【1人4千円】パチンコ全面禁煙化により客はさらなる負担を強いられる

ついに始まるパチンコ店の全面禁煙化。しかし、これによって打撃を受けるのはホールではなく、お客さんの方だった……

2018年に成立した「改正健康増進法」がいよいよ2020年の4月から完全施行されることになり、パチンコ店を含めたあらゆる施設での屋内喫煙は原則禁止となりますが、これによって危惧されているのがパチンコ店が受けるであろう大きな打撃。

しかし、忘れてはいけないのが、本当の打撃を受けるのはパチンコ店ではなく、打撃を受けたパチンコ店を支えるために、お客さんはこれまで以上に負担を強いられることになるということです。

それではパチンコ店の全面禁煙化によってどれほどの影響が出るのか。今回は、今後お客さんがさらに負担しなければならないであろう「お金」について考察したい。

全面禁煙化によって売上は間違いなく下がる

そもそもの話、なぜ全面禁煙化によってパチンコ店の存続が危ぶまれているのかというと、パチンコ店には喫煙者が異常に多いからです。

日本たばこ産業株式会社(JT)による2018年の全国喫煙者率調査によると、成人男性は27.8%、女性は8.7%、合計では17.9%の男女が習慣的に喫煙していることがわかっていますが、日本遊技関連事業協会(日遊協)の調査によれば、パチンコユーザーの喫煙率は54.7%と、実にお客さんの半数以上が喫煙者なのです。

さらに、同調査ではパチンコ店の全面禁煙化によって喫煙者の3割以上が「来店頻度は減る」と回答し、喫煙者が喫煙するために席を離れる時間も含めて考えれば、必然的にパチンコ店の売上は下がることになるのです。

それでは実際問題、どれくらいパチンコ店の売上が落ち、お客さんの負担が増えることになるのか。ここからは公表されている2018年の各種統計から推測してみたいと思います。

(前提)電子タバコはOKの場合もある

レジャー白書2019によると、2018年のパチンコ遊技人口は950万人。その内の54.7%が喫煙者であることがわかっていますが、その内訳は43.2%が紙巻煙草で、11.5%が電子タバコであることもわかっています。

そこで、パチンコ店の全面禁煙化は、実はアイコスなどの加熱式等、電子タバコは遊戯したまま吸うことができるフロアは認められていて、私が調べた限りでは完全禁煙(喫煙室のみ可)と分煙(完全禁煙フロアと電子タバコ可のフロア)が半々くらいだったので、今回の全面禁煙化の影響を受ける遊技人口は、43.2%の紙巻ユーザーと、5.75%(半数)の電子ユーザー、合わせて約50%(48.95%)ということにし、475万人が影響を受けると考えることにします。

パチンコ店を訪れる1日の来客数

まずはパチンコ店を訪れる1日の来客数がどれくらいになるのかについて。

日遊協の調査によれば、どれくらいの頻度でパチンコに行くかというアンケートの回答は以下の通りで(1か月に1回未満は省略)、

ほぼ毎日2日に1回4日に1回1週間に1回1か月に1回
25%15.7%19.5%23.7%8.5%

この結果から、小数点以下切り上げで遊技人口950万人の内訳を出していくと、

ほぼ毎日2日に1回4日に1回1週間に1回1か月に1回
237万5千人152万人190万人228万人85万5千人

このような結果となり、全てを1日あたりに換算して合計すると、全国では1日に約396万4千人がパチンコ店を訪れていることになります。

また、警察庁の集計によると、2018年12月末時点でのパチンコ店舗数は1万60軒と公表されているので、上記の数字をこれで割ると、1店舗あたり1日約394人のお客さんが訪れていたことになります。

禁煙によって喫煙者が及ぼす影響

日遊協の調査では、禁煙によって3割以上が「来店頻度が減る」と回答していますが、詳しく見ると「今より少なくなるだろう」が36.9%、「ホールに行かなくなるだろう」が11.4%で、なんと合計では48.3%もの遊技者が足が遠のくと回答しているのです。

