かつてのパチンコ業界は、現在とはくらべものにならないリターンがあった時代も存在しました。

パチスロ爆裂機で1日に5万枚(=100万円)とかあったらしいな
ですから、パチンコやスロットの最高・最大負け額は、とんでもない記録の保持者も多いと思います。
ただ、のちにギャンブル依存症となった私もまあ負けてきたので、本記事ではつぎのことをお話しします。
- パチンコ・パチスロでの1日の最高負け額&使用額
- パチンコ店での1か月の最大負け額
- ギャンブルで(最高)負け額を叩き出して思ったこと
スロットでいうと5号機以降の話ですが、これはもう、このように言うしかありません。



まこと愚かの極み……
パチンコ・スロットの大負け記録なんて、なんの自慢にもならないですからね。
でも、これをお話しすることで、負けまくったことで得た「気づき」を伝えられるようにも思います。
そんなわけで、せっかくですから、元病的ギャンブラーの大負け記録でも聞いていってください。


ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
負けすぎ問題の対策はこちら
パチンコ店での1日の最高負け額


それでは、さっそくまいりましょう。
私の場合、パチンコ店で1日に負けた最高の負け額は「12万円」です。



まあ、いうほどでもないかもな
そう、これは、そこまでたいした金額ではないともいえます。
ギャンブルに依存症状があるなら、わりとふつうに負けられる金額だからです。
たとえばスロットの場合、パチンコよりも1時間あたりの回転数が多いわけですよね?
ちなみにスロットは1回転にかかる時間は「4.1秒」と規則で決められています。単純計算で1時間の回転数は878回。ゆっくり遊技していても、午前中の2時間で1400~1500回転は回せる計算になります。
開店から遊技を開始すれば、午前中の2時間で3万~4万円負けはあります。
そのまま遊技をつづけていれば、7万~8万円程度なくなるのはふつうでした。
また、ある程度負けると心が折れてきますが、パチンコは負けたまま帰るのがとにかくむずかしい。
プロスペクト理論(※)といって、人には負けを取り返したくなる心理があるからです。
そんなわけですから、やめたくてもやめられない「惰性」で遊技をつづけていればあら不思議。
そこから3万~4万円の追加投資で、12万円負けくらいはあっというまに到達してしまうのです!



スロットでの大負けあるあるですね
- 午前からはじめて3万~4万円負け
- そのままつづけて7万~8万円負け
- 惰性でつぎ込み12万円負け
遊技をはじめるのが夕方からでも、結局閉店前には8万円ほど負けている、なんてこともザラでした。
1日で10万円前後の負けは、もはや「しかたがないこと」のようになっていたのです。
大金を大金とも思わなくなる
パチンコをつづけていると、だれもがこのような状態になっていくような気がします。
でも、これはどうなのでしょう。
常識的に考えて、おかしくはないでしょうか?
「たいしたことじゃない」とか言っている時点でおかしい





なんだかふつうの話みたいになっていますが、これ、冷静に考えるとおかしいですよね
- たった1日の負けで1か月分の家賃が払えることもある
- その負けで旅行に行くことだってもちろん可能
- おいしいものは食べられるし、欲しいものだって買える
だいたいのことは、たった1日負けたお金でできてしまいます。
もちろん勝つこともありますが、ところがどっこい、パチンコはほとんど勝てません。
というか、そもそもですよ。
12万円を「たいしたことがない」とかいっている時点で頭がおかしくなっている、という話なのではないでしょうか?



まあ、そんなことはわかってるけどさ……
そう、頭ではわかっていても、どうもハッキリしなくなるのがギャンブルなんですよね。
そこで、私からの質問です。
ここ最近で、パチンコ以外のものに1日で7万円も8万円も使ったことは、何回ありましたか?
私は負けまくっていくなかで、これに気づいてしまいました。



そうなんですよ……
結局のところ、それくらいの大金を使ったのは、ギャンブルくらいしか記憶になかったのです。
数年間どころか、それ以上でもです!
ふだんなら絶対に使えない金額でもギャンブルなら使えてしまう異常事態、という話です。
スロットでの1日の最高使用額


ほかの気づきは最後にまとめるので、どんどんいきましょう。
つぎは、パチンコ店で1日に“使用”した最高額です。
これは、1日で負けた金額のさらに上をいき、なんと「15万円」でした。



15万円……
その日は、冒頭でもお話しした爆裂機、通称「ゴッド」の5号機版で遊技していました。
しかしその展開は、朝からひたすら負けつづけるだけ。
いくどとなくATMに駆け込み、1万円札をひたすらサンドに流し込む「作業プレイ」となっていました。



お金の価値観は完全にバグってましたね……
でも、これで最高負け額の記録を更新……とはなりませんでした。
最後の最後で、つぎのようにして、奇跡的に大きくもどってきたからです。
- 50%の天井救済に当選
- 80%でつづく当たりが16回連続
これを確率でみると「約1.4%」です。
ものすごく薄いところに救われ、なんとかその日の負け額は6万円程度ですんだのです。
6万円“だけ”で。



