ギャンブル依存症による借金でも家族や恋人に肩代わりさせるのは絶対NG

パチンコなどのギャンブルによってできた借金を身内や恋人に肩代わりしてもらうのは、非常に危険な行為です。

ギャンブル依存症と切っても切れない関係にあるのが借金問題ですが、まず考えてしまうのが、家族や恋人に借金を肩代わりしてもらい、利息をなくして毎月返済していけばなんとかなるのではないか、ということです。

反対に、当事者が借金で苦しんでいるから放っておけない、恋人の借金問題を解決してあげたいとの思いから、「ちゃんと返してくれるなら」と、ご家族や恋人のほうから借金の肩代わりを提案してしまうこともあると思います。

これはギャンブル依存症を克服し、借金問題を解決するうえでは、絶対にやってはいけないことの1つだと私は思っています。そしてこのことは、依存症の当事者だけでなく、そのご家族、恋人の方にも知っておいていただきたいことでもあります。

借金の肩代わりは8割以上の家族が経験

恋人やパートナーの方が、たとえ原因がギャンブルであれ、お金に困っていたとしたら、なんとかして助けてあげたくなるものだと思います。借金を肩代わりしてあげると恋人や家族に言われたとしたら、当事者の方は心が揺らいでしまうと思います。

しかし、それは非常に危険なことかもしれません。

この肩代わり問題に関しては、「ギャンブル依存症問題を考える会」という団体によって、同会が支援する家族224人に対し、筑波大学の研究チームと共同でおこなわれた調査の結果に、以下のようなものがあります。

ギャンブルによる借金の、家族の肩代わり経験率

まず、ギャンブル依存症本人の借金を肩代わりしたことがあるとの回答は、約84%にまで及びました。(※1)

ギャンブルによる借金を家族が肩代わりした金額の分布率

さらに、肩代わりの合計金額は最多となるのは100~300万円でしたが、500万円以上合計で肩代わりしている割合は37.2%と、約4割にも及びました。(※2)

ギャンブル依存症の対象先

そして、依存の対象として最多となったのがパチンコ・パチスロで、そのうちの約7割が、パチンコ・パチスロしかしないと回答したそうです。(※3)

(※1~3) ギャンブルを行う際に注意すべきこと(pdf)を元に作成

ギャンブル依存症の方であれば、借金を肩代わりしてあげるなんて甘い言葉をささやかれたら自分はどうなってしまうのか、想像するまでもないと思います。

たしかに、最初はこのまま、毎月決められた額だけを肩代わりしてくれた家族に返済していけば、借金を完済できると思うでしょう。ところが、頭の片隅では、借りていた借金が一度消えたことで(消費者金融などから家族に移ったことで)すでにこのように考えてしまっているのです。

また、ギャンブルができる。また、パチンコ店に行ける。また、パチンコやスロットが打てる。

この考えが一瞬でも頭をよぎってしまったらもうアウト。パチンコ店にまたしても通い出し、消費者金融などからもう一度お金を借り始め、借り入れ限度がきたらふたたび家族や恋人に肩代わりをしてもらう。そういったことで上記のように、肩代わりの合計金額が膨れ上がっていってしまうのです。

800万円とか、1000万円とか、こんな金額まで、と他人事のように感じてしまうかもしれませんが、はっきりいって家族や恋人がお金を工面し続けてくれるのであれば、そんな金額はあっという間です。

現に私も、ほとんどパチスロだけで800万円以上、パチンコ・パチスロを合わせるとゆうに1000万円以上は負けてきているので、家族などにお金を出してもらっていたとしたら、この程度の金額では済まなかったと思っています。

ギャンブルによってできた借金を家族や恋人に負担させてはいけません。それは自身の首と、家族や恋人の首をも絞めることになってしまうだけですよ。

お金を管理してもらう方法も危険

借金の肩代わりとは少し違いますが、それと似たようなもので、当事者の家族や恋人が本人のキャッシュカードや通帳を預かり、お金と月々の返済を管理するなどして、借金を完済するまでは財布を自由に使わせないという方法があります。

