さっきまで元気だったうさぎさんが急にご飯を食べなくなった。朝起きたら餌をまったく食べていないのに気づいた……。
これは、焦りますよね
こういったうさぎさんの食欲不振は、どこかのタイミングでかならず起こると思います。
でも、きちんとした確認と対策を取ってあげれば、また元気な姿にもどってくれるはずなので安心してください。
ということで本記事では、つぎのことをお話しします。
- うさぎがご飯を食べなくなる主な原因
- うさぎが餌を食べないときの6つの確認と改善方法
- 自力で回復したうさぎ(ミニレッキス)の記録
うさぎさんがご飯を食べなくなる「食欲不振」は、大きな病気が隠れていることもあります。
そのため、動物病院に行くのがいちばん間違いがありません。
とはいえ、だな
自力で回復する場合もあり、事実、ミニレッキスのイブスター店長は何度も食欲不振から復活してきました。
そこでこの記事では、うさぎさんが食欲不振になってしまったときの改善策・対処法をまとめて紹介します。
病院に行く行かないの判断は、この記事を読んでからでも遅くないはず。
どうぞ最後までごらんいただき、うさぎさんの(ひとつの)復活手段として参考にしてもらえればと思います。
では、まいりましょう!
この記事に登場するうさぎ
- ミニレッキスのイブスター店長
- 2016年11月生まれのオス(現在7歳)
- やや詳しいプロフィールはこちら
うさぎがご飯(餌)を食べない原因
まずは、うさぎさんの「食欲不振」から見ていきましょう。
うさぎさんがご飯(餌)を食べなくなる「食欲不振」は、なんの前触れもなく突然起こることもあり、
- 餌だけでなく水も飲まなくなってしまう
- うさぎさんがほとんど動かなくなってしまう
- 場合によっては深刻な病気が隠れている
と、うさぎさんが危険な状態におちいっている可能性もある症状です。
その理由は、外的な要因か内的な要因、もしくはその両方が複合する場合も考えられます。
具体的にいうと?
外的な要因ではおもに以下の3つの変化が関係し、
- 急激な温度(気温の)変化
- 生活環境の変化によるストレス
- 換毛期
内的な要因では、以下の3つの病気がおもな原因となることが多いようです。
- 胃腸うっ滞(毛球症)
- 不正咬合
- 急性胃拡張(腸閉塞)
原因の特定は、動物病院でもむずかしいことも多いそうですが、ある程度はこちらでも判断できる場合もあります。
さきに、この6つの原因をそれぞれ確認しておきましょう。
1. 季節の変わり目による急激な温度変化
春から夏、秋から冬など、季節の変わり目による「急激な温度変化」が、うさぎさんの食欲不振の原因となることがあります。
うさぎさんの耳には多くの血管がとおっていて、耳を冷やしたり・温めたりして、体温の調節をおこなっています。
しかし、気温が急激に変化すると、
体温調節がうまくいかずに体調を崩してしまう
ということがあり、それが、うさぎさんがご飯を食べなくなる原因となることがあるのです。
人間が季節の変わり目に体調を崩しやすいのとおなじだな
個人的には、「春→夏、冬→春」など、急に暑くなったときに問題が起こるケースが多いと感じます。
気温の変化と同時にうさぎさんが餌を食べなくなったときは、まずはこれが原因として考えられます。
2. 生活環境の変化によるストレス
うさぎさんはストレスに敏感な生きものなので、生活環境の変化が食欲不振の原因となる場合があります。
- 飼い主さんの引っ越し
- ペットホテルや友人宅など、知らない場所にうさぎさんを預ける
- うさぎさんの小屋の引っ越しで、自分のにおいがついていない
など、うさぎさんがふだん生活している環境が変わってしまうと、
そのストレスで餌を食べなくなったり、うんちやおしっこをしなくなったりする
ということがあるのですね。
イブスター店長の場合でいうと、
ケージを新しいものに買い替えたときは、1日くらいはほとんど動きませんでした。
ただ、これは慣れてくれれば大丈夫だったりもするので、そこまで心配しなくてもいい気がします。
3. 換毛期
うさぎさんには、大きく分けると春と秋の年に2回、体じゅうの毛が生え変わる「換毛期」があります。
これも、原因のひとつとして考えられます。
換毛期はウサギが大きなエネルギーを消耗する、ともいわれているからだな
ようは、(毛の生え変わりによる)体力の消耗で体調を崩してしまい、それが原因でご飯を食べなくなるという話です。
この「換毛期の体力消耗」は、あくまでそういう説があるだけで、はっきりとしたものではありません。
