パチンコをやめたい!の思いを叶えた重度の依存者もやめた最終手段【再現可】

パチンコをやめたい!の思いを叶えた重度の依存者もやめた最終手段
こまったネコ

パチンコを辞めたいよ、だれか助けて……

そう、この問題を解決させる方法は、じつはそういうことでした。

パチンコをやめたい、どうしてもやめられないのなら、「人に助けて」もらえばよかったのです!

この記事の内容
  • 元重度の依存者が「やめた方法」にたどり着いた経緯
  • パチンコへの依存を人に助けてもらう3つの方法
  • ほぼ確実にそのパチンコ店には行けなくなる最終手段(再現可)
ミナト

パチンコはやめないとそろそろやばいぞ……

やめたいじゃない、「やめる」んだ……。

そう思いながらも、ギャンブル依存者だった私は、10年以上にわたってパチンコ店にかよいつづけていました。

そのあいだでやめられた期間はせいぜい1~2か月程度で、「お金がなくて行けない」などの事情があるときくらいでした。

  • パチンコをやめるのはもはや不可能なんじゃないか
  • このまま一生、パチンコはやめたくてもやめられないのでは?

しかしそう思われたとき、とうとう私は、重度の依存者でもパチンコをやめられる方法にたどりついたのです。

それこそが、「人の力を借りる、人に助けてもらう」という最後の手段でした。

この記事では、パチンコを辞めたいと思うも失敗しつづけてきた私が、ついにパチンコをやめたときの方法を(時系列にそって)お話しします。

おなじことをすれば、ほぼ確実にそのお店には行けなくなるので、どうぞ秘策(さきにいうとお店を出禁になる)の全容をごらんください。

目次

パチンコはやめないとやばいところまで来ていた

当時、重度のパチンコ依存者だった私は、パチンコを本気でやめたいと思うもやめることができませんでした。

  • 1000万円以上の負け
  • 借金漬けで未来が見えない毎日
  • パチンコがやめられない自己嫌悪

一時期的にうまくいくことがあったとしても、なんらかの強いきっかけがあればもうダメ。

ふたたび、自分の意志とは関係なく、私はパチンコ店へと舞いもどってしまっていたのです。

しかしその状況は、あるできごとによって一変します。

当時つきあっていた恋人が自害を試みるという、大事件が起きてしまったのです。

……私のパチンコ依存のせいで。

ミナト

……もう、だめだなこれは

これが、私にとってのいわゆる「底つき」だったのでしょう。

底つき:問題を受け入れざるをえないようなギリギリの状態におちいること。

私は深い絶望のなかで思ったのです。

このギャンブル問題を解決するためには、いちどすべての考えをあらため、できることはなんでもするしかないと。

パチンコを辞めたいけどやめられないなら「助けて」もらえ

  • パチンコ依存症関連の本などをいろいろ読んだ
  • 内部事情を調査すれば現実が見えるだろうとパチンコ店で働いた
  • 自身の生活に制限を設け、パチンコ店に行けないようにした

