私は10年以上パチンコ・パチスロがやめられなかった元重度の依存者です。

当然ですが、金銭感覚は麻痺しました
ただ、パチンコをやめてから金銭感覚はもどりましたし、その過程で「ある種のメリット」を得た気もするのです。
そこで本記事では、つぎのことをお話しします。
- パチンコで狂った金銭感覚をもとにもどす方法
- 金銭感覚がもどったあとで得た気がする2つのメリット
結論からいうと、金銭感覚のマヒは「適切なお金の使い方をする+パチンコをやめる」で直せます。
その後に得たメリットは「金銭感覚の一部はいい意味で狂ったままだった&リスクを恐れなくなった」です。



本記事では、これらを詳しくお話ししていきます
人生において、完全にむだになる経験は、ただのひとつもないと私は思います。
ようは、パチンコ依存の克服はどこかで「強み」に変わるはずで、それがこの金銭感覚と関係があるという話です。
パチンコで多くを失ってきた過去にばかり目がいってしまうなら、どうぞこの話をお聞きください。
パチンコをすると金銭感覚が狂うのはなぜか?
まずは、パチンコをすると金銭感覚が狂う理由から見ていきましょう。
パチンコをやる人の金銭感覚は、はっきりいっておかしいです。
- 1日に5万~6万ほど負けるのは当たり前
- 所持金が尽きればATMに直行する
- しかし普段の生活(パチンコ以外)は質素倹約
そう、パチンコに行くときだけ、なぜか金銭感覚がおかしくなってしまうのです。
スーパーで買い物をするときは、10円・20円を気にするのに、サンドに入れる1万円にはなにも感じません。



ちぐはぐな感じになるんですよね
これはなぜかというと、「パチンコのレートがふつうの人にとっては高すぎる」のもあるでしょう。
それだけの金額が、勝てば返ってくる(=使った分がチャラになる)かもしれないからです。
しかし最大の要因は、パチンコをつづけることで脳が変化し、依存症状がでてくることだと私は思います。



脳から「パチンコに行け」の指令がでるようになるそうだ
この状態になると、
- パチンコ以外への興味関心はうすれ、
- パチンコだけが楽しい(それがすべてだ)
と感じるようになってしまいます。
でもパチンコは勝てないので、それをつづけるためには、パチンコ以外の出費を抑えなくてはなりません。
だから、ふだんは節約できているのに、パチンコとなると急に金遣いがあらくなってしまうのではないでしょうか?



あとは「勝てる可能性がある=お金を使った気にならない」もありますね
人によっても理由は異なるはずですが、いずれにせよ、パチンコ・パチスロをやっていれば金銭感覚は狂います。
最初はだいじょうぶでも時間の問題でしょう。
だれもが、使う金額を、どんどん増やしていってしまうのです!
パチンコで麻痺した金銭感覚を戻す方法
それでは、パチンコで麻痺した金銭感覚をもとにもどすにはどうすればいいのか?



つぎはこれを見ていきましょう
冒頭でもお話ししたとおりで、これには、以下の2つの方法があります。
- 適切なお金の使い方をする
- パチンコをやめる
パチンコをやめればお金を使わなくなるので、これができれば、ひとまず問題は解決します。
ただ、根本的なお金の使い方が変わっていないと、(再発をくりかえすなど)問題の完全な解決とはなりません。
そこで重要になるのが「①適切なお金の使い方をする」なので、ここでは①の方法を補足しておきます。
「②パチンコをやめる」方法は、パチンコ依存症の克服に成功した9つの方法でもまとめてあるので、こちらもチェックしておいてくださいね。



では、お金の使い方です、どうぞ
1. 欲しい物はお金を出して買う


パチンコでマヒした金銭感覚をもどすには、「欲しいものはお金を出して買う」クセをつけなければなりません。



よし、きょう勝てたら欲しかったアレを買おう
勝てたら買う……。
おそらく、これは全パチンカー・スロッターが考えます。
そして勝てずに、欲しいものも買えずに、最初から買っておけばよかったとあとで後悔するのです。



