パチンコをやめた後で「1回だけ」をするとどうなる?元依存症が検証してみた

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パチンコをやめた後で「1回だけ」はできるのか

元重度のギャンブル依存症である私には、いくつかの疑問がありました。

つぎのような疑問です。

元依存症の疑問
  • パチンコをやめた後で再び行ってしまうとどうなるのか?
  • 月1回くらいと決めてパチンコで遊ぶことはできるのか?
  • ギャンブルをやめた後でも行ってしまえば以前のように戻るのか?

ようは、ギャンブル依存症者は「パチンコを辞めたあと(依存症の克服後)なら正常に遊べるようになるのか?」ということです。

月1でやりたい人

できることなら、趣味として月1回だけパチンコに行きたい……

パチンコ依存症になってしまった人でも、だれもが最初は好きでやっていたわけです。

趣味の範囲で遊べるとすれば、「月一回」くらいなら、わるくはないともいえるでしょう。

ミナト

そこで、このナゾを解き明かすため、身を投げ打ってパチンコ店に行ってきました

  • パチンコの1回だけは、ほんとうに1回でおわるのか?
  • というか、1回だけでおわらせられるのか?

本記事では、この疑問に答えをだします。

注:結果からいうと、1回だけなんていうのは不可能でした。2019年ごろの話です。

著者プロフィール
ミナト

ミナト

10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら

目次

私がパチンコを辞めたワケ

私がパチンコを辞めたワケ

そもそもの話で、なぜ私は「パチンコをやめたのか」からお話ししましょう。

イブスター店長

これは冒頭のとおりだな

私にはギャンブルに依存症状があって、生活がすでに破綻していたからです。

破綻した生活
  • やめたくてもやめられなかった期間は10年以上
  • 負けは1000万円オーバーで借金漬け、死にたくなることも多々あった
  • 仕事は朝から深夜までの激務で、人生には夢も希望もなく、ただパチンコがそこにあるだけ

当時はなんのために生きているのかも、よくわかりませんでした。

パチンコのせいでお金は貯まらない(借金の返済がおわらない)ので、ほかにやりたいことがあってもできる気配を感じられません。

将来のビジョンとか、夢とか希望とか、そんなものはなにもなし。

ようは、ほんとうに長いこと、「パチンコに行くのが人生」になってしまっていたのです。

ミナト

できることならもう辞めたいのに、ですよね

そして、ついに限界をむかえた私は、人に助けてもらう方法を行使してパチンコをやめました。

やめた……というよりも、なんとかして「辞めた人になれた」といったほうが正しいですね。

それで、その地獄を乗り越えてからしばらくしたあとで、思ったのです。

「じゃあ辞めたいまは(パチンコのコントロールは)どうなっているんだ?」と。

パチンコに1回だけ行きたくなった理由

パチンコに1回だけ行きたくなった理由

もともとは私も、好きでギャンブルをやっていた人間です。

それもあって、その後はこう考えることもありました。

ミナト

パチンコで1回だけって可能なのか……?

結論からいうと、そんなことは不可能だったのですが、ここではそう考えた(1回だけ行きたくなった)理由をお話しします。

結果・本題から見たいときは、スリップとリバウンドの記録までジャンプしてください。

10年以上におよぶギャンブル依存症を克服

これを達成できた私は、その後は、パチンコのない安定した生活を送れていました。

イブスター店長

ところがその状況は、「仕事の長期休暇」によって一変したんだ

生活(時間)の大部分を占めていた仕事が、急に、しかも長期で休みになると決まったのです。

さらに、休みで時間ができたところに、以下の条件が重なりました。

  1. その仕事は休み後に辞めることが決まっていた
  2. イヤな気分になる出来事が起きた
  3. 退職後に海外カジノに行くことになっていた

特殊な話もありますが、すべて「1回だけ」問題に関係する部分があります。

本題に入るまえに、まずは、それぞれの条件を簡単に補足しておきます。

1. 仕事を片方辞める(時間が増えるとどうなるか)

時間が増えるとどうなるか

2019年当時、私はバーの仕事をしていたのですが、それを辞めるのが決まっていました。

これにより、今後は多くの自由な時間(最大で1日12時間ほど!)が手に入ることになっていたのです。

ミナト

そんなとき、こう思ったわけです

  • パチンコに行かない生活をこれからも続けることができるのか?
  • 今後行きたくなったとき、息抜きとして1回だけ遊ぶような付き合い方はできるのか?

