私はパチンコ店に通算で14~15年ほどはかよっていた元ギャンブル依存者です。
ここでは依存症は関係ないですが、それだけ行っていると、まあ事件も起こるわけですよね。
そう、パチンコ店で遊戯中に、お金(残高ありのICカード)の盗難に遭うという、窃盗事件に巻き込まれたことがあるのです!
- パチンコ店でのICカード盗難(窃盗)事件の一部始終
- パチンコ店員+警察とした事件中のやりとりのすべて
- 事件は解決した? など、その後はどうなったのかの後日談
パチンコ店の中には、悪だくみをしている人間がいることも多々あります。
この記事では、そんな不届き者に、パチンコ店でICカードを盗まれたときの話をしましょう。
- 被害届はどうするのか
- 犯人は捕まるのか
- 盗まれたお金は返ってくるのか
最後まで読んでもらえれば、こういったこともわかるようになるかと思います。
新たな被害者をださないための「注意喚起」ということで、どうぞごらんください。
パチンコ屋でのICカード盗難(窃盗)事件の発端
当時の私は、近所のパチンコ店に毎日のようにかよってる病的なギャンブラーでした。
そして事件があった当日は、昼過ぎに入店。
お気に入りのスロット台で遊技をしていました。
サンドに投入した1万円はあっさりと消えるも、追加で投入した1万円のうち、最初の1000円が運よくヒット。
そこからは、あれよあれよと出玉が増えていきます。
出玉がある状況なら、取り忘れ防止のためにも、ICカード(しかも残高9000円)は抜いて財布の中に入れておくべきでした。
しかしギャンブラーというものは、ある種のオカルト的思考を持っていたりもするのです。

いまカードを抜いてしまえば、このいい流れが終わってしまうかもしれない……
お金は入れたままにしておいたほうが出る。
そんなわけで私は、MAXに近い現金が入ったICカードを、サンドに入れたままにして遊技を続行。
勝負に夢中になるあまり、しだいにICカードの存在は、頭の中から消え去っていきました。



トイレ休憩だな
尿意をがまんしていてもツキが悪くなる(トイレから戻ってきた瞬間はヒキが発揮される)。
さらなる勝負のためにも私はトイレに行き、気合を入れ直して遊技を再開します。
それからしばらくして、ICカードの存在を思い出し、「そういえば」とサンドに目をやったときでした。



……ない?
なんと、9000円が入ったICカードが、なくなっていたのです。
ICカードの盗難は警察に連絡しろと言われた



ICカードがどこかに消えた……?
いや、これはおそらく、お店の人が抜いてあずかってくれているのだろう。
若干のあせりをおぼえながらも、私はパチンコ店の従業員(社員)に声をかけました。



知らないですね……。もしかすると、盗まれたかもしれません



えっ!? それって、監視カメラで確認してもらえないんですか?



いや、それはできません
監視カメラの映像を(自分に)見せてほしいというのはムリな話です。
でも、なぜかパチンコ店側は「監視カメラは確認できない」の一点張り。
どうしても確認してほしかったら警察を呼んでくれ、という話でした。
ちなみに、これはあとで知るのですが、監視カメラに映っている内容はパチンコ店にかぎらず、あまり人に話していいものではないそうです。
そういったこともあって、ここでは便宜上、「確認できない」としていたのかもしれません。
が、いずれにせよ、このときの私に与えられた選択肢は、つぎの2つしかありませんでした。
- 放置
- 通報
私には「撃たれる(盗まれる)覚悟」なんてものはありません。
ただ、2000~3000円程度ならまだしも、ほぼ満額の9000円を奪われたのは許しがたく、お金を盗んでいった不届き者への怒りもこみあげてきていました。
そこで私は、しかたなしに遊技を中断。ここで警察を呼ぶことにしたのです。
この期におよんでも感じていた、「いい流れを断ち切りたくない・早く遊技を再開したい」という病的な思いをこらえて。
パチンコ店で警察との実況見分(現場検証)開始


正直いうと、このあとどうすればいいのかよくわからなかったのですが、ひとまず私は近くの交番に電話で連絡。
警察にパチンコ店まで来てもらうことにしました。
しばらくすると、2人の警察官がパチンコ店に到着します。



じゃあ、始めますか
1人は監視カメラの確認のため、パチンコ店の社員と事務所へ。
もう1人は実況見分(現場検証)のため、私と問題が起きたスロット台へむかいます。
私は警察に、これまでに起きたことを説明しました。
- 昼ごろから遊技していて、スロット台のサンドにICカードを入れたままにしていた
- それを忘れてトイレに立ち、台に戻ったあとで確認したらICカードがなくなっていた
また、これはおそらく、問題が起きた場所の証拠をのこすためでしょう。
ICカードが入っていたサンドを私が指でさし、何枚かの写真も撮られました。