とはいえ、このつぎで解説する「胃腸うっ滞」にもかかわる話なので、食欲不振の原因にもなると思われます。
4. 胃腸うっ滞(毛球症)
さきほどふれた胃腸うっ滞(毛球症)とは、
- 繊維質のすくない食事や水不足
- 免疫力の低下やストレス
- 換毛期の抜け毛を大量に飲み込んでしまう
などの原因によって引き起こされる病気で、「消化管うっ滞」ともよばれます。
この胃腸うっ滞になると、やはりうさぎさんはご飯を食べられなくなってしまいます。
なぜかというと、上記の原因などによって胃腸の動きが止まってしまい、
胃腸の中にのこっているものが発酵し、おなかの中にガスがたまることで、
うさぎさんは痛みを感じて動けなくなってしまうから。
ガスがたまる → 痛みで動けない → 餌を食べない → ガスがたまる
という悪循環におちいってしまうことから、致死率が高いことでも知られている病気です。
一般的には、体(背中)を丸めてじっとしている状態が危ないとされています
- うんちが小さくまばらになっていた
- うんち同士がよく毛でつながっていた
などを事前に確認できていた場合は、うさぎさんが胃腸うっ滞になっている可能性もあります。
緊急性が高い病気なので、これになっていた場合は、すぐに動物病院へ行く必要があるでしょう。
胃腸うっ滞(毛球症)とは
5. 不正咬合
「不正咬合:ふせいこうごう」という病気も、うさぎさんがご飯を食べられなくなる原因のひとつです。
うさぎさんの歯は一生伸びつづけるものです。
このため、繊維質が豊富な牧草などをすりつぶしながら食べることで、歯が伸びすぎるのをふせいでいます。
ところが、だな
牧草をあまり食べないなどが原因で、一部の歯が伸びすぎてしまい、噛み合わせがわるくなってしまう……。
そうすると、不正咬合(噛み合わせ異常)になってしまい、うさぎさんは口の中が痛むようになります。
「涙やよだれが出ている」といった症状があらわれるようになり、口の痛みによって、餌を食べられなくなってしまうのです。
うさぎさんは餌を「食べたくても食べられなく」なります
私たちでいうと、「ひどい口内炎をもっともっと悪化させたような感じ」といったところでしょうか。
この場合もすぐに動物病院へ行き、伸びすぎた歯を削ってもらう必要があります。
不正咬合を予防する方法
6. 急性胃拡張(腸閉塞)
急性胃拡張という胃腸の病気も、食欲不振の原因となるでしょう。
かつてはうさぎさんの消化器障害(胃腸の病気)は、さきほどの胃腸うっ滞のひとつでまとめられていたようです。
たしかに古い飼育書では、それしか載っていないこともあります
しかし近年では、うさぎさんの消化器障害はよりこまかく分類され、区別したものを総称して
「ウサギ消化器症候群(RGIS:Rabbit Gastrointestinal Syndrome)」
とよんでいるそう。
そして、その消化器障害のなかでも知っておきたいのが、この「急性胃拡張」です。
急性胃拡張の原因は、すべては解明されていないそうですが、
- 胃の出口に毛球が詰まる、異物が腸に詰まるなどする
- そうすることで、ウサギは腸閉塞を起こしてしまう
- 胃がたまったガスで大きく膨らみ、ウサギは痛みで動けなくなる
というもので、短時間で症状が進んでいきます。
そのことから、うさぎさんが突然命を落としてしまいかねない危険な病気として知られています。
「急性」というように、なんの予兆もなく突然発症してしまうので、
- さっきまで元気だったとしても、
- きちんとした予防をしていても、
うさぎさんの体調が急変してしまうことがあるのです。
急性胃拡張は、これも「季節の変わり目や換毛期」に起こることが多いとされ、つぎのような症状があらわれるといいます。
- 急に餌を食べなくなる、突然排泄をしなくなる
- 激しい腹痛によってじっと動かない、体勢を何度も変える、さわられるのを嫌がる
- 歯ぎしり、痛みのショックによる体温低下
(参考:ウサギさん「うさぎの胃拡張」)
胃拡張は「体温の低下」も判断基準になるかと思われます。
これが疑われる場合も、病院に急行したほうがよさそうです。
急性胃拡張は、予兆がないところに注意だな
動物病院を受診するかを判断する目安
うさぎさんが急に餌を食べなくなってしまった場合、
落ち着いて確認すべきことを確認し、適切な対策を取ってあげれば、
うさぎさんを「自力だけでも元気な状態に復活させる」ことはできると思います。
ただ餌を食べない理由が、胃腸うっ滞などの病気だと疑われる場合は話はべつで、これはすぐに病院へ行ったほうがいいでしょう。