これまで私は、パチンコ・スロットをやめるためのありとあらゆる方法は、すでにためしたと思っていました。

「自分ができることはすべてやってきた」と、思い込んでいました。

しかし、心のどこかではずっと、このように思っていたのだと思います。

「自分はまだ、専門機関や自助グループのお世話になるほどひどくはない」

ギャンブル依存症というものは、程度によっては、ひとりでもなんとかすることはできるものだと思います。

  • パチンコはやめたほうがいい
  • パチンコはやらないほうがいい
  • パチンコは行かないほうがいい

そんな人の言葉に、多少は耳を貸すこともできるでしょう。

ただ、それ(依存症)が重症と化してしまった場合は、もはや自分ひとりの力でどうにかするのは不可能に近いと思うのです。

そして、そんな状況だというのに、だれもが「自分は重症だ」とは考えないことにこそ、この病の真のおそろしさがあるのではないかとも。

ミナト

自分はまだそのレベルじゃない、病院もなにも必要ない……

けれども、10年以上もなにも変わらなかった現実を直視して、私はさとりました。

「もう一人の力では限界だ、これ以上はどうにもならない」

そこで私は、はじめて他者の力を借りる決意をかため、まずは相談機関に電話をかけてみることにしたのです。

対策1:RSNに電話をかけた

リカバリーサポートネットワーク

まず私がとった行動は、RSNという相談機関に電話をしてみることでした。

RSN(リカバリーサポートネットワーク)とは、パチンコ・パチスロ依存問題を解決するために設立された、非営利の相談機関。

パチンコ店のトイレにポスターがよく貼られているアレです。

ミナト

相談機関のお世話になんて……

と、思い込んでいたので、これまでの私は、ここに電話をかけたことはありませんでした。

ところが、意を決してRSNに電話をしてみると、これが思っていたよりもスマート。

対応してくれた相談員は、まずは私の問題を聞いてくれ、以下のような提案をしてくれました。

  • 1回の遊技に使う金額を決められないか
  • 1回の遊技の時間を何時間までと決められないか
  • レートを落とすことはできないか

ただ失礼ながら、そんなことができていれば、ここに電話をすることもなかったでしょう。

ミナト

お金や時間に制限を設けるというのは、ちょっとムリそうです……

相談員

それでは、「GA」という自助グループに参加してみてはいかがでしょうか?

よし、それなら、すぐによく調べてみよう……。

こうしてRSNでの相談はおわり、私は電話を置いたのです。

ちなみに、レートを落とす方法は個人的にはおすすめできません。この方法の危険性は「禁パチ・禁スロ効果最大化」の記事に書いてあります。

対策2:GA(ギャンブラーズ・アノニマス)への参加を検討

つづいて私は、すぐに「GA」のホームページにアクセスします。

GA(ギャンブラーズ・アノニマス)とは、ギャンブル依存症を患っている本人向けの、依存症からの回復を目的とした自助グループです。

「当事者同士で問題を共有する会合をひらく」などの活動をおこなっています。

GAの存在も以前から知ってはいたものの、さきほどと同様、ミーティング(会合)に参加しようと思ったことはありませんでした。

ただ、今回ばかりは事情(決意のレベル)がちがいます。

RSNでの相談がおわると、すぐに私は、GAのミーティング開催日と最寄りの会場を確認しました。

ミナト

でも残念なことに、これはすべて予定が合わなかったんですね

私は東京在住なので、すこし移動すればほかにも会場はあったのですが、「おなじものがあるなら近場でいい」という自分の主義によってこれを保留。

ひとまずGAはあとまわしにすることにし、つぎの対策を考えることにしたのです……が、なんとこの選択が功を奏したのです。

パチンコ店に「行かない」ではなく「行けなく」する方法

  • RSNはあくまで話を聞いてくれる場所で、「GAへの参加」をすすめられた
  • しかしGAは予定があわず、行くなら近場がよかったので保留とすることにした

では、これからどうするか?

これまでにない動きをしていた「いま」を逃せば、それこそほんとうに、一生パチンコをやめることはできないかもしれない……。

そこでまず思いついたのが、自傷行為によってパチンコを打てない体にしてしまう、という物騒な方法です。

  • 腕を骨折(ハンドルやレバーを操作できなくなる)
  • 指先を切る(スロットなら痛くてボタンを押せなくなる)
  • 足を骨折(パチンコ店に行けなくなる)

ただ、冷静に考えてこれはありえません。

さらにいうと、腕や足を骨折してでもパチンコ店にくる人はきます。

それは以前働いていたパチンコ店で何度か目撃していて、むしろけがをすることでパチンコ店に来る頻度が増えている、というケースもある始末でした。

ミナト

なにかいい方法は……

これまでストックされてきた、10年以上ぶんもの記憶(ほぼ失敗)をあさっていたときでした。

ふと、頭の中に、ある「根本的な解決策」が浮かんできたのです。

パチンコ店に「①行かないようにする」ではなくて、「②行けない」ようにすればいいのでは?

そうだったのです。

この問題は、「行かないようにする」からさらに一歩踏み込んだ、「行けなくする」ことこそが重要だったのです!

パチンコ店を出禁になってすべてを解決させろ!

