【ギャンブル依存症の末路】パチンコ店で割と真面目に死ぬかと思った話

私にとってのパチンコ依存症の末路。それは、パチンコ店でわりとまじめに死にかけたことかもしれません。

パチンコやスロットにのめり込んでしまったことが原因で、借金にまみれて首が回らなくなり、仕事や家族などもすべて失い、果ては人生に絶望してみずから命を断ってしまう……など、ギャンブル依存症によって人生が狂った話というのは、ひと昔前であればわりと耳にするようなことでもありました。

そういう私も元重度のパチンコ依存者で、お金はもちろん、人の信用や、自分自身の健康など、数々のものを失った過去があり、この身をもってギャンブルの恐ろしさを体感してきました。

そこで、そんな自身の経験のなかでも、今回は人生が終わってしまうかと思った話、わりとまじめにパチンコ店内で死ぬかと思った話でもしたいと思います。ものすごいくだらないことなのですが……

事件はパチンコを打っているときに起きた

病的なギャンブラーになればなるほど、もしかするとこの傾向が強くなるのかもしれませんが、私の場合パチンコをしに行くと、途中で休憩などは取らず、水以外はいっさい口にしませんでした。

朝10時の開店からパチンコ店に入ると、なにも食べずに閉店まで粘り続け、そのあいだに口に入れるものといえば水やお茶などの飲料だけ。

おなかが空こうが、おなかが減りすぎておなかが痛くなろうが、ひたすらロボットのようにハンドルを握り続けるか、レバーを叩き、ボタンを押し続けました。

パチンコ店は営業時間が限られているので、休憩する時間が惜しく、休憩を取るのであればその分を遊技にまわしたいと思っていたからです。

そのほかにもいろんなものを犠牲にしてパチンコを打っていたので、食事なんてものは当時はいまさらの話だったのですが、この病的なまでにパチンコにのめりこんだ遊技スタイルが、ある日、私の命を危険にさらしたのです。

その水が命を危険にさらす

当時はパチンコをすることが生きがいであり、パチンコができることが最上の喜びだと感じていたので、私はいつものようにパチンコ店に行き、その日はスロット台で遊技していました。

飲み物を買いに行く時間も、トイレに行く時間ももったいない。私は狂ったサルのようにレバーを叩いていたのですが、途中区切りがよくなったタイミングで飲み物を購入すると、喉の渇きを癒やすため、一気に水を胃に流し込みました。

ところが、おそらく水を飲む姿勢が悪かったせいか、飲み込んだ水の一部が気管に入ってしまい、私は「誤嚥」を起こしてしまったのです。

誤嚥(ごえん)とは

私たちが口の中に入れた飲食物は食道から胃へと運ばれますが、喉にある食道の入り口には、呼吸をするための気管の入り口もあります。

通常であれば、飲食物を飲み込む際は気管の入り口にはふたがされるので、異物が気管の中に入ることはないのですが、ふたの開け閉めの機能が低下していたり、姿勢の変化などの理由によっては、気管の中に飲食物が入ってしまうことがあるのです。

このことを誤嚥といい、誤嚥を起こしてしまうと最悪のケースでは窒息死することもあるため(とくに高齢者に多い)、通常であれば、誤嚥を起こした場合は、反射的にそれを出そうと「むせ込む」という防御反応が起きます。

当然ながら、私もすぐにむせ込みそうになったのですが、このとき、私が置かれていた状況はスロット台の目の前でした。

むせ込んで水を吐き出すとなると、スロット台めがけて吐くか、もしくは通路に吐き出すしかありません。しかもこのときというのは、水を一気に流し込んでいたのでけっこうな量があり、それをしてしまうと、スロット台もしくは床が水浸しになってしまいそうだったので、私は吐き出すのをこらえ、トイレまで走ることにしたのです。

ちなみにこの間、誤嚥を起こしてから0コンマ数秒です。ようするに、むせ込みそうになった瞬間に私は席を立ち、一目散にトイレまで走ったのです。

死に至る病、そして

隣の客
隣の客

ビクッ!(……あいつ大丈夫か?)

私は、入ってはいけないところに入ってしまった水を出そうとする防御反応を、口元を手でふさぐことで無理矢理おさえながらトイレまで走りました。

幸か不幸か、席とトイレは直線上にあり、その距離は10~15mほど。おそらくトイレが遠ければその場で吐き出していたと思うのですが、妙にいけそうな距離感だったため、私は間に合うか、間に合わないかのギリギリのところを攻めたのです。

それから数秒後、むせ込んで水を吐き散らしてしまうすんでのところでみごとトイレに到着した私は、自動ドアのプッシュボタンを連打しました。

長年パチンコを打ち続けてきたなかで、ここまでボタンを必死に連打したのは、あとにも先にもこのときだけだったと記憶しています。

湊
ミナト

(早く開いてくれ!)

