自粛要請を振り切り営業を続けるパチンコ店。そしてそこに群がる人々。彼らは、一体何を考えているのか。
2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるため、日本全国では緊急事態宣言が発令され、パチンコ店を含む遊興場は特措法に基づき、営業の自粛が要請されていました。
しかし、大半の店舗が営業を自粛する中、要請を無視して営業を続けるパチンコ店が出現し、それを知った人々が大挙して押しかける事態に発展してしまったのです。
そんな彼らは、一体何を考えてパチンコ店へ向かっているのだろうか。
目次
新型インフルエンザ等対策特別措置法
爆発的な感染力を持つ新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で大流行し、日本では7都府県から始まり、全国で非常事態宣言が発令。各自治体は特措法に基づき、パチンコ店などの人が集まる施設の営業自粛を要請していました。
また、この特措法というのは「新型インフルエンザ等対策特別措置法」のことで、これは新型インフルエンザなどのウイルスが全国的かつ急速に蔓延し、これへの感染が国民の生活及び経済に重大な影響を及ぼす恐れがある場合、国民の生命や生活、経済を守るために特別な措置をとることができると定めた法律のことで、当初各自治体は、
都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。第二十四条 9項
とした、特措法24条に基づいて営業の自粛を要請していたのですが、大半のパチンコ店がこれに従う中、要請を無視して営業を続ける店舗が続出したのです。
そこで、先陣を切った大阪府では、特措法24条よりも強力な規定である特措法45条、
特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、……国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは……多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者……に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止……措置を講ずるよう要請することができる。第四十五条 2項
これに基づき、休業要請に応じないパチンコ店に対して店舗名を公表することに踏み切りました。そして、この特措法45条に基づいた店舗名の公表は、大阪府から全国へと広まっていったのです。
緊急事態の中パチンコ店へ行く人々の思考
しかし無情にも、店舗名を公表する措置が逆効果となってしまう。
それまで開いている店舗を知らずに眠っていた人々が、営業しているパチンコ店の場所を嗅ぎ付け、開店前から長蛇の列ができてしまうという事態に発展してしまったのです!
そこで各メディアは不要不急の外出自粛が求められている中、パチンコ店に集まる来客にインタビューを敢行。果たして、彼らは一体何を思ってパチンコ店に集まっていたのだろうか。ここからは、彼らの発言をいくつか取り上げさせて頂きたいと思う。
1. 別にいいや……
(パチンコをするリスクは?)負けるぐらい?負けるリスクぐらい(笑)――都内女性
一体何がそんなに面白いのか?
失礼ながら頭の中までフィーバーしているとしか思えないこの発言。自身が感染すること自体は別にいいかもしれませんが、問題はそれを無関係の人に移してしまい、無関係の人の命を奪ってしまうかもしれないところにあります。
そして医療関係者を筆頭に、自身が感染すれば多くの人に迷惑をかけることになると、なぜそこまで頭が回らないのか。他人のことを考える回路すらも、パチンコが持つ熱は焼き切ってしまうというのか。
猛省せよ
2. 運がなかっただけ
まるで感染すらもギャンブルだとでも言いたげな、後世に語り継がれるかもしれないこの迷言。
確かに、自粛が求められているのにも関わらず人が集まる場所に遊びに行き、それでウイルスに感染してしまうのは自分自身が悪い。しかし、感染すること自体を運がどうだと言うのはお門違いってものでしょう。
ウイルスに感染するかどうかは博打ではない。そして、そんなものに賭けられるほど命は安っぽいものではない。
ギャンブル脳、ここに極まる
3. ストレスの発散
誰もがこの状況にストレスを溜め込んでいます。それは自分だけじゃありません。そして一刻も早くこの事態を収束させるためには、現状、全員がストレスに耐えて自粛を続けるしか方法はないのです。
確かに、パチンコばかりやっていると、ストレスを発散する方法がパチンコしかなくなってしまうのはわかる。ただ、今は開いているパチンコ店を探すのではなく、新しいストレスの発散方法を探す時でしょう。
探してみればいい。そして試してみればいい。今こそが、パチンコ店という閉ざされた小さな世界から抜け出すチャンスだ。
マスクをつけて外でも走っとけ
4. 俺はかからない
何の根拠もない自負心はギャンブラー特有の幻想。
負けると思ってギャンブルをする人間などいません。誰もが勝てると思うからこそ人はギャンブルに金をつぎ込むことができるのです。
自分は勝てる、自分は負けない、自分は大丈夫……。
何度も言うように、そう思っている時が一番危ないのです。
根拠のない自負心が身を亡ぼすと知れ
5. ビシッとやる
パチンコへの依存が進むと、絶対に超えてはいけないようなラインでも平然と超えられるようになってしまいます。たとえそれが、家族の身を危険に晒すようなことであってもです。
家族の中に小さな子供がいたらどうするのか?誰が子供の面倒を見るのか?もし自分のせいで家族の命が奪われた時、その時は一体何を思うのか?
玄関に入った時だけ何かしらの対策をするだけで感染が防げるのであれば、世界中でここまでウイルスは蔓延していないでしょう。
PUSHボタンをビシビシ叩くのとは訳が違うぞ
6. 全部止めた方がいい
この方は自身が依存症と自覚があるのかもしれません。
ギャンブル依存症になってしまうと、誰がどう言おうが、絶対に行ってはいけないような状況だと自分でもわかっていても、足が勝手にパチンコ店に向かってしまいます。そして、パチンコ店に足を向けさせるその衝動は、自分一人の力だけでどうにかするのは限りなく不可能に近いほど強力なものです。
しかし、そうであっても、店がやっていなければパチンコ店に行くことはありません。なぜなら、どう足掻いてもパチンコ店に行くことができないからです。
やはり感染の拡大を食い止め、一刻も早い収束を目指すのであれば、人が集まらないよう一時的にパチンコ店を全て閉めるしか方法はないのではないかと私は思います。
パチンコ店が開いてなければ誰も行かない、行けない
今回のまとめ
・1人1人の行動が経済を守ることにも繋がる
・パチンコ依存者を救うためには全店舗休業しかない
なぜパチンコ店だけなのか、これは魔女狩りじゃないのか。そういった意見も一部見受けられますが、これだけの緊急事態だというのに、これだけの人が集まってしまうのであれば、これは致し方ないのではないかと私は思います。
そして、この期に及んでも賭場を開き続けているというのは、血を流しながらも休業している全ての業種の努力を無に帰すことに違いありません。
パチンコ依存症の方にとって、店は開いているけど行くなというのは少々無理がある。だからこそ今は閉めるしかない。それしかないと思います。
最初は我慢するのは非常に辛い。ただ、それも最初の内だけだ
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