【胸やけ】逆流性食道炎が発症した経緯と、完治するまでに実践したこと

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逆流性食道炎。まるで火山の噴火のように胃から酸がほとばしり、通り道となった食道を焼いていく危険な病です。

なんらかの原因によって胃酸が食道に逆流し、食道が炎症を起こして胸やけなどの症状が現れる「逆流性食道炎」。

かつては私もこの病に喉を焼かれたことがありました。現在は喉の違和感・胸やけなどを感じることもなくなったので完治したと思われるのですが、ほとんどよくなったと感じるまでには少なくとも6~7年、胃薬を完全に手放すまでにはそれ以上の期間を要したように思います。

元々は高齢者に多い病気だったようですが、近年は若い方にも増えていると聞く厄介な病です。今回は私が逆流性食道炎を患い、完治するまでの経過をお話しします。

目次

逆流性食道炎の発症は20代前半のときだった

喉に熱いボールが入っている。それが最初に感じた喉の違和感でした。

事の始まりはまだ私が学生のころ、年齢にして言えば20~21歳のときで、当時の私は大学の授業をサボり、パチンコ店でのアルバイトに精を出し、ギャンブルのなかだけで生きていました。

そもそもパチンコ店で働きだしたのは、ギャンブルによってできた借金を返済するためでしたが、夕方から始まるアルバイトが終われば、深夜から朝までアルバイト仲間と麻雀。ひどいときはそのまま開店を迎えたパチンコ店に行き、もっとひどいときは夕方までパチンコを打ち続けてそのままアルバイト先へ、という有り様で、借金は減るどころかむしろ増えていたくらいです。

行かない大学の高額な授業料を無駄に垂れ流し(しかも奨学金なので借金)、本来の目的である借金の返済は滞り、心配して声をかけてくれる友人・仲間を無視してでもギャンブルに興じる。

なんのために生きているのかわからない、鬱屈した生活でした。

これがフィクションであれば、このへんで私の前に救世主が現れ、私をギャンブル地獄から救い出してくれたかもしれません。しかし、これは残念なことに非情な現実の話なので、一度悪いほうへ傾こうものなら、そのまま全力で坂を転がっていくだけだったのです。

私はアルバイト中に突然、喉の、ちょうど喉仏あたりに違和感を覚えました。

それはまるで、食道という水のない管にぷかぷかとボールが浮かんでいるようなもので、唾を飲み込むとそのボールは一度下にさがるのですが、すぐにまた上に浮いてくるのです。そして、そのボールは熱を帯びていました。

熱いボールは焼けたボールになった

当然のことながら私はまだ若かったので、自分の身に何が起きているのかはわかりません。ただ、その若さ故か呑気なもので、しばらく放っておけば治るだろうと、私は様子を見てみることにしたのです。

ところが、この喉の違和感は日に日に大きく、そして熱くなっていきました。最初は熱を帯びたボールだったものは、いつの間にか焼け焦げたボールとなり、喉だけでなく胸をも焼いていく。

その結果、私は、喉にはボールのような突っかかり、胸にはじりじりとした胸やけを抱えることとなってしまいました。そしてようやく「これはさすがにヤバい」と感じたことで、近所の内科へ向かったのです。

内科医
内科医

これは「逆流性食道炎」ですね

医師いわく、「酒・タバコ・ストレス」が原因で胃酸が食道を逆流してしまうようになってしまい、喉や胸が炎症を起こしているとのこと。胃酸を抑える薬を飲めば治るそうで、私はPPI(プロトンポンプ阻害薬)という種類の薬を処方されます。

ちなみに、このPPIとは、胃酸分泌の最終段階にある「プロトンポンプ」というものを阻害することで胃酸の分泌を抑える薬で、私の場合は確か「タケプロン」という名前の薬だったと思います。

内科医
内科医

これで胃酸は完全に止まるので、大丈夫です

胃酸が完全に止まる……?

医師の発言に「食べた物の消化はどうなるんだ?」といった、いくつかの疑問が湧いてきましたが、一刻も早く喉と胸の異常を取り除きたかった私は、医師に言われるがままに薬を飲み始めます。

PPIという薬は、抜群の効果を発揮しました。

胃カメラを飲め!

薬を飲んでいる間は確かに胸やけも収まり、喉の調子もだいぶ良くなっていました。ただ、薬を飲まなければ再び喉の違和感は復活したため、私は病院に通って治療を継続。2か月間は同じ薬を飲み続けていたと思います。

ところが、薬の服用が3か月目を超えたある診察日、病院の医師は驚くべきことを言いだしたのです!