なので、ここでは「動物病院を受診するかの目安」をお話しします
まずは、それぞれの病気が疑われる症状から。
これらが確認できた場合は、うさぎさんを病院に連れていってあげたほうが間違いはありません。
- 毎日餌を食べる量が少しずつ減っていた
- うんちが小さく形がまばらになっていた
- うんち同士が毛で数珠つなぎのようにつながっていた
- 餌を食べたそうなのに食べられない、食べる量が減っていた
- うんちが小さい、量が少ない
- 涙が出ている、よだれが出ている
- 突然餌を食べなくなった、排泄をしなくなった
- じっとして動かない、落ち着きなく体勢を何度も変える
- おなかが膨らんでいる、おなかをさわると嫌がる、歯ぎしりをしている
- 体温低下によって耳が冷たくなっている
ちなみに、草食動物であるうさぎさんの胃腸はつねに動きつづけています。
それもあって、餌を食べないなどで胃腸の動きが「24時間以上とまってしまう」と、ひじょうに危険な状態になるとされています。
- 繊維質(牧草など)を食べないことで腸内細菌のバランスが乱れてしまう(悪玉菌が増える)
- うさぎにとって有害な毒素やガスが生成されてしまい、それがおなかの中にたまる
- 体の脂肪を肝臓に集めてエネルギーを得ようとすることで、脂肪肝という病気になるリスクが上がる(肝機能障害)
こういった問題が起こる危険性があるからですね
したがって、さきほどの病気の症状がみられないときでも、
- いっさい餌を食べない状態が6~8時間以上つづいているのなら動物病院へ行く
こうしたほうがいいかもしれません。
なぜかというと、危険水域の半日(12時間)を超えてから動くのでは、移動や帰宅後のことを考えるとやや遅いとも思われるからです。
それともうひとつ、動物病院に行かずに復活できる場合でも、
うさぎさんは最低でも1~2時間ほど(場合によっては3~4時間以上)はなにも食べない
と思います。
問題が起きてからだな
このあいだは、うさぎさんの体調がすこしでも回復するのを待って、そっとしておくしかありません。
ですから、この時間をただ待つのが不安であれば、この場合もやはり動物病院に行ったほうがいいでしょう。
病院に行けば、大きな問題がなかったとしても、ひとまずは安心できますからね。
うさぎが食欲不振になった時の確認&改善方法
それでは、ここからは「病気ではなさそうな場合」の食欲不振の改善策です。
ご飯を食べなくなったうさぎさんを復活させるための、確認すべき点と対策方法を見ていきましょう。
6つあるので、ごらんください!
1. ペレットを食べない
うさぎさんがペレット“だけ”を食べない場合、これは、じつはそこまで大きな問題ではなかったりもします。
ペレットはあくまで副食であって、主食ではないからですね。
主食の牧草を食べてくれていれば、うさぎさんは「盲腸便」からでも栄養補給はできます。
ですから、この場合は「数日間は様子見」するのもありでしょう。
体調がよくなれば、またすぐにペレットを食べはじめてくれると思います。
新鮮なペレットを一定量は餌箱に入れておくか、ふだんとちがうペレットを入れておくのもいいと思いますよ。
突然、餌の好みが変わったりすることもあるからです
ちなみにミニレッキスのイブスター店長の場合、べつの理由で3日間ペレットを食べなかったことがあります。
それでも、そのぶん牧草を食べていたので、そのときも健康には問題はありませんでした。
2. 牧草を食べない
うさぎさんが突然餌を食べなくなった場合、牧草も食べなくなってしまうと思います。
この場合も、ひとまず様子をみるしかありません。
ペレットとおなじく、新鮮な牧草を一定量は餌箱に入れておき、食べてくれるのを待ちましょう。
うさぎさんは牧草の葉や茎よりも、嗜好性の高い穂先を好んで食べる傾向があります。
ですから、つぎのような対策をとるなどして、
- 穂先を多く入れておく
- 嗜好性の高いアルファルファ牧草を入れてみる
「いつでも牧草を食べられる状態にしておく」のが大事です。
ペレットも牧草も食べないとなると、胃腸の動きが心配になりますが、これはほかでも対策できます。
牧草は用意するだけしておき、ダメそうなら、つぎの対策に進みましょう。
3. おやつは食べる
うさぎさんは食欲不振(ペレット・牧草は食べない)だけれども、おやつだけは食べる、
逆にいえばおやつしか食べない
という場合、これは自然に復活できる可能性は高いともいえます。
基本的にうさぎさんは、つぎの順でご飯をよく食べると思うのですが、
「おやつ・野菜・果物 > ペレット > 牧草穂先 > 牧草葉茎」