ただ、これも私の経験上からいうと、やめたほうがいいです。

私の場合、当時交際していた方に私のほうからたのみました。そのときというのは、もう自分でもどうすればいいかのわからず、「万策尽きた」といった状態に陥っていたからです。

消費者金融からつねに借金をしていたこともあってクレジットカードもなく、必要になったときにお金引き出せないといった、生活が不便になることを覚悟のうえで、キャッシュカードや通帳などのすべてを預けました。

しかし、その結果どうなったのかというと、なんとかしてパチンコ店へ行くために隠されたカードを捜索したり、恋人が目を離した隙に財布から自分のカードを取り返したり、お金が必要だと嘘をついてパチンコ店に行くためのお金を下ろしたりするようになっただけでした。

パチンコ店に行くことがばれれば喧嘩になり、ふだんから抑圧されているストレスによって、隙を突いて行ったパチンコ店で使う金額はそれまで以上に増え、借金は減るどころか増えていたような気もします。

自分からいい出しておいてこういうのも失礼な話ですが、この選択からはなにも生み出されることはありませんでした。1つだけ意味があったとすれば、これは絶対にやってはいけないことだとわかった、ということくらいでしょうか。

また、依存症になってしまうと、ギャンブルへの衝動やギャンブル行為を邪魔されることに対しては、この世のものではないような激しい怒りを感じるようになってしまいます。たとえそれが、最愛の家族や恋人であってもです。

カードや通帳を返さないのなら別れるといった言葉の暴力や、なかには恋人や実の両親にも、お金を出させるために暴力をふるってしまう人もいます。

当事者から財布を預けると安易に申し出る、反対に、家族や恋人がお金を管理すると提案することは、お互いを傷つけ、なにも生み出さず、最悪の結末を迎えてしまう危険性があることを知っておいてほしいと思います。

相談機関、自助グループを利用するのもあり

当事者の方で、すでに家族や恋人にお金を工面してもらっている、借金を肩代わりさせているという場合、それは放っておけば、何度も同じことを繰り返すだけの可能性がきわめて高いため、一刻も早く手を打つ必要があると思います。

そして、この現状を打破する方法に、相談機関や自助グループの助けを借りるというものがあります。

相談機関に関しては、パチンコ店にふだんから通っている方であれば誰もが知っているであろう、「リカバリーサポートネットワーク」という、パチンコ店のトイレに張ってあるあれがおすすめです。

1. RSN(リカバリーサポートネットワーク)

リカバリーサポートネットワーク

RSN(リカバリーサポートネットワーク)は、パチンコ・パチスロの依存問題を解決するために設立された非営利の相談機関で、依存問題に悩む本人や、その家族を対象に無料で電話相談を実施しています。

相談者の住んでいる地域や現状を踏まえ、対面相談会や、その他の自助グループを紹介してくれたりもします。

ちなみに、私もここに電話をしたことはあるのですが、実際に私が電話をかけたときは、電話をするに至った経緯を相談員の方に聞いてもらい、自助グループが開催している本人向けのミーティングに行ってみてはどうかとアドバイスを受けました。

現在ではRSNが主催する本人向け、家族向けのグループ相談会が、東京で毎月無料でおこなわれています。東京にお住まいの方であればなおのこと、まずは電話をかけてみることをおすすめします。

「専門機関? 対面相談会? そんなもの自分は行かなくてもまだ大丈夫だ」

そう思われる方も多いと思います。実際に私もずっとそう思っていましたし、電話をかけてみようと思ったことすらありませんでした。

しかし、実際は全然大丈夫な状態ではないことは、皆さんもなんとなくお気づきなのではないでしょうか。自分はまだ大丈夫だと、そう思い込もうとしているだけなのではないでしょうか?

