元ギャンブル依存者が語る!当時の7つの「パチンカス」エピソードまとめ

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元ギャンブル依存者が語る7つのパチンカスエピソード

パチンカスとは、「パチンコ」と「カス」を合わせた俗語。

パチンコやスロットばかりしている人間を、「このクズめ!」と煽り、侮辱するさいに使われたりする言葉です。

こういった言葉を使うのは、私はあまり好きではありません。

ただ、私はかつて、パチンカスといわれてもしかたがないような人間でした……。

この記事の内容
  • 元ギャンブル依存者の7つのパチンカスエピソードを紹介
  • パチンカスの特徴と一般の人(当事者以外)からの視点を考察
  • パチンカスの末路はどのようなものだったか

元重度のギャンブル依存症者(歴10年以上)である私は、ギャンブル問題で困っている人の気持ちがわかります。

だからこそ、くやしくもあるのです。

やめたくてもやめられない同胞が、カスだなんだと、そんなことをいわれてしまうのが。

そこでこの記事では、「パチンコによって人生をくるわされた人間でも立ち直れる」ことをお伝えするために、当時の私のパチンカスエピソードをお話しします。

ギャンブル依存者に向けられる、ふつうの人(パチンコをしない人)の視点についても、考察しておくことにしましょうか。

著者プロフィール
ミナト

ミナト

10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら

目次

パチンカスの特徴と一般人からの視点

  • パチンコばかりしている、パチンコこそが人生
  • 人の約束も守らず、どれだけ迷惑をかけてもパチンコが最優先
  • 嘘つきで言い訳は当たり前、縁を切りたくなるレベルののめり込み
  • お金はパチンコにしか使わない(趣味はパチンコ)

まあひかえめにいってもカスですよね。

いわゆる「パチンカス」の特徴は、すべてにおいて、なにごとにおいてもパチンコが最優先となっていること。

パチンコがほんとうに好きでやっている人もたしかにいます。

ただ、自分でやめたくてもやめられず、なかば不可抗力的にそうなってしまっている人もなかにはいるのです。

それこそが、パチンコ・スロットなどのギャンブル依存者ですね。

ところが、そんなことは、一般の人(当事者以外)には見分けがつかない。見分け方がわからない。

あせるネコ

それって「甘え」なんじゃないですか?

あせるネコ

「気持ちが弱い」だけの話なんじゃないですかね?

事実、私もこういったことを何度もいわれてきました。

もっとも理解してくれるはずの家族でさえも、そういうことをいったりするので、一般の人から向けられる目線はさらにきびしいものがある。

だからこそ「パチンカス」なんて言葉があるのでしょう。

でも、これに関してはしかたがありません。

なぜかというと、ギャンブル問題は、当事者にしかわからない部分がきわめて多いから。

100%理解してもらうなんてのはムリな話です。

どれだけ理解しようとする心をもった人でも、当事者がかかえる問題を完全に理解するのは不可能に近い、といえるのではないでしょうか?

ミナト

そもそも、自分のことを100%理解できるのは、自分だけですもんね

このギャンブル問題は、そういった「当事者と当事者以外の、大きな認識のへだたり」がある。

ゆえに、理解度の高い「同胞・仲間」の存在が大切だと私は思うのです。

パチンカス認定!当時の7つのエピソードまとめ

では、そろそろまいりましょうか。

なんとなく興味があって当記事を見てくれているのなら、「これが『あるある』なのかあ」と、面白い話のネタとして聞いてもらえればと思います。

ここからは本題の、当時の私がやらかしてきた、7つのしょうもないパチンカスエピソードです。

どうぞごらんください!

1. 嘘をついて仕事を休む

嘘をついて仕事やアルバイトを休む。

これは、ギャンブル依存者なら、だれもがやった経験があると思います。

ミナト

ちょっと今日体調わるくて、休ませてもらえませんか……?

