スロットには設定ごとに機械割(出玉率・ペイアウト率)が決められています。
つぎのように調節することで、パチンコ店は、売上を(ある程度は)操作できるのです。
- 機械割が100%未満ならお客さんは負ける
- 機械割が100%以上ならお客さんは勝てる
ただ、なかには完全攻略することで、設定1でも機械割が100%を超えるものがあるわけですよね。

ペイアウトが100%を超えるということは……
理論上は負けないということ。
ところが、これがなかなか勝てません。むしろけっこう負けます。
理論上は勝てるはずなのに、なぜか私たちは負けてしまうのです!
では、それはいったいなぜなのか?
という話を、本記事では2つの理由からお話しします。
最後まで読んでもらえれば、勝てるはずだったのに結局はボロ負けして帰る「あのナゾ」も、きっと解けると思いますよ。
パチスロの機械割とは
まずは基本的なことから確認しておきましょう。
パチスロ台の機械割とは、投入したメダル枚数に対しての払い出し率のことをいいます。
たとえば機械割が100%なら「100枚のメダルを入れたら100枚が出てくる」ということになります。
機械割が100%“以上”なら、最低でも投入したメダル以上が出てくるわけですね。
つまり、(換金率は別として)機械割が「100超え」なら、理論上は負けることはありません。
とはいえ、スロットの設定はだいたい1か2で、基本的に100%以下になるように調節されています。
単純な話、パチンコ店も売上をあげないと営業していけないからです。
設定1の機械割が98%だったとすると、
100枚入れると98枚出てくる、1万円入れると9800円が戻ってくる(1万円あたり200円負ける)
ということになります。
ところが、スロット台のなかには、設定1でも機械割が100%を超えるものがあるわけです。



理論上は勝てる台ですね
これは目押しなどの技術介入をおこない、完全攻略することでその数値がでるものです。
だれでもそう簡単にできるものではありません。
しかしそうなると、練習するなどして技術を身につけられれば、「設定1でもつねに勝てるのでは?」という話になってきます。
ペイアウト率が100%を超えるということは、理論上は負けないということですから。
ただ、そうはいかないからこそ、この「機械割100超えでも勝てない問題」が起きてくるわけです。
スロットが機械割以上に負ける理由
それでは、ここからは本題の、機械割100超えでも勝てない(割以上に負ける)理由を見ていきましょう。
これはつぎの2つが問題になると私は思います。
- 大数の法則によるブレ
- 負けを取り返したくなる心理
それぞれくわしく解説するので、どうぞ両方ともごらんください。
1. 大数の法則によるブレで負ける


そもそもの話、確率には「大数の法則」という鉄の掟があります。



タイスウの法則?
「試行回数が増えていけば増えていくほど、確率は設定された数値に収束していく」
という絶対的なルールのことです。
ものごとが起こる確率は、これを無視して語ることはできません。
ただ、これは“試行回数が増えていけば”の話です。
当然ながら、試行回数が少なければ少ないほど、上にも下にもブレます。
そのため、ギャンブルというものは、
- 限られた時間
- 限られたお金
- 限られた試行回数
これらのなかで、
いかに確率が上にブレるか、いかに上にブレたまま勝負をおえられるか
というのが肝になってくるわけです。
なぜかというと、ギャンブルという確率に重きを置いたゲームは「確率がブレるからこそ成り立っているものだから」ですよね。



勝負の場での確率なんて、じつはあってないようなもの……というわけか
1回の下ブレで全部持っていかれることも多い
それでは、これをもとにして、



スロットでの勝負を考えてみましょう
スロットの場合、1日にまわせる回転数は8000回転がいいところです。
しかしこの程度では、確率はそこまで収束しないので、勝負は「どっちにブレるか」に左右されます。
そこで問題になるのが、つぎのパターン。
何度か上にブレた波は、1回の下にブレる大波で全部持っていかれてしまう。
だれもが経験してきたはずの、



途中までは勝てていたのに、結局は負けちゃって……
これ。くさるほどありましたよね?
完全攻略で機械割が100%系の台は、確率的にみても、勝負は勝つか負けるかが「僅差」になってきます。
しばらくのあいだ、上にブレつづけることもたしかにあるでしょう。
とはいえ、1日をとおして下にブレないことはほぼなく、
- 大きな下ブレが1回でもくる(深くハマる)か、
- 運悪く下ブレが何度か連続してしまえば、
それだけでもうおわり、なんてことも多いわけです。
上にブレても(投資分は)取り返せないところまで、あっというまに到達してしまったりもしますから。



