パチンコなどのギャンブルに依存してしまうと、その過程で「脳」が変化するといわれています。
これによって依存症者は、パチンコなどのギャンブルにしか興味を持てなくなってしまう……
では、いちどでも依存してしまえば、ギャンブル以外のことを楽しめなくなってしまうのでしょうか?
この記事では、そういった「パチンコ脳は回復するのか」についてお話ししていきます。
- ギャンブル依存症の原因は「脳」にあった?
- なぜギャンブル依存症になるとそれにしか興味を持てなくなるのか
- ギャンブル依存症を克服できたあとで脳は回復するのか
結論からいうと、パチンコ脳は回復すると私の経験から思っています
一生ギャンブルにしか興味をもてない人生になる……なんてことはけっしてありません。
ですから、そこは安心して読み進めていってもらえればと思います。
またこの記事では、ギャンブル依存症の原因や仕組み(脳の変化)も解説します。
ほんとうはもう行きたくないのに、体が勝手に動いてパチンコ店へ……。
その原因も判明するので、あわせて見ていきましょう。ではごらんください!
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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ギャンブル依存症の定義
そもそもの話で、ギャンブル依存症ってなんなんだ?
まずはこの「ギャンブル依存症の定義」から見ていきましょう。
WHO(世界保健機構)によって作成されたICD-10(国際疾病分類)では、ギャンブル依存症は、このように定義されています。
病的賭博
厚生労働省 ICD-10(2013年版)第5章
この障害は頻回の反復性の賭博のエピソードからなるが、その賭博が社会的、職業的、物質的、家族的な価値や遂行を損なうほどまで本人の生活を支配している場合である。
医学的な呼称では、ギャンブル依存症は「病的賭博」とよばれています。
その内容に関しては上記のとおりですが、
ただこれ、表現が複雑でちょっとわかりにくいですよね
そこで簡単に説明すると、以下のように解釈できると思います。
くりかえされるギャンブル行為によって、ギャンブルが他人との関係や社会生活、仕事、経済的利益、家族との関係に問題が出るほどに、本人の生活を支配している場合のこと。
ギャンブルによって、友人関係や仕事など、社会的な生活がおびやかされている。
- 毎日を生きていくための、個人的な生活にも影響がでていて、
- 家族との関係も、ギャンブルが原因で損なわれてしまっている
それでも、どうしてもギャンブルをつづけてしまって、ギャンブルをやめることができない。
もしそうなら、これはギャンブル依存症という、れっきとした精神的な病気になっている可能性があります。
ギャンブル依存症の原因とは
では、どうして私たちはギャンブル依存症になってしまう、もしくはなってしまったのでしょうか?
最初はただ楽しく遊んでいただけなのに、ですよね
つづいて、このギャンブル依存症の原因を見ていきましょう。
この原因に関しては、まずは以下のようなものが考えられています。
- 両親がパチンコをするなどの「幼少期の生活環境」
- まじめ・負けず嫌いなど、本人の性格や気質がかかわる「心理的な要因」
- うつ病などの「その他の精神的な病の併発」
こういった、さまざまな要因が複雑にからみあうことで、私たちはギャンブル依存症という病気になっていくのですね。
たしかに私も、父がパチンコをしていましたし、当時はパチンコのチラシなんかもよく見る環境でした。
自分でいうのもあれですが、
- マジメ
- 負けず嫌い
- 我慢強い
など、一般的にいわれるギャンブル依存症になりやすい人(性格)で、のめり込む要素はそろっていたように感じます。
ただ、原因はそれだけではないわけだよな
そう、ギャンブル依存症の原因には、とくに注目すべき「脳機能の異常」というものがあるのです。
ギャンブル依存症になる仕組みと脳の変化
脳機能の異常というのは、簡単にいうと、脳に問題が起きているという話です。
ここでは、そんな、脳が関係する「ギャンブル依存症になる仕組み」を解説していきます。
これは、つぎの2段階となっています
- 報酬系の異常と快楽への耐性
- 脳がギャンブル脳へと変化する
きょうの昼メシはラーメンにするか
とか、私たちは、自分の行動は自分で考えて決めていますが、
意思とは関係なく、体はなぜか、フラフラとパチンコ店へ……
と、なってしまうのはなぜなのか? という話です。見ていきましょう。
1. 報酬系の異常と快楽への耐性
まず、私たちの脳には、「報酬系」とよばれる場所があります。
- お酒を飲みたい
- タバコを吸いたい
- 美味しいものを食べたい
そういった、なんらかの欲求がみたされたときに活性化して、私たちに「快楽」の感覚をあたえるものですね。
本来は、人間が生きていくために必要な「本能的な部分で働く」機能だな
ドーパミン(いわゆる脳汁)という、脳内物質が分泌されることで、この報酬系は活性化(=快楽を感じる)します。
お酒やタバコなど、そういったものをやると、脳内でドーパミンがでて気持ちよくなるわけです。
それで、当然のことながら、
- ギャンブルから得られるスリル・興奮、勝つことでの達成感
こういったものでも、私たちの欲求はみたされ、快感をおぼえるわけですが、
では、ギャンブル行為で欲求がみたされると、こんどはどうなるのでしょう?
