ギャンブルによる借金を返済しないで貯金を始めるという「妙策」の果て

借金を返済することで再びお金を借りられるのであれば、借金の返済はやめるという根本を覆す発想から生まれた策略。果たしてこの策が招く結果とは……

当時パチンコによる借金にまみれていた私は、お金を返しては借り、返しては借りを延々と繰り返していたのですが、ある日、この現状を打破するための策を思いついたのです。

それは、借金は返済せずに貯金箱にお金を貯めていき、最大まで貯まったところでそれを借金の返済に充て、一気に借金を減らすという「一撃返済計画」。

果たしてこの妙策は実を結ぶのか……

利息を無視した捨て身の策略

ギャンブル依存症によってパチンコの呪縛に囚われていた当時、私が最も苦しめられていたのが借金問題でした。

毎日のように朝から晩まで働き、給料の大半を借金の返済につぎ込むも、カード(消費者金融)の「利用可能額」が増えてしまうと返したお金をまた借りてもいいような気になってしまい、再び借り入れをしてしまう。
特に問題だったのが、少し返済が上手くいっている時こそお金を借りてパチンコに行きたくなる衝動がより強くなるということでした。

禁パチンコが少しうまくいき始めたり、順調に返済が進んで借金の元本が減っていくと、それに伴って利用可能額は増えていきますが、パチンコの呪縛による洗脳はこの利用可能額を、自分がこれまで稼いでカードの中に入れてきたお金、使っても大丈夫なお金と認識させました。
そして利用可能額の増加に比例して、パチンコに行ける、好きなだけお金が使えるという思いは加速し、結果、再び借金の元本は借り入れ限度額まで戻ってしまい、返済生活も振出しに戻ってしまうのです。

例えるならばそれは、借金生活という長い長い暗闇を這いつくばり、やっとの思いで見つけた光の差す出口に手をかけたと思ったら、向こう側から何者かによって指先を蹴っ飛ばされ、再び暗闇の奥底に転げ落ちるような感覚。そしてそれが延々と繰り返されるだけ。

これぞまさに借金地獄、無限に続く泥沼の地獄。

しかし、そんな地の底だけを見続けていたある日、私の目の前を覆う暗闇に一条の光が差し込みました。そしてそれは、まるで暗闇を切り裂く雷鳴の如く衝撃で私の脳天をぶち抜き、私にある発想を授けたのです。

返済することで利用可能額が増え気が緩むのであれば、そもそも借金の返済をしなければいいのではないか……

肉を切らせて骨を断て

ついにこの男は借金まみれの現実を前にしてトチ狂ってしまったのか。いえ、そんなことは決してありません。常に前を見続ける男はこんな所で終わるわけにはいかないのです。

私が閃いたのはまさに逆転の発想。
借金を返済することで気が緩み、パチンコへの衝動が大きくなるのであれば、借金の返済は最低限に抑え、元本を減らすことはあまり考えない。しかし、返済を諦めたわけではなく金は別に貯めておき、機が熟したところで一気に借金を返済するというものでした。

しかしこの作戦には非常に大きな欠点がありました。それは、元本が減らない分、利息分の金額を無駄に垂れ流すことになるということ。

当時残っていた借金は確か、消費者金融から勝手に限度額を下げられたこともあって60~70万にまで減っていたと記憶していますが、月の利息は大体10万円当たり1,500円なので、月1万円前後は無駄に消えていくことになるのです。

が、しかし、このまま普段通りに返済をしていても泥沼の借金生活から脱出することはできないと判断した私は、現状を打破する苦肉の策として、利息を犠牲に金を貯め、貯まったところで諸悪の根源である借金を大幅に消し去るという、まさに肉を切らせて骨を断つ作戦で借金の完済を目指したのです。

BANK MAX作戦が始まった

500円玉貯金箱

お金を貯めるのに使用したのはこれ、100均で売っている普通の貯金箱。

この作戦の要となるのは、それをやってしまうと利息を犠牲にした意味が無くなってしまうため、絶対に貯金には手を出さないことでした。よって貯めるお金はそのままではパチンコには使えない硬貨の方が望ましく、さらに全て500円玉でMAXまで貯まれば30万円になるというこの貯金箱がベストと思われました。
1箱貯まれば借金総額の約50%、もし2箱まで行けば借金はチャラですからね。

そうと決まれば早速500円貯金で借金完済、名付けて「BANK MAX作戦」開始だ!