6万円……だけ?
そう、やっぱりこれも、おかしいことなんですよ。
たしかに、大金を失わずにすんだことにはちがいありません。
けれども、結局は6万円“も”負けているわけですし、そもそもパチンコ店は、1日に15万円もの大金を使うような場所ではないのです。



いちおうあそこは「遊技場」ですからね
- 多くの人は「だけですんだ」思考におちいり、
- 「もどってくれば」と大金をつぎ込めるようになっていく
おかしいがあたりまえになるのも時間の問題でしょう。
こうして、ギャンブルへの依存は進んでいくのだと思います。
パチンコ店での1か月の最大負け額


つづいては、パチンコ店で負けた、1か月間の(累計での)最大負け額です。
これは、ギャンブル依存症の再発時期で、その額は1か月で「32万円」となりました。



これはアウトだろ
1か月のあいだにパチンコ店に行ったのは、じつは合計すると9回だけ。
ところが、まさかの9連続負けで終了してしまい、リバウンド効果もあって、みごと月間最高記録を叩き出してしまったのです!



しかもこのお金は、使ってはいけないやつでした
- 仕事を辞めることで収入が減る(=今後の生活資金だった)
- 海外カジノで生活費をかせごうともくろんでいた(=その軍資金だった)
など、タイミングとしてはサイアクの負けでした。
いまでもこのときのことを思い出すと、お金を返してほしくなります。
本気でやれば月間100万円負けも現実的


ところで私には、パチンコ店で働いていた経験があります。
勤務先のパチンコ店の社員は、当時、このようにいっていました。



いまのパチンコ・スロットは、1か月間本気で負ければ余裕で100万円は超えますよ
私の月間での最高負け記録は、パチンコ店で毎日負けること9回で32万円負け。
じっさい、稼働の日数的にそのペース(月100万円のペース)で負けていたわけですから、この話はあながちまちがってはいない気がします。
本気どころか、ふつうにやっているだけなのに、1か月で100万円もの大金を負けられるパチンコ
これを「賭博」ではなく「遊技」とよぶのには、さすがに難があるといえるのではないでしょうか?
パチンコ店での1日&1か月の最高勝ち額(番外編)


あと、せっかくなので、この話もしておきましょう。
パチンコ店での1日と1か月の最高勝ち額の話です。



これは期待していいのか?
まずは1日の最高勝ち額から。
これは、スロットで9000枚近くでた17万~18万円勝ちが最高記録でした。
ただ、14~15年もやっていて、結局スロットで万枚を達成することはありませんでしたね。



いちおう4号機からやっていたのですが、それでもダメでした
それから、1か月の最高勝ち額について。
これは正確に記録していたものではないですが、20万~30万円近く勝てた月が“いちどだけ”ありました。
学生時代、イベントでの設定がわかりやすいお店があって、毎回のように高設定をツモれていた(+引きもよかった)のです。
でもそのお店は、しばらくすると設定が入らなくなり、まったく勝てないボッタ店に変わってしまいました。



しかもそのお店で、ICカードの盗難被害にも遭いました
あとその勝ったお金は、当時付き合っていた(と思っていたのは私だけで、二股をかけられていた)女性に貢いでいたので、なにものこりませんでした……。
そんなわけで、たしかに一時的に勝てたこともありましたが、あくまでそれはいっときの話。
以降は、ただただボロ負けがつづくだけとなってしまったのです。
両方とも学生時代の話ですが、この大勝ちの経験も、ギャンブル依存症の要因になったようにも感じます。
へんに成功体験ができてしまって、お金に困ったらギャンブルにたよろうとするクセがついてしまったからです。
成功体験についてはこちら
パチンコ・スロットの大負けで起きたこと+気づいたこと


それでは、負け額などの話がおわったところで、最後につぎのことをお話しさせてください。
- 負けてばかりだった私の身に起きたことと
- その後、パチンコをやめられて気づいたこと



まずは、当時の私の身に起きたことです
ティーン時代にはじまり、学生時代から本格的に行くようになって、そこから10年以上です。
私はパチンコをやめたくてもやめられないギャンブル依存症となり、通算で1000万円以上は負けてきました。
パチンコに依存するまえは、負けたときはいつも、以下のように自責の念に駆られていましたが、
- 「このお金であんなことができたのに」と、家に帰ったあとで負けたことを悔やむ
- 「なぜあそこでやめられなかったのか」と、遊技をコントロールできないことを悔やむ
それでもパチンコ店に行きつづけていると、どうでしょう。
金銭感覚のマヒもあって、しだいに、そういった思考も停止するようになっていきました。
そして、そこからさらに一歩さきへと踏み込んだときです。
なんと、すべての「願望」が、とつぜん消え失せたんですね。
人間は欲深い生きものです。
だれしもがなにかしらの願望を、すくなくともひとつは持っていて、日々あれこれ考えたりしています。