「もういちどあの快感を味わいたい」と、つぎなる欲求が生じるようになります。
いちど味わってしまった強い快感が、つぎの動機づけ(また行きたい)を誘発するからです。
「欲求が生じる → みたされる → 欲求が生じる → みたされる」
ギャンブル行為は習慣化していき、これがくりかえされていきます。
……すると、ここで問題が。
なんと、私たちの頭の中では、快楽への「耐性」がつくられていきます。
しだいに、それまでとおなじ快楽・刺激では、私たちは満足できないようになってしまうのです!
これが、ギャンブルに依存していく基本的な理由だな
「快楽への耐性」で、これまでとおなじスリル・興奮ではものたりなくなる(=もっともっとになっていく)。
このようにして、ギャンブル行為はだんだんと歯止めがきかなくなり、依存症は進行していくのです。
2. ギャンブル脳への変化
快楽への耐性ができていくことで、ギャンブル行為は過熱していく
ということが、ここまでの話でわかりました。
ようするに、脳が変化していくということです
快感の連続でギャンブルへの依存が進行していくと、ギャンブルへの感じ方が変化してしまう。
そしてこの変化は、ギャンブル以外のことにも影響するようになります。
そう、私たちが感じる「周囲の刺激にたいする反応」にも、変化が起きることがわかっているのです!
……どういうことなんだ?
これは、研究であきらかになった結果を見てもらったほうが早いでしょう。
以下は、ギャンブル依存症者と健常者の、「周囲の刺激にたいする脳の反応」を比較した実験の画像です。
左がギャンブル依存症者で、右が健常者の脳です。
脳の赤くなっている部分は、周囲の刺激にたいする脳の反応をしめしています。
では、この実験ではなにがわかったのか?
一般的な人(右)は、周囲の刺激に脳の活動が活発化しているのに対し、ギャンブル依存症者(左)は、周囲の刺激に脳の反応が低下している
といったことが判明しました。
ギャンブルで脳が破壊された・萎縮したということではなく、あくまで脳の活動の低下です。なお脳が委縮することで知られているのは、アルコールの大量摂取です。
そして、この実験の肝は、そのさきにありました
ギャンブル依存症者は、周囲のことに脳の反応は低下する一方で、ギャンブルに関係することだけは、脳が過剰な反応をしめすようになっていた
簡単にいうと、ふつうのことへの興味関心は失い、それがすべてギャンブルに変換されていた、ということです。
- 「友人と遊びたい、ゲームがしたい、旅行がしたい」といった興味はうすれ、
- 「パチンコ・スロットがしたい」という欲求だけは強くなっている
このように、依存症によって起こる脳の変化は、ギャンブル以外の趣味や楽しみへの興味を失わせます。
そしてギャンブルを、この世の中でもっとも楽しいものだと錯覚させます。
どれだけ快楽を得ても満足できず、ギャンブルだけを追いつづけなければならない……。
そんな体に、私たちを、いとも簡単に変えてしまうのです!
以前は趣味があっても、途中からはギャンブルしか楽しめなくなるのは、こういうことだったんだ
依存症が進行していくことで変化する「パチンコ脳、ギャンブル脳」。
私たちがギャンブルをやめられないのは、意志の弱さや心の問題ではありません。
それらを無意識のうちに支配する脳が、いつのまにか、「パチンコに行け・快楽を感じろ」に変わっていたからだったのです。
ギャンブル依存症で変化した脳は回復するのか?
