コブタの通院(その3)初めての向精神薬、初めての「希望の薬」

精神科の病院を転々とするトンちゃんでしたが、ついにこの人ならと思える先生と出会い、向精神薬での治療を始めることを決意します。

精神科の病院に一年間通うも精神疾患や身体症状に何ら変化が見られなかったことから通院することを止めてしまったトンちゃんでしたが、辛い日々に耐えきれず、再び精神科の病院に救いを求めるのでした。

コブタと精神薬

二軒目の精神科に一年ほど通うも症状が改善することがなかったため、トンちゃんは通院することを止めてしまいます。通院中に始めたアルバイトでなんとか生計を立てていましたが、辛いことや嫌な事があったりしても話を聞いてくれる人がいなくなってしまったため(それまでは精神科の先生がある程度は話を聞いてくれていました)、精神的な辛さに耐えきれず自宅から近くの別の精神科を受診することにします。

3軒目の精神科

トンちゃんは自宅近くのメンタルクリニックを訪れました。先生はおばあちゃんのような年配の女性の方で、診察の結果「うつ病」「不安障害」と診断されました。
先生は話をじっくりと聞いてくれる方で、治療に用いる薬はやはりまだ向精神薬を服用するのに抵抗があったため、前回と同じ漢方薬「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」を処方してもらうことになりました。
トンちゃんは家族の中で一番信頼していたのが祖父母だったため先生にも親近感を覚え、初めのうちは毎回長い時間をかけて話を聞いてくれたこともありここなら大丈夫かもしれないと思ったのですが、回を重ねるにつれて前と同じ事を何度も言われたり、同じ事を聞かれたり、しまいには診察中に先生が寝てしまうようになってしまったのです。
トンちゃんの話があまりにもつまらなかったのか(仕事なのでつまるもつまらないも関係ないと思いますが……。)それともやはり年齢的に仕事がきつく眠かったのかわかりませんが、トンちゃんの中では先生を今後も信用していくことができなくなってしまいました。

4軒目の精神科

おばあちゃんの先生のところではだめだと思い、トンちゃんは自宅から少し離れたメンタルクリニックを受診することにしました。
先生は30~40代くらいの男性の方で、ここでは特に詳しい病名は言われなかったのですが、頓服薬(とんぷくやく:症状が出た時、または出そうな時に飲む薬)として抗不安薬(一般的に安定剤、精神安定剤と呼ばれているもので不安や緊張を和らげる薬)を処方してもらうことになります。薬を飲むことにはまだ抵抗はありましたが、常用するわけではないので飲めるかどうかは別としてトンちゃんは頓服薬を貰うだけ貰うことにしました。
しかし先生の対応が業務的に感じ、次第に自分が「物」のように見られているように思えてきてしまい、先生を信頼する事ができなかったためトンちゃんはまた別の病院を探すことにします。

5軒目の精神科

ひとまずは落ち着き、その後暫くお世話になるのがこの5軒目の病院でした。
トンちゃんは自宅近くの診療所を受診します。先生はまたおばあさんのような年配の方でしたが、病気のことや日常生活で辛いことなどトンちゃんの話を毎回30分以上聞いてくれる方でした。しっかりと話を聞いてくれる先生の姿に、トンちゃんはこの人なら信用できるかもしれない、今まで副作用などが怖くて避けていた向精神薬を飲んで治療を始められるかもしれないと思い、向精神薬での治療を開始することを決断します。
診察の結果、ここでは「抑うつ(状態)」「不安障害」と診断され、抗不安薬(精神安定剤)と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:神経伝達物質であるセロトニンの量を一時的に増やす薬)という種類の抗うつ薬を処方され、それらを毎日飲むことになりました。

副作用は怖いけれど、それを乗り越えられれば毎日を憂うつで辛いだけのものにしてしまう病気や、子供の頃から悩まされ続け日常生活に多くの制限をかけてきためまいなどの身体症状も良くなってきっと全てがうまくいく。ようやく「普通の人」として生きていけるようにきっとなる──
そう信じていたトンちゃんでしたが、この時はまだ、後に「あの時先生を信用して薬なんて飲まなければよかった」と思うことになるとは知る由もありませんでした……

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