不要になったパソコンを処分したいとき、問題となるのがHDD(ハードディスク)内のデータ消去ですよね。
個人情報が漏えいしてしまえば、不正使用などの被害にあってしまいかねません
しかし古いパソコンの場合、そもそも起動できずにデータの削除ができない、なんてこともあるわけです。
そこで本記事では、つぎのことを解説していきます。
- hddを破壊すると有害物質はでるのか?
- ハードディスクを取り出して破壊する方法
- 破壊したハードディスクの処分のしかた
最大の問題となるHDD破壊による有害物質ですが、結論からいうと、可能性はあると思われます。
ですから、HDDの物理的な破壊は、手間的な問題からもあまりおすすめはできません。
事業者に依頼したほうが簡単だな
とはいえ、問題が起きない場合もあるようです。
なので、この記事では、
HDDの処分に必要な情報(破壊からゴミとして処分するまで)をまとめて紹介します。
いちばんらくな、事業者に回収してもらう方法も紹介するので、どうぞ最後までごらんください。
パソコンのHDDを破壊すると有害物質は出るのか?
まずは、「パソコンのハードディスクには有害物質はふくまれているのか?」から見ていきましょう。
これは時期的な問題が大きいと思われ、以下の記述を見つけることができました。
例えば古いパソコンのバッテリーやモニターには、「イタイイタイ病」の原因物質であるカドミウムが使われていました。また、鉛が使用されている製品もありました。
増え続ける電子ごみ(pdf)
じっさい、以前はパソコンの部品に、鉛などの有害物質が使われていたこともあったそうです。
そこでEUでは、「RoHS指令(ローズ指令)」という、特定の有害物質の使用を制限する法律を2006年から施行。
日本でも、PCなどに以下の6物質がふくまれる場合は、含有情報の表記が義務付けられました。
- 鉛及びその化合物
- 水銀及びその化合物
- カドミウム及びその化合物
- 六価クロム化合物
- PBB(ポリブロモビフェニル)
- PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル
またこれに関連して、特定の有害物質が基準値以下の場合、「J-Mossグリーンマーク」というものをメーカーは表示することができます。
(参考:J-Mossについてのご案内)
PCのメーカーサイトなどで、この「J-Moss」状況を確認すると、だいたい以下のようになっています。
鉛 | 水銀 | カドミウム | 六価クロム | PBB | PBDE | |
プリント配線板 | 除外項目 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
HDD、DVD等 | 除外項目 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ディスプレイ | 除外項目 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
筐体、シャーシ | 除外項目 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
その他(ケーブル等) | 除外項目 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
現在販売されているPCは、ほぼこのような感じ。
ようするに、有害物質の心配はしなくてもいいようになっているようです。
ただ、2006年以前はどうだったのかはさだかではありません。
また項目に「HDD」があるということは、以前はそこに有害物質がふくまれていた可能性もあります。
と、いうことは?
2006年以前のHDDには(またはその周辺の部品には)、有害物質がふくまれているかもしれない
という話です。
比較的新しいものなら破壊しても問題はなさそうですが、かなり古いものは、ちょっとやめておいたほうがいいかもしれません。
- 不要なPCがある
- 古いHDDも一緒に処分したい
この場合は事業者にたのんだほうが早いので、個人的には、最初から人にまかせる方法をおすすめします。
データ消去ができなくても、お金を払えばやってもらえて、PCも自宅まで取りに来てくれる「リネットジャパン
PC・HDDの処分はリネットがおすすめ
HDDを破壊するために必要な工具(デスクトップ・ノート共通)
では、ここからは、破壊しても大丈夫そうな場合の「HDDを物理的に破壊する方法」を解説します。
まず、パソコンのハードディスクを取り外して破壊するためには、いくつか必要になるものがあります。
おおむね以下のとおりです。
- プラスドライバー
- トルクスドライバー
- ハンマーor ニッパー or 強力なカッター
今回はデスクトップの方法ですが、ノートパソコンの場合もHDDがある場所が異なるだけで、基本的なことは変わりません。
まずは、それぞれの用途を見ていきましょう。
プラスドライバー
プラスドライバーはPCのカバーを開けるために必要となります。
これは100均などの量販店でも手に入るため、そこまで用意するのはむずかしくありません。
おうちにあれば、おそらくそれでいけると思いますよ。
トルクスドライバー
ハードディスクのカバーをとめているネジは、星型のような特殊な形状をしています。
それを開けるために必要なのが、この「トルクスドライバー」。
「T-8」というサイズでHDDのカバーを開けられ、それ以下(T-7以下)で、本体の円盤の固定をはずせます。
いちおう「T-8」だけあれば問題はないと思いますが、カンペキにやりとげたいなら、最低でも2本以上は必要となるでしょう。
ハンマー or ニッパー or 強力なカッター
ハードディスクの円盤(プラッタ)部分は、つぎの2種類となっています。
- 叩けば「パリンッ!」と割れるガラスタイプ
- 叩いても絶対に割れない(かなりかたい)アルミタイプ
前者はハンマーがあれば破壊できますが、後者の場合、いくら叩いてもけっして割れることはありません。
よって後者のタイプでは、ニッパーで折り曲げるか、強力なカッターで切り込みを入れていく必要が出てきます。
よりカンペキな破壊を求めるなら、分厚いアルミでも切り裂ける「ミゼットカッター」も用意しておきましょう。
ハードディスクを取り出して破壊する方法の全手順
では、準備がととのったところで、
ここからは、じっさいにPCのハードディスクを取り出して破壊する手順を紹介していきます。
作業は大きく分けると、以下の2手順。
- PCからハードディスクを取り外す
- ハードディスクを破壊する
それでは、作業スタートです!
