消毒用エタノールは成分がアルコール。お酒(アルコール)に含まれるのもエタノール。では消毒液とお酒の違いは……?
- エタノール=消毒液やお酒の主成分。「アルコール」が総称
- 消毒用アルコールとお酒のアルコールの違い=飲めるか・飲めないか
- メタノール=非常に危険な劇物。絶対に飲んではいけない
イブスター店長「消毒用エタノール」も「お酒」も、実は同じ成分だということをご存知だろうか?
消毒液もお酒も、主成分はエタノールというもので、アルコールという大きなグループの仲間です。
その違いは、ザックリいうと、「飲めるか・飲めないか」にあります。
この記事では、「エタノール・メタノール・お酒」の違いをわかりやすく説明します。



ちなみに、さきにいっておきますが……、お酒以外は飲まないようにしてくださいね
とくに「メタノール」は非常に危険な劇物なので、絶対に口にしてはいけません。


ミナト
元バーテンダー。現在は兼業ブロガーとして活動中。夢は海外放浪の旅にでること、自分のお店をつくること。ブログを通してひとりでも多くの方のお役に立ちたいと思っています。当ブログのコンセプトは「24時間営業の人生の休憩所」。>> プロフィール詳細はこちら
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エタノールもメタノールもお酒もアルコール


さきに結論から言うと、エタノールもメタノールもお酒も、
- 全て「アルコール」という物質、アルコールという大きなカテゴリー(総称)に属している仲間
であり、アルコールはご存知の通り、揮発性が高く、無色で、よく燃える液体です。



これらの違いをまとめると、つぎのような感じです
- アルコール(総称)
- 消毒液=エタノールが主成分、飲む用ではない
- お酒=おなじくエタノールが主成分、飲む用
- メタノール=工業用・燃料用。少量でも命にかかわる猛毒
アルコールというのは、消毒液だったりお酒だったりの総称というわけです。
エタノールは、消毒液やお酒の成分の名前です。
消毒液とお酒の違いは、ズバリ、飲めるのか、飲めないのか。
それでは何が飲めて、何が飲めないのか?
お酒はもう飲めることがわかっているので、ここからは主に、それ以外のエタノールとメタノールについて見ていきましょう。
エタノールとは:お酒のアルコール成分のこと


エタノール(別名エチルアルコール)とは、アルコールの一種です。
ここまでのとおり、お酒のアルコール成分の正体がこのエタノールです。
現在から遡ること約5,000年、紀元前3,000年頃には、メソポタミア文明のシュメール人が酒を造る様子を石碑に残したとされ、
少なくともそれ以前からブドウが地球上に存在していたことから、人類は遥か昔から天然のワイン(アルコール)を飲んでいた
と考えられています。
この天然のワインとは、アルコール発酵で生まれた「エタノールを含んだ飲料」のことです。
つまり、人類が最初に認識したアルコールは自然の中で生まれたエタノールであったと言えます。



アルコールと言えばエタノールのこと、もしくはお酒のことを指すことが多いです
現在はエタノールは飲料以外にも様々な用途として利用されるようになりました。
エタノールとは、アルコールというカテゴリーの代表格のような存在なのです。
エタノールの原料



つづいてエタノールの原料について見ていこう
ビールやウイスキーなどのお酒として造られるアルコール(エタノール)は、全て自然の力を利用したアルコール発酵によって造られています。
しかし工業的に生産されるエタノールは、発酵と合成の2種類の方法が採られています。
発酵で造られる工業エタノールは、主に糖質とでんぷん質の原料に分かれ、
- 糖質由来のものはラム酒の原料としても知られるサトウキビが
- でんぷん由来のものはバーボンウイスキーの原料としても知られるトウモロコシや、ウォッカなどの原料としても知られる麦類やジャガイモなどの芋類が
使用され、これはお酒を造る時と同様、自然の力を利用して造られます。
一方、合成で造られる工業エタノールは、天然資源であるエチレン(石油化学基礎製品)を原料に化学合成によって造られています。
これらの工業エタノールには様々な用途があり、
- お酒に添加する醸造用アルコールやお酢の原料、食品防腐剤として利用されるもの、
つまり人の体に入る(食べられる)ものは、発酵によって造られたエタノールだけが利用されます。
一方、シャンプーなどの化粧品や塗料、洗剤などに利用されるもの、つまり人の体に入ってはいけない(食べられない)ものは、合成(または発酵)によって造られたアルコールが利用されることになっています。
人工的に造られるエタノールは、私たちの身近にある多くのものに利用されています。
が、今回は特に消毒液とお酒の違いは何かと題しているので、身近なエタノールの利用法として、消毒液について詳しく見ていきます。
消毒用エタノールは飲めるのか?


消毒用アルコールもお酒のアルコールも、成分自体はおなじです。
となると、「消毒用エタノールは飲めるのか?」という話にもなってくるので、解説します。
エタノール(アルコール)には殺菌・消毒効果があります。
病院などでよく見かける消毒用アルコールや、テーブルなどを掃除するために使用する消毒液にも利用されています。
その化学成分(化学組成)自体はお酒に含まれているエタノールと実は変わりません。



よって、理論上は、消毒用エタノールも飲めるような気がしてくるのですが……、
当然ながら、消毒液は飲料用のアルコールではなく、かなり危険となる場合もあるのでやめておいた方がいいです。
それでは、なぜ消毒用エタノールを飲むと危険なのか?
よく見かける消毒液を例に見ていきましょう。
1. 無水エタノール
無水エタノールとは、アルコール濃度が99.5%と、ほぼ水を含まない純度の高いエタノールを言います。
揮発性の高さから、電化製品の掃除用などに使われています。
一見するとアルコール濃度が高いので殺菌効果も高いように思われがちです。
しかしアルコール濃度の高さゆえ、あっという間に蒸発してしまうので消毒には向いていません。



消毒液として利用する場合は少し水で薄めて使う必要があるぞ
で、水で薄めれば無水エタノールは飲めるのか? という話ですね
無水エタノールは、アルコール濃度を極限まで高めるため、
- 「ベンゼン」という爆薬の原料などにもなり、人体にとっては発癌(白血病等)のリスクを高める危険な物質
が添加されて蒸留が行われています。
つまり、無水エタノールには危険性の高いベンゼンが残留している可能性があるのです。
ベンゼンが残っていたとしても微量かもしれません。



が、わざわざそんな危険なものを飲む必要はないでしょう
よって、無水エタノールは薄めても飲まない方がいいです。
2. ちょっと高い消毒用エタノール
ちょっと高い消毒液があるので見ていきましょう。
日本では厚生労働省が定めた「日本薬局方」という規格基準により、
消毒用エタノールのアルコール濃度は最も殺菌効果が高いと考えられる76.9~81.4%
と決められているのですが、同じアルコール濃度の消毒用エタノールでも高い物と安い物があります。
じつはこれには、「酒税法」が関係しています。
ちょっと高い消毒用エタノールでは、
- 「第一級アルコール」
という自然由来の物を発酵して造られたアルコールのみが使用されています。
そのため、その分酒税がかかり、値段が少し高くなるのです。



つまり、ちょっと高い消毒用エタノールは、お酒と同じ成分のエタノールなわけだ
よって、飲もうと思えば飲めます。
お酒との違いは、「飲料用かそうでないかの違い」と言えるかもしれません。
ただ、これも本来の用途は消毒用であって、飲料用ではありません。
わざわざこれを飲む必要はないですし、飲んでