パチンコはもう本当にやめたいです。だれか助けて……
パチンコをやめたくてもやめられないと、そうも言いたくなりますよね。
でも、じつはこれ、そういうことでした。
自分の力ではどうにもならないなら……「人に助けて」もらえばよかったのです!
- 元重度の依存症者が「やめた方法」にたどり着いた経緯
- パチンコへの依存を人に助けてもらう3つの方法
- ほぼ確実にそのパチンコ店には行けなくなる最終手段(再現可)
パチンコはやめないとやばいぞ。「やめたい」とかじゃなくて「やめる」んだ……
そう思いながらも、10年以上、私はパチンコをやめることができませんでした。
行かないのを維持できたのはせいぜい1~2か月程度で、お金がないなどの事情があるときくらいでした。
- パチンコをやめるのはもはや不可能なんじゃないか
- このまま一生、パチンコはやめたくてもやめられないのでは?
しかしそう思われたとき、とうとう私は、パチンコに行かない方法にたどりつけたのです。
それこそが、「人の力を借りる、人に助けてもらう」最後の手段だったんだな
この記事では、パチンコを辞めたいと思うも失敗しつづけてきた私が、ついに成功したときのことをお話しします。
再現可能で、現在はもっと簡単におなじことができます。どうぞ秘策(さきにいうとお店を出禁になる)の全容をごらんください。
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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人の助けを借りる手段は「パチンコを辞めたい」を助けてもらう8つの方法でまとめてあります。こちらもあわせてどうぞ。
パチンコはやめないとやばいところまで来ていた
当時、重度のギャンブル依存症だった私は、パチンコを本気でやめたいと思うもやめることができませんでした。
- 1000万円以上の負け
- 借金漬けで未来が見えない毎日
- パチンコがやめられない自己嫌悪
一時期的にうまくいくことがあったとしても、なんらかの強いきっかけがあればもうダメ。
ふたたび、自分の意志とは関係なく、私はパチンコ店へと舞いもどってしまっていたのです。
しかしその状況は、あるできごとによって一変します。
当時つきあっていた恋人が自殺を試みるという、大事件が起きてしまったのです。
……私のパチンコ依存のせいで。
……もう、だめだなこれは
これが、私にとってのいわゆる「底つき」だったのでしょう。
私は深い絶望のなかで思ったのです。
このギャンブル問題を解決するためには、いちどすべての考えをあらためる必要があると。
パチンコはやめないとやばいと思っているだけではなくて、できることはなんでもするしかない、と。
本題に入るまえに
私はパチンコ依存問題の解決は「最初の1回目の成功」が最大の難所だと思っています。
(※逆にいえば2回目以降/再発時などは、成功体験があるので難易度が下がる)
ですから、以下のことは、できるかぎりくわしくお話しすることにし、
- パチンコに行かないようにするために考えたこと
- 最終手段のまえに打った対策、当時の環境、その後の葛藤
どうやって重度の依存症だった私が「成功0から成功1」を達成できたのかを残しておきます。
再現可能な最終手段から見たいときは「秘策:パチンコ店に出禁を申し出る」までジャンプしてください。
パチンコをやめたいけどやめられないなら「助けて」もらえ
- パチンコ依存症関連の本などをいろいろ読んだ
- 内部事情を調査すれば現実が見えるだろうとパチンコ店で働いた
- 自身の生活に制限を設け、パチンコ店に行けないようにした
これまで私は、パチンコ・スロットをやめるためのありとあらゆる方法は、すでにためしたと思ってきました。
「自分ができることはすべてやってきた」と、思い込んでいました
しかし、心のどこかではずっと、このように考えていたのだと思います。
自分はまだ、専門機関や自助グループのお世話になるほどひどくはない
