約7年間にわたってバーテンダーとしての活動をしてきたバーでの、職場環境を紹介します。
- 当時私が働いていたバーの客単価・客層・年齢層などの情報を公開
ミナト私は7年半バーで働いていたのですが、新型コロナの時期に、いったん仕事は辞めることにしました
それで、私の退職後からほどなくして、元職場のバーが閉店してしまったという話を耳にしました。
お店は、経営者も従業員だった私も、お互いが身を削ってなんとか支えていたような状況でした。
なので、遅かれ早かれそうなってしまうのではと思っていたのですが……、いざそうなってしまうと、やはり残念でなりません。
そこでこの記事では、私が長年勤めていた職場の環境を紹介することで、
- なにがどうなると経営的に危ないのか?
- バーではどういった状況が大変なのか?
- どうすればお店を長く続けていけるのか?
そういった私が感じたことを、「立地・客層・客単価・来客数・ボトル数」などの観点からお話ししたいと思います。


ミナト
元バーテンダー。現在は兼業ブロガーとして活動中。夢は海外放浪の旅にでること、自分のお店をつくること。ブログを通してひとりでも多くの方のお役に立ちたいと思っています。当ブログのコンセプトは「24時間営業の人生の休憩所」。>> プロフィール詳細はこちら
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バーのスタイルと立地状況


バーは、大きく以下の2タイプに分けることができますが、
- 酒をメインとした本格派であるオーセンティックバー
- それを少しライトにしたカジュアルバー
私がいたお店は、オーセンティック寄りのカジュアルバーでした。



ワイワイガヤガヤするようなお店ではありません
お酒と雰囲気、会話、治安の維持などを大切にする、静かでレトロなタイプのバーだったと思います。
経営者の音楽の趣味が強く押し出されていました。



ジャズやソウルミュージックがいつもかかっていたお店だったんだ
しかし経営者いわく「うちはジャズバーでもソウルバーでもない」とのことだったので、ふつうのショットバーということになります。
立地に関しては、あまりよくなかったと私は感じていました。
いちおう、表向きは治安がいい、都内の閑静な住宅街といわれていました。



ただ、よくよく聞いてみると、もともと治安がいい場所ではなかったようで、その名残りもあったんじゃないかなあと
地元感が強くて、やや排他的な雰囲気も感じましたね。
また全体的に見てマナーを守ってくれない人も多かった(比率は高かった)ようにも思いました。
治安に関しては、周辺の飲食店の方や、地元の住民の方も言っていました。なかには「スラム街ですよ、ここは」なんて言葉も飛び出していたほどです。
私がいたのはバーだったので、多少入りにくいということもあってか、そこまで被害は多くはありませんでした。
が、居酒屋、コンビニ、ファミレス、といった人が多く出入りするお店は、けっこう大変だったと聞きます。
もっとも、つぎのように、いいお客さんのほうが多かったからこそ私もやってこられたのですが、
- マナーのいいお客さん
- 人として尊敬できるお客さん
- 心の支えになってくれたお客さん
治安がよくはないエリアで店の治安を維持するのは大変だなと感じました。
一度お店を建ててしまうと、そう簡単には移動はできないので、地域の調査は重要だということですね。
ちなみに、なぜその場所に経営者はお店をつくったのかというと、
- 店舗の拡大を考えていたときに、本店(1号店)から近く、競合店もほとんどない、穴場のような物件が見つかったから
だそうです。
バーの客層・年齢層・客単価など


つづいて、当時私が勤務していたバーの「客層・年齢層・客単価」などをお話しします。
ここがメインの話になるので、それぞれ項目を分けて見ていきます。
客層:サラリーマンが多かった
私がいたお店の客層は、つぎのように、いろんな方が来られていました。
- 音楽好きの方
- 音楽関係者、制作会社の方
- 業界人
- 近隣店舗の方
- 近所にお住まいの方、地元の方
しかし近くで働かれているサラリーマンの方がいちばん多かったように思います。



あとはやっぱり、近くに住んでいて、家に帰るまえに飲まれていくパターンですね
住宅街や地元の商店街にあるバーは、だいたいそうなるのではないかなと思います。
常連さんは、ほとんどが、「仕事がおわって家に帰るまえにちょっと飲んでいこう」の方でした。
年齢層:30~40代が多かった
年齢層は30~40代の方が最も多かったです。
なかでも、独身で時間とお金に余裕がある方が多かった印象です。
20代の方はときどきという感じで、年々減少傾向にあったような印象です。



当初は20代の若者もけっこう多かったんですけどね
これ(若者の減少)に関しては、私が年をとっていったことも関係しているかもしれません。
また、若い方の酒離れが年々進んでいるということも影響していたのかもしれません。
客単価:2500円~3000円
客単価は1日をとおして、だいたい3000円前後が多かったように感じられました。
が、年間の平均だと、2500~3000円のあいだに収まっていたように思います。



たくさん飲んでくれる人、1~2杯だけの人で、帳尻が合っているような感じだな
内装にはお金をかけたと以前経営者から聞きました(700万円ほどかかったとか)。
それでも、「こんなにしっかりしているのに、こんなに安いんだ」というお店にしたかったそうで、
- チャージは500円
- ショットは600~700円から
と、バーにしては安いほうだったと思います(当時)。
平均来客数:1日10人以下
平均の来客数に関しては、不況のあおりを受けてか、こちらも年々減少傾向にありました。
1日10名はいかないことのほうが多く、週末でも暇なときは暇です。
あまり曜日は関係なかったような印象です。