私がRSNに電話をかけたのは、ギャンブル依存症で疲れ果てた最後の最後でしたが、電話をかけるという行動を起こしたことで、あきらめていた依存症へのあらがいに1つ、また1つと希望や未来を見いだすことができました。

電話をかけてみるだけ、たったそれだけの行動に、今後を変えていく可能性はあると私は思います。当事者やご家族以外にも、恋人やご友人の方も大丈夫みたいなので、一度電話をしてみる価値はあると思いますよ。

また、RSNでは、配偶者からの暴力の防止や、被害者の保護を支援する公的機関などへの紹介もおこなっています。一刻を争うような状態で、どうしたらいいのかわからないという方も、まずは電話をしてみることをおすすめします。

関連記事

RSNに電話した際の内容、相談会の詳細
【パチンコ依存症】無料の相談機関「RSN」に電話してみたときの内容詳細

2. GA(ギャンブラーズ・アノニマス)

ギャンブル依存症を患っている本人向けの、ギャンブル問題からの回復を目的とした自助グループには、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)というものがあります。

GAは1957年にアメリカで発足して以来、グループが世界中に広がっていき、日本では1989年に発足しました。主な活動として、ギャンブル依存症の当事者同士が集まって自身の体験を話したり、仲間の話を聞くといった、ミーティングをおこなっています。

そしてこのミーティングは、全国の会場で毎月おこなわれており、予約や料金の必要はありません(献金で成り立っています)。また「アノニマス」には「匿名の」という意味があり、GAでのミーティングでは本名や仕事、年齢などを話す必要もありません。

感覚としては、禁パチンコや脱ギャンブルといったコミュニティの、オフラインミーティング(オフ会)に近いのかもしれません。

ところで、皆さんは、実際に自分がギャンブルで苦しんでいること、本当はもうパチンコ店なんて行きたくないのにやめられないこと、ギャンブル行為によって家族や恋人が悲しい顔をするのを本当はもう見たくないこと、そういったことを、誰かに話したり、聞いてもらったりしたことはありますか?

家族や恋人に勇気を出して相談してみても、そんなの行かなければいいだけだとか、意志が弱いだけだとか、そういうふうに言われてしまったことはありませんか?

ギャンブル依存症のつらさや苦しみは、当事者同士でしか共有できない部分もあります。ただなにもいわずに話を聞いてくれる仲間がいて、自分の思っていることを口に出してみる。それだけでも、なにかが変わる可能性はおおいにあると思います。

ギャンブル依存症には有効な薬物治療法は確立されておらず、このような自助グループのミーティングが、最も効果的な回復手段であるともいわれています。

ためしに1回だけ行ってみようかな、という気持ちでもいいと思います。いちばん大切なのは、依存症を克服するために具体的な行動を起こすことですから。

【GA(ギャンブラーズ・アノニマス)】
(公式サイト)GA日本インフォメーションセンター

家族や恋人、友人向けの自助グループもある

また、本人向けのGAがあるように、ギャンブル問題で影響を受けている家族や恋人、友人のための自助グループも存在します。ギャマノンという自助グループです。

1. GAM-ANON(ギャマノン)

ギャマノンは日本では1991年に発足し、ギャンブル依存症の当事者の家族や友人らが集まり、悩みや苦しみを分かち合うミーティングをおこなっています。

GAと同じく本名や身分をあかす必要はなく、ミーティングはGAよりも会場は少ないですが、全国規模でおこなわれていて、予約や料金も必要ありません(こちらも献金で成り立っています)。

さて、ご家族や恋人の皆さんは、以下のようなことでお困りではないでしょうか。

  • 当事者からお金を無理やり工面させられている
  • 借金を何度も肩代わりさせられている
  • 脅されたり言葉の暴力を受けている
  • 言葉ではなく身体的な暴力をふるわれている

そのようなご家族や恋人の方は、問題を一人で抱え込んでしまっていることも多いのではないかと思うのですが、ギャマノンでは、そういった問題を抱えていたり、問題を解決するために行動している仲間がいます。

ギャンブル依存症を抱える当事者と敵対関係になり、被害者となってしまうのではなく、共同戦線を張る味方として、協力者として当事者と向き合う。

そうすることができれば、ギャンブル問題は解決へと一気に動き出すと私は思います。

当事者と近しい関係であればあるほど、お金などの問題が起きやすくなってしまうとは思うのですが、参加してみることで心が軽くなったり、さまざまな人の話を聞くことで、当事者に対して新しい見方ができるようになるかもしれないので、こちらもためしに参加してみる価値はあると思いますよ。