秘策:パチ屋を出禁になれ!
  • パチンコ店に行ってしまうのは、行かないという「意志」だけにたよっているから
  • それなら、「物理的に」行けないようにしてしまえば、問題は解決するのでは?
  • 物理的に行くのを不可能にする方法、それは、パチンコ店を「出禁」になればいい

私がたどりついた答えは、「かよっているパチンコ店を出入り禁止になる」という方法でした。

なにをどうやってもパチンコ店に行ってしまうのなら、パチンコ店側から出禁にされてしまえば、今後は行きたくても行けないからです。

じっさいにどうすればパチンコ店を出禁になるのかは、アルバイト時代に、数々の出禁になった人を見たり、聞いたりしていたのでわかっています。

しかし、そうはいっても、パチンコ店を出禁になるのは意外と簡単ではありません。

一発でそうなろうと思えば、器物損壊・窃盗・ゴト行為といった、「法律に違反すること」をしでかす必要がでてきます。

当然ながら、私はこんなことで、警察のお世話になんてなりたくはありませんでした。

また、長年にわたって搾取されてきたとはいえ、これまでかよっていたお店でもあったので、お店に迷惑をかけるのも避けたかった。

そこで私は、まっとうな方法でパチンコ店を出入り禁止、もしくは出禁とおなじ状態になることを目指して動きだしたのです。

私を取り巻くパチンコ店の環境と立地条件

私の自宅周辺には数多くのパチンコ店があり、すこし自転車で移動するだけでも、十数件のお店がありました。

けれども私は、パチンコ店も近場しか行かない主義。

行くお店・行かないお店はほぼ決まっていて、とくに以下の2店舗によく行っていました。

通っていたパチンコ店
隣駅にあるA店

ふだんから通っていたパチンコ店。7~8年はずっとここに行っていた。

少し離れたB店

買い物帰りなどに立ち寄っていたパチンコ店。用事がなければ行くことはなかった。

基本的には、A店とたまに行くB店でこと足りていたので、わざわざほかのお店に行く必要もなく、新しいところをさがすこともありません。

反対に、なにがあっても行かないお店も決まっていました。

行かないパチンコ店
隣駅にあるC店

もともと通っていたパチンコ店。遊戯中にICカードを盗まれたことから行かなくなった。

隣駅とは反対にある数店舗

このエリアのパチンコ店で以前働いていたため、打ちに行くことはなかった。

もともとかよっていたのは、隣駅にあるC店でした。

しかし残高ありのICカードをここで盗まれてしまい、当時はそのさいのやりとりで不信感をいだいたため、その後は行かなくなっていたのです。

また、以前働いていたパチンコ店があるエリアは、他店の調査(アルバイト業務の一部)などで、お互いが顔見知りという問題が。

自分がパチンコをしているすがたを見られたくなかった(恥ずかしいから)私は、お店を辞めたあとは、知り合いがいるそのエリアにも行けなくなっていたのです。

行くお店、行かないお店というのは、おそらくだれもがあることだと思います。

  • C店は「不信感があるから行かない」
  • 以前働いていたエリアは「恥ずかしいから行かない」

私の場合でいえばこのように、ギャンブル依存症とはいえ、自分が絶対にゆずれない一線を越えてまでそのお店に行くことはなかったのです。

それでも(依存症でも)守りたかったプライド

ところで以前、見ず知らずの40~50代くらいの男性から、私はこのように話しかけられたことがあります。

男性客

有り金全部すっちゃって帰れないんだ……。お兄さん勝ってるみたいだし、数百円でいいから交通費くれない?

たとえこの方とおなじ状況になったとしても、私にはそんなことはいえません。

何時間かかろうとも、歩いて帰ると思います。

それは、依存症によって苦しめられていても自分の尊厳だけは守りたい、といつも思っていたから。

  • 行かないお店は決まっている
  • ゆずれない一線を越えてまでそこに行くことはない
  • 依存症だったとしても、自分の尊厳(プライド)は守りたい

ようするに、なにがいいたいのかというと、こういうことです。

絶対にゆずれない一線を越えなければ行けない、と自分に思わせる出来事をパチンコ店で起こせば、出入り禁止になれなかったとしても、尊厳を守るために二度と行くことはなくなるだろう。

これが、窮地に追い込まれた私が考えだした「秘策」でした。

もちろん「起こす」のは、法律に違反しない内容で、という絶対条件がありましたが。

秘策:パチンコ店に出禁を申し出る

  • パチンコ店を出入り禁止になる
  • もしくは二度と行けないような状態にする
  • それをパチンコ店のルールを破らず、かつ法律に違反しないでおこなう

この作戦を遂行するには、「パチンコ店に直接、出禁を申し出る」しかないと私は考えました。

ただ、これはおそらく、成功率は高くない。

お客さんひとりを出禁にする場合、全従業員と情報を共有しなければなりません。

グループ企業の場合は、ほかのグループ店とも「出禁情報」を共有しなければならないかもしれません。

男性客

出禁だから帰ってくれ? じゃあ使ったお金を返してくれ!

このように、出禁にした人がふたたび来てしまったとき、「使ったお金を返せ」と金銭トラブルに発展する可能性もあるでしょう。

さらにいうと、パチンコ店側からすれば、私のようなやめたくてもやめられない人がいるからこそ経営が成り立っているような部分もあります。

つまり、パチンコ店側からすると、出禁を申し出た客の要望に応えるメリットがなにもないどころか、デメリットしかないのです。

ミナト

でも、その(出禁を申し出る)やりとりのなかで、「自分はもうここには来れない」と思うことが起きれば……?

この場合、出禁になれなかったとしても、ふつうは二度とそのお店には行けません。

そう思われたので、この出禁を申し出る作戦が失敗した場合にそなえ、私は「家族の助け」を借りることにしたのです。

自分のなかで、より強力な出入り禁止状態をつくるために。

対策3:家族に助けてもらうことにした

正式な出禁が不可能だったとしても、「二度と行けないと思わせられる出来事」がお店で起これば、それは事実上の出入り禁止となにも変わらない。

私にとってのそれは、「これ以上にない耐えがたい恥をかくこと」だと思われました。

醜態をさらしたパチンコ店にふたたび行くなんてことは、「尊厳を守りたい」の意志が生きている以上、できるはずがないからです。

よって私は、家族にたのみ、長年かよっていたパチンコ店(A店)にいっしょに来てもらうことにしたのです!

考えるまでもないですが、いい年をした成人男性が家族を連れてきて、

ミナト

お店を出禁にしてください……

なんて、考えただけでも穴に入りたくなってきますよね?

イブスター店長

だが、それがいい……!

そして来たる、壮大な「パチンコ店・出入り禁止計画」の決行日。

もはや私に、退路などはありませんでした。

隣駅にあるパチンコ店に出禁を申し出た

パチンコA店は長年かよっていたので、お店の店長とも、会えば会釈するくらいの関係ではありました。

出入り禁止を申し出るには、お店の店長がいちばんいいな。

はからずも顔見知りであることは、私にとっては都合がいいことでした。

当日、店長がふだんいる時間帯に、私たちはパチンコ店へ向かいます。

ミナト

これから大衆の面前でおこなう行為は、ハラキリものだ……

生き恥をかく覚悟を決めたとはいえ、尋常ではなく、気分は重たく感じられました。

店長

ああどうも、こんにちは……どうかされたんですか?

パチンコ店に入ると、運よくいつもの店長が出迎えてくれます。

しかし、私のただならぬ気配を、すぐに察してくれもしたようでした。

相談したいことがあることを伝えると、空いているカウンターで話を聞いてもらえることに。

そして準備がととのったところで、私はこう切り出しました。

ミナト

じつは長年パチンコに依存してまして、自分で制御することができません

ミナト

そこで、お店を「出入り禁止」にしてほしいと思ってうかがいました

短い沈黙のあと、店長はつぎのように答えてくれました。

店長

そうでしたか……。せっかくお越しいただいたのですが、現状、こちらとしてもできることは……

店長

ただ、当店は「自己申告プログラム」というものを導入する予定があります。それが済みましたら、正式に申し込んでいただくということでもよろしいですか?

