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パチヤメ(ギャンブル依存症問題を解決ブログ)

【経営難事例】バーの客層、年齢層、客単価などを元職場からご紹介します

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約7年間にわたり、バーテンダーとしての活動をおこなう拠点となったバーについて、その職場環境をご紹介します。

私はもともとバーで働いていて、わけあっていったん現場からはしりぞき、無期限で休業することにしていたのですが、私の退職後からほどなくして、元職場のバーが閉店してしまったという話を耳にしました。

正直いうと当時は、経営者も従業員だった私も、お互いが身を削ってなんとか店を支えていたような状況だったので、遅かれ早かれそうなってしまうのではないかと思ってはいました。しかし、いざそうなってしまうと、やはり残念でなりません。

今回は、私が長年勤めていた職場の環境をご紹介することで、なにがどうなると経営的に危ないのか、どういった状況が大変なのか、そしてそのような経験から、どうすれば店を長く続けていけるのか、そういった私が感じたことを、「立地・客層・客単価・来客数・ボトル数」などの観点からお話ししたいと思います。

目次

バーのスタイルと立地状況

バーは酒をメインとした本格派であるオーセンティックバーと、それを少しライトにしたカジュアルバーの2種類に大きく分けることができますが、私がいた店はオーセンティック寄りのカジュアルバーでした。

ワイワイガヤガヤするような店ではなく、酒と雰囲気、会話、治安の維持などを大切にする、静かでレトロなタイプのバーだったと思います。

経営者の音楽の趣味が強く押し出されていて、ジャズやソウルミュージックがいつもかかっていたのですが、経営者いわく「うちはジャズバーでもソウルバーでもない」とのことだったので、ふつうのショットバーということになります。

立地に関しては、残念なことにあまりよくなかったと私は感じていました。

いちおう、表向きは治安がいい、都内の閑静な住宅街といわれていましたが、よくよく聞いてみると、少なくとも治安がいい場所ではもともとなかったようで、全体的に見てマナーを守ってくれない人が多かった(比率が高かった)ように思います。

これに関しては、周辺の飲食店の方や、地元の住民の方でさえも口をそろえていっていて、なかには「スラム街ですよ、ここは」などという言葉も飛び出していたほどです。

私がいたのはバーだったので、多少入りにくいということもあってか、そこまで被害は多くはありませんでしたが、居酒屋、コンビニ、ファミレス、といった人が多く出入りするお店は、さらに大変だったと聞きました。

もっとも、マナーのいい方、人として尊敬できる方、心の支えになってくれるような方など、いいお客さんのほうが多かったからこそ私もなんとか長年やってこれたのですが、店の治安を維持するのはほんとうに大変だと感じました。

一度店を建ててしまうとそう簡単には移動することはできないので、地域の調査は重要だということでしょう。

なお、なぜその場所に経営者は店をつくったのかというと、店舗の拡大を考えていたときに、本店(1号店)から近く、競合店もほとんどない、穴場のような物件が見つかったからだそうです。

客層と年齢層、客単価と平均来客数

客層は音楽好きの方、音楽関係者、制作会社の方、業界人、近隣店舗の方、近所にお住まいの方、地元の方と、さまざまな種類の方が来られていましたが、近くで働かれているサラリーマンの方がいちばん多かったように思います。

年齢層は30~40代の方が最も多く、50代、それ以上の方もよく来られていました。20代の方はときどきという感じで、年々減少傾向にあったような印象です。

以前は20代の方もけっこう多かったのですが、これに関しては、私が年をとっていったことも関係しているのかもしれませんし、若い方の酒離れが年々進んでいるということも影響していたのかもしれません。

客単価は1日をとおして、だいたい3000円前後が多かったように感じられるものの、年間の平均だと2500~3000円のあいだに収まっていたことが多いように思います。

内装にはお金をかけたと以前経営者から聞きましたが(たしか700万円ほどかかったとか)、「こんなにしっかりしているのに、こんなに安いんだ」というお店にしたかったそうで、チャージは500円、ショットは600~700円からと、バーにしては安いほうだったとも思います。

平均の来客数に関しては不況のあおりを受けてか、こちらも年々減少傾向にあり、1日10名はいかないことのほうが多く、週末でも暇なときは暇で、あまり曜日は関係なかったような印象です。

ただし、日曜日は鉄板といってもいいほど暇で、日曜は定休日にしてもよかったと私は思っていました。しかし、経営者の、お客さんが来なかったとしても毎日店は開ける(いつでも開いているという安心感を出したかった)という意向で、定休日はありませんでした。

ちなみに、店もそこまで大きくはなく、営業時間が1日6~7時間と短かかったこともあったとは思いますが、お客さんの来店がゼロ(当然売上もゼロ)という日も散見され、1日平均10名以下、客単価2500~3000円で、経営状況はギリギリ。

家賃が安かったのでなんとかなっていましたが、店はもうかってはいません。ひとまずは維持できているという状況で、経営者も苦しかったと思いますし、私も無給で働いていたりもしました。