ギャンブル依存症というものは、程度によっては、ひとりでもなんとかできるものだと思います。
- パチンコはやめたほうがいい、やらないほうがいい、行かないほうがいい
そんな人の言葉に、多少は耳を貸すこともできるでしょう。
ただ、それ(依存症)が重症と化してしまった場合、
自分ひとりの力ではもうどうにもならないだろうし、
しかも、そんな状況だというのに、だれもが「自分は重症だ」とは考えない。
そういったところにこそ、この病の、真のおそろしさがあるようにいまは感じます。
自分はまだそのレベルじゃない、病院もなにも必要ない……
私もそう思ってきたわけですが、10年以上もなにも変わらなかった現実を直視してさとりました。
「もう一人の力では限界だ、これ以上はどうにもならない」
そこで私は、はじめて他者の力を借りる決意をかため、まずは相談機関に電話をかけてみることにしたのです。
対策1:RSNに電話をかけた
まず私がとった行動は、RSNという相談窓口に電話をしてみることでした。
RSN(リカバリーサポートネットワーク)とは、パチンコ・パチスロ依存問題を解決するために設立された、非営利の相談機関。
パチンコ店のトイレにポスターがよく貼られているアレです。
相談機関のお世話になんて……
と、思い込んできたので、これまでの私は、当然ここに電話をかけたことなんてありません。
ところが、意を決してRSNに電話をしてみると、これが思っていたよりもスマート。
対応してくれた相談員は、まずは私の問題を聞いてくれ、以下のような提案をしてくれました。
- 1回の遊技に使う金額を決められないか
- 1回の遊技の時間を何時間までと決められないか
- レートを落とすことはできないか
ただ失礼ながら、そんなことができていれば、ここに電話をすることもなかったでしょう。
お金や時間に制限を設けるというのは、ちょっとムリそうです……
それでは、「GA」という自助グループに参加してみてはいかがでしょうか?
よし、それなら、すぐにこの「GA」を調べてみよう。
こうしてRSNでの相談はおわり、私はつぎの対策へと進みました。
ちなみに、レートを落とす方法は個人的にはおすすめできません。この方法の危険性は「禁パチ・禁スロ効果最大化」の記事に書いてあります。
対策2:GA(ギャンブラーズ・アノニマス)への参加を検討
つづいて私は、すぐに「GA」のホームページにアクセスします。
GA(ギャンブラーズ・アノニマス)とは、ギャンブル依存症を患っている本人向けの、依存症からの回復を目的とした自助グループです。
GAの存在も以前から知ってはいたものの、さきほどと同様、会合に参加しようと思ったことはありません。
ただ、今回ばかりは事情(決意のレベル)がちがいました。
RSNでの相談がおわると、すぐに私は、GAのミーティング(会合)開催日と最寄りの会場を確認しました。
でも残念なことに、これはすべて予定が合わなかったんですね
私は東京在住なので、すこし移動すればほかにも会場はありました。
でも、「おなじものがあるなら近場でいい」という自分の主義もあって、GAはいったん保留に。
自助グループはあとにし、つぎの対策を考えることにしたのです……が、なんとこの選択が功を奏したのです。
パチンコ店に「行かない」ではなく「行けなく」する方法
- RSNはあくまで話を聞いてくれる場所で、GAへの参加をすすめられた
- しかしGAは予定があわず、行くなら近場がよかったので保留とすることにした
では、これからどうするか?
これまでにない「他者にたよる」動きをしていたイマを逃せば、それこそほんとうに、一生パチンコをやめることはできないかもしれない。
そこでまず思いついたのが、自傷行為によってパチンコを打てない体にしてしまう、という物騒な方法でした。
これはまあ……だれもがいちどは考えたことかもしれないな
- 腕を骨折(ハンドルやレバーを操作できない!)
- 指先を自傷(スロットなら痛くてボタンを押せない!)
- 足を骨折(パチンコ店に行けない……)
ただ、冷静に考えてこれはありえません。
さらにいうと、腕や足を骨折してでもパチンコ店にくる人はきます。
それは以前働いていたパチンコ店で目撃していて、むしろけがをすることでパチンコ店に来る頻度が増えている、というケースもある始末でした。
なにかいい方法は……
これまでストックされてきた、10年以上ぶんもの記憶(ほぼ失敗)をあさっていたときでした。
ふと、頭の中に、ある「根本的な解決策」が浮かんできたのです。
パチンコ店に「①行かない」ようにするではなくて、「②行けない」ようにすればいいのでは?
なるほど、そういうことでした。
この問題は、「行かないようにする」からさらに一歩踏み込んだ、「行けなくする」ことこそが重要だったのです!
パチンコ店を出禁になってすべてを解決させろ!
- パチンコ店に行ってしまうのは、行かないという「意志」だけにたよっているから
- それなら、「物理的に」行けないようにしてしまえば、問題は解決するのでは?
- 物理的に行くのを不可能にする方法、それは、パチンコ店を「出禁」になればいい
私がたどりついた答えは、「かよっているパチンコ店を出入り禁止になる」という方法でした。
なにをどうやってもパチンコ店に行ってしまうのなら、店を出禁にされてしまえば、今後は行きたくても行けなくなるからです。
しかし、そうはいっても、パチンコ店を出禁になるのは意外と簡単ではありません。
一発でそうなろうと思えば、器物損壊・窃盗・ゴト行為といった、「法律に違反すること」をしでかす必要がでてきます。
当然ながら、私はこんなことで、警察のお世話になんてなりたくはありませんでした。
それから、長年にわたって搾取されてきたとはいえ、です
これまでかよっていたお店でもあったので、お店に迷惑をかけるのも避けたかった。
そこで私は、まっとうな方法でパチンコ店を出入り禁止、もしくは出禁とおなじ状態になることを目指して動きだしたのです。
私を取り巻くパチンコ店の環境と立地条件
私の自宅周辺には数多くのパチンコ店があり、すこし自転車で移動するだけでも、十数件のお店がありました。
けれども私は、パチンコ店も近場しか行かない主義。
行くお店・行かないお店はほぼ決まっていて、とくに以下の2店舗によく行っていました。
- 隣駅にあるA店
ふだんから通っていたパチンコ店。7~8年はずっとここに行っていた。
- 少し離れたB店
買い物帰りなどに立ち寄っていたパチンコ店。用事がなければ行くことはなかった。
基本的には、A店とたまに行くB店でこと足りていたので、わざわざほかのお店に行く必要もなく、新しいところをさがすこともありません。
反対に、なにがあっても行かないお店も決まっていました。
- 隣駅にあるC店
もともと通っていたパチンコ店。遊戯中にICカードを盗まれたことから行かなくなった。
- 隣駅とは反対にある数店舗
このエリアのパチンコ店で以前働いていたため、打ちに行くことはなかった。
もともとかよっていたのは、隣駅にあるC店でした。
しかし残高ありのICカードをここで盗まれてしまい、そのさいのやりとりで不信感をいだいたため、その後は行かなくなっていたのです。
また、以前働いていたパチンコ店があるエリアですが、
そこは他店の調査(アルバイト業務の一部)などで、お互いが顔見知りという問題が。
自分がパチンコをしているすがたを見られたくなかった私は、お店を辞めたあとは、そのエリアにも行けなくなっていました。
行くお店、行かないお店は、おそらくだれもがあることだと思います。
- C店は「不信感があるから行かない」
- 以前働いていたエリアは「恥ずかしいから行かない」
私の場合でいえばこのように、ギャンブル依存症とはいえ、自分がゆずれない一線を越えてまでそのお店に行くことはなかったのです。
それでも(依存症でも)守りたかったプライド
それと以前、見ず知らずの40~50代くらいの男性から、私はこのように話しかけられたことがあります。
有り金全部すっちゃって帰れなくてサァ……。お兄さん勝ってるみたいだし、数百円でいいから交通費くれない?
たとえこの人とおなじ状況になったとしても、私にはそんなことはいえません。
……何時間かかっても歩いて帰ると思います
それは、依存症だったとしても自分の尊厳は守りたい、というプライドはあったから。
- 行かないお店は決まっている
- ゆずれない一線を越えてまでそこに行くことはない
- 依存症だったとしても、自分の尊厳(プライド)は守りたい
ようするに、なにがいいたいのかというと、こういうことです。
絶対にゆずれない一線を越えなければ行けない、と自分に思わせる出来事をパチンコ店で起こせば、出入り禁止になれなかったとしても、尊厳を守りたい以上は二度と行かなくなるだろう
これが、窮地に追い込まれた私が考えだした「秘策」でした。
もちろん「起こす」のは、法律に違反しない内容で、という絶対条件がありましたが。
秘策:パチンコ店に出禁を申し出る
- パチンコ店を出入り禁止になる
- もしくは二度と行けないような状態にする
- それをパチンコ店のルールを破らず、かつ法律に違反しないでおこなう
この作戦を遂行するには、「パチンコ店に直接、出禁を申し出る」しかないと私は考えました。
ただ、これはおそらく、成功率は高くない。
お客さんひとりを出禁にする場合、全従業員と情報を共有しなければなりません。
グループ企業の場合は、ほかのグループ店とも共有しなければならないかもしれません。
出禁だから帰ってくれ? じゃあ使ったお金を返してくれ!
と、出禁にした人がまた来たとき、「使ったお金を返せ」とか、金銭トラブルに発展する可能性もゼロではないでしょう。
さらにいうと、パチンコ店には、私のようなやめたくてもやめられない人がいるからこそ経営が成り立っている部分もあります。
つまり、パチンコ店側からすると、出禁を申し出た客の要望に応えるメリットがなにもないどころか、デメリットしかないのです。
でも、その(出禁を申し出る)やりとりのなかで、「自分はもうここには来れない」と思うことが起きれば……?
この場合、出禁になれなかったとしても、ふつうは二度とそのお店には行けません。
そう思われたので、この出禁作戦が失敗した場合にそなえ、私は「家族の助け」を借りることにしたのです。
自分のなかで、より強力な出入り禁止状態をつくるために。
対策3:家族に助けてもらうことにした
正式な出禁が不可能だったとしても、「二度と行けないと思わせられる出来事」がお店で起これば、それは事実上の出入り禁止となにも変わらない。
私にとってのそれは、「これ以上にない耐えがたい恥をかくこと」だと思われました。
醜態をさらしたパチンコ店にまた行くなんてことは、「尊厳を守りたい」がある以上、できるはずがなかったから。
よって私は、家族にたのみ、長年かよっていたパチンコ店(A店)にいっしょに来てもらうことにしたのです!
考えるまでもないですが、いい年をした成人男性が家族を連れてきて、
お店を出禁にしてください……
なんて、考えただけでも穴に入りたくなってきますよね?
だが、それがいい……!
そして来たる、壮大な「パチンコ店・出入り禁止計画」の決行日。
もはや私に、退路などはありませんでした。
隣駅にあるパチンコ店に出禁を申し出た
パチンコA店は長年かよっていたので、お店の店長とも、会えば会釈するくらいの関係ではありました。
出入り禁止を申し出るのは、お店の店長がいちばんいいな……。
はからずも顔見知りであることは、私にとっては都合がいいことでした。
当日、店長がふだんいる時間帯に、私たちはパチンコ店へ向かいます。
これから大衆の面前でおこなう行為は、ハラキリものだ……
生き恥をかく覚悟を決めたとはいえ、尋常ではなく、気分は重たく感じられました。
ああどうも、こんにちは……どうかされたんですか?
パチンコ店に入ると、運よくいつもの店長が出迎えてくれます。
しかし、私のただならぬ気配を、すぐに察してくれもしたようでした。
相談したいことがあることを伝えると、空いているカウンターで話を聞いてもらえることに。
そして準備がととのったところで、私はこう切り出したのです。
じつは長年パチンコに依存してまして、自分で制御することができません……
そこで、お店を「出入り禁止」にしてほしいと思ってうかがいました
短い沈黙のあと、店長はつぎのように答えてくれました。
そうでしたか……。せっかくお越しいただいたのですが、現状、こちらとしましても……
ただ、当店は「自己申告プログラム」というものを導入する予定があります。それが済みましたら、正式に申し込んでいただくのでもよろしいですか?
「自己申告プログラム」とは、2015年から運用が開始された、パチンコ・パチスロ依存(のめりこみ)の防止策のこと。
当時は、そんなものがあったことを私は知りませんでしたが、現段階ではこれが妥協点となり、話し合いは決着となったのです。
パチンコ店に出入り禁止を申し出た結果
まさに切腹ものの生き恥をさらしてきた私は、なんとか無事に生還。
行きつけのパチンコ店を出禁にしてもらう目的は果たせませんでしたが、
当初の最大の目的「出禁と同等の状態をつくる」は、みごと達成することができたのです!
まわりからじろじろ見られたわけでもなかったので、いうほど恥ずかしくもありませんでした。結局お客さんが見ているのは、目のまえの自分のパチンコ・スロットだけです。
思えば、A店の店長は、私が勝手に思い込んでいただけで、もしかすると店長ではなかった(副店長や主任だった)のかもしれません。
が、いまとなっては、それはどちらでもいいことでしょう。
結果からいうと、この日から私は、長年行きつづけてきた隣駅のパチンコA店には行かなくなりました。
ついに私は、悲願を成就させることに成功したのです……!(?)
やはりパチンコの禁断症状は出た
もっとも、出禁を申し出た日から、突然スッパリとパチンコをやめられたわけではありませんでした。
3日もすれば、いつものように、パチンコ店にはもう行きたい。
しかも、そのときはどうしても遊技したい台がまだあったので、パチンコに行きたい衝動は、なおさら大きなものがありました。
ばれなければ大丈夫なんじゃないか……?
正直いうと、A店に行けなくなってしまったことに後悔すら感じていました。
急速に肥大化するパチンコ欲にしたがって、またパチンコに行こうと考えるようにもなりました。
ただ、冷静に考えて、行けばばれます。
出禁を申し出たというのに、なにくわぬ顔で、ふつうにパチンコを打っている。
そんなことができるはずもないでしょう!
「行くしかない。いや無理だ。でもやっぱり……。いや無理か……」
このとき、1日に何回も、何十回もおなじことを私は考えました。
でも、お店に出禁を申し出た事実が強力なストッパーとなって、パチンコに行くのを阻止してくれていたのです。
それに、禁断症状というものは、無限につづくものではありません。
とりあえず今日はガマンしよう。さきのことは考えず、いまは目のまえの今日だけに集中しよう。
それをつづけていくと、どうでしょう。
1~2週間もすると毒が抜けてきたかのように、パチンコに行きたい・打ちたい衝動は、あきらかにおさまっていったのです。
一生やらないかはひとまず置いておき、とにかくイマだけは行かないと考えました。また当日に関しては、
- 夜(パチンコ店の閉店時間)が近づくにつれて衝動もおさまっていく
傾向があり、日中だけ耐えればあとはラクになって、行く行かないも考えずにすんでいました。
とはいえ、その衝動に、まだ完全にあらがえたわけでもありません。
A店にはもう行けないなら、たまにいくB店に行こうかな……
そう、私は途中で「べつの場所に行く」という、逃げ道に走ってしまったのです。
人は勝てる可能性を見いだすからこそ金を賭けられる
- マイホはセルフ出禁状態
- でもやっぱりパチンコにはまだ行きたい
- それならたまに行っていたパチンコB店に行こう
買い物帰りなどにたまに立ち寄ることがあった「パチンコB店」。
ここは、じつは年に数回程度しか行かないところで、その実態を知ることはそれまでありませんでした。
それで私は、こっちに逃げてきてしまったんですが……
すこし行きはじめてみると、なんとパチンコB店は超絶的なボッタ店だったことが判明。
そもそもギャンブルは、勝てる可能性が見えるからこそお金を賭けられるわけで、最初から負けるとわかっていればだれもお金を賭けたりはしません。
可能性がうすかったとしても、
勝てるかもしれない
という希望があるからこそ、私たちは大切なお金を賭けられます。
しかしこのB店では、その希望が、まったく見えなかった。
この店はやばいな……。負ける未来しか見えないぞ……
つねに負けてきたギャンブル依存症の私でさえも、お金を使うのをためらうほどのひどさ。
投資がかさんでくれば、たしかに「負けたお金を取り返したくなる」ので制御はきかなくなります。
でも、その現金投資をまずしたくならないのです。やればほぼ確実に負けるとわかっているから。
そんなわけで、だ
パチンコB店に関しては、出禁を申し出る必要すらなく、何度か行ったあとに自然と行かなくなってしまいました。
いま思えば、「ここでパチンコをすると損をする」と感じたことも大きかったように思います。
「これならA店に行ったほうがいいな → でもA店は行けない → だったら行く場所はないか……」となっていました。
パチンコをやめた締めの方法は「リハビリ」だった
「パチンコA店であれだけのことをしておいて、まだパチンコをつづけるのか?」
そんな葛藤があったこともさいわいし、パチンコB店もふくめ、私は行くお店を失いました。
マイホに出禁を申し出るという荒ワザを駆使したことによって、新しいパチンコ店をさがす気にもなれません。
そこで、この「行く場所がない」うちに、私はパチンコ依存症を克服するためのリハビリを開始。
その方法というのは、
当ブログでも紹介している「パチンコをやめる11の方法」です。
- 本当にほしいものや必要なものにお金を使うようにし、金銭感覚を戻していった
- 知らない場所に行ったときは無意識にパチンコ店を探してしまうので、すぐに家に帰るようにした
- 財布にお札やキャッシュカードは入れず、ふらっとパチンコに行ってしまわないように気をつけた
- 毎日のおわりにはパチンコ店に行かなかった自分をねぎらい、カレンダーをめくった
すると、パチンコに行きたい衝動そのものが、あまり起こらないようになっていったのです。
起きたとしても微々たるもので、気をそらしてあげれば、衝動にとらわれることはもうありませんでした。
行く場所がないのはやはり大きかったです。行こうか行くまいか迷う必要がなかったから。
頭をよぎっても、「いや、パチンコはやめておこう」ができる。
パチンコのことを考えた瞬間に、時間をみて、着替えて、即出撃……なんて、体が自動的に動くこともなくなっていました。
自分の、意志の力で、耐えることができるようになっていたのです。
ここまで、長い道のりでした……
何度も希望をいだいては絶望し、手が届くことはもうないと、あきらめたこともあった未来でした。
それでもなんとかふんばり、何年間もずっと、パチンコのない日常を私は思い描いてきました。
そんな「ほんとうの人生」を、こうして私は、苦節10年以上を経て取りもどすことができたのです。
今回のまとめ
- 自分一人の力では「限界だ」と感じたら人に助けてもらおう
- 出禁または出禁と同等の状態になれば、パチンコ店には行けなくなる
- 現在はパチンコ店を「正式」に出禁にしてもらえるようにもなった
私の場合、人の助けを借りて出禁を申し出る方法と、ひとりでもできる対策を併用することで脱パチンコに成功しました。
パチンコ店に「行かない」ではなく「行けなく」する。
これの効果は尋常ではありません。
パチンコをやめたくてもやめられないときは、ぜひこの方法をためしてみてください。
また、パチンコ依存の対策として実施されていた「自己申告プログラム」は、現在は「自己申告・家族申告プログラム」へと内容が強化されています。
なんと、自身または家族の申告で、入店制限(出入り禁止)をかけてもらえるようになりました。
「確実に出禁+恥をかいてくる」という合わせ技も使えるようになったということです!
当時の私は知らないこともあって、なにも持たずにパチンコ店に乗り込みました。
しかし現在は、プログラム導入店舗なら、正式にパチンコ店を出入り禁止にしてもらえる(本記事の内容を再現できる)のです!
プログラムを導入していない店舗でも、店長の裁量によっては受け付けてもらえます。(参照:自己申告プログラムを申し込んできた)
万が一それがだめでも、入店制限をかけてほしいと私のように相談してくれば、まちがいなく効果は得られるはず。
とにかく、ここにはもう「行けない」と思い込むことが大事なのです。
そんなわけで、だ
これで本記事も最後となります。
パチンコで負けるなどして「もうやめたい」と思った……。
じつはそのときから、パチンコをやめる機会は「すべての人の目の前に、ひとしく転がっている」ものなのかもしれません。
ただ、心のどこかで、
まだなんとかなるだろう……。
と楽観視してしまうからこそ、その機会は、いつも私たちの前をとおりすぎていってしまうのだと思います。
おとずれた機会を離さないように、しっかりとつかんで生かす
たったこれだけのことができれば、依存症によって苦しめられてきた人生をも変えることができる、と本件をとおして強く私は感じました。
未来は、行動することでしか、つかみ取ることはできません。
どのタイミングで機会がおとずれるか、それは人それぞれだと思いますが、
それは、まさに「いま」ということもあるのではないでしょうか?
パチンコをやめたい。そう思って、ここにたどり着かれたのだと思います。
それなら、どうか、そのチャンスをつかみ取ってください。
ほんとうの人生は取りもどすことができます。「もう手遅れ」なんてことは絶対にありません。
行動を起こすことができたそのタイミングこそが、きっと、私たちの人生にとって「ベストなタイミング」です。
ですから、さっそく行動に移しましょう。
そのさきで、目の前に転がっているチャンスをひろうことができれば、すべてを変えることができますよ。
一人でもできるパチンコをやめる方法
「辞めたい」を人に助けてもらう方法
コメント(確認後に反映/少々お時間をいただきます)
コメント一覧 (8件)
丁寧な記事ありがとうございます。
依存の最中にある人にとって一番気づきにくいのが、自分は依存しているという事実、つまり自分の意志ではコントロールできないという事実です。なぜコントロールできないのかというと、自分の脳みそがその能力を失っているから。だから他人の助けが要るのです。
この記事が誰かギャンブル依存で苦しんでいる人に分かってもらえればと願ってやみません。
コメントをありがとうございます。
私も「自分の力ではもうどうにもならない」という事実に長いこと気づけないでいました。
最近はそのことをより多くの方に気づいてもらいたいと、記事の内容を修正するなどしています。
これからもその活動は続けていきたいと思っています。
記事の構成がやや自分語りのようにもなってしまっていますが、真意をくみとっていただけたことを大変嬉しく思います。ありがとうございます!
現在重度の依存症患者です。
私は元々パチンコ・パチスロ依存で最近ではネットで競艇をしていました。
一度に使う金額は1万以上、まずいと思いながらもネット上で出てくる数字が消えていく感覚は何も心に響かず負けては賭けて負けては賭けてを繰り返し気付いたら数十万円なくなっていました。
私には子供が3人おり、妻にはもう一度借金したら離婚するという誓約書を去年書いてくださいと言われサインした矢先、昨年末にお小遣いを全て使って、取り戻そうと借金をしてしまい、負債は膨らみ妻にばれる前に自身の家族に泣きすがり、お金を出してもらったもののそれをまた使用し現在に至ります。
今日妻に全てを話します。
私は家族が大好きですが、妻にこれ以上苦しい思いをさせたくないと何度も誓ってきたのに繰り返してしまいました。妻はギャンブル依存症に関して深く調べたくないというか、自分でなんとか治してよっていう考えなので繰り返してしまうことに対しても理解を得られません。
自分がしたことなんだからつらいこともないだろうと言われるかもしれませんが、今日自分がしたことを伝えたら確実に離婚になることを考えると正直震えが止まりません。つらいです。でも自分の治したいという気持ちも改めて伝え、出来る対策を全て話しますがダメだったら離婚をします。心が折れて死にたいような感覚に陥るかもしれませんが、治したいという気持ちをしっかり持って前を向いて進みたいと思います。
すみません、コメントさせていただきました。記事面白かったです、ありがとうございました。
アキヒロさん、コメントを拝見しました。
誓約書にサインをされたということですが、奥様に泣きの1回を許してもらうのはむずかしいでしょうか?