【GAM-ANON(ギャマノン)】
(公式サイト)一般社団法人 ギャマノン日本サービスオフィス

ギャンブルによる借金問題を解決する方法

ギャンブルによってできた借金を家族や恋人に肩代わりさせたり、お金を工面してもらうことは、当事者のギャンブル行為を助長させるだけとなってしまう可能性がきわめて高いため、家族や恋人がお金を出すことは、ギャンブル問題を解決するための協力にはなりません。

それでは、返し切れないほどに膨れ上がった借金はどうすればいいのか? という話になるのですが、ギャンブルによってできた借金は、やはり当事者が自分自身の手で返していく必要があると私は思っています。

それは、ギャンブルに対する依存への決別やケジメとなるとともに、借金を返済する期間が、依存症のリハビリとなるからです。

借金問題を解決する具体的な方法としては、複数社から借り入れがある場合や借り入れの金額が多い場合、それらを一本化して利息を安くする「おまとめローン」があります。

しかし、大手のおまとめローンは、多重債務者に対してはとくに審査が厳しいため、門前払いとなってしまったり、銀行系のおまとめローンはそれに加えて、追加で借り入れができてしまったりと、あまりおすすめはできません。

東京にお住まいの方や、契約時に東京に来れる方には、おまとめローン最後の砦といわれる「中央リテール 」がおすすめできますが、東京にお住まいの方以外はやはり移動がネックとなってしまうと思います。

そこで検討してみてもらいたいのが「債務整理」です。

債務整理は、本来支払わなければならない高額な利息をすべてカットできる代わりに、返済中は追加で借り入れがいっさいできず、最低5年間は新規の借り入れができなくなるというペナルティがあります。

しかし、このペナルティが、依存症を克服するためのリハビリ環境としては非常にいいのです。

まずはどれくらい借金が減るのか知りたいという方は「司法書士法人みつ葉グループ借金の減額診断」という、無料で使えるシミュレーターがあるので、ためしに使ってみてください。

それでは、これで最後となりますが、ギャンブル依存症によってできた借金は、たしかに病気のせいでもあり、不可抗力のような部分もあります。

しかし、依存症を克服し、ギャンブルにとらわれない人生を取り戻したいのであれば、自身がつくってしまった借金は、自身の手で終わらせなければならないと私は考えています。

借金を自力で完済し、ようやく終わったんだという、晴れ晴れとしたあの感覚は、ぜひ皆さんにも味わっていただきたいと思っています。借金問題にケリをつけ、ギャンブル依存症克服への第一歩を踏み出してください。

今回のまとめ

・借金の肩代わりが招くのはお互いの破滅
・切羽詰まっている場合はRSN、GA、ギャマノンなどの利用も検討
・借金はつくった本人が自分で返すのは鉄則

ギャンブル依存症は当事者にしかわからない苦しみやつらさがありますが、それと同様に、当事者のご家族や恋人も被害を受け、大きな苦しみを背負ってしまうこともあります。

しかし、だからといって、当事者の皆さんはもう無理だとあきらめないでください。ご家族や恋人の皆さんも、そんなものは理解できないと自身の考えを押し付けてしまわないであげてください。

依存症を患っている本人の立ち直りたい、自分の人生を取り戻したいという強い思いと、周囲の理解や協力があれば、それはきっと相乗効果となって、ギャンブル問題を解決へと導いてくれると思います。

まずは一歩を踏み出し、行動することです。ギャンブル依存症で苦しんでいる方も、その家族や恋人の方も、一人ではありません。同じような悩みを持ち、解決に向けて動いている仲間が全国にいますよ。

スポンサーリンク
この記事をシェアする

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は反映されませんのでご注意ください。なお、コメントは承認制となっているため、反映までにお時間をいただく場合などがございます。