「時間が増える=パチンコに行きたくなる機会が増える」でもあります。

加えて、後者の「1回だけの制限を守れるのか?」は、じっさいに行ってみなければ答えを知ることはできません。

危険性は感じるけれど、検証はしてみたい。

強い好奇心もあって、私はそう考えるようになっていました。

2. イヤな出来事が起きた(ストレス発散は可能か)

パチンコでストレス発散は可能か

バーの仕事を辞めることにしたのは、当ブログの更新作業に時間を使いたかったからです。

ところが、退職前のタイミングで、仕事でかなりイヤな思いをするできごとがありました。

ミナト

完全にやる気失せたな……

急遽の休みで時間はたくさんあるというのに、「なにもする気がなくなって」しまったのです。

イヤなことがあったときに、ちょっとした気晴らしは可能なのか(パチンコでストレス発散はできるのか?)も気になりました。

ちなみに、パチンコでストレス発散もむずかしいと感じます。負けてストレスがたまるだけで逆効果です。

3. カジノで勝負(別のギャンブルでの誘発はあるか)

別のギャンブルで誘発はあるか

仕事を辞める決断をしたはいいものの、たいした貯蓄もない。

そこで私は、その後の生活費をかせぐため、退職後に海外カジノでひと勝負をしてくるという、無謀な計画を立てていました。

それ以前に行った海外カジノでの経験から、「カジノは勝てる」と思い込んでいたからです。

たまたま勝てて、パチンコ依存も再発せず+カジノに依存することもなかったので、当時はこんな計画を立ててしまっていました。(関連記事:ギャンブル依存症がカジノに行ってわかった4つのこと

ただし帰国後は、バーの仕事は辞めているので「時間」がある。

  • いつでもギャンブルができる状態で、
  • カジノ(別のギャンブル)の刺激を受ければ、

またパチンコ漬けの生活にもどってしまうのではないか?

そういった懸念があったので、「パチンコをコントロールできるようになっているのか」も、私は確認したかったのだと思います。

再パチンコの動機まとめ

再パチンコの動機まとめ
  1. 息抜きとしての1回だけは可能か知りたい
  2. 重いストレスの発散のときだけできるかを知りたい
  3. 別のギャンブルにふれても大丈夫なのかを知りたい

このとおり、今回の再パチンコには、いくつかの動機がありました。

しかしその衝動は、じつはそこまで強いものではなく、ふつうに我慢できるほどのものでした。

イブスター店長

じゃあ、なんでそれでも行ったんだ?

いちどギャンブル依存症になると、二度と正常なギャンブルはできなくなる。

結局は、このギャンブル依存症に関する定説を、自分の目でたしかめたかったからでしょう。

たしかな事実であっても、自分が経験しなければ、真実にはたどり着けない

ミナト

ギャンブル問題にかぎらず、つねに私はそのように考えています

カジノに突撃しようと計画していたのも、じつは、

  • べつのギャンブルならコントロールできるのか?

を知りたい、たしかめたい、というのもありました。

そんなわけで、自分はどうなるのかを知るためにも、私はパチンコ店に行ってみることにしたのです!

パチンコ店でのスリップとリバウンドの記録

パチンコ店でのスリップとリバウンドの記録
ミナト

では、ここからが本題です

パチンコをやめたあとで1回だけはできるのか? をたしかめに行ったときの記録です。

私がまず向かったのは、生活圏にあるパチンコ店(X店とします)で、これまで数回ほど行ったことがあるお店でした。

イブスター店長

ただ、「結論からいうと不可能だった」としたようにだな、

この件は1回だけではおわらなかった。

よってここでは、再パチンコ(スリップ)と再発(リバウンド)の記録を、すべてのこしておくことにします。

パチンコを辞めたあとでまた行ってしまえばなにが起こるのか?