1. PCからHDDを取り出す
まずはデスクトップのカバーをとめているネジを、プラスドライバーを使ってはずしていきます。
それができると、このように側面のカバーをずらせるようになるのでスライドさせます。
側面のカバーがはずれるとこのとおり。
「PC」と書かれたプラグにつながっているのがハードディスクですね。
しかしこれは、両側からネジで固定されているので、まずは赤枠のネジをプラスドライバーを使ってはずします。
つづいて反対側のネジをはずすため、さきほどとおなじ要領で、反対側のカバーもはずしましょう。
カバーのすきまからプラスドライバーを差し込めるので、そうしてネジをはずしてあげます。
これでようやく、ハードディスクを取り外せるようになりました。
取り外されたハードディスク。
ホコリまみれだな
つぎは、これを破壊する作業に移行します。
2. 取り外したハードディスクを破壊する
このPCはかなり古いものでしたが、ホコリを拭いてあげると、HDD自体はキレイな状態でした。
さて、つぎはこのカバーを開けていくのですが……
ここで登場するのが、用意しておいたトルクスドライバーですね。
これを使って、カバーのネジをすべてはずしていきます。
シール(紙)の中にもネジがかくれているので、これをはずすのも忘れずに。
そしてカバーがはずれたハードディスクがこちら。
保存状態は良好ですね。
ちなみに、この円盤(プラッタ)もネジで固定されていて、これをはずすためには「T-7」以下のトルクスドライバーが必要となります。
しかし私は、「T-7」以下は持っていなかったので、ペンチとミゼットカッターで破壊することにしました。
そしてディスク部分が壊れたら、ハードディスクの破壊は完了です。
完全に破壊できたわけではないので、個人情報を復元・取得される可能性はゼロではないかもしれませんが、
ひとまずは「データの漏えい」はないと思います
あとは、これらをどう廃棄処分するか(捨て方はどうするか)。
最後に、これを解説していきます。
ハードディスクを処分する方法
まず、破壊したHDDを処分する方法ですが、これは不燃ごみとして出せます。
たとえば東京渋谷区の場合だと、以下のように書かれています。
(参考:渋谷区-よくあるご質問)
一般的なHDDのサイズは、1辺は30cm以内なので、不燃ごみとして出せばOKです。
ただし、不燃ごみは勝手に持っていく人もいるので、これには注意しなければなりません。
なぜかというと、
完全に壊れていなければ、データを復元される可能性も「なきにしもあらず」だから。
それもあるので、より安全な方法をとりたいなら、最初から事業者にたのんでおいたほうが安心だと思います。
なお、破壊するまえの状態(データを自分で削除できた場合)なら、小型家電回収ボックスにも入れられますよ。
不要なPCを廃棄処分する方法
つづいて、HDDを破壊したあとにのこった、不要なPCを処分する方法です。
家庭で不要になったパソコンは、じつは粗大ゴミや不燃ゴミとしては出せません。
これはリサイクルが義務付けられていて、メーカーなどの専門業者に回収してもらわなければならないからです。
なお、2003年以降に製造されたパソコンには、「PCリサイクルマーク」というシールが貼られています。
これがあれば、無料でメーカーに回収してもらえます。
メーカーの問い合わせ先は、一般社団法人・パソコン3R推進協会の「メーカー窓口一覧」から確認できるので、こちらもチェックしておきましょう。
ただ、これにも例外があって、
古いPCのメーカーは、倒産・事業撤退していることもあり、そうなると回収に費用がかかってきます。
これは自作の場合もおなじで、べつの業者にたのまなければならなくなるのです。
参考までに、この回収を、さきほどの「パソコン3R協会」に依頼した場合で見てみましょう。
内容 | 料金 | 内容 | 料金 |
デスクトップ | 4400円 | 液晶一体型PC | 4400円 |
ノート | 4400円 | CRTディスプレイ | 5500円 |
液晶ディスプレイ | 4400円 | CRT一体型PC | 5500円 |
CRTとは、ブラウン管のディスプレイ(昔のテレビのような正方形に近いもの)のこと。
それがなかったとしても、このとおり、安くはないお金がかかってしまうのです。
なるほど。で、ほかにいい方法はないのか?