内科医
内科医

実はこの薬、基本的に8週間以上は出せないんですよ

このとき、私の記憶が正しければ、既に8週間を超えて薬を服用しています。一体なにを言っているのかよく意味がわからない。

内科医
内科医

これ以上薬を出すとなると、胃カメラを飲んでもらいます

湊
ミナト

胃カメラですか……!?

まだ若いというのに、もう胃カメラを飲まなければならない?  バリウムを飲む? 鼻から管を挿入? いやいや、無理でしょ常識的に考えて……。

というか、そんなことよりも、この医師はなぜ8週間以上出せない薬を、認められた期間以上に出していたのか!?

湊
ミナト

いや、胃カメラは遠慮しておきます

あまりもテキトーすぎる、そして信用ならないと感じた対応に、私はこの病院で胃カメラを飲む気にもなれず、そのまま病院を後にしました。もちろん薬は貰えずに。

ちなみに、この病院が街では割と有名なテキトーな医者だったと知るのは、もう少し後の話。

(注:逆流性食道炎の治療に用いるPPIは、薬によって4、6、8週間と投与期間に制限が設けられていますが、これは4~8週間の期間で80~90%の患者が治癒するからだそうです。ただ、維持療法としてそれ以上の投与も可能らしいので、医師の対応はそれはそれで正しかったのかもしれません)

その胃薬の名は「恵命我神散」

あの病院だけは二度と行かないと心に誓うも、医師の言うとおりに処方限度を超えているのであれば、他に行っても同じことになるのではないかと思い、私はそのままの足で行きつけの薬局(ドラッグストア)へ向かいました。

薬を飲まなければすぐに喉の調子が悪くなってしまうため、なにか別の薬を入手しなければならなくなったからです。

PPI(プロトンポンプ阻害薬)と似たような薬には「H2ブロッカー」というものがあります。このH2ブロッカーは、胃酸の分泌に一番大きな役割を果たし、プロトンポンプの前段階、「ヒスタミンH2受容体」というものへの刺激をブロックすることで、胃酸の分泌を抑えるというもの。

市販薬では「ガスター10」などが有名ですが、これが見てみると結構高い。ガスター10は12錠(6~12日分)で1738円(税込)。これは継続して購入することはできません。2週間以上は服用してはいけないとも書かれていました。

しかし、困り果てていた私に、救いの手は差し伸べられたのです。

薬剤師
薬剤師

逆流性食道炎で困っているのであれば、この薬をお飲みなさい。私の妻も同じ症状でこれを飲んでいます

ドラッグストアで時々話していた薬剤師の爺さん。彼が親切に話を聞いてくれ、おすすめの胃薬を教えてくれたのです。

その胃薬というのがこれでした。

恵命我神散(ケイメイガシンサン)

恵命我神散(ケイメイガシンサン)。

胃の働きを活発にし、胃粘膜を修復する作用のある生薬「ガジュツ」を主成分に、消化管粘膜を保護する働きのある真昆布などを配合した生薬製剤で、胃弱や胃もたれに効き目がある胃腸薬です。

主な効能には「胃部・腹部膨満感、消化不良、胃弱、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胸やけ、胃もたれ、胸つかえ」などがあり、これこそが私が求めていた胃薬なのではないかと思われました。

恵命我神散には散剤と細粒の2タイプがあり、散剤は少し苦くて飲みづらいですが、120包入りだと定価は1包50円程度と安かったため、私はこれを購入。そして、この日から食後などに飲むようにしました。

すると、初めこそ病院で処方される薬と比べて効き目は弱く感じるも、使い続けていくうちに喉の違和感は次第に気にならなくなっていき、しばらくすると、毎食後に服用しなくても問題は感じられなくなっていったのです。

ただ、生活リズムの乱れやストレスから、逆流性食道炎の軽度の再発は何度かあったように思われ、その後も完全には胃薬を手放すことはできなかったのですが、これもついに解決する日は訪れました。

完治するまでに実践したこと(生活習慣の改善)

私の場合、最初に処方された薬で治らなかったこともそうですが、普段からの生活習慣に逆流性食道炎になりやすい要素が多く、生活習慣を改善していかなければ完治は難しいと思われたので、胃薬を飲みながらこれらを変えていく必要がありました。

そこで、ここからは、私が逆流性食道炎を患ってから改善してきた生活習慣についてお話しします。

1. 枕を高くして寝る

そもそもの話、なぜ逆流性食道炎は起こるのかというと、これは食道と胃のつなぎ目にある筋肉(下部食道括約筋)がなんらかの原因によって緩み、普段は内容物を逆流させないために閉じている胃のフタ(噴門)が開いてしまったりすることで、胃酸が食道に逆流、食道が炎症を起こしてしまうからです。

それでは、一体いつ胃酸は逆流しているのか? と考えると、これは食道のぜん動運動(食物の運搬作業)が弱っていると食事中にも逆流することがあるようですが、一番危険なのは寝ているときだと私は思っています。