なにかを食べることができていれば、最低でも胃腸の動きが止まることはなく、体調の回復とともに食欲ももどることがあるからです。
なんでもいいので、とにかく何かを食べられているのが大事です
1~2時間ごとにおやつをあげるなどして、胃腸を動かしてあげれば、うさぎさんは突然復活することもあります。
ぜひこれもためしてみてください。
おやつはペレットを固めたようなものではなく、ドライフルーツなどのおなかによさそうなものがおすすめですよ。
4. 水を飲まない
食欲不振の状態になると、うさぎさんは餌も食べられずに動けなくなってしまいます。
そうなると、水も飲めなくなってしまうと思うのですが、この場合は水分補給をさせてあげなければなりません。
水不足はうっ滞の原因にもなるからだな
そこで、そんなときは「野菜・果物」をあげてみてください。
おやつだけは食べられる場合、うさぎさんは野菜・果物もすこしは食べてくれると思います。
野菜・果物には多くの水分がふくまれています。
水気をのこしたまま与えてあげれば、それで水分を補給でき、同時に胃腸も動かしてあげられることでしょう。
- うさぎさんの口もとに野菜・フルーツを近づける
- うずくまっている場所の近くに野菜・フルーツを設置しておく
給水ボトルなどから水を飲んでくれないときは、このようにして、うさぎさんに水分補給をさせてあげてください。
(※ご飯は食べないけれど水は飲む、という場合も、おやつ・野菜などの食べるものは用意してあげましょう。胃腸を動かしてあげるためです)
なお、うさぎさんは香りが強い野菜、たとえば、
- パセリ
- セロリ
- 大葉
などを好んで食べる傾向があり、こういった野菜は食欲がない時の食欲増進にもつながります。
うさぎさんが餌を食べないときは、そのほかでいえばパクチーなど、香りが強い野菜をチョイスしてあげるといいですよ。
ただし、ふだんから食べている野菜・果物でなければ食べてくれないはずです
うさぎさんは警戒心が強いので、体調がわるいときはよけいに、知らないものは食べてくれません。
野菜・果物をあげるときは、ふだんからあげているものを選ぶようにしてみてくださいね。
ちなみにイブスター店長は、2~3日ほど水を飲まなかったことがあります。このときはリンゴ(+野菜)の水分だけでしのげました。野菜・果物をすこしずつでも食べてくれれば、水を飲まなくてもある程度はなんとかなります。
5. うんち、おしっこをしていない
うさぎさんが体調を崩してからは、しばらくはうんちもおしっこもほとんどしないと思います。
具体的にいうと、つぎのような状態です。
- おしっこは1日1~2回程度で、濁りが濃くなる
- うんちは小さくて少ない。ほとんどが下痢に近い軟便の場合も
この場合、うんちの個数のほうを気にかけてあげたほうがいい気がします。
胃腸が動いていれば、うんちはすくなくても出るはずだから。
5~6時間で数個とか、軟便でも、出ているだけいいと思います
水を飲まなければ、長時間おしっこがでないのも、しかたがありません。
一定時間様子をみてみて、すこしでも「うんち・おしっこ」をしているようなら、もうしばらく様子見としてもいいかもしれません。
ただ、どちらもいっさいしていないようなら、この場合も動物病院に行ったほうが無難です。
6. おやつ・野菜・果物も食べない
うさぎさんの体調が悪化してからずっと、おやつ・野菜・果物も食べられない(何も食べない)場合は要注意です。
- 好物ですらも食べられないほど体調が悪い
- 水も飲めないとなると、水分補給もできない
という、危険度が高い状態だといえるからです。
一定時間この状態がつづくようなら、やはりこの場合も、動物病院に行ったほうがいいでしょう。
半日は超えないようにしたほうがいいと思います
うさぎさんの胃腸を無理やりにでも動かす方法もあることはあります。
しかしこれは、うさぎさんの胃が胃拡張で膨らんでいた場合、胃の破裂を招きかねないという意見もあります。
ですから、これをするのなら、やはりさきに獣医の先生にみてもらったほうがいいと思いますよ。
うさぎが餌を食べない状態から回復した時の記録
では、情報が出そろったところで、
「ミニレッキスのイブスター店長が、食欲不振から自力で回復した記録」
最後にこれをお話しします。
数時間前までは元気だったにもかかわらず、急にご飯を食べなくなったときのことです。
春先の気温が上がる時期で、換毛期もかぶっていたと思います
うさぎさんの食欲不振が治らないときは、どうぞこちらも参考にしてみてください。
では、まいります!