全て500円玉は意外とキツかった

それから500円貯金を始めた私でしたが、これが中々うまいこと進んでいきません。
単純に考えて500円玉で30万円貯めようとすると600枚の500円玉が必要になるわけですが、毎日そんなに多くの買い物をするわけでもないですし、せいぜい出来て1日1~2枚がいい所。このペースだとMAXまで1~2年の月日がかかってしまいます。
それに、例えば900円のお会計に1400円を出して無理矢理500円玉を作るといったこともちょっとアレかな思い、私は途中から作戦の方針を変更し、100円玉も貯金箱に入れることにしました。

それからは買い物は全てお札で済まし、500円と100円硬貨は全て貯金箱へ……
借金は毎月利息分と、余裕があれば少し多めに返済をし、私は貯金に専念。

そして貯金を始めてからどれだけの時間が経ったのか、それは定かではないのですが、遂に訪れる、BANK MAXの時……

500円玉貯金箱、開封の儀

貯金を開始してからどれくらいの時間が経ったのだろうか。少なくともそう簡単にはここまで到達することはできませんでした。

そう、念願のBANK MAX……

ちなみに貯金箱が満タンになった時に興奮してハンマーで貯金箱を叩き割ってしまったので写真は撮っていないのですが、貯金箱を揺さぶったりして硬貨の入るスペースを広げたりと、結構パンパンまで詰め込みました。

そして貯金箱に貯まった硬貨がこれだ!!

貯まった100円と500円玉硬貨

まさに、金の山……

早速いくらになったのか確かめるために全て並べていきます。

10枚ずつ並べた100円と500円玉硬貨

これは貯金箱の中に入っていた500円玉と100円玉を分け、10枚ずつで並べたところ。

22万円分の100円と500円玉硬貨

さて、お待ちかねの集計結果発表といこうか。
集計した硬貨貯金の枚数と金額はこれだ!

硬貨枚数金額
500円365枚18万2,500円
100円395枚3万9,500円
(合計)760枚22万2,000円

思っていた以上に100円玉が多く、そして100円玉は占有していたスペースの割には大したお金にもならず、合計は22万円ちょっとという結果に。

それでも何か新しいことを始めると生活に変化は起きるもので、この時もパチンコ店には行ってはいましたが、普段の買い物でお金が減るスピードがやたらと速かったこともあってか、以前よりもパチンコ店に行く回数は減り、このまま順調に事が運んでいけば借金の完済は目前かと思われたのです。

忍び寄る崩壊の足音

ギャンブル依存症による借金生活の苦しいところは、返したお金を再び使ってしまうため完済というゴールがまるで見えないところにあります。

「一撃返済」を目的に始まったこのBANK MAX作戦は、当初の計画では貯金箱がMAXになったところでそれを全て札に両替し、全て返済に充てることでゴールにかかったモヤを取り払うというものでした。しかし、いざ貯金箱が満タンになってみると私の心境に変化が生じたのです。

湊
ミナト

ちょっとこれは、借金の返済に使いたくないな……

そう、それはまるで大切に大切に育ててきたものを金に困ってやむを得ず売り払うような心境に近く、しかも借金の原因がパチンコとあっては尚更のこと、丹精を込めて貯め切ったBANKのお金をパチンコの借金なんぞに使いたくはなくなってきたのです。

しかし借金を完済しなければパチンコの呪縛から解放されることも、真っ当な生活を取り戻せることもないと思われたので、私は当初の計画を変更。硬貨貯金は500円玉が出来た時にする程度に続け、借金の返済を通常通りに行っていくことにしたのです。

妙策、破れたり

その後は毎月の給料から借金の返済を中心に、BANKへの貯金も平行して行っていたのですが、やはりここでも起きてしまったのです。返済が進むことで起こる利用可能額の増加とそれに伴ったパチンコへの衝動の加速が。
そしてその衝動は大切に守ってきたBANKの貯金を「保険」として考えるまでに急速に育っていき、私の足をパチンコ店へと向かわせました。

この後の展開は、賢明な読者の皆さんであればもう想像がつくでしょう。

私は再びパチンコ店に入り浸るようになり、金が尽きればパチンコしたさにBANKの貯金を札に両替。そしてその後も当然のように負け続け、最終的に25万円ほどあったBANKの硬貨貯金は全て消え失せたのです。パチンコ店のサンドに。

一杯になった貯金箱を眺めながら、借金を完済できたら海外旅行にでも行って好きなだけ遊びたいな、なんて考えていたりもしました。しかしその夢はギャンブル依存症によって脆くも崩れ去り、粉々に散っていったのです。

硬貨貯金をしている間は無駄に利息を垂れ流し、結局犠牲を払って得た貯金も全て消え、私は再び暗闇の底へと転がり落ちていきました。
こうして一撃返済計画は愚か極まる結末を迎え、幕を閉じたのです。

今回のまとめ

・借金があるのであれば貯金なんぞしてる場合ではない
・努力して貯めたお金は使用に躊躇が生まれる
・しかしそれをも吹き飛ばすギャンブル依存症の恐ろしさ

今になって思えばですが、もし貯まった貯金を借金の返済に充てていたとしても、恐らくこの作戦は成功することはなかったと思います。それはギャンブル依存症が持つ力があまりにも強大すぎるから。
つまり、この計画は始まった時から失敗が約束されていたようなものだったのです。

その後私はもがきにもがき自力で借金を完済することに成功するのですが、それは約10年に渡る時間、3桁超えの利息、4桁超えの金額をパチンコにぶち込んだ末の出来事です。

今後借金を返済する方法はまとめようと思っていますが(既に大体のことはギャンブル依存症のカテゴリーに書いてありますが)、もし現状、利息の返済で精一杯など一刻を争う場合は、債務整理を検討してみることをお勧めします。

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