そうそう、そんな感じで指をさしてください。じゃあ撮りますね
台の承認・許可などで、じつは警察とパチンコ店には関係があります。
とはいえ、事実上換金をおこなっているグレーなパチンコ店に、制服を着た警官がいるのはかなりの違和感があるというもの。
まわりのお客さんからその様子をじろじろ見られるなど、パチンコ店での実況見分の居心地は、あまりいいものではありませんでした。



なんだか自分が悪いことをした気分だな……
そうこうしているうちに、警察官立ち会いのもとでの、監視カメラの確認もぶじに終了したようでした。



お兄さん、狙われてたみたいですね
もうひとりの警察いわく、なんとその不届き者は、私が席を立つ瞬間をかなりまえから狙っていたというのです。
そして私がトイレに立った瞬間!
これを「好機」と見るやいなや、稲妻のごとき速さでICカードを抜き去り清算、疾風のように立ち去っていったのだとか。



…………
オカルト病的ギャンブラーの私は、ちょうどいいカモ野郎だったのです。
ICカード盗難の被害届は後日でもいいらしい



被害届はどうします? いつでも大丈夫ですけど
1時間もかからなかったと思いますが、
- 実況見分
- 監視カメラの確認
これらの作業がおわったあとで、「被害届はどうするか」の話になりました。
警察いわく、被害届はこれからすぐでも後日(翌日以降)でも、どちらでもかまわないとのこと。
とはいえ、モヤモヤしたまま遊技を再開する気にもなれませんし、後日また交番に行くのも面倒くさい。



泣き寝入りはよくないので、こちらも待ちますよ
またこのときになると、パチンコ店の社員も協力的になっていて、「全部おわるまでは台の(休憩)時間は気にしなくていい」といってくれていました。
そこで私は、遊技していた台はそのままに、さきに交番へ行ってすべてを終わらせることにしたのです。
被害届の提出は後日でも問題ないようですが、実況見分を後日にするのはむずかしいとも聞きます。通報する場合は問題が発生してからすぐに「交番もしくは110番」に電話したほうがよさそうです。
パチンコのカード盗難は捕まる確率が低い?


パチンコ店を出て交番に到着してからは、被害届の提出作業となりました。
- 住所や氏名などの必要事項を用紙に記入
- 事件の起きた日時や盗まれたものもあわせて記入
- 最後にその用紙(被害届)を警察に提出する
これはたいした作業ではなく、すぐにおわりました。
ただ、書類に記入をしながら、こう思ったことを私はいまでも覚えています。



これ、犯人捕まらないだろうな……
パチンコ店の社員は、このようにいってくれていました。



顔はおぼえたので、もしつぎに来たら捕まえておきます
とはいうものの、顔がハッキリうつるほど高性能なカメラがあるパチンコ店に、盗みをしたやからがまたもどってくるとは考えにくい。
それに、警察も対応はしてくれたとはいえ、それをもとに、犯人を捕まえるための捜査をはじめてくれることもないでしょう。
これはあくまで形式上の手続きで、自分が出した被害届は、山積みになった書類の塔を構成する1枚になるだけなのでは……。
よって、犯人が捕まる確率は、かぎりなく低いのではないかと思われました。
しかし、わからないことを考えていてもしかたがないですし、犯人がどこかで捕まれば、この被害届が生きてくるかもしれません。
これはこれでよしとすることにし、私は被害届を提出後、パチンコ店にもどることにしたのです。
まあ、パチンコ店にもどった私に待ち受けていたのは、以下のとおりで、
- 出玉はすべて飲まれる
- 結局は追加投資で負け
- 盗まれたお金でさらにマイナス
まるで目も当てられない、散々なものだったのですが……。
パチンコ店でのICカード窃盗事件の後日談
以上で、この事件の一部始終はおわりです。
ただ、2つほど後日談があるので、こちらもお話ししておきましょう。
1. カード盗難の犯人が捕まらないことで魔が差すように
まずはひとつめ。
この一件以降、しばらくのあいだ私の心には、魔物が棲みつくようになってしまいました。
- 落ちているICカード
- 取り忘れたICカード
長年パチンコ店に行っていると、こういったものを見かけることはけっこうあります。
その現場に出くわしたとき、それまでは、なにも感じることはありませんでした。
ところが、カード盗難の犯人が捕まらないこともあって、しばらくは「悪魔のささやき」が聞こえるようになってしまったのです。