ただ、日曜日は鉄板といってもいいほど暇でしたね
日曜は定休日にしてもよかったんじゃないかなと私は思っていました。
ただ、経営者の、
お客さんが来なかったとしても毎日店は開ける(いつでも開いているという安心感を出したい)
という意向で、定休日はありませんでした。
ちなみに、お客さんの来店がゼロ(当然売上もゼロ)という日も散見されました。
お店はそこまで大きくはなく、営業時間が1日6~7時間と短かかったこともあったとは思いますが、ゼロの日はありました。
1日平均10名以下、客単価2500~3000円で、経営状況はギリギリでした。
家賃が安かったのでなんとかなっていましたが、店は儲かってはいません。



ひとまずは維持できているという状況です
経営者も苦しかったと思いますし、私も無給で働いている時間があったりと、当時は厳しい状況でした。
バーでの男女の比率


私が勤務していたバーでの男女比は、当初は「男性6:女性4」くらいでした。
が、最終的には「男性7:女性3」くらいに落ち着いていました。
女性客が減ったことに関しては、マスターが頑固な人だったのもあったように思います。



経営者に対する苦情のようなものも、しばしば寄せられていたりしていました
たとえば、「お客さんとして来ているのに延々と愚痴を聞かされた」とか、「いつもの人(私)は今日はいないんですか? と聞いたら、不機嫌になって口を聞いてくれなくなった」といったふうにです。



これに関しては、少々むずかしい話だ
つまるところバーは店主の店であって、乱暴にいえば、店主がなにをしようがその人の勝手でもあるからです。
じっさい、ひと癖もふた癖もあるマスターは少なくありません。



私もお客さんにあれこれ弁明したりしていたんですが、ダメでしたね
女性客の減少を食い止めることはできませんでした。
女性のお客さんが多いと必然的に男性のお客さんも増える法則があります。
なので、そういったこともあって、全体の来客数も減少傾向にあったのかもしれません。
経営者は合う合わないがはっきりしているような人でした。
それが昔はカリスマのような感じで支持があったようなのですが、いまの時代にはあまり合わなかったようにも感じます。
バーにおいてお客さんは、店につくのではなく、人(バーテンダー)につくものだと私は思っています。
性格は人それぞれであって、変わるものでもないのでむずかしいと思います。
が、時代の変化は、つねに意識していかなければならないということでしょう。
バーにあったお酒の種類とボトル数など


最後に、私がいたバーで扱っていたお酒の種類などです。
お店の規模にしてはけっこう多く、だいたいバックバーには、つねに300本前後の酒がありました。
内訳は以下のとおりです。
| 酒の種類 | 本数 |
|---|---|
| スコッチ | 70本 |
| バーボン | 50本 |
| その他ウイスキー | 20本 |
| ブランデー | 10本 |
| スピリッツ | 80本 |
| リキュール等 | 70本 |



終売品などのレアなボトルもちらほらありました
街のバーにしてはかなり多くのボトルがそろっていたように思います。
ただ、ありすぎるというのも問題で、逆にデメリットも多くなっていたようにも思います。
ボトルが多いことで、つぎのようなデメリットが発生していました。
- ウイスキーは終売・値上げがひんぱんに起こる → そのたびにメニューをつくり変えなければならない
- 売れ筋のボトルは回転率が高いものの、マイナーな酒は出る機会も少ない → 品質の劣化が進んでいく
- メニューが多すぎる(選択肢が多すぎる)と、なにを選べばいいかわからない → 満足度が下がる原因にも
たしかに、バックバーに大量のボトルがならんでいると、見た目のインパクトや、ずっと眺めていられる楽しさを演出できます。
ただ、来客数や注文が少なければ、結局は置物になってしまうようにも思いました。
それに私は、バーを含む飲食店は、最終的には酒や料理ではなく、やはり人につくと思っています。



お酒を最大の売りにするお店であればまだしも、です
そういったことがしたいわけではない街のバーであれば、ここまで多くのボトルは必要ないのかもしれません。
つねに大量のボトルを抱えるよりも、月替わりで新しいウイスキーを入荷したほうがいいような気はしました。
なんでも新しいものには、人は興味を持ちますからね。
今回のまとめ
- お店の治安を維持するのは大変(事前調査は大事)
- 女性客が多いと男性客も増える(女性客は大事に)
- 大量のボトルは置物と化してしまうリスクが高い(必要なだけでいいのでは?)
私が以前勤務していたバーは、もともとは儲かっていたそうです。
しかし、リーマンショック・東日本大震災でじわじわと客足が途絶え始め、新型コロナでついに閉店に追い込まれてしまいました。
経営者はほかで稼いだお金をお店の経営にあてていたりもしていました。
なので、まだ維持することはできたようなのですが、ほかに個人的な事情もあったようです。
ちょうどいいという言い方もよくないですが、ちょうど閉店のタイミングがそのときになってしまったようです。
バーが閉店すると、それまでそのバーに行っていたお客さんが
- 行き場を失ってしまう、心の支えを失ってしまう
ということがあるように私は思います。
私もゆくゆくは店を立ち上げたいと考えています。
経営難をできるだけ起こさないよう、この経験を生かし、今後につなげていきたいと思いました。
約7年間お世話になったバーには、いろいろありましたが、とても感謝しています。





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