まあパチンコ店にいて、パチンコ・スロットを打っているのがほんとの話なんですけどね。

昼の12時から仕事があるというのに、朝10時からパチンコ店にいた、なんてこともありました。

パチンコのせいで精神的にまいってしまって、バイトに行けずに無断でバックレ。そのままクビになったことまである始末です。

たまに、会社の営業をサボってパチンコ店にいる、スーツを着たサラリーマンを見かけます。

もしかすると、あのなかにはいるのかもしれません。

そう、「ギャンブル依存症者」がです。

2. 人との約束を守らない(遅刻・ドタキャン)

  • 友人と遊ぶ約束
  • 先輩と飲みに行く約束
  • 家族との食事の約束

こういった人との約束に遅刻するのはあたりまえ。

パチンコを打っていて先輩との飲み会に遅刻し、悪びれることもなく、「パチンコに行ってたんですよ」なんていえてしまうレベルでした。

当然、そのとき先輩はかなり不機嫌になりましたが、

ミナト

どうして先輩はそんなに怒っているんだろう……?

と、わりとまじめに理解できないほどに、パチンコによって頭がやられていました。

当時、よく遊んでくれていた友人との待ち合わせにも、ひんぱんに私は遅刻。

ついに堪忍袋の緒が切れた友人はいいました。

友人

オマエさ、いい加減にしろよ! すこしはこっちの予定とか、待ってる間のことも考えろよ!

このとき、私は自分がおかしていたあやまちに気づきます。

それをいってくれた友人には、いまでは感謝しかありません。ふつう、こんなことをしていたら、なにもいわずに縁を切られてしまいますからね。

でもその後、やはり家族にはあまえてしまうもので、ちょっとした家族旅行を当日の朝にドタキャン。

そのままひとりパチンコに行っていた、なんてこともありましたが……。

3. 人(友人・家族)からお金を借りる

ギャンブル依存者はほぼ例外なく、借金をしてパチンコに行きます。

  • 学生ローン
  • 消費者金融
  • 果てはヤミ金

さすがにヤミ金はギリギリで思いとどまれましたが、私は最大で3社から120万円ほどのお金を借りていました。

で、限界がくるわけです。借りられるところがなくなるから。

そうなったときに、ギャンブル依存者がとる行動はひとつ。友人や家族からお金を借りるのです。

私の場合、借りたものはきちんと全部返しましたが、最初は友人をたよりました。

つづいて家族。

家族には全員からお金を借りたことがあり、とくに弟には、ほんとうに迷惑をかけました。

情けない話ですよね。

だからいちばん迷惑をかけた弟には、できるだけのことをしてあげたい、といまは思っています。

バイト仲間

ミナトくん、ちょっとお金貸してくれない?

そういえば当時、アルバイト仲間の50代くらいの男性で、バイト先の店長などからお金を借りたりしている人がいました。

私も「金を貸してくれ」とその人からいわれたのですが、借金があったので貸せませんでした。

「ギャンブルはする」といっていたので、たぶんあの人も、ギャンブル依存者だったのだろうと思います。

4. 恋人に八つ当たりをする

  • デートはパチンコに行きたいのを我慢して行く
  • デート中は時間の無駄だと感じる
  • そのイライラをなんの罪もない恋人にぶつける

カスでした。

休日は朝の早い時間からパチンコに行ける(開店ダッシュができる)かぎられた大チャンス。

あの朝イチのまだ静かな空間が、私はたまらなく好きでした。

だから当時は、休日に行く彼女とのデートがいやだった。

パチンコに行きたい。なんでデートなんてしないといけないんだ。行きたいところがあるなら、べつにひとりで行けばいいじゃないか。

パチンコに行きたいのをがまんしていくデート。

もちろんデート中もパチンコに行きたくて、解散したあとは、パチンコに行けなかったことを無念に思いました。

彼女の存在が、しだいにうっとうしくなっていく。

フラストレーションが限界に達すると、私は恋人に当たりました(もちろん暴力はふるっていません)。

それでもあなたは、私の要望(パチンコに行きたい)を受け入れて、しかたなくパチンコ店についてきてくれたこともありましたね。

でも、私はひとりでやりたかった。変に気をつかうのがいやだったのです。

結局、そういったこともあって、恋人とは別れることとなりましたが、こんなんだったら結婚もできません(相手は考えてくれてもいたようでしたが)。

私の場合、そのまま結婚していたら、おそらく、おたがいが(というか相手が)不幸になっていたと思います。

結婚を考えるなら、まずはギャンブル依存症をなんとかしたほうがいいでしょう。

5. 所持金が完全に切れてパチンコ店に親を呼ぶ

当時、もっとも「万枚に近い」といわれていたスロット台がありました。伝説のスナイパーである「13番目の男」とタイアップした機種です。

その日、スロットで負けまくっていた私は、見つけてしまったのです。

所持金はのこりわずかだというのに、不吉な数字「13」を冠したあの台が、天井目前で捨てられているのを……。

ミナト

あとちょっとまわせば天井の救済措置で100%当たるぞ。でも足りるか? ギリギリ足りなくないか……?