鉄板のパターンだな
ですから、まずはこの考えを捨てるために、「欲しいものはお金を払って買う」クセをつけましょう。
これがきちんとできるようになれば、サンドに突っ込む1万円が「異常」だと感じるようにもなれます。
具体的な方法としては、
などで「欲しいものリスト」を作成し、働いて稼いだお金で(すこしずつ)買っていくのがおすすめです。
とにかく、「勝ったら」とか「勝てれば」とかいう考えを捨てて、きちんとしたものにお金を使うこと。
これができるようになれば、狂った金銭感覚は、きっと直っていくはずですよ。
パチンコ以外の趣味にお金を使う


パチンコ以外の趣味に、適正な価格を支払って遊ぶのもひじょうに有効です。
もはやいうまでもありませんが、パチンコは「遊技」なんかではなく「一方的な搾取」です。
- 遊技人口の激減と減収
- しかし変わらない(または値上がりする)経費
など、パチンコ店が生き残るには、来たお客さんから「いかに搾り取れるか」になってきています。
ですから、パチンコ店に行っても、残念ながら「適正な価格」では絶対に遊ばせてくれません。



ところが、どうでしょう?
パチンコ以外の趣味は、ほとんど全部が、適正な価格で提供されているのです。
たとえば映画・ドラマ・書籍などが見放題(一部はポイント制)で、個人的におすすめな「無料トライアル実施中!<U-NEXT>
- まず31日間は無料
- それ以降は2189円(税込)
- 毎月1200円分のptが貰えるので、実質月989円
と、サンドに入れる1000円だけで1か月も遊べます。
ようは、こういった適正価格のサービスにお金を使うことでも、金銭感覚はもどっていくのです。



いかにパチンコが高かったかがわかるな
パチンコに依存すると、それ以外のものには興味関心がうすれる、という話を最初のほうでしました。



ですから、最初は暇つぶしで大丈夫です
きちんとしたお金の使い方をすれば、金銭感覚はもどっていきますし、楽しさにも気づけるようになります。
「何から始めればいいかわからない」という場合も安心してください。
パチンコ以外の趣味は、以下の関連記事にまとめてあるので、どうぞこちらも見てみてくださいね。
パチンコ以外の趣味11選
金銭感覚がバグったことによるメリットを考える
さて、パチンコでおかしくなった金銭感覚の直し方がわかったところで、ここからは、その後のメリットを見ていきましょう。



これは、余談みたいなものですが、
パチンコへの依存を克服できた未来を提示できれば、ということで、お話ししたいと思います。
そもそもギャンブルをやる人間は、負けることを考えていません。
負けるかもしれないとは考えるものの、
最終的には、「勝てる」がそれを上回る
からこそ、理論上は負ける勝負にいどむことができます。
その考えは、ギャンブル依存症を発症することで、より強固なものとなります。
- 熱くなりたい、スリルを味わいたい
- 全身の血が沸騰するような、魂をふるわせる勝負がしたい
それらは結局のところ、勝てなければどれも味わえません。
それもあるので、病的なギャンブラーになると、よけいに勝つことしか考えられなくなるのです。
借金を背負ってでも、不利だとわかっている勝負にでる。つねに勝ちにいき、負けることなんて毛ほども考えない。
この、いわば「狂戦士」のような状態は、精神的な病を患っているからこその話で、私たち本来のすがたではないと思います。
ところが、ひとたびこうなってしまえば、
- 行動に意志が反映されなくなって、
- 完全にコントロール不能な状態になる
と、「突っ込んでいくモード」を解除するのはもうムリになってしまいます。
つねにお金はなく、夢も希望も消え、まえが見えなくなります。
さきにつづいている道にはパチンコ店しかなく、そして、お金はなんとかすれば調達できる……。
だからこそ私たちは、われを忘れて狂ったように、一直線にパチンコ店を目指して突撃するのです。