1日目(24:00)
前日の21時ごろまではケージの外で遊び、餌もたくさん食べていたイブスター店長(この画像だけ体調不良)。
ふだんなら24時ごろになると、牧草入れもカラに近くなっているのですが、この日は牧草がほとんど減っていませんでした。
ケージから出してあげると(まだ動けた)、若干息が荒く(呼吸が早く)、
- ふだん横にならない場所でも横になっている
- 落ち着きなく何度も体勢をなおして横になる
- その後はじっとしてあまり動かなくなる
と、体調に異変が起きているのはあきらか。
好物である野菜をだしても食べず、食欲不振といえる元気のない状態でした。
見たところおなかが腫れていることはなく、おなかをさわっても嫌がりません。
加えて、耳が熱くなっている(=体温は上がっている)ことから、急性胃拡張ではなさそうと思われたので、ひとまず翌朝まで様子を見ることに。
ケージのなかには、牧草と小松菜の葉を入れておきました。
1日目(7:00/7時間経過)
いつもどおりなら、朝になると餌を催促するはずですが、この時点でもまだじっとしています。
ケージの中を見てみると、
- おしっこは少ないながらも2回ほどしている
- うんちも量はかなり少ないものの、いちおうしている(大きさはいつもと同じくらい)
これらを確認できました。
朝までのあいだに牧草をわずかと、小松菜の葉を1枚だけ食べていたようです。
ペレットを手にのせてあげると5粒だけ食べ、新しい小松菜の葉をすこしだけかじりました。
この時点でなにも食べない、排泄もしていないようなら、朝一番で動物病院に行こうと思っていました。
が、自分からすこしでも餌を食べるところに、自然復活のきざしを見た私は、様子見を続行することにしたのです。
12:00/12時間経過
昼にいちど帰宅し、イブスター店長の様子をみると、起きてきてペレットをすこしだけ食べました。
朝のぶんのペレットはのこっていたので、やはり食欲がない状態はつづいているもようです。
- 給水ボトルの水
- 牧草
これらも全然減っていませんでした。
おやつの袋をガサガサすると、こちらに寄ってきます。
ドライフルーツをすこしだけ食べ、牧草の穂先を2つほど食べました。
16:00/16時間経過
夕方は、朝に補充した牧草もなくなっている時間ですが、やはりほとんど減っていません。
けれども多少は動けるようになっていて、ケージから出してあげると、すこしうんちをします。
水分補給のためにも小松菜の葉をあげると、2枚だけ食べました。
18:00/18時間経過
野菜は食べてくれるようだったので、食欲増進と水分補給のため、夜はパセリと大葉を購入します。
- パセリ1/4束
- 大葉1束
これらをあげると、両方ともすこしずつ食べはじめ、のちに完食。
牧草は葉の部分をすこしだけ、ペレットもすこしずつ食べはじめました。
21:00~22:00/21~22時間経過
ここでようやく日中のおしっこを確認(12時間以上はしていなかった)。
量はたまっていたのか、ふだんとおなじ、もしくはすこし多いくらいです。
うんちの量も回復傾向にありました。
22時には、朝与えたペレットの半分(10g)を完食し、牧草もしだいに食べはじめます。
2日目(翌24:00~25:00/24~25時間経過)
翌日の深夜になると、朝与えたペレット(20g)を完食します。
まだ食べたがっていたのでペレットを追加し、牧草も追加するとガツガツと食べはじめます。
25時には、給水ボトルから水を飲んでいるのも確認できました。
26:00/26時間経過
追加したペレット(10gほど)も完食し、ふたたびおしっこを確認。
動きもふだんどおりのすばやさを取りもどします。
- ペレット・牧草は半日以上はほとんど食べない
- おしっこ・うんちも半日以上ほとんど出ない
このような状態がつづいていましたが、おやつと野菜でしのいでいたところ、みごとまた元気なすがたに。
イブスター店長は、ここに完全復活をとげたのです!