それがわかると思うので、どうぞ結末までごらんください。

ちなみに、このときはスロットをやることにしました。

初日:やめた後はつまらないと感じるようになっていた

パチンコをやめたあとはつまらないと感じた

初日にパチンコX店で私がすわったのは、悪魔城ドラキュラシリーズとのタイアップ台でした。

サンドに1万円札を入れ、意気揚々と遊技を開始します。

ところが、なんというか……これがなにも感じません。

ワクワクすることもなければ、ドキドキすることもなく、淡々と回転数だけが増えていくだけ。

1000円で30数回転と、相変わらずお金が消えるのは早く、投資はすぐに1万円を超えました。

そして、なにも起きずに2万円を使い切ったところで、私は思ったのです。

ミナト

(スロット)つまらんなマジで……

ひさびさにパチンコ店で遊んだ感想は、出ない、つまらない、演出のあおりでイライラするだけ。

あれ、こんな感じだったっけ……!?

かつてはそこにあったおもしろさを、まるで感じられなくなっていたのです!

……とはいえ、使ったお金は取り返したいと思うのが人のさがです。

「負けをなんとかしよう」と、台移動をするなどして私は粘り、結局パチンコ店を出たのはお店の閉店時間でした。

結果は、わずかに負けを取り返すことができてマイナス1万8000円。

パチンコに久しぶりに行くとやたらと負ける気がするのですが、やっぱり負けました。

これで、「1回だけ」はおわるはずでした。

2日目:最速で「決まり」を破って再パチンコへ

最速で決まりを破って2回目の再パチンコへ

パチンコ店での「1回だけ」はすでにおわっています。

勝ち負けは関係なく、本来はここでヤメにしなければなりません。

しかし結局、そういうわけにはいきませんでした。

ミナト

1回だけ……いや、2万円くらいだったら取り返せるはず

負けたぶんを取り返してやめよう……!

私はなんのためらいもなく、つぎの日もパチンコX店へと向かいます。

前日遊んでいたのとおなじ台で遊び、さらに2万5000円のお金を失いました。

いま思えば、ギャンブル依存症のおそろしさは、このタイミングで発揮されていたように感じます。

初日では「つまらない」と感じたパチンコ店での遊戯は、なんと2日目にはもう、「楽しい」と感じるようになっていたのですから。

4日目:別のパチンコ店にも行くようになった

別のパチンコ店にも行くようになった

仕事を片方辞めることが決まっていて、おまけに休みで働いていないぶん給料も減る。

その後の私にとって、お金は命そのものです。なんとしてでも負けは取り返さなければなりません。

ミナト

2000枚ならなんとかなる。まだこれくらいなら取り返せる……

イブスター店長

爆死する未来しか見えないけどな

私は行ったことがない近隣エリアにあるパチンコ店(Y店とします)に突撃します。

事前にしらべておいた台で遊びはじめます……が、これも、まったくやれる気配を感じられません。

新規開拓したY店でも負け、結果はマイナス4万3000円で敗退となりました。

5日目:スロットの無理ゲー感に爆死濃厚

スロットの無理ゲー感に爆死濃厚

ここまでのトータルは、3回でマイナス8万6000円です。

あまりの勝てなさに「さすがに取り返すのは不可能では?」と思われましたが、私が考えることは、ひとつしかありませんでした。

ミナト

4000枚出せばチャラ……!

一発当てればなんとかなりそうな台を目指し、またしても私は初日のX店へ。

しかし、ここで体感させられたのは、低設定に特有の圧倒的な無理ゲー感でした。

結果はマイナス4万円と、この日もまた負けました。

7日目:最終日まで負け通しでフィニッシュ

全敗でフィニッシュ

ここまでくると、もう負けを取り返すのは無理。

それならば、すこしでもダメージを軽減させたい、という話になるわけです。

そこで私は、もういちどパチンコY店に向かったのですが、もはや結果はみえていました。

ミナト

そう、全敗です

マイナス2万7000円、オール負けでフィニッシュです!