自己申告プログラム」とは、2015年から運用が開始された、パチンコ・パチスロ依存(のめりこみ)の防止策のこと。

当時は、そんなものがあったことを私は知りませんでしたが、現段階ではこれが妥協点となり、話し合いは決着となったのです。

パチンコ店に出入り禁止を申し出た結果

まさに切腹ものの生き恥をさらしてきた私は、なんとか無事に生還。

まわりからじろじろ見られたわけでもないので、いうほどでもなかったのですが。

懸念していたとおり、行きつけのパチンコ店を出禁にしてもらう目的は果たせませんでした。

ただ、当初の最大の目的でもあった、「出禁と同等の状態をつくる」は、みごとに達成することができたのです!

思えば、A店の店長は、私が勝手に思い込んでいただけで、もしかすると店長ではなかった(副店長や主任だった)のかもしれません。

が、いまとなっては、それはどちらでもいいことでしょう。

結果からいうと、この日から私は、長年行きつづけてきた隣駅のパチンコA店には行かなくなりました。

ミナト

ついに私は、悲願を成就させることに成功したのです!

やはりパチンコの禁断症状は出た

もちろん、出禁を申し出た日から、突然スッパリとパチンコをやめられたわけではありません。

3日もすれば、いつものように、パチンコ店にはもう行きたい。

しかも、そのときはどうしても遊技したい台がまだあったので、パチンコに行きたい衝動は、なおさら大きなものがありました。

ミナト

ばれなければ大丈夫なんじゃないか……?

正直いうと、A店に行けなくなってしまったことに後悔すら感じていました。

急速に肥大化するパチンコ欲にしたがって、またパチンコに行こうと考えるようにもなりました。

ただ、冷静に考えて、行けばばれます。

出禁を申し出たというのに、なにくわぬ顔で、ふつうにパチンコを打っている。

そんなことができるはずもないでしょう?