いやー、厳しい戦いだった……
追記:冬の食欲不振の記録
2021年の11月に、さらに重い食欲不振があったので、こちらも追記しておきます。
毎日寒かったのが突然暑くなったときに起きた食欲不振で、まとめると以下のような状況でした。
- 1日目:朝から食欲不振を確認。昼にドライフルーツをすこし食べ、夕方は小松菜を数枚だけ食べる。夜はおしっこを確認。
- 2日目:朝は食べない。昼は野菜も食べなくなり、ドライフルーツをすこしだけ。リンゴなら食べるとわかり、夜はリンゴを数切れとドライフルーツをすこし。
- 3日目:朝はリンゴをすこし。昼になると牧草とペレットをすこしずつ食べる。夕方から食欲がもどりはじめ夜に復活。
- 4日目:朝にようやく給水ボトルから水を飲む。
2日間はじっとしていて、まるまる3日は水を飲んでいませんでしたが、野菜と果物でなんとかなりました。
昔はウサギに「水をあげない」時代があったそうですが、それでも大丈夫だったのは、やはり野菜などから水分をとれていたからなのでしょう。
おしっこは少量の濃いものを(1日に何回かは)確認でき、うんちはほぼ軟便だけでしたが、毎日していました。
ご飯は6~8時間に1回はわずかでも食べていて、それもあってか、このときもぶじに回復してくれましたよ。
ときどきマッサージ(体をなでる程度)もしてあげました
これも、ひじょうに苦しい戦いだった……
(※胃腸うっ滞時のマッサージは症状が悪化する可能性もあるので、これも病院の判断をあおいだほうがまちがいはないですよ)
今回のまとめ
- うさぎが急に餌を食べなくなる原因は多岐にわたる
- とくに注意すべきは、なんの前触れもない急性胃拡張
- 自力だけで復活する場合もあるけれど、迷ったら動物病院へ行こう
今回の件から、うさぎさんは「急激な気温の変化」があると食欲不振になりやすくなる、という気がしました。
両方とも「寒い → 暑い」が一気に来たときだったからだな
最初のケースでは、あとで大量の毛が抜けたので、換毛期も関係していたのかもしれません。
耳が熱かったことからも、
- 急な体温調節がうまくいかなかったところに、
- あるとすれば換毛によるエネルギー消耗が重なった
これらが引き金となって体調を崩し、胃腸の働きも低下。
その結果として、食欲不振になってしまったのではないかと。
ただ、うさぎさんの生態はいまだナゾな部分も多いとされ、今回の場合も原因はさだかではありません。
換毛期での抜け毛がおなかに詰まっていた可能性もあります
ですから、最終的に食欲不振から回復するかどうかは、
うさぎさんそれぞれの体力によっても変わってくる(病気でなかったとしても)
という話でもあると思います。
そういったことからも、うさぎさんが餌を食べなくなったときに不安を感じたら、(しばらくの様子見も避けて)病院に連れていったほうが無難でしょう。
危険な消化器の病気だったとすれば、一刻も早い対応がうさぎさんの命を救うことにつながります。
ウサギの命を守れるのは、飼い主さんだけだ
ということなので、
うさぎさんの様子がおかしい、原因がまるでわからない、復活の兆しが見えない……
そんなときは、無理をせず、病院に連れていってあげるのもいいと思いますよ。
うさぎのペット保険情報
牧草を変えてみるときはこちら
ペレットを食べないときの選択肢
コメント(確認後に反映/少々お時間をいただきます)
コメント一覧 (16件)
こんばんは!
イブスター店長、復活して良かったです!
長年うさぎを飼っている私にもとても勉強になりますし、大事にされてるイブスター店長を見ていると幸せな気分になります。
本当にイブスター店長可愛いです(^^)
またお邪魔します!
コメントありがとうございます!
私も最初見た時は焦ったのですが無事に復活してくれてホッとしています。うさぎさんの体調不良に関しては未だ謎な部分も多いようなので難しいですね。
また、イブスター店長の生態に関しては他にも色々あるので、定期的に更新していきたいと思います。是非また遊びに来て下さい!