私たちがパチンコなどのギャンブルに依存してしまうのは、以下の理由からです。
しだいに脳が変化し、興味関心がギャンブル一直線となり、コントロールがきかなくなるから
では、この状態は、一生にわたってつづくのでしょうか?
ギャンブル依存症で変化した脳は、もう回復することはないのでしょうか?
ここからは、ギャンブル依存症を克服できた私が、それについての意見を述べます。
パチンコにのめり込んだ依存症時代
私は10代のころからパチンコをしていて、10年以上にわたってギャンブルに依存してきました。
とくに初期のころは、パチンコをすることがほんとうに楽しかった。
開店直後のあの静けさ。
それがたまらなく好きで、ホールをスキップしながら歩いていたこともあったほどです。
でも、その楽しかっただけだったのは、だんだんおかしくなっていきました
- 友人との約束をすっぽかしてパチンコ
- 家族との旅行を当日ドタキャンしてパチンコ
- 借金をして、ウソをついて、仕事をサボってパチンコ
- 恋人とのデートはしかたなく行っている(パチンコに行きたいのをガマンしている)
- それまでの興味関心はすべてパチンコに変換
だんだんガマンがきかなくなっていきます。
いつのまにか最優先はパチンコ・パチスロになっていて、ほかのことはどうでもよくなっていきました。
パチンコにはまるまでは、つぎのように、いろんな趣味・関心がありましたが、
- 読書、ゲーム
- 音楽、映画
- 海外旅行(異文化コミュニケーション)
- 友人との飲み会
それらはすべて、パチンコによってかき消されてしまっていたのです。
なにをしてもおもしろいと感じられなくなっていきました。
金のかかっていない遊びなんて、ただの子どもだましだろう、と。
まさに「脳が変化していた」わけだ
ギャンブル依存症の克服後に変わったこと
では、そんな私がギャンブル依存症を克服したあとで、これらはどう変わったのでしょうか。
まず、かつての興味関心が復活しました
- これまで読めなかった本が読みたい
- 行けなかった海外旅行に行って、知らない場所や、見たことがない景色を見てみたい
- これまで失われてきた時間を、なんとかして取りもどしたい
ギャンブル依存症になってしまうと、それを発生させる「回路」は一生のこるといわれています。
たしかに、これはそうだと感じます。
パチンコで1回だけは不可能でしたし、1回でも行ってしまえば、やはり依存症は復活しました。
でも、私の例をみてもそうですし、これまでギャンブル依存症を克服してきた人もきっとそうでしょう。
ギャンブルから離れたあともすべての興味関心を失ったまま……なんて抜け殻のような状態が延々とつづくことはなかったのです。
回復するまでの時間は必要になるが、心の底からギャンブル以外のことを楽しめるときはくるんだ
早ければ数か月、場合によっては年単位が必要になることもあるかもしれませんが、本気でギャンブル以外を楽しめるようになるときはきます!
ようするに、ギャンブル依存症で変化した脳は回復するということ。
パチンコ脳は正常に回復し、新しい趣味や、かつての関心を取りもどすことはできるのです!
ですから、もし、抜け殻になってしまうのでは……と不安を感じているのなら、安心してください。
大丈夫です!
パチンコ・スロット以外の楽しいことは、きっとまた、ギャンブルをやめさえすれば見つけられますよ。
今回のまとめ
- パチンコをしていると脳が変化する
- 脳が変化するとパチンコにしか興味が持てなくなる
- ギャンブル依存症を克服できれば興味関心は復活する
パチンコなどのギャンブルをやめられないのは、意志が弱いからではありません。
自分ひとりではあらがえないレベルにまで、脳が変化してしまっているからなのです。
でも、そんな状況だったとしても、ギャンブル依存症は克服できます
進行を食い止めることもできます。
依存症を克服していく過程で、脳の機能も正常に回復していきますし、ギャンブル以外の遊びにも興味を持てるようになります。
いくらでも手はあるから、大丈夫だ!
ですから、パチンコをやめられないなら、まずはギャンブルへの依存を認識(自覚)しましょう。
それから対策を打っていけば、かならずやこの問題は解決できますよ。
この記事で問題を認識できたなら、ぜひ関連記事から、解決へと進んでいってください。
すべてが解決したそのさきにはきっと、「あれもしたい・これもしたい」の、ステキな景色が広がっているはずです。
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