パチンコは禁煙による客離れでお客はさらなる負担を強いられる?【独自調査】

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パチンコは禁煙による客離れでお客はさらなる負担を強いられる?
ぎもんネコ

パチンコの禁煙っていつからだっけ?

現在のパチンコ店が原則禁煙となったのは、2020年の4月から。

2018年に成立した「改正健康増進法」によるもので、当時はパチンコ店が受ける大打撃が危惧されていました。

しかしほんとうに問題なのは、

パチンコ店を支えるために、お客さんはこれまで以上に負担を強いられるのでは?

ということではないかと、元依存者の私は感じていました。

そこで本記事では、つぎのことを見ていくことで、

  • 禁煙によってどれだけお客さんは減る(減った)のか
  • 全面禁煙化でユーザーの負担はどれくらい増えるのか

今後お客さんがさらに負担しなければならない「お金」について考えてみます。

もともと勝てなかったものが、よけいに勝てなくなっているのがわかると思うので、どうぞごらんください。

著者プロフィール
ミナト

ミナト

10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら

目次

パチンコ店の禁煙化が危惧されていたのはなぜか

そもそもの話、なぜ全面禁煙化によってパチンコ店の存続が危ぶまれていたのか?

ミナト

まずは再確認しておきましょう

これは、パチンコ店には喫煙者が異常に多いからです。

日本たばこ産業株式会社(JT)による2018年の全国喫煙者率調査によると、

  • 男性は27.8%、女性は8.7%
  • 合計では17.9%の男女が習慣的に喫煙している

以上のことがわかっています。

ところが、日本遊技関連事業協会(日遊協)の調査によれば、パチンコユーザーの喫煙率は54.7%と、じつにお客さんの半数以上が喫煙者なのです。

「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2021」によると、ユーザーの喫煙率は57.3%に上昇しています。なおJTの全国喫煙率調査は2018年で調査自体が終了しています。

日遊協の調査では、パチンコ店の全面禁煙化によって、喫煙者の3割以上が「来店頻度は減る」とも回答。

喫煙者が喫煙するために席を離れる時間も考えれば、必然的にパチンコ店の売上は下がることになるのです。

ミナト

こういったことから、当時は存続が危ぶまれていたわけです

それでは、どれだけパチンコ店の売上は落ち、どれだけお客さんの負担は増えたのか?

ここからは、禁煙での影響にしぼって、当時公表されていた2018年の各種統計をもとに計算してみたいと思います。

以降の推計は、お客さんの減少率などを残しておくためにも、あくまで2018年のデータをもとにしています。最新の情報は追記というかたちで表記しておきます。

パチンコ全面禁煙化による負けへの影響(推計)

それでは、前提条件からです。

『レジャー白書2019』によると、2018年のパチンコ遊技人口は950万人でした。

そのうちの54.7%が喫煙者で、内訳は以下のとおりとなっていました。

  • 43.2%が紙巻タバコ
  • 11.5%が電子タバコ

またパチンコ店の全面禁煙化は、電子タバコにかぎり、遊戯したまま吸えるフロアは認められています。

私がしらべたかぎりでは、完全禁煙(喫煙室のみ可)と分煙(禁煙と電子タバコ可がフロアで異なる)は半々くらい。

そういったことから、全面禁煙化の影響を受ける遊技人口は、

  • 43.2%の紙巻ユーザーと
  • 5.75%(半数)の電子ユーザー
  • 合わせて約50%(48.95%)

ということにし、475万人が影響を受けると考えることにしました。

以降はこの人数(というよりも割合)をもとにして、お客さんへの負担を考えていきます。

ちなみに『レジャー白書2021』によると、新型コロナの影響もあって、パチンコの遊技人口は710万人と激減しています。

パチンコ店を訪れる1日の来客数

ここからは、禁煙化によって増える「お客さん1人あたりの負担」を考えてみます。

まずは、パチンコ店をおとずれる1日の来客数について。

日遊協の調査によると、「どれくらいの頻度でパチンコに行くか」というアンケートへの回答は以下のとおりで(1か月に1回未満は省略)、

ほぼ毎日25%
2日に1回15.7%
4日に1回19.5%
1週間に1回23.7%
1か月に1回8.5%

これをもとに、小数点以下切り上げで遊技人口950万人(2018年)の内訳を出していくと、

ほぼ毎日237万5000人
2日に1回152万人
4日に1回190万人
1週間に1回228万人
1か月に1回85万5000人

このような人数となります。

そしてこの結果を、すべて1日あたりに換算して合計すると、

「全国では1日に約396万4000人がパチンコ店を訪れている」

ということになりました。

また警察庁の集計によると、2018年12月末時点でのパチンコ店舗数は10,060軒。

上記の数字をこれで割ると、1店舗あたり1日約394人のお客さんがおとずれていたことになります。

2020年末の集計では、パチンコ店舗数は9035店まで減少しています。

禁煙によって喫煙者が及ぼす影響

さきほどの日遊協の調査では、禁煙によって3割以上が「来店頻度が減る」と回答しています。

これをくわしく見ると、

  • 「今より少なくなるだろう」が36.9%
  • 「ホールに行かなくなるだろう」が11.4%

と、合計では48.3%もの遊技者が足が遠のくと回答していました。

ただ、なんだかんだ言っても大半はパチンコ店に行き、

ミナト

慣れれば慣れたで以前と同じ頻度になっていくのでは……

と思われ、これは半分当たっていました。

パチンコ・パチスロファンアンケート調査2020(pdf)によると、喫煙者は65.4%、全体では75.2%が、来店頻度は「多くなったまたは変わらない」と回答しています。