「行くしかない。いや無理だ。でもやっぱり……。いや無理か……

このとき、1日に何回も、何十回もおなじことを私は考えました。

でも、お店に出禁を申し出た事実が強力なストッパーとなって、パチンコ店に向かうのを阻止してくれていたのです。

それに、禁断症状というものは、無限につづくものではありません。

いつかはおわり(おさまる時)がくるものです。

1~2週間もすると毒が抜けてきたかのように、「パチンコ店に行きたい・打ちたい」の衝動は、あきらかにおさまっていったのです。

とはいえ、その衝動が、完全に消えたわけでもありませんでした。

ミナト

A店にはもう行けないなら、たまにいくB店に行こう……

そう、私は「べつの場所に行く」という、逃げ道に走ってしまったのです。

人は勝てる可能性を見いだすからこそ金を賭けられる

  • マイホはセルフ出禁状態
  • でもどうしてもパチンコには行きたい
  • それならたまに行っていたパチンコB店に行こう

買い物帰りなどにたまに立ち寄ることがあった「パチンコB店」。

ここは、じつは年に数回程度しか行かないところで、その実態を知ることはそれまでありませんでした。

ところが、すこし行きはじめてみると、パチンコB店は超絶的なボッタ店だったことが判明。

そもそもギャンブルは、勝てる可能性が見えるからこそお金を賭けるのであって、最初から負けるとわかっていればだれもお金を賭けたりはしません。

可能性がうすかったとしても、

勝てるかもしれない

という希望があるからこそ、私たちは大切なお金を賭けられるのです。

しかしこのB店では、その希望がまったく見えませんでした。

ミナト

この店やばいな……。負ける未来しか見えないぞ……

つねに負けつづけてきたギャンブル依存症の私でさえも、お金を使うのをためらってしまうほどのひどさ。

現金投資がかさんでくれば、負けたお金を取り返したくなるので制御はきかなくなります。

が、その現金投資をそもそもする気にもならないのです。

パチンコB店に関しては、出禁を申し出る必要すらなく、何度か行ったあとに自然と行かなくなってしまいました。

いま思えば、「ここでパチンコをすると損をする(A店とくらべて)」と感じたことも大きかったように思います。

パチンコをやめた締めの方法は「リハビリ」だった

「パチンコA店であれだけのことをしておいて、まだパチンコをつづけるのか?」

そんな葛藤があったこともさいわいし、パチンコB店もふくめ、私は行くお店を失いました。

マイホに出禁を申し出るという荒業を駆使したことによって、新しいパチンコ店をさがす気にもなれません。

そこで、この「行く場所がない」うちに、私はパチンコ依存を克服するためのリハビリを開始。

リハビリの方法は、当ブログでも紹介している「パチンコをやめる11の方法」です。

  • 本当にほしいものや必要なものにお金を使うようにし、金銭感覚を戻していった
  • 知らない場所に行ったときは無意識にパチンコ店を探してしまうので、すぐに家に帰るようにした
  • 財布にお札やキャッシュカードは入れず、ふらっとパチンコに行ってしまわないように気をつけた
  • 毎日のおわりにはパチンコ店に行かなかった自分をねぎらい、カレンダーをめくった

すると、パチンコに行きたい衝動そのものが、ほとんど起こらないようになっていったのです。

起きたとしても微々たるもので、気をそらしてあげれば、衝動にとらわれることはもうありませんでした。

ミナト

ここまで、長い道のりでした……

何度も希望をいだいては絶望し、手が届くことはもうないと、あきらめたこともあった未来。

それでもなんとかふんばり、何年間もずっと思い描いていた、パチンコのない日常。

そんな「ほんとうの人生」を、苦節10年以上を経て、ついに私は取りもどすことができたのです。

今回のまとめ

  • 自分一人の力では「限界だ」と感じたら人に助けてもらおう
  • 出禁または出禁と同等の状態になれば、パチンコ店には行けなくなる
  • 現在はパチンコ店を「正式」に出禁にしてもらえるようにもなった

私の場合、人の助けを借りてパチンコ店に出禁を申し出る方法と、その後のひとりでもできる方法を併用することで脱パチンコに成功しました。

パチンコ店に「行かない」ではなく「行けなく」する。

これの効果は尋常ではありません。

パチンコをやめたくてもやめられないのなら、ぜひこの方法をためしてみてください。

また、パチンコ依存の対策として実施されていた「自己申告プログラム」は、現在は「自己申告・家族申告プログラム」へと内容が強化されています。

なんと、自身の申告に加えて家族の申告でも、遊技者に入店制限(出入り禁止)をかけてもらえるようになりました。

ミナト

「正式な出禁+恥をかいてくる」という合わせ技も使えるようになったということです!

当時の私は知らないこともあって、なにも持たずにパチンコ店に乗り込みました。

しかし現在は、プログラム導入店舗であれば、正式にパチンコ店を出入り禁止にしてもらえる(本記事の内容を再現できる)のです!

プログラムを導入していない店舗でも、店長の裁量によっては受け付けてもらえます。(参照:自己申告プログラムを申し込んできた

万が一それがだめでも、入店制限をかけてほしいと私のように相談してくれば、まちがいなく効果は得られることでしょう。

とにかく、ここにはもう「行けない」と思い込むことが大事なのです。

さて、これで本記事も最後となります。

パチンコで負けるなどして「もうやめたい」と思った……。

じつはそのときから、パチンコをやめる機会は(だれもの)目の前に転がっているのかもしれません。

ただ、心のどこかで、

まだなんとかなるだろう

と楽観視してしまうからこそ、その機会は、私たちの前をとおりすぎていってしまうのではないでしょうか?

おとずれた機会を離さないように、しっかりとつかんで生かす。

たったこれだけのことができれば、依存症によって苦しめられてきた人生をも変えることができる、と本件をとおして強く私は感じました。

未来は、行動することでしか、つかみ取ることはできません。

どのタイミングで機会がおとずれるか、それは人それぞれだと思いますが、まさに「いま」ということもあるのではないでしょうか?

パチンコをやめたい。そう思ってここにたどり着かれたなら、どうかそのチャンスをつかみ取ってください。

ほんとうの人生は取りもどすことができます。「もう手遅れ」なんてことは絶対にありません。

行動を起こすことができたそのタイミングこそが、きっと、私たちの人生にとって「ベストなタイミング」なんだと思いますよ。

追記:この成功体験によって、その後に再発があったとしても、自力だけでやめられるようになりました。これはパチンコを我慢する方法でまとめてあります。最初の1週間に特化した「脱パチンコ術」とあわせてごらんください!