計算するとお金は足りていませんでした。

けれども、天井目前の、しかも万枚の可能性もある台を、そのまま見過ごすこともできません。

そこで私は、その台を即座に確保。「規定回数に到達するまえに自力で当たりを引ける」ことを信じて、遊技を開始することにしたのです。

しかしこれがダメ……!

ほんとうに天井目前、あと3000円もあれば当たるというところで、所持金が完全に切れてしまったのです。

お金を借りることもできず(限度額いっぱいだった)、キャッシュカードの中身もカラ。近くにたよれる友人もいません。

そしてむらがる「ハイエナ」たち……。

私の窮地をかぎつけて、エサを捨てていくのを狙っているのです。

ミナト

どうする……どうするんだ!?

私は、いちばん近くにいた親を、パチンコ店に呼びつけました。

それから事情を説明し、その場でお金を1万円ほど借りました(ダメだったときにそなえて多めに借りた)。

私の親は心配し、うしろで私のようすをみています。

ところが、私はいうのです。

ミナト

おれの後ろに立つな! 気が散るから帰ってくれ!

結局、救済措置で当たるも即終了し、借りたお金も使い果たし、その日はサイアクな気分でパチンコ店を出ました。

あまりにもクズすぎて、思い出すだけでしんどくなってきます。

ですから私の親にも、いまはできるだけの親孝行をしたいと思っています。

6. 家賃を賭けて戦い、家賃を払えなくなる

ギャンブル依存者に「限界」という言葉はありません。

私たちは、絶対に使ってはいけないようなお金にも手を出します。

  • 水道代
  • 光熱費
  • 家賃

このへんを使うのも、もはや朝にパンを食うくらいふつうのことなのです。

天空に輝く88の星座。それを加護に闘う「聖闘士」たち。

……私こそが89人目だ。

その日、またしても私は、当時は万枚突破率が破格といわれていた、ジャンプ漫画とのタイアップ台で遊技していました。

軍資金は家賃です。負ければ住む家を失ってしまうかもしれません。

でも、そんなことはどうだってよかった。生きるか死ぬかのスリルのほうが、私にとっては大事だった。

とつぜん起きた依存症の再発によって、以前にも増して、お金の使い方がおかしくなっていたのです。

ただ、女神は、私にほほえんではくれませんでしたが……。

死闘を制せなかった私にのこされたのは、「今月の家賃をどうするか」という問題だけでした。

管理会社

ミナトさん、今月の家賃まだ振り込まれてないみたいですけど、どうされました?

ミナト

ちょっとお金がなくて……。来月まとめて2か月分払うので、待ってもらえませんか?

管理会社

それはできませんよ……。それに、いま払えないのに、来月2か月分は無理じゃないですか?