ただ、なんだかんだ言っても大半はパチンコ店に行き、慣れれば慣れたで以前と同じ頻度になっていくだろうと思われるのですが、一応調査通りの動向になったと仮定すると、1日に訪れる396.4万人の内、影響を受ける喫煙者198万2000人(50%)の11%(小数点以下四捨五入)である、約21万8000人はまずパチンコ店には来なくなります。

また、198.2万人の37%である約73万3000人は「来店頻度が減る」とのことなので、対象となる人数を抽出し、先ほどの来店頻度別日数に当てはめて1つずつ横にスライドしたとすると(1か月に1回未満は省略)、

2日に1回4日に1回1週間に1回1か月に1回
約43万9000人約14万600人約8万7900人約6万300人

このようになり、来店頻度が減ると回答した喫煙者は、1日あたりに換算すると約26万9000人が訪れることになり、1日あたりで考えると46万4000人減少することになるのです。

よって、これらを合計すると、全面禁煙化によって1日の来客数は68万2000人減少することになるので、全国では328万2000人、1店舗あたりでは326人にまで来客は落ち込むことになります。

1年間の売上から見た来客1人あたりの負担額

さて、皆さんもそろそろ「数字ばかりで目が疲れた、もう終わりにしてくれ」と思われている頃かもしれないので、結論を急ぎたい。

経済産業省の調べでは、2018年の1営業所あたりの平均売上は年間28憶円という結果が出ているのですが、これまで見てきた1日の来客数の減少から(396.4万人から328.2万人)考えると、そのままでいけば売上は約17.2%減ることになり、1店舗あたり年間4憶8160万円の打撃を受けることになります。

この損失を1日に換算すると約132万円。

そして、今まで通りパチンコ店が売上を維持するとなると、1日あたり132万円を1店舗あたりの来客者326人で負担しなければならなくなり、その金額は約4050円になるのです。

なんだ、4千円くらいか、そう思われるかもしれない。ただ、忘れてはいけないのが、喫煙者が煙草を吸いに席を離れる時間分だけ稼働が落ちるため、1人あたりの負担する金額はもっと増えることになるだろうということ。

大規模な店舗であれば話は別かもしれませんが、小~中規模の店舗では喫煙室は1人しか入れない、ギリギリ2人しか入れないといったものも珍しくはありません。

煙草を1本吸うのにかかる時間は5~6分程度だと思いますが、喫煙室に並ぶ時間も考えると1本につき10分ほど。パチンコ店の平均滞在時間は、日遊協の調査によると平日は3~5時間、休日は5時間以上が最多となっているため、間を取って5時間と考えると、その間に最低でも5~6本は煙草を吸うでしょう。

よって、1日の来客数である326人の50%、喫煙者163人は1人1時間ほど遊技台を離れると思われるので、1日に163時間分、台は稼働しなくなると考えられるのです。

要するに、今後1人あたりが負担する金額は4千円程度で済むはずがないのです。残念ながら、パチンコで勝つのはこれまで以上に厳しくなるのは間違いないと言えるでしょう。

(参考:日本遊技事業協会‐遊技業界データブック2019(pdf)

今回のまとめ

・全面禁煙化によって来客は17.2%減少
・1人あたりの負担金額は4千円以上
・1人しか入れない喫煙室は恐らく煙すぎて使えたものじゃない

パチンコ店の全面禁煙化による来客数の減少、そしてパチンコ店を支えるためにお客さんが負担しなければならない金額の算出は、小数点以下を四捨五入したり、全てのデータを元に算出したわけではないので多少のブレはあるとは思いますが、大体このような感じになるのではないかと思います。

よって、今後はパチンコ店に行けば行った瞬間に、4千円負け状態から始まることになると言うことができるでしょう。

また、喫煙者の方であればご存知だとは思いますが、やたらと狭い喫煙室は副流煙が次第に充満し始め、入っただけで気持ちが悪くなるということも普通にありえるので、まともに煙草を吸えたものじゃなくなる可能性も十分にあるでしょう。

喫煙者の方は、もちろんそうでない方も、この機会をチャンスと見てパチンコをやめるのもありかもしれません。

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