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 丁寧な記事ありがとうございます。

    依存の最中にある人にとって一番気づきにくいのが、自分は依存しているという事実、つまり自分の意志ではコントロールできないという事実です。なぜコントロールできないのかというと、自分の脳みそがその能力を失っているから。だから他人の助けが要るのです。

    この記事が誰かギャンブル依存で苦しんでいる人に分かってもらえればと願ってやみません。

  • コメントをありがとうございます。
    私も「自分の力ではもうどうにもならない」という事実に長いこと気づけないでいました。
    最近はそのことをより多くの方に気づいてもらいたいと、記事の内容を修正するなどしています。

    これからもその活動は続けていきたいと思っています。
    記事の構成がやや自分語りのようにもなってしまっていますが、真意をくみとっていただけたことを大変嬉しく思います。ありがとうございます!

  • 現在重度の依存症患者です。
    私は元々パチンコ・パチスロ依存で最近ではネットで競艇をしていました。
    一度に使う金額は1万以上、まずいと思いながらもネット上で出てくる数字が消えていく感覚は何も心に響かず負けては賭けて負けては賭けてを繰り返し気付いたら数十万円なくなっていました。
    私には子供が3人おり、妻にはもう一度借金したら離婚するという誓約書を去年書いてくださいと言われサインした矢先、昨年末にお小遣いを全て使って、取り戻そうと借金をしてしまい、負債は膨らみ妻にばれる前に自身の家族に泣きすがり、お金を出してもらったもののそれをまた使用し現在に至ります。
    今日妻に全てを話します。
    私は家族が大好きですが、妻にこれ以上苦しい思いをさせたくないと何度も誓ってきたのに繰り返してしまいました。妻はギャンブル依存症に関して深く調べたくないというか、自分でなんとか治してよっていう考えなので繰り返してしまうことに対しても理解を得られません。
    自分がしたことなんだからつらいこともないだろうと言われるかもしれませんが、今日自分がしたことを伝えたら確実に離婚になることを考えると正直震えが止まりません。つらいです。でも自分の治したいという気持ちも改めて伝え、出来る対策を全て話しますがダメだったら離婚をします。心が折れて死にたいような感覚に陥るかもしれませんが、治したいという気持ちをしっかり持って前を向いて進みたいと思います。
    すみません、コメントさせていただきました。記事面白かったです、ありがとうございました。

  • アキヒロさん、コメントを拝見しました。
    誓約書にサインをされたということですが、奥様に泣きの1回を許してもらうのはむずかしいでしょうか?

    パチンコ・パチスロ依存問題でしたら、当記事でもご紹介している対策プログラムの活用も有効ですし、オンライン相談会や自助グループなど、問題を解決する方法はたくさんあります。競艇はネットでできてしまうのが問題ですが、レース系のギャンブルでも、問題を解決できた(おなじく妻子持ちの)友人もおりますので、SNSを介して意見交換をすることもできると思います。

    ご自身の問題を自覚し、治したいという気持ちがあるのなら、この問題はきっと解決できると思います。

    私はギャンブル問題以外でも、離婚で妻子を失って絶望してしまった人を何度かこの目で見てきています。奥様のご理解を得られなくても、その他の協力を得るなど問題を解決できる方法はあるので、なんとか最後のチャンスを奥様にもらうことはできないでしょうか?

    それから、墓まで持っていく秘密(たとえば借金など)はだれしも1つは2つはあるはずだと思いますし、じっさいに家族には内緒で返済をしている方もいます。
    チャンスをもらえる可能性がゼロに近いのなら、バレてしまったときにどうなるかという話でもありますが、一部はふせて打ち明けるのも選択肢の一つかなとも思います……。
    いずれにせよ、ご相談でしたらいつでも乗りますから、必要でしたらどうぞご返信ください。

  • ご意見ありがとうございます。
    この記事は時系列に沿ったものなので、たしかに話が長くなってしまっています。
    そのため、冒頭に簡単な結論(先にいうとお店を出禁になる)を書いたのですが、見返してみるとそれでもわかりにくい部分はあると感じました。
    定期的に記事を書き直しておりますので、そのときは参考にさせていただき、より読みやすい話にしておきたいと思います。

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