おっしゃるとおりです。

しかし、そうはいっても、家賃を賭けるほどにお金がなかった私には、どうすることもできなかったのです。

管理会社

それだったら、親御さんから借りるしかないでしょう。とにかく、もう待てませんから

鬼かコイツは……。

家賃を滞納したのはこの一回きりでしたが、結局それしか方法はなかったので、またしてもお金は親に借りました。

以降、家賃はすぐに払うようになりました。

7. パチンコ店で迷惑行為におよぶ

  • 台を破壊する
  • トイレをぶっ壊す
  • 人のお金を盗んでいく

負のオーラがうずまくパチンコ店では、こういった犯罪行為がときどきおこなわれています。

私もそこまでではないですが、パチンコ店で迷惑行為におよんでしまったことがありました。

たとえば、「台パン」とかです。

パチンコ台やスロット台をこぶしで叩く台パン(台にパンチ)は、あまりにもひどいときは店側から注意され、そのまま出禁にされることもある迷惑行為。

パンチの振動が反対側まで伝わったり、となりのヤツがすると、こっちも「ビクッ」としたりするイヤなものなので、私もいつも気をつけていました。

けれども、どうしてもがまんならないときはやはりある。

そういったときは、台をぶっ叩いてしまったこともありました。

いちおう弁解すると、台パンをしたのは人生で数えるくらいです。

そのほかでいえば、むかついてメダルを店のゴミ箱に捨てたとか。

パチンコ店のメダルはあくまで借りものなので、店外に持ちだしたりとかは、本来禁止されている行為なのです。

ぶちぎれてトイレットペーパーを、ネコのように回転させて大量にかきだしたこともありました。

ペットボトルのお茶をわざと床にこぼしたこともありました。

エレベーターに蹴りをかましたこともありました。

いや、もう、これくらいにしておきましょう。

当時は、自分でも気づいていませんでしたが、おそらくお店を「出禁」になりたかったのだと思います。

迷惑行為がバレて注意されれば、そのパチンコ店には今後行きにくくなりますから……。

もっと早くに気づくべきでした。

迷惑行為におよんでしまったことは、深く反省しています。ほんとうにすみませんでした。

パチンカスと呼ばれた男の末路

べつに、私はだれかから「パチンカス」とよばれていたわけでもないですが、このとおり、確実にパチンカスヤローでした。

そんな私の「パチンカスの末路」とはどのようなものだったか?

これもお話ししておきましょう。

私はパチンコ店のホールで死にかけたことがあります。

かなり大げさに聞こえるかもしれませんが、「誤嚥(ごえん)」といって喉に水が詰まってしまい、呼吸ができなくなり、意識を失いかけたことがあるのです。

あのまま意識を失っていたら、死んでいたのかどうか、それはよくわかりません。

ただ、この誤嚥は高齢者では死亡する例もあるなど、そのリスクは多少なりともあったと思っています。

でも、私はそこで死にはしなかった。

そうなると、「真の末路はなんだったのか?」という話になるわけですよね。

これに関しては、「夢を叶えるための資金をカジノに稼ぎに行って爆死した」ことだったと思っています。

この話は、まだ当ブログでは書き切れていませんが、当時は絶望しました。

自由をつかむ夢は完全に散ってしまったと、しばらくは生きる気力を失い、なにも手につかない状態となっていました。

でも、私は立ち直ることができたのです。

最後に、いちばん大切な話をしましょう。

生きていればだいたいなんとかなる

借金で首が回らなくなった。妻も子どもも出ていった。パチンコ店のトイレに入り、個室で縄をかけて言った。「もういいか……」

そういったヘビーな話を期待されていたら、すみません。

私はまだ生きているので、そういう話はできませんし、きっと今後もすることはないでしょう。

なぜなら、こんな私でも、いまこうして記事を書いているように、元気にやれているからです。

人生のどん底のような末路をむかえてしまったとしても、生きていればなんとなる。

ようは、そういうことなのです。

人は末路を経験しても、はい上がることができるんですよ。

死ななければなんとかなります。パチンカスだったとしても、そこからはい上がってこられます。

どうか悲観しないでください。

だれだって、なりたくてこうなったわけではありません。だから、なってしまったものはもうしかたがないと、割り切ることにしましょうよ。

私たちが見るのは、パチンカス時代を笑い飛ばせる未来です。

迷惑をかけた人たちには、「ごめんなさい」をして、ひとりずつ謝っていけばいい。

生きていれば、だいたいのことはなんとかなります。

さきに進みましょう。自虐している時間なんてないのです。それをするのは、依存症を克服できたあとでいい。

今回のまとめ

  • ギャンブル依存症は当事者以外には理解されにくい
  • 生きていればどん底を経験してもだいたいはなんとかなる
  • パチンカスだと自虐するのはそれを過去にしてからでいい

一般の人からみれば、ギャンブル依存者はもれなくパチンカス、ということになってしまうかもしれません。

けれど、そんなのはどうだっていいのです。

ともに問題を解決しようとしている、そんな理解者がひとりでもいれば、それだけでいいのではないでしょうか?

「そんな人はだれもいない……」なんてことはありません。

最低でもひとりは「私」という人間がいます。

自助グループなどを利用すれば、もっと多くの仲間に会うこともできます。

どうでしょう、なんだか勇気がわいてきませんか?

ギャンブル依存症を克服するには、当事者同士が集まっておたがいの体験を共有する、ミーティング(会合)がもっとも有効だといわれています。

私の話を聞いてくれたなら、私たちはもう仲間です。

未来を見ましょう。自虐するのはあとでいい。Amazonのセールみたいに、「すべてを過去にしてから」でいいのです!

私はパチンコのない世界で待っています。

いっしょに、「あのときはカスだったなあ」なんて、笑いあえる世界で待っていますよ。

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