それが、あるのですね。
最初のほうでふれた、リネットジャパンという、PCの宅配回収サービスにたのむ方法です。
PCの回収はリネットジャパンがおすすめ
リネットジャパン
パソコンが1台ふくまれていれば、規定のサイズ内(3辺の合計が140cm・20kg以内)の回収費用は無料です。
液晶モニターとかの周辺機器も一緒に回収してくれますよ
使い方はとても簡単で、
- 公式サイト
から回収を依頼 - 自宅で梱包(ラベルを用意する必要なし)
- 佐川急便の配達員に回収してもらう
たったのこれだけ。
ようは、PCリサイクルマークなしでも、メーカーが倒産していても、「リネットジャパンなら無料で回収してくれる」ということですね。
PC本体の処分はこれがよさそうだな
ちなみに、リネットジャパンでも、「ハードディスクを物理的に破壊すると、有害物質が飛び散るおそれがある」としています。
そのためリネットジャパンでは、HDDのデータ削除用として、つぎの方法が用意されています。
- 回収の申し込み後にデータの消去ソフトがダウンロードできるようになっていて、自分でもできる(ただし5~6時間ほどかかる)
- 3300円の費用が必要になるが、「おまかせ安全データ消去サービス」を利用すれば、データの完全消去を代理でおこなってくれる
PCが起動できない場合、自力でハードディスクを破壊しようとすると、そもそも工具を用意する費用がかかります。
それに私も、作業中に異様な金属臭は感じていました。
鉄粉が宙に舞うような感じです
ですから、正直いちばんらくで安全なのは、全部リネットジャパンに丸投げする方法です。
データの消去は、「政府機関・上場企業も採用する高度な技術を駆使している」とのことなので、安心してまかせられるでしょう。
HDDとPCを廃棄処分したいのなら、
- リネットジャパンに回収を依頼し、
- ついでにHDDのデータ消去もたのむ
最初からそうしたほうが、結果的には手間もかからず安くなるのではないか、と思いますよ。
(※ちなみに、破壊したHDDでもリネットジャパンは回収してくれます。ためしに出してみたら、PCと一緒に処理してくれました。HDDを破壊してから両方の回収をたのむのもありです)
PC無料回収はリネット
今回のまとめ
- ハードディスクを破壊するのはたいへん
- 有害物質が飛び散るおそれもある
- リネットジャパンに回収を依頼したほうが早い
私の自宅にあったPCは、かなりまえから壊れていたので、「もうそうするしかない!」とHDDを破壊する手段をとりました。
しかし回収の段階になってしらべてみると、メーカーは事業撤退していたのか見あたらず。
どうしようかと、市区町村のサイトで処分方法をしらべていたところ、そこでリネットジャパンを知りました。
実際に使ってみてよかったです
また、ホコリをかぶったHDDをきれいにしてあげたとき、
データの消去さえしてあげれば、コイツはまだ現役でいけるのか?
という気もしました。
代理でデータの消去をしてくれる事業者がいて、かぎりある資源を有効活用できるのなら、それに越したことはありません。
そんなわけですから、
PC・HDDの処分に困っているのなら、リネットジャパン
もちろん、不要なPC本体だけの回収や、自力で破壊したHDDの回収を(一緒に)たのむのもアリだと思います!
リネットジャパンの使い方はこちら
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