自動ドアが開くまでの1~2秒のあいだにすでに限界がきていたため、口元から水が多少漏れましたが、なんとかトイレに到着した私は、洗面台に水を吐き散らしました。

かろうじて間に合った。ホールに水をぶちまけなくてよかった。さて、遊技を再開しようか……と思いきや、事態はそれだけでは収束しなかったのです。むしろここからがほんとうの地獄でした。

呼吸困難を起こした

しばらくのあいだむせ返り、気管の中に入ってしまった水をすべて出しきれたと安堵したのも束の間、私は強烈な違和感に襲われました。

……息ができないのです。

気管が痙攣を起こしてしまったのか、舌が喉元に巻き付いてしまったのか、理由は定かではないのですが、なぜか呼吸ができません。

息を吸おうとすると、喉元からは「ヒューヒュー」という、お祭りで売っている伸びる笛(吹き戻し)を吹いたときのような音がし、息を吸い込むことも、吐くこともできません。

(注:気道の中に水などが入ると、気道が閉塞する「溺水」というものや、それによって声帯付近の筋肉が痙攣し、一時的に呼吸ができなくなる「喉頭痙攣」という症状が現れることがあります)

そして私は気づいたのです。ペットボトルの水を口にしてからトイレに駆け込み、トイレでむせ返るまでのあいだは、ひと呼吸もしていないことを。

ある程度大きく息を吸ってから止めたのであればいざ知らず、なんの用意もなくいきなり息が止まった状態では、耐久時間は限られています。そのうえ、このときはむせ込んだことによって息を大量に吐いているのです!

呼吸ができず、酸素が欠乏し、急激に苦しくなっていくなかで私は思いました。

湊
ミナト

(救急車を呼んだほうがいいのか? いや、待てよ、そういえば救急車って何番だっけ……

これぞまさに、緊急時あるあるでしょう。とっさに番号が出てこないのです。

呼吸ができない苦しさとあせりで、携帯をいじる余裕なんてものもいっさいなかったのですが、いちおう言っておくと、救急車は119番です。

湊
ミナト

(というかそもそも、声、出ないじゃん……

電話をかける余裕もないため、考えていても仕方がなかったのですが、もし電話をかけられたとしても声が出ないため、この緊急事態を誰かに伝えることができません。

呼吸ができない苦しさが一定のラインを超え、しだいに意識がもうろうとしていくなかで、私は呼吸ができないつらさ、苦しさ、そして自分が置かれた絶望的な状況に対して思いました。

詰んだな、これは……と。

意識のうすれ具合からして、おそらくあと1分もしないうちに、気を失って倒れるだろうということがわかります。

パチンコ店のトイレで呼吸困難におちいって命を落とす……これがギャンブル依存症の末路か? いや、最低な人生の終わり方だった。原因がペットボトルの水というのもしょうもない。これは、末代までの笑いものだな……

そんなことをうすれゆく意識のなかで最期に思いながら、膝から崩れ落ちた、まさにそのときでした。

湊
ミナト

ゲホッ!

気道が開いた(?)のです!

それからふたたびむせ返ったものの、どうにか呼吸をすることに成功し、ギリギリで意識を失う前に私は、この絶望的な状況から生還することができたのです!

その後、席に戻った私はすべてがあほらしくなり、めずらしく閉店前だというのに出玉を流して帰りました。

今回のまとめ

・水を飲むときは変によそ見はしないほうがいい
・誤嚥を起こしたらさっさと吐き出さないと最悪死ぬ
・よく考えると末路ではなかった

まずは、このようなくだらない話を最後まで読んでいただいたことに、お礼を申し上げたいと思います。ほんとうにありがとうございました。

このままパチンコ店のトイレで死んでいれば、これが私にとってのギャンブル依存症の末路となりましたが、よくよく考えてみると、私は無事に生還することができたので、これは末路ではないということに気がつきました。

では、真の末路とはなんだったのかというと、これは今後の人生を切り開くため、すべてを賭けて臨んだ海外カジノでの勝負で、盛大に爆死したことだったのではないかと思っています。

パチンコ以外のギャンブルには依存することはなかったので、厳密にいえばパチンコ依存症の末路。私にとってのそれは、海外カジノで、夢も希望もお金も失ったことでした。

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