楡周平(にれしゅうへい)の『Cの福音』を読みました。
いやー、これはすごかったぞ
この記事では『Cの福音』をネタバレなしで紹介します!
ミナト
年間約100冊ペースで読む、読書が趣味の兼業ブロガー。好きなジャンルはミステリ・ノンフィクションだけれどなんでも読む。ブログでは読んだ本を紹介中。可能なかぎり内容にはふれずに(ネタバレなしで)紹介することを心がけています。>> プロフィール詳細はこちら
『Cの福音』の基本情報
『Cの福音』は、楡周平(にれしゅうへい)のデビュー作です。
著者がアメリカ系企業に在職していたときに書かれたもので、アメリカと日本が舞台になっています。
楡周平は、この作品でなにか賞をとってデビューしたわけではありません。
しかし文章力の高さなどから、
じつは名のある作家で、覆面でペンネームを使い分けているのでは!?
みたいな話もあったとかなんとか。
文庫本の解説にそんなことが書いてありました
そんなわけで、最初から知名度があったわけではないのですが、この作品に登場する朝倉恭介。
このダークヒーローの誕生が話題を呼び、『Cの福音』は30万部を超えるベストセラーになりました!
その後、本作はシリーズ化されるのですが、その朝倉恭介シリーズの第1作目となっています。
はたして「C」とは何なのか?
以下、『Cの福音』を読んだ感想です!
『Cの福音』を読んだ感想
まず「C」とは、これはいっても大丈夫だと思うのでいいますが、コカインのことです。
『Cの福音』は、コカインをテーマにした作品となっています。
あらすじは以下のとおり。
主人公の朝倉恭介は、もともとは前途有望な人物だった。
しかし不慮の事故で両親を失い、天涯孤独に。
さらには社会に絶望するできごとが重なり、彼は“表”の世界で生きていくことをやめた。
悪の世界で生きていこうと決意したんだな
己の頭脳と肉体を賭け、NYマフィアのボスと協力してビジネスを立ち上げる。
それは日本の関税法の盲点をついた「コカイン密輸」の完璧なシステムだった。
ところが、思わぬところで、密輸システムの存在を嗅ぎつける者が現れて……?
ハードボイルド小説ですね。
朝倉恭介は犯罪者ではあるのですが、まあこの男がカッコイイんだ!
わるいことをしているものの、でもめちゃくちゃ格好よくて、だからダークヒーローというわけです。
また本作を書くにあたって、アメリカの更生施設で麻薬中毒患者への取材もおこなわれたそうです
コカインを鼻から一気に吸い込むと、頭の奥で鐘の音が鳴る……
みたいな描写もありました。まさに「コカインの福音」です。
- 健常者が薬物中毒になっていく過程
- 禁断症状に耐え切れない中毒者がとる異常行動
とか、そのへんの話もかなりリアルで、そういうところもおもしろかった。
そして朝倉恭介は、あまり喋らない無口な男だ
そんなところも惚れ惚れしますね。
アクションシーンもあって満足です。
シリーズ続編もぜひ読んでみたいと思わせる作品でした。
評価:薬物の恐ろしさを認識できた点もよかった
また個人的に、薬物のおそろしさを認識できたところもよかったです。
薬物にもいろいろあるよな
たとえば、マリファナ(大麻)とか。
マリファナは合法的に吸える国もあるわけです(例:タイなど)。
でも『Cの福音』を読んで、薬物関係はいっさいやってはいけないなと再認識できました。
とくに私の場合、以前ギャンブルでそういう問題がありました
だからこそ、薬物中毒者の禁断症状なんかは、すごくわかる部分があって……。
正直、これまで違法ドラッグに手を出す機会がなかったことを神に感謝しました。
マリファナからはじまってどんどんつぎへ……とかなる危険性なんかもじゅうぶんにあると思います。
薬物は「ダメ絶対!」です。
やるならタバコくらいにしておきましょう。
今回のまとめ
作品名 | 『Cの福音』 |
---|---|
著者 | 楡周平 |
おすすめ度 |
『Cの福音』は、楡周平のデビュー作で、朝倉恭介シリーズの1作目です。
コカインがテーマになっていて、勉強にもなります。
主人公の朝倉恭介はかなりカッコイイので、彼の生き様を目撃しましょう。
逆に読んでいて、違法薬物に興味がでてしまうこともあるかもしれない
しかしそこは、薬物中毒者がどうなるかをしっかり読んでおくといいと思います。
『Cの福音』はフィクションですがリアルです。
スケールも大きい小説なので、これはおすすめですよ。
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