なぜなら、直立しているときは重力の関係もあるので胃酸は逆流しにくいはずですが、横になっている姿勢だと、食道・胃・胃の内容物が水平に近い状態となってしまい、胃酸が逆流しやすい状態となってしまうからです。

私たちは毎日睡眠を取らなければ生きてはいけないですし、さすがに立って寝るなんて芸当はなかなかできたものではありません。しかし、この「寝るときの胃酸逆流問題」は意外と簡単に解決することができます。

枕の高さを上げる(高くする)ことで、体を水平にはさせず、喉と胃に高低差をつくってあげるのです。

具体的には枕の下にバスタオルを挟んでみたり、厚めのバスタオルを枕に巻いてみたりと、いろいろな方法があります。ただ、枕を高くしすぎると今度は肩が凝ってしまうこともあるので、そういったときは逆流性食道炎の対策用に作られた枕を活用するのもいいでしょう。

ちなみに、この枕を高くするという方法は多くの病院や製薬会社も推奨している方法なので、間違いなく効果はあると思います。

2. 食後にすぐ横にならない、寝ない

これは1つ目の方法と似たような話で、私たちが食べた物は一旦胃の中に収まり、胃液にまみれ、胃の内容物となりますが、当然ながらこのとき、胃液のかさ(胃の中身)は食べた物などによって増えることになります。

そして食後というのは、逆に考えれば1日の中で胃液のかさ(胃の中身)が最大になっているときなので、この状態で横になるのはかなり危険なのです。

食後はできるだけすぐ横にはならず、しばらくの間は上半身は起こしておくと胃酸の逆流を防ぐことができます。

3. 寝るときは左向きで寝る

私は以前から基本的にはそうしていましたが、寝るときの姿勢は仰向けではなく左向き、左耳を下にした姿勢にすると、逆流性食道炎の予防・改善に効果があります。

実はこれには明確な理由があり、それは胃の形状を見てもらえればお分かりいただけると思います。

人体の内臓と胃の形状

私たち人間の胃はこのように「う」の字にカーブした形をしていて、食道とつながる噴門とは反対側にゆとりがある形状となっています。そして体の右側には噴門、左側にはゆとりがあることがわかります。

つまり、右側を向いて寝ると胃の内容物は噴門側にたまるため、胃酸は逆流しやすくなる。一方、左側を向いて寝れば胃の内容物はゆとり側にたまるため、胃酸は逆流しにくくなる、ということなのです。

この方法も人体の構造からして間違いないのでおすすめです。

4. 食べすぎない、飲みすぎない、腹八分目まで

そして最後に、食べすぎ・飲みすぎは控え、食事は満腹になるまで食べず、常に腹八分目に抑えるという方法。

逆流性食道炎の原因には、食事などを取りすぎたことが原因で胃の中の圧力が高くなり(上向きの力が強くなり)、胃液が押し上げられることによって逆流してしまうというものもあります。

そのため、胃の中の圧を高めないためにも、食事は食べすぎず、ちょうどいいくらいで終えなければならないのです。

特に注意すべきは「げっぷ」で、逆流性食道炎になるとげっぷと共に胃の内容物が口の中にまで逆流してくるようにもなります。喉はこれによって、胃酸の逆流の中でも最大級のダメージを受けることになると私は思います。

げっぷの正体は、食事の際に食べ物と一緒に胃の中に入った空気です。食べれば食べるほどげっぷの発生率は上がり、さらに炭酸飲料(ビールなど)は胃液と反応して二酸化炭素を発生させるため、飲みすぎもげっぷの原因になるのです。

「腹八分目に医者いらず、腹八分に病なし」というように、普段から食事は食べすぎないことが重要ですよ。

今回のまとめ

・PPIには強力な効き目があるが、処方期間に制限がある
・胃薬は恵命我神散が特にオススメ
・生活習慣を変えなければ完治は難しいかもしれない

逆流性食道炎を完治させる方法としては、その他にも、酒・タバコ・香辛料などの刺激が強い物は控える、食後にガムを噛んで唾液を出す、服はお腹を締めないようにする、など多くの方法がありますが、私の場合は「胃薬+生活習慣(主に寝食)の改善」という方法で、時間はかかりましたが完治したと思います。

以前までは食べすぎてしまったときは胃薬も手放せなかったのですが、現在は食べすぎることもなくなってきたので、胃薬も必要なくなりました。

薬は人によって合う合わないがあると思いますが、生活習慣を変えていけば症状はおそらく改善すると思います。逆流性食道炎でお困りの方は薬だけに頼らず、いろいろと試してみてはいかがでしょうか。また、逆流性食道炎ではない方は病気の予防にもなると思うので、良かったらご参考ください。

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