よう、ミナトくん。やられっぱなしの甘ちゃん



どうせ捕まらないからやり返せよ……おまえの金を奪っていったヤツのようにさ!?
- 取り忘れたICカードでも、換金してすぐに逃げてしまえば大丈夫か?
- 落ちているICカードだったら、べつにもらってもいいんじゃないか?
- 自分だけがこんな目に遭うのはおかしいのでは……?
大切な人に危害を加えられた平和主義者が、復讐のため悪魔に魂を売り、血も涙も捨てた「非情の断罪者」になる。
そんな心境の一片を、私は、このとき垣間見たような気がしました。
しかし、そうはいっても、奪われたからといって(関係もない人から)奪い返すのはちがいますし、置き引きは立派な犯罪です。
さすがにそういった現場に遭遇しても、踏みとどまることはできました。
でも、パチンコ店に入り浸っていると、「ここまで心がけがれてしまうのか」と、思わざるをえなかったのです。
落ちているカードでも、「①持ち主が従業員にすでに連絡していた/②抜き忘れを従業員が事前に発見して動いていた」という場合、店側はICカードにロックをかけ、清算を不可にすることができます。この場合でも、カードを清算しようとすれば「窃盗未遂」になる可能性が高いので、おぼえておきましょう。
2. ICカード盗難の犯人は捕まることなく時効を迎えた
つづいてふたつめ。
パチンコ店で私のICカードを盗んでいった犯人は、捕まることなく時効を迎えました。
私もあきらめていたのでいいのですが、当記事作成にあたって「時効」をしらべてみたところ、つぎのことがわかりました。
- 占有離脱物横領罪
3年で時効
- 窃盗罪
7年で時効
- 民事訴訟
損害を知って3年 or 事件発生から20年で時効
パチンコ店でICカードを盗むと、「占有離脱物横領罪(置き引き)」または「窃盗罪」が適用される可能性があるようです。
ただし、重いほうの窃盗でも時効は最長で7年。
また、民事訴訟の時効は最長で20年だそうですが、損害を知ってからだと3年になるらしいのでこれは3年。
というわけで、すでに7年以上が経過してしまったこの話は、時効でENDとなりました。



9000円で記事のネタを仕入れたと考えることにします……
それから、私は元パチンコ店の従業員でもあるのですが、そのさいに、つぎのことも目にしました。
お店によっては警察への対応を面倒くさがって、以前ICカードを盗んだ人がもどってきても、警戒する程度しかしない。
そういったことからも、パチンコ店でのカード盗難の犯人を捕まえるとなると「現行犯くらいしかないのでは」と思えてしまいます。
もちろん私のように、被害届も出されている犯人がもどってきた場合はべつでしょう。
でも、ふつうはもどってこないわけですよね?
よって、このICカード盗難は、それくらい犯人が捕まらない(こちらに不利な)被害だと思うのです。
今回のまとめ
- パチンコ店でのICカード盗難はふつうにある
- 置き引きも犯罪なので、落ちているカードでもアウト
- 残念なことに犯人はかなり捕まりにくい
この事件をとおして、遊技目的ではなく、最初から取り忘れのICカードを狙って来ている不届き者もいると知りました。
またこの件以外にも、私はこれまで、いろんな事件を目撃してきました。
それだけ、パチンコ店という場所の持つ、マイナスのエネルギーは大きいものだと感じます。



あとはいつのまにか依存症になっていた……とか
そう、趣味だと思っていたら依存症になっていた、なんてことにも注意しなければなりません。
私はなんとかパチンコ依存症を克服できましたが、9000円なんてどうでもよくなるほど負けてきました(ふつうに1000万円以上負けました)。
そんなわけですから、パチンコ店に行くなら、いろいろと注意したほうがいいと思います。
お金を盗まれるのも、依存症になってしまうのも、最後は全部自己責任になってしまいますからね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
きちんと被害届を出しただけ偉いです
私も以前4000円残ったカードを取り忘れて戻った時にはなくなっていて、店員に言ったら自分で警察にいって被害届出してくれと言われめんどくさくてそのまま帰った事があります
こそ泥の思惑通りだと後悔してます
少額でも、正直取り返すのが厳しいとわかっていても、ただ泣き寝入るのはこそ泥しか得しませんからね
私腹を肥やすために人から物を奪う人というのは、いずれ自分が奪われる側にまわるか、奪っただけの代償を払う権利を得ただけのようにも思います。
通報はしなかったとしても、その不届き者は、いずれ報いを受ける時がくると思いますよ。犯人にとってはその4000円が、大きな利息になるのではないでしょうか。