私もそれまでは「海外を放浪したい」とか思っていました
ところが、パチンコで負けつづけていくことで、私の場合はつぎのような願望、
- 旅行や読書などの趣味
- 将来の目標や夢
- 大切な人にしてあげたいこと
これらはすべて消えてしまい、パチンコができればそれだけでいいになっていったのです。
パチンコをするために働き、パチンコをするために生きている。
パチンコが最上のよろこびだと感じ、パチンコ以外にはなにもいらない。
「行きたい」というよりも「行かないといけない」……。
そんな強迫観念に近いものもあって、私は日々パチンコ店を目指しました。
欲求というよりかは義務だったのかもしれません。
まさに「ギャンブル地獄」に私は落ちていき、さらなる地獄へむかって、ひとり突き進んでいったのです。
大切なのは思い出すことだった


さて、そんな私でしたが、現在はギャンブルへの依存を克服することに成功しています。



パチンコで負けない(パチンコに行かない)人間になれました
そこで、この問題の解決後に気づけた、大事なことをお話しします。
- 手に入れたいものがあった
- 実現させたい目標があった
- だれかにしてあげたいことがあった
パチンコで負けまくっていると、こういった願望がなくなっていきます。
いつのまにか「パチンコしかない」状態となってしまって、それしか考えられなくなるからです。
でも、そんなときこそ、とにかく「思い出す」ことが重要でした。



若いころはキレイなおネエちゃんと遊びたいと思ってたわい
とか、なんでもいいので、絶対になにかあったはずですよね?
私が気づけたのは、そういったことを「まずは思い出してみることも問題の解決につながる」ということだったのです。



パチンコじゃなくて、もっと、本当にやりたかったことを思い出すんだな
とはいえ、パチンコがすべての状態では、そんなことは不可能に近いわけです。
だからこそ、この方法は、パチンコに行くのをしばらく耐え、一時的にでもパチンコが「無」になっている状態で使う必要がありました。
パチンコ店に行くと、以下のこともあって、
- パチンコにのめり込むと興味がそれに全変換される
- ハンドルを握る・レバーオン+ボタンプッシュで思考が完全に停止する
- 養分として搾取されるようになる
なにも思い出せなくなっていきます。



行けば行くほどに、ですよね
でも、なにか思い出すことができれば、
もう1日だけ、もう1週間だけ(実現のために)がんばろう……
と、パチンコに行かないのを継続させる力になってくれたりします。
そして、この「もうすこしだけがんばろう」を継続させていくことが、克服を成功させる最初のステップとなるのです。
ギャンブル依存症は海に似ている


またこれは余談ですが、ギャンブル依存症は、「趣味」が急に「病気」に変わるもののように感じます。
たとえるなら、
海の浅いところを遊びで歩いていたら、急に底が深くなっておぼれてしまった。
みたいな。
そこでひとたびおぼれてしまえば、程度によっては、自力だけではいあがるのは不可能となります。
だれかが浮き輪を投げてくれなければ、あとはそのまま沈んでいくだけとなってしまいます。



ですから、もし私のいっている、つぎのことが当てはまるなら、
- 金銭感覚がおかしくなっている
- パチンコができればそれでいいになっている
- パチンコ以外の願望がなくなっている(思い出せない)
まずはパチンコ店に行くのをセーブしてみてください。
そしてパチンコ以外のやりたいことを思い出してみてください。



パチンコがやりたいことだよ……
と、いまは感じるかもしれませんが、それもあとになればきっとわかると思います。
あれは「まやかしの願望だったんだな」ということがです。
「一時的にでもパチンコをがまんできない……」
もしそうなら、それはもう「依存症の海」におぼれてしまっているといえるので、いまから対策を打っていきましょう。
人に助けてもらう方法もあるので、大丈夫です、脱出はできますよ。
今回のまとめ
- パチンコは1日で10万円程度ならふつうに負ける
- 大負けをくりかえすと思考が停止する+依存が進行する
- パチンコ・スロットからはいったん離れて願望を思い出そう
パチンコ・スロットは、つづけていると感覚がおかしくなり、なにも考えられなくなっていきます。
でも、それは願望が眠っているだけの話で、やりたかったことは心のなかで生きています。
ですから、おぼれているなら、いまからはい上がりましょう。浮き輪はもう目のまえに投げられているんですよ。



このブログが「救助船」だ
こんな私でもパチンコはやめられたので、きっとだいじょうぶです。
願望をパチンコに飲まれてしまい、思考停止状態に追い込まれてしまっている……



そんなときでも大丈夫です
まずは「ほんとうはなにがしたかったのか」を思い出す、パチンコに行かない時間をつくっていきましょう。
自分ひとりではどうにもならないときは、人の助けを借りるのも有効です。
手段はこのあとの関連記事で紹介しているように、いろいろあるので、ぜひ動いてみてください。
問題が解決するのは“動けたとき”だけです。自然にどうにかなるものでもないので、まずはトライですよ。


負けすぎている時にすべきこと
年間収支と平均負け額の記録
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