ただ、ここでは当時の調査結果をもとに、

1日に訪れる396.4万人のうち、影響を受ける喫煙者198万2000人(50%)の11%(小数点以下四捨五入)はお店に来なくなった

と考えると、これは約21万8000人となります。

また、198.2万人の37%(約73万3000人)は「来店頻度が減る」とのことなので、対象となる人数を抽出。

さきほどの来店頻度にあてはめていくと(1か月に1回未満は省略)、

2日に1回約43万9000人
4日に1回約14万600人
1週間に1回約8万7900人
1か月に1回約6万300人

来店頻度が減ると回答した喫煙者は、1日あたり約26万9000人となり、1日の減少数は46万4000人となります。

よって、「もう来ない+減った」を合計すると、全面禁煙化で1日の来客数は68万2000人減少することになり、

  • 全国では1日に328万2000人
  • 1店舗あたりでは326人にまで来客は落ち込む

と考えることができました。

追記:禁煙で来店頻度が今より多くなる(喫煙者4.7%/非喫煙者12.9%)と、非喫煙者の「今より少なくなる(7.4%)/ホールに行かなくなる(2.6%)」を入れ忘れていました(2018年時点)。多少のズレがあるので、直せるときに直したいと思います。

1年間の売上から見た来客1人あたりの負担額

さて、数字が出まくっていて、わけがわからなくなりつつあるので、

ミナト

そろそろ結論をいそぎましょう

経済産業省の調べでは、2018年の1営業所あたりの平均売上は「年間28憶円」となっています。

これを、1日の来客数の減少(396.4万人 → 328.2万人)とあわせて考えると、つぎのようにいえます。

そのままでいけば「売上は約17.2%減る」ことになる。

つまり、1店舗あたりだと、年間4憶8160万円の打撃を受けることになるわけです。

この損失を1日に換算すると約132万円です。

となると、これまでどおりパチンコ店が売上を維持しようとすれば、

1日あたり132万円を、1店舗あたりの来客者326人で負担しなければならないので……

その金額は約「4050円」になるのです。

ミナト

ようするに、結論としては……

イブスター店長

1人あたり約4000円負担が増える、ということだな

ただ、忘れてはいけないことがあります。

喫煙者が煙草を吸いにいく時間分だけ稼働が落ちるので、1人あたりの負担はもっと増えるだろうということです。

喫煙者がタバコを吸う時間だけ全ユーザーの負担も増える

ミナト

これで最後です

煙草を1本吸うのにかかる時間は、平均すると5~6分程度だと思います。

ただ、喫煙室にならぶ時間も考えると、1本につき10分ほどになるのではないでしょうか?

パチンコ店の平均滞在時間は、日遊協の調査によると、

  • 平日は3~5時間
  • 休日は5時間以上が最多

となっているため、あいだを取って5時間と考えると、その間に最低でも5~6本は煙草を吸うでしょう。

そうすると、1日の来客数である326人の50%、喫煙者163人は、1人1時間ほど遊技台を離れることになります。

つまり、1日に163時間分、台は稼働しなくなると考えられるのです。

イブスター店長

と、いうことは……

今後1人あたりが負担する金額は「4000円程度ですむはずがない」ということですね。

あくまで禁煙だけにしぼって考えましたが、

  • 新型コロナによる影響
  • パチスロ5号機の完全撤去&大量閉店
  • 要因が重なっての遊技人口の激減

など、パチンコ業界はひじょうに苦しい状況にあります。

店舗数と遊技人口だけで考えても、1人あたりの負担がさらに増えているのはいうまでもありません。

残念ながら、パチンコで勝つのがこれまで以上にきびしくなっているのは、ほぼまちがいないといえるでしょう。

今回のまとめ

  • 全面禁煙化によっても来客数は減少
  • 1人あたりの負担金額はおそらく4000円以上
  • もともと勝てないのがさらに勝てなくなっている

パチンコ全面禁煙化による「お客さんの負担」は、あくまで独自の推計ですが、当たっている部分もすくなくはないと思います。

ミナト

計算が間違っていなければ……ですが

よって、今後はパチンコ店に行けば行った瞬間に、4000円以上の負けからはじまる、ということもできるでしょう。

また禁煙化によって、つぎのように感じるかもしれませんが、

タバコは吸わない人

空気がクリーンになって嬉しいな

タバコを吸わない人は「吸う人のぶんまで負けないといけなくなった」ともいえます。

完全なとばっちりでもあるので、これもけっこうきつい話だといえないでしょうか?

近年の遊技人口の減少は、

「新型コロナが怖い」が第1位、「勝てなくなった」が僅差で第2位(ファンアンケートより)

となっているように、やはり多くの人が勝てなくなったと感じているようです。

インドアでできる趣味への移行も関係しているとのことだったので、この機会に、べつの趣味をつくるのもありだと私は思いますよ。

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コメント(確認後に反映/少々お時間をいただきます)

コメント一覧 (2件)

  • 禁煙だからパチンコ店に行く人の事除外してて草
    何で絶対数変わらないことになってんだよw

    • ご指摘ありがとうございます。
      2018年での調査では、喫煙者は「今より多くなる」が4.7%で、非喫煙者では12.9%。
      非喫煙者の「今より少なくなる/ホールに行かなくなる」が合計で10%となっていました。

      これは失礼しました。ひとまずこちらも追記という形で表記しておきます。
      時間があるときに直せればと思います。

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