パチンコ・パチスロ依存問題でしたら、当記事でもご紹介している対策プログラムの活用も有効ですし、オンライン相談会や自助グループなど、問題を解決する方法はたくさんあります。競艇はネットでできてしまうのが問題ですが、レース系のギャンブルでも、問題を解決できた(おなじく妻子持ちの)友人もおりますので、SNSを介して意見交換をすることもできると思います。
ご自身の問題を自覚し、治したいという気持ちがあるのなら、この問題はきっと解決できると思います。
私はギャンブル問題以外でも、離婚で妻子を失って絶望してしまった人を何度かこの目で見てきています。奥様のご理解を得られなくても、その他の協力を得るなど問題を解決できる方法はあるので、なんとか最後のチャンスを奥様にもらうことはできないでしょうか?
それから、墓まで持っていく秘密(たとえば借金など)はだれしも1つは2つはあるはずだと思いますし、じっさいに家族には内緒で返済をしている方もいます。
チャンスをもらえる可能性がゼロに近いのなら、バレてしまったときにどうなるかという話でもありますが、一部はふせて打ち明けるのも選択肢の一つかなとも思います……。
いずれにせよ、ご相談でしたらいつでも乗りますから、必要でしたらどうぞご返信ください。
結論が長くてよんでられなかった
ご意見ありがとうございます。
この記事は時系列に沿ったものなので、たしかに話が長くなってしまっています。
そのため、冒頭に簡単な結論(先にいうとお店を出禁になる)を書いたのですが、見返してみるとそれでもわかりにくい部分はあると感じました。
定期的に記事を書き直しておりますので、そのときは参考にさせていただき、より読みやすい話にしておきたいと思います。
主人がギャンブラーです。
本人は辞めたくないので タチが悪いです。
家族としては病気のレベルだと思うので 自助はしってましたが出禁になる方法までは知らなかったので 非常に参考になりました!
ありがとうございます!
こちらこそコメントありがとうございます。
おそらくすべての病気レベルのギャンブラーは、問題が深刻化するまで自分からやめようとは考えないと思います。
ただギャンブルから一定期間離れられれば、私もそうだったように、その後は行かなくてもすむ生活はできます。
自助グループ(GA)なら、ご本人を連れていくこともできますし、
自己申告・家族申告プログラムというものを活用すれば、きちんとした手順でお店を出禁にしてもらえます。
ただ、ご本人の意思(そんなところには行かない、出禁になんてならない)でうまくいかないことも多々あると思います。
そんなときは、ギャマノン(GAMANON)など、ご家族向けの自助グループもあるので利用を考えてみてください。
(※家族のギャンブルで困っている人たちが集まるもので意見を聞くことができます。他では「ギャンブル依存症問題を考える会」という団体も家族向けで有名です)
本人が「やめたくない」ギャンブルは、「やめたい」と思うまで待つか、
まわりがどれだけ迷惑しているか(心配しているか)を伝えて、考え方を変えてもらうか、
になってくるように思えます。
「そろそろやめどきなのかな」と考えさせることは、話し合いでも可能性はあると思うので、ぜひ参考にしていただければと思います。
またなにかありましたら、いつでもコメントください!