では、その道が開けたとしたらどうでしょう?
狂戦士としてパチンコ店に突撃するのではなく、本来の自分のために狂戦士になれるとしたら?
勝つことしか考えず、負けることは考えないで特攻できる精神的なドーピングを、
ギャンブルではなく、自身の人生に対して
使用できるようになるとしたら、それは大きなメリットに変わるのではないでしょうか?
ギャンブル依存症で変化したままの金銭感覚
「勝てる」しか考えないのは、ギャンブルではなく、自分の人生。
これを可能にするには、どこか頭のネジがはずれていないとむずかしいと感じます。
ただ私の場合、一部の金銭感覚は「当時のバグった状態を引き継いでいる」ようで、これができてしまっているようなのです。



バグッているというよりも、
ギャンブル依存症によって考え方が変化した、といったほうが近いのかもしれません。
そして、その変化したままの感覚というのが、以下の2つ。
- 一部の金銭感覚がおかしい
- 正常なリスク計算ができない(リスクへの恐怖がない)
これらがメリットにかかわるので、それぞれくわしくお話します。
1. 金銭感覚がいい意味でおかしくなった


パチンコをやめられたあとも、一部の金銭感覚はおかしくなったままでした。
私は年間マイナス約100万円のペースで、10年以上パチンコに行っていたので、1000万円以上は負けてきました。
使えるお金はほとんどすべてパチンコに費やしてきた
といってもいいほどで、生活はいたって質素倹約。
それ(質素な生活)は、パチンコへの依存を克服した現在もとくに変わっていません。



では、どの感覚が変化したのかというと、
100万円単位、1000万円単位のお金に対して、それほどの大金だとも思わなくなった、ということです。
語弊がないようにいっておくと、現状、私の生活水準はかなり低いです。
100万円なんて手元になければ、1000万円ものお金を用意することもできません。
年収も200万円以下とたかがしれていて、奨学金という借金までをもかかえている始末です。
けれど、



それくらいのお金なら、まあ今後どうにでもなるかな……
と、私には思えてしまうのです。
パチンコのやりすぎで頭がおかしくなった?
いえ、私がそのように考えるのには、つぎでお話しする理由があるからです。
2. リスクを恐れなくなった


私はギャンブルを長くしていたせいか、一部では正常なリスク計算ができなくなりました。
たとえば、当ブログの運営作業に集中するため、



なんの保障もない状態で本業の仕事をやめました
そうすることで、生活が立ちゆかなくなるのはわかっていましたが、それでもやめました。
やりたいことをできずに、ただ時間をたれ流すのが、我慢ならなくなったからです。
病的ギャンブラーが持つ辞書には、「リスク計算」の言葉は載っていません。
ところが、病的ギャンブラーでなくなった私が持つ辞書にも、「リスク計算」が新たに載ることはなかったのです。
正常な判断ができていれば、生活が破綻する危険を負ってまで、仕事をやめるという選択はしなかったでしょう。
ようは、私はいまだに、
やりたいことに関してはリスクを恐れず、やれることしか考えないままに突っ込んでいく、
あのころのままなのです。
克服者は2つの回路とトリガーを得る?
ギャンブル依存症になってしまうと、脳内には依存を発動させる回路が生まれ、「それは一生にわたって残りつづける」といわれています。



ですから依存者は、何があってもギャンブルにふれてはいけないと
しかし私は、これまでのとおりで、別の回路も生まれるのではないかと思うのです。
- 大金を大金とも思わなくなる回路と、リスクの計算ができなくなる回路
- しかもそれは、自身の精神力でトリガーを引くことができて、
- お金に対する不安を吹き飛ばし、狂戦士となって、ただ前へ進めるようになる
そんな新たな回路です。