はじめまして!
我が家のうさぎ(ミックス、男の子、9ヶ月)が急に食欲不振になりこちらのブログに辿り着きました。
もともと牧草が大好きな子でもりもり食べるのですが、この3日間ペレットとパセリしか口にしません。。
病院にも行きましたが、胃の腫れはナシ。腸の動きをよくする注射で様子をみるよう言われました。
イブスター店長は自力で回復したとのことですが、何か良い案はありましたらお知恵をお借りしたいです( ; ; )
はじめまして、当記事をごらんいただきありがとうございます。
うさぎさんが突然ご飯を食べてくれなくなってしまうと心配ですよね。ところで、まーるさんのうさぎさんは、3日間ペレットとパセリしか食べられていないということですが、これはペレットや野菜を食べる食欲はある(ふだんと同じ量を食べることはできている)ということなのでしょうか?
私の経験上、うさぎさんは同じ商品の牧草でも、収穫時期やロットなどによる微妙な味の変化によっては、ほとんど食べてくれなくなってしまうことがあるように思います。たとえそれが、以前はもりもり食べていたものでもです。
牧草やペレット、好物の野菜やおやつでさえも、まったく食べてくれないという状態は危険だと思いますが、なにかを食べることができているのであれば、胃腸も動いていると思うので、もしかするとこの場合は、「牧草を別のものに変えてみる」という方法で改善することもあるかもしれません。
9か月ごろのうさぎさんは、心や身体の変化も大きい時期のように思います。お医者さんにも行かれて、とくに健康状態に異常が見られないということであれば、うさぎさんの好みの話という可能性も捨てきれません。私も似たような理由で何回か牧草のメーカーを変えているので、ご自宅に新品のストックがあればそれをあげてみたり、別のメーカーのものや嗜好性の高い牧草を買ってきて、それをあげてみたりしてみてはどうでしょうか?
牧草の選び方などはこちらの記事にも書いてありますで、ご参考にしてみてください。まーるさんのうさぎさんの、復活の手助けとなれれば幸いです。
詳しく教えて下さりありがとうございます..!ペレットや野菜への食いつきはいつも通りで喜んで飛びついてくれるのですが、なぜか牧草だけ食べなくなってしまいました。もともと牧草好きな子だったので余計に心配です。
今日別のうさぎ専門病院に行ったところ体にも歯にも異常はなく、ペレットの食べ過ぎで牧草を食べる前に満腹になっているかもしれないと言われました。
9か月頃のうさぎさんは心も身体も変化する時期なのですね!おっしゃるように、体に異常が見当たらないので好みが変わった可能性が高そうです。。
ペレットを適量に減らしつつ、好みの牧草探しも進めていきたいと思います(> <)選び方のブログ記事も拝見しますね。
これからまた季節の変わり目がやってきますので、イブスター店長さんもお体に気をつけてください!
本当にありがとうございました。
ペレットや野菜の食いつきはよく、うさぎさんの身体や歯にも異常は見られないということであれば、やはり牧草自体の見直しでいけそうな気がします。
イブスター店長の場合は逆のパターンで、大好物のペレットを3日間ほど食べなくなったことがありました(牧草はよく食べる)。うさぎさんは味にうるさいグルメであり、そういったこともけっこうあるように思われるので、おそらく大丈夫だと思いますよ。ペレットの量に関しても、先ほどの記事からたどっていただければ書いてありますので、よろしければそちらもどうぞ。
季節の変わり目はうさぎさんの毛がたくさん抜けるので、お互いに気をつけましょう。こちらこそコメントをありがとうございました。
こんにちは。私の飼っているウサギが
半日ぐらいから急に大好きなおやつとペレットを食べなくなってしまったんです。
しかし、小松菜など野菜は食べるので動物病院にはまだ行ってないのですが心配なのでコメントしてみました。
こんにちは、うさぎさんが急にご飯を食べなくなってしまったのですね。
うさぎさんは、冬から春、秋から冬と、気温の変化が激しいこの2つの時期に大きな換毛期があり、ご飯を食べなくなってしまうトラブルも、この時期が最も多いように思われます。野菜は食べているということですが、牧草はどうでしょうか? うさぎさんは牧草からでも栄養を補給できる仕組みが体にそなわっているので、ひとまず2~3日くらいであれば、野菜と牧草だけでも(しっかり食べてくれていれば)大丈夫だと思います。
イブスター店長も、3日間牧草しか食べなかったことが過去にありましたが、とくに健康状態に異常はありませんでした。
セロリやパセリ、パクチーなどの香りが強いものは食欲を増進させるので、野菜はそういったものをあげるようにしながら、新鮮なペレットをつねに餌箱に用意してあげ、少し様子をみてみてもいいかもしれません。うさぎさんのおなかをマッサージしてあげるのも、多少は効果があるように思いますし、ためしに違うペレットをあげてみると食べてくれる場合もあると思います。
ただ、ご飯を食べてくれない原因も多岐にわたるように思うので、もし心配であれば、やはり動物病院へ一度行かれるのがいちばんだと思います。少し様子を見てみて改善しない場合は、健康診断もかねて動物病院へ連れていってあげれば、お互いが安心できると思いますよ。
今日で〜4日も、ペレットを食べません。草は〜もりもり食べて、うんちも〜普通です。元気もよく〜毛なみも、いいんですが、不安にです。病院行くのも、うさぎにストレスかとー暴れるので、草だけでも、いいのでしょうか?