男女の比率

男女比に関しては当初は男性6:女性4くらいだったのですが、最終的には男性7:女性3くらいに落ち着いていました。

女性客が減ったことに関しては、これはもうしかたがないことだったのかもしれません。じつをいうと、経営者に対する苦情のようなものがしばしば寄せられていたりもしていたのです。

たとえば、お客さんとして来ているのに延々と愚痴を聞かされたとか、いつもの人(私)は今日はいないんですか? と聞いたら、不機嫌になってしまって口を聞いてくれなくなった、といったふうに。

これに関しては、少々むずかしい話です。つまるところバーは店主の店であって、乱暴にいってしまえば店主がなにをしようがその人の勝手でもあるわけで、実際ひと癖もふた癖もあるマスターは少なくありません。

また、私も店に一生いるわけではなく、経営者は最後まで残ることになるわけですが、私がいなくなったあとで経営者についているお客さんが少ないとなると、経営的にまずい状態になってしまうことも懸念されます。

したがって私は、営業内容としてはあまりよくないような素の部分も含めて、経営者のファンになってくれる方が1人でも増えてくれればと思い、お客さんにはあれこれと弁明したり、経営者に進言したりもしていました。

が、最終的には私の実力不足もあったのでしょう。女性客の減少を食い止めることはできませんでした。

女性のお客さんが多いと必然的に男性のお客さんも増えるという法則があるので、そういったこともあって、来客数は減少傾向にあったのかもしれません。

経営者はかなりの気分屋で我が強く、合う合わないがはっきりしているような人で、それが昔はカリスマのような感じで支持があったようなのですが、変化していく時代のなかでは、それは合致しなかったようにも感じます。

バーにおいてお客さんは、店につくのではなく、人(バーテンダー)につくものだと私は思っています。性格は人それぞれであって、変わるものでもないのでむずかしいと思いますが、時代の変化はつねに意識していなければならないものでしょう。

過去の栄光にすがっていたり、昔はいい時代だったとなつかしんでいたり、いまは世の中が悪いと人のせいにしたりしていても、なにも前に進むことはないですし、そんなことをしていても意味はないということです。

酒の種類とボトル数など

私がいたバーで扱っていた酒の種類は、店の規模にしてはけっこう多く、だいたいバックバーにはつねに300本前後の酒がありました。内訳は以下のとおりです。

酒の種類本数酒の種類本数
スコッチ70本ブランデー10本
バーボン50本スピリッツ80本
その他ウイスキー20本リキュール等70本

終売品などのレアなボトルもちらほらあり、街のバーにしてはかなり多くのボトルがそろっていたように思いますが、ありすぎるというのも問題で、逆にデメリットのほうが多かったようにも思います。

とくにウイスキーは終売・値上げがひんぱんに起こるので、そのたびにメニューをつくり変えなければなりません。売れ筋のボトルは回転率が高いものの、マイナーな酒は出る機会も少ないため、品質の劣化が進んでいきます。メニューが多すぎる(選択肢が多すぎる)と、なにを選べばいいかわからなくなってしまい、お客さんの満足度が下がるというのも有名な話でしょう。

たしかに、バックバーに大量のボトルがならんでいると、見た目のインパクトや、ずっと眺めていられる楽しさを演出することができますが、来客数や注文が少なければ、結局は置物になってしまうようにも思います。

それに私は、バーを含む飲食店は、最終的には酒や料理ではなく、やはり人につくと思っているので、酒を最大の売りにする店であればまだしも、そういったことがしたいわけではない街のバーであれば、ここまで多くのボトルは必要ないのかもしれません。

つねに大量のボトルを抱えるよりも、月替わりで新しいウイスキーを入荷したほうがいいような気はしました。なんでも新しいものには、人は興味を持ちますからね。

今回のまとめ

・店の治安を維持するのはほんとうに大変
・女性客が多いと男性客も増える、が、トラブルも増える
・大量のボトルは置物と化してしまうリスクが高い

私が以前勤務していたバーは、もともとはもうかっていたそうです。しかし、リーマンショック、東日本大震災でじわじわと客足が途絶え始め、コロナウイルス(Covid-19)でついに閉店に追い込まれてしまいました。

ただ、経営者はほかで稼いだお金を店の経営にあてていたりもしていたので、まだ維持することはできたようなのですが、ほかに個人的な事情があったようで、ちょうどいいという言い方もよくないものの、ちょうど閉店のタイミングがそのときになってしまったようです。

バーが閉店すると、それまでそのバーに行っていたお客さんが行き場を失ってしまう、心の支えを失ってしまう、ということがあるように私は思います。

私もゆくゆくは店を立ち上げたいと考えているので、そういったことをできるだけ起こさないよう、この経験を生かし、今後につなげていきたいと思いました。約7年間お世話になったバーには、いろいろありましたが、とても感謝しています。

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