これこそが、私が考える「ある種のメリット」です
たしかに、お金がないことを苦に思うことはあります。
ギャンブル依存症になってしまうと、職の機会も失うことになる
ですから、その後も生活苦はのこり、先が見えなくなってしまいそうになることもあるのです。
だけど、自分にはトリガーがある。
そう考えて新たな回路を作動させれば、お金がない恐怖なんて、すぐに消し飛びます。
やりたいと思うことが、目の前にあるのなら、
- リスクなんてものは考えず、
- ただ夢中になって突っ込んでいった、
あのころとおなじ「狂戦士」になれたりもするのです!
そう考えると、ギャンブル依存症になってしまった経験も、わるいだけではないですよね?
だれもがそうなるわけではないと思いますが、私がそうなったように、おなじことが起こることもあるでしょう。



回路というより、遺伝子に近いのかもしれないな
ギャンブル依存症を克服できれば、いつでも爆死覚悟で戦うことができる、狂戦士の遺伝子を得られるかもしれないという話です!
失ってきたお金は自力でまた稼げると認識しよう
さて、これで最後ですが、金銭感覚がもどると「使ったお金への後悔」が生まれてくると思います。



しかしこれも「今後どうにでもなる」のとおりで、
「パチンコで負けたお金はまた自力で稼げる」と認識したほうがいいと思います。
私は借金をしながら長年パチンコをしていたので、消費者金融に支払った利息も100万円を超えています。
冷静に考えれば、負け+利息があれば、だいたいのやりたいことはできたでしょう。
しかし私は、この使ったお金に関しては、このように考えています。
「1000万円以上も使ってきた=自力で1000万円以上使えるお金を稼いできた」なので、これから同額以上を稼ぐのはそれほどむずかしいことではない。
これは、なにもおかしなことをいっているわけではないと思います。
パチンコをするために使ってきたお金は、だれもが、基本的には自力で稼いできたもののはずです。



まぎれもなく、私たち自身の力でつかみ取ってきたお金です
それなら、これからだって、もっとつかみ取ることはできるはずですよね?
たしかに、皆がみな、すくなくはないお金を失ってきたことでしょう。
でも、それ以上のお金をこれからまた稼げるのなら、なくなったものはもういいのではないでしょうか?
- タバコを吸っていなければ車が買えた
- ギャンブルをしていなければ家が買えた
そんな話はよく耳にしますが、私からすれば、そんなものはただの絵に描いた餅です。
どうせタバコもギャンブルもしていなければ、お金は、ほかのことに使ってなくなっていただけだと思います。
使ってきたということは、そのぶん稼いできたということ。稼いできたということは、これからももっと稼げるということ。
パチンコで消えたお金に関しては、そのような考え方でいいのではないでしょうか?
過去を悔やむことに意味はないとはいいませんが、パチンコの場合は、負けたお金を悔やんでも意味はありません。



これから働いて、もっと稼げばいいだけの話です!
負けを取り返すもなにもないのです。
お金を使ったさきがパチンコだった。ただそれだけの話で「もういい」と私は思いますよ。
今回のまとめ
- パチンコで狂った金銭感覚は適正な使い方を覚えれば直る
- ただし一部の金銭感覚は変化することもある
- 変化した考え方は先に突き進めるメリットになることもある
いまこうした話ができるのは、パチンコをやっていたからこそで、これは「その経験が役に立っている」ということだと思います。



ですから、やはり、
人生における経験に、完全に無駄になるものはないと思います。
ギャンブル依存症は、控えめにいっても地獄のようなものです。
しかしその地獄を越えていけたのなら、その経験は、きっと人生にとってのメリットに変わるでしょう。
私はいま、そういった経験を生かしながら、ギャンブルと戦うのではなく、自分自身の人生と戦っています。
目標はたくさんありますが、ゴールは設定していません。
ゴールなんてものは、前に進むだけの狂戦士には、必要ないからですよね。
克服後に見える景色は、人それぞれだと思いますが、だれにも共通するのは「明るい未来しかない」ことです。



なので、いっしょに目指しましょう
そこには、想像できなかったような、楽しい毎日が広がっていますよ。
パチンコ以外の趣味をつくろう
借金があるなら完済をめざそう
パチンコの後悔は今後にいかそう
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