数日間程度であれば(栄養がかたよるので野菜などでおぎなってあげる必要はあるとは思いますが)牧草だけでもだいじょうぶだと思いますし、なかにはペレットをあげずに、牧草と野菜・果物だけ、という飼い主さんもいらっしゃいます。
しかし、効率的に栄養をとらせてあげたいのであれば、ペレットを食べてもらったほうがいいと思います。ひとまずは健康状態に異常が見られないということなので、ペレットを別のものに変えてみるなどして、様子をみてみるのがいいかもしれません。
ただし、不安でしたら、うさぎさんがあばれても病院に連れていってあげることをおすすめします。病院に行くのが好きなうさぎさんはいないと思いますので、多少のストレスはしかたがないと思いますよ。
ありがとうございます。今の所、元気で〜走り回って、目も力があるので〜少し様子見てみます。
うさぎさんの体には、草をおなかのなかで発酵させてエネルギーに変換する機能がそなわっているので、最低でも牧草だけ食べてくれていれば、しばらくはだいじょうぶだとは思います。野生のうさぎさんも、基本的には草しか食べていないですからね。
しかしながら、ペレットを食べてくれなくなった原因にはなにかがあるはずなので、様子をみつつ、いろいろとためしてあげてみてください。
やはりドライのご飯は食べません、小松菜とかキャベツは食べます、もう九歳なので病院に連れて行くのはどうかと考えてます、
家の子は抱っこが嫌いで寝てばかりいます。
コメントをありがとうございます。高齢のうさぎさんの場合、ペレットをお湯でふやかしてシリンジであたえる「強制給餌」をすることで胃腸の働きが復活し、うさぎさんもまたご飯を食べてくれるようになることも多いようです。
ただ、この強制給餌はうさぎさんにとってもストレスが大きいものなので、すこし様子を見てあげても改善しない場合は、できれば動物病院にうさぎさんを連れて行ってあげるか、もしくはママさんだけでも動物病院に行かれて、獣医師の判断をあおぐのもいいかもしれません。
ペレットを一時的にはちみつ入りなどの味がついているものに変えてみるなどすれば、もしかすると食べてくれるかもしれませんが、高齢のうさぎさんは、年に2回の健診が理想ともされています。野菜やおやつなどしか食べてくれない状態がしばらく続くようであれば、病院の受診も検討してみてください。
丁寧なご回答ありがとうございました
始めは好きな野菜をあげてました
突然昨日の夜から食べ始めました
フンも大体普通に戻りました。
少し覚悟をしてましたがほっとしてます。あの3日間は何だったのと
皆んなで話してます。
うさぎさんが復活されたのですね。それはそれはよかったです。
換毛期などで飲み込んだ毛が胃腸に詰まってしまい、胃腸の働きが低下してしまう「うっ滞」という病気になると、食欲の低下だけでなく、食べものの好みも変わったりすることもあるそうです。もしかすると、野菜などを食べて胃腸が動かされたことで軽いうっ滞が改善され、またいつもどおりの食欲・好みにもどってくれたのかもしれないですね。
季節の変わり目はうさぎさんも体調をくずされることが多いようです。これからは寒くなるので、あたたかくするなどして、私たちも風邪などには気をつけましょう!