50SGD×2で100SGDが必要となるため、不調な流れの中でもそれ以下にベット額を下げることができなくなっていたのです。

絶好調な流れの中にいればマルチハンドはハイリターンとなりますが、なんとか片方のハンドでもう片方のハンドの負けを補填しているような防戦一方のこの戦況では、マルチハンドはハイリスクでしかなかったのです。

しかし、私はこれまでブラックジャックにおいては負ける流れというものに遭遇したことがなく、敗北の味を知りません。

これも一時的な悪い流れだろう……。そう思い、私は安易に勝負を継続。そこに先ほどまで同じテーブルにいた中国人のおっちゃんも流れ着き、逆転を賭けた勝負がスタートしました。

今旅最大の天敵が現る

中国人のおっちゃんは一度に賭ける金額が大きく、勝負の結果に一喜一憂し、私は徐々にですが厳しい状態を乗り越え、戦況を盛り返し始めていました。

このままいい流れになってくれることを祈るばかりでしたが、ここで突然のディーラーチェンジ。

ディーラーは一定時間で交代することになっていて、恐らく休憩なり別のテーブルに行くものだと思われますが、ディーラーが代わることでカードの順番が入れ替わるなんてことはありえないので、ビッグウェーブが再び到来する気配を感じ始めていた私はそのままゲームを続行。

しかし……

●●●
ディーラー

ノーモアベット……プリーーズ

交代してきたこの金髪メガネのディーラー、尋常じゃなくやる気がない。

テーブルのプレイヤーが既にベットを終えているにも関わらずなかなかベットを締め切ろうとせず、「ノーモアベット」の発声もあからさまに長く、カードを配る速度、チップの配当なども全てがだらだら。

それまでのディーラーと比べると1ゲームの進行に倍近くの時間がかかっていました。

あまりの露骨なやる気のなさに、普段は温厚な私の腹に棲む虫たちもざわめき出す次第。さらに……

●●●
ディーラー

フアァーーーア、アァ……

確かに夜中なので眠いのはわかります。それに欠伸が出るのは生理現象なので仕方がないことですし、それをどうにかしてくれなんてことも思いません。

ただ、人の目の前で思いっきり欠伸するのはどうなのよ!?手で口を隠すとか、何かしら方法があるじゃない!

あまりのやる気のなさ、というよりも態度の悪さはもはや擁護できないレベル。

酔っぱらった中国人のおっちゃんの酔いもさめ、なかなか進行しないゲームの待ち時間にチップをジャラジャラと手でいじり出し、そのヒリついた気配はまるで穏やかな性格のパンダが突如として狂暴なクマの遺伝子を開花させたかのよう。

私も私でさっさと移動すればよかったのですが、徐々に盛り返してきていたこと、大きな流れの再到来を感じ始めていたこともあって動くわけにはいかず、ディーラーの態度には目を瞑り、そのままゲームを続行することにしたのです。

ブラックジャックはベーシックストラテジーだけでは勝てない

金髪メガネのやる気のないディーラー、凶暴化した大陸のパンダ、勝つために腹の虫を鎮める私。ここは本当にあのマリーナベイサンズなのだろうか……?

ブラックジャックのテーブルにはやたらと重苦しい空気が流れ始めますが、なんと、その不穏な空気に同調するかのように、それまで盛り返してきていた流れも一変!

ディーラーには強アップカード(表向きのカード)、プレイヤーには「15~16」がやたらと入り、ヒットすればほぼ間違いなくバーストするというプレイヤーのバーストフィーバー状態に。

特に私はベーシックストラテジーを妄信していたので、ディーラーのアップカードが強ければバースト覚悟でヒットしていましたが、最も危険な「16」ヒットでさえ本来のバースト率は6割程度のところ、この時のバースト率は破格の8~9割越え。

しかもその死線を潜り抜けてなんとか生き残ることができたとしても、ディーラーがさらにその上を行き、元々の手が良くてもやはりディーラーがさらにその上を行くという、手の打ちようがないほどのプレイヤー超劣勢の展開。

湊
ミナト

一体なにが起きているというんだ……?

なんだこれは……?ベーシックストラテジーは最強の戦術ではなかったのか!?

妄信する戦術書がただのぼろ切れと化していたことには薄々感付き始めていましたが、ベーシックストラテジー最強神話の幻想を捨てきれない私は、勝てる流れが戻ってくることを信じてゲームを続行。

中国人のおっちゃんはチップがなくなったので離脱し、テーブルには私一人が残ることになり、勝負はディーラーとの一騎打ちに。

プレイヤー18でディーラー20

しかし、圧倒的なディーラー優勢は変わりません。

Aと6のヒットでバースト

BS通りのアクションを取ってもバースト。

10のダブルダウン

ダブルダウンも見事にスカし、手持ちのチップをさらに多く吐き出すだけ!

もちろんそんな状態で最強役のブラックジャック(21)が出るはずもなく、スプリットのチャンスすら訪れない!

結果、私は財布から2,000SGD(約16万円)を一気に吐き出し、勝てるビジョンが全く見えなくなったところであることを思い出したのです。

それは以前韓国のカジノで感じたこと。戦略や必勝法、確率論なんてものは大いなる運の前では時として何の力も持たなくなり、時として人は、大いなる運の前にひれ伏すことしかできなくなるということでした。

湊
ミナト

それ、完全に忘れてたわ……

つまり、これまでが上手くいきすぎていただけ。ただそれだけのことだったのです。

ベーシックストラテジーを遂行することでブラックジャックの勝率は50%に限りなく近くなると言われていますが、それは何万、何十万ゲームと試行回数を増やしていけばの話で、実際にカジノで行う数十、数百ゲーム程度では上にも下にも大きくブレます。

運よく上にブレればいいですが、下にブレ始めたら最後、心が折れるまでか、資金が底を尽くまでか、どこまでブレ続けるかは誰にもわかりません。

お金を失ったことでようやくそのことに気が付いた私は、この戦術の真理を垣間見たような気がしたのです。ベーシックストラテジーは最強の戦術でも、伝説の武器でもなく、あくまでも“基本”の戦術に過ぎないという真理を。

負けたまま引き下がれないのが男の性

悪魔のようなディーラーがハードラックを呼び込み、過信していたベーシックストラテジーの神話は崩壊、収支は一気に-2,000SGD(約16万円)とブラックジャックで戦う気力を失った私は、ようやくここでテーブルを離れます。

しかし、これは男の性(さが)というよりも人間の性のような気もしますが、お金を賭けて負けてしまった後で、そのまま潔く引き下がるというのは至難の業。

特に私の場合、失ったお金を取り戻したいという気持ちは以前からかなり強く、この時は既にパチンコへの依存は断ち切ることに成功していたので、多少は改善されているのではないかと思っていたのですが、全くそんなことはありませんでした。

湊
ミナト

これぐらいならまだなんとかなる。取り返しにいくしかない……

これぐらいという金額でもないのですが、この時、私にはまだ負けを取り返せる自信のようなものが残っていました。それはやはり、初日、2日目の昼と勝ち続け、今まで勝負所では全てを物にしてきた「バカラ」という存在があったからです。

BSの最強神話は崩れ去ってはしまいましたが、まだ心が折れた訳ではありません。心が折れていなければまだ戦うことができる!

私はブラックジャックでの負けを取り返すため、バカラのテーブルへ……。

帳が下りた2日目の夜、外はまだ暗闇に包まれていました。

次回→【罫線を見極めろ!】BJでの負けはバカラの「ツラ追い」で取り返す!

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