パチンコで「1回だけ」の検証結果と考察

「パチンコで1回だけ」の検証結果と考察

今回の「パチンコで1回だけは可能なのか?」を検証した結果をまとめます。

以下のとおりとなりました。

スクロールできます
日数パチンコX店パチンコY店収支合計
初日(1回目)-18,000-1万8000円
2日目(2回目)-25,000-4万3000円
4日目(3回目)-43,000-8万6000円
5日目(4回目)-40,000-12万6000円
7日目(5回目)-27,000-15万3000円

わずか1週間のうちに15万円もの大金を失いました。

また今回の検証では、以下のことがわかりました。

  • 1回でも行けば知らない台・新しい情報が目に飛び込んでくるのでもうムリ
  • 負けていると取り返そうとするので、負ければよけいに1回ではすまなくなる
  • パチンコへの依存症状を復活させるのには1回だけでじゅうぶんだった
ミナト

とくにおそろしいと感じたのが、「③依存症状の復活」です

当初は、パチンコ店で久しぶりに遊んだからといって、体に電流が走るような「快感」をおぼえることはありませんでした。

ところが、2日目にはもう、その話はくつがえっていたのです!

「ギャンブル依存症になると、依存症状を発生させる回路は脳に一生のこる」といわれています。

さびついた回路に油を差してよみがえらせ、ふたたび電流が流れるようにする……。

イブスター店長

そのためには、「たった1回」のギャンブル行為があればじゅうぶん、ということなのだろう

ひとたび足をすべらせれば真っ逆さま。

今回でわかったのは、パチンコの1回だけなんていうのは不可能であり、とりわけ過去に依存経験があったのなら、それはなおさらの話だということです。

もし最初が(負けではなく)勝てていたとしても、つぎのような理由で依存症は復活していたと思います。

  • 勝って浮いたお金でもう1回
  • もうちょっと打ちたい、演出が見たい
  • ほかの台も気になる

ようは勝っても負けてもおなじです。1回でも行けばほぼ確実にパチンコ通いは復活する、と思っていたほうがいいでしょう。

今回のまとめ

  • パチンコで1回だけはギャンブル依存症者には不可能
  • 勝っても負けてもまた行くので1回だけではおわらない
  • 行ってしまえば興味関心はまたパチンコに集中するようになる

今回の検証で、パチンコをやめるのに成功したとしても、1回だけ遊ぶなんて芸当はできるようにはならない、ということがわかりました。

  • 負ければ負けたお金を取り返したくなる
  • 中途半端に勝てれば、勝ったお金でズルズルとパチンコ漬けの生活にもどっていく

パチンコに依存経験があるなら、こうなる可能性はきわめて高いので、「1回くらいなら……」と思っても絶対に行かないほうがいいでしょう。

ようするに、パチンコ依存症の克服に成功したのなら、なにがあっても二度とパチンコ店には行ってはいけない、ということです。

ミナト

これが、体を張って私が出した結論です……

それから、パチンコをやめたあとで再度行ってしまうと、興味関心がまたパチンコに全変換されました。

ほかの趣味ができていたとしてもです。

脳の変化によって、ギャンブル依存症者の興味関心は、ギャンブルに集中することが報告されています。

それが2回目以降を誘発する(大きな)原因にもなると感じました。

ですから、今後パチンコに行きたくなることがあったら、

  • 行けば確実にまた昔のような地獄にもどると考え、
  • そうならないようにパチンコ以外の趣味で気をそらしてあげる

そのようにするのがベストだと思いましたよ。

イブスター店長

いずれにせよ、もう行ってはいけないということだな

タバコの1本だけ、アルコールの1滴だけ、パチンコの1回だけです。

パチンコに行きたくなったとき、この記事の内容が、踏みとどまるブレーキとなってくれればと思っています。

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