だったら、上ブレのあいだにやめればいいんじゃ?
という話になるのですが、人間は欲深いので、なかなかそれができません。
おまけに、ギャンブルへの依存症状があるとなると、その程度では満足できなくなってきます。
その結果、つぎのようになるまではやめられず、
- 出玉がすべて飲まれる
- タイムアップ(閉店時間)がくる
理論上は勝てる台を打っていても、投資額を回収できずに、結局さいごは負けてしまうのです。
2. 負けを取り返したくなる心理で負ける


もうひとつ問題となるのが、「負けを取り返す」の心理によって、よけいに負けるということです。
機械割が100%前後の台(完全攻略タイプ)なら、
- なぞの無抽選状態
- 下ブレだけのひどい展開
これらをのぞけば、負けても2万~3万円程度ですむことが多いと思います。
でも、人間は負けず嫌いな生きものなので、そのまま引き下がることができません。
なんとかしてその日の負けを取り返そうとするのです。



プロスペクト理論てやつですね
私たち人間には、失ったものを取り返すためには、いともたやすくリスクを背負うという共通の心理があります。
それまでは、
- 機械割だ
- 確率だ
- 理論だ
と、慎重に勝負していたのが、負けを取り返さないといけないと思いはじめた瞬間、その思考は崩壊。
それまでは絶対にしなかった、全然ダメそうな(関係ない)台にでも、お金をじゃぶじゃぶとつぎ込めるようになってしまうのです!
その結果、負けはどんどん増えていって……



爆死で終了か
機械割にこだわっていたはずが、気づけば毎回これです。
つまり、機械割100%超えの台で勝負していたはずが、負けを取り返すために機械割100%以下の台をいつのまにか打っていて負けるのです。
負けを受け入れられなければ無理
- 負けを負けとして受け入れる
- ダメな日はあきらめて帰る
- 熱くならずに冷静な判断をする
これらができなければ、ほぼまちがいなく、機械割100%超えの台を打ちつづけていても負け越すと思います。



現に、私はそうなりましたからね……
最初は理論上勝てる台で勝負をしていても、気づけば「分がわるい勝負」をしてしまっている。
これによっても、私たちは勝てないのです。
というか、だれもがこの心理を越えられないからこそ、
機械割が100%超えの台なんてものがそもそも存在する
のだと私は思います。
だれもがうまく立ち回れたら、パチンコ店の経営は破綻しているはずです!
スーパーの特売品と一緒です。ほかのものも買ってくれるからこそスーパーはもうかる=ほかの台で負けてくれるからこそパチンコ店は営業していける、わけですね。
今回のまとめ
- 機械割100%超えでも下ブレが大きいと負ける
- 負けを取り返そうとしてさらに負ける
- 甘い台はほかで負けてもらうためのエサであって「まき餌」
この手のあまい台は、最初は調子がよくても、
だんだん様子がおかしくなって → 夕方ごろに完全停止する
というパターンが多い気がします。
もしかすると、これも「大数の法則」、つまり確率の収束によるものなのかもしれません。
機械割100%というのは、結局はプラスマイナスゼロであって、上にブレた分だけ下にもブレるわけですから。
それと、こういった割のいい台は、ほかでしぼり取れるからこその「まき餌」でもあると思います。
パチンコ店に用意されたエサだけを食べて帰れれば、最終的には機械割どおりの勝率になっていくでしょう。
ただ、それができるのは、ごく一部のかぎられた人だけです。
だから勝てない。だから負けてしまうのです。
それなら、もう「パチンコ店には行かない」の選択をしたほうがラクなのではないでしょうか?



機械割が100%を超えていれば勝てる……
そう思っていた時期は私にもありました。
でも結局はダメで、負けを取り返すの心理にはあらがえませんでした。
しかもパチンコ・スロットは、つづけていると依存症状が進行するので、この心理は日に日に強くなっていきます。
そんなわけですから、個人的には、(できるだけ早めに)ほかのことに移行したほうがいいと思いますよ。
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コメント
コメント一覧 (2件)
誰でも勝てる日と負ける日があります。ずっと勝ち続ける人はいないし、ずっと負け続ける人もいません。ただ、オカルトかもですが台との相性はあると思います。私はHEY鏡 吉宗3 笑うセールスマン絶笑 モンキーターン4は割と勝ててますが、星矢 バジリスクは一度も勝った事がありません。負ける時は傷の浅い内に諦めることです。
おっしゃるように、ギャンブルは負ける時に諦めるのが鉄則ですよね。
でもそれが、私のようなギャンブル依存者にはどうしてもできなくなってしまうわけです。
1日単位でみればたしかに勝てた日もありましたが、結局勝っても負けてもやめられないので、トータルでは憤死ばかりでした。
そういったこともあって私は、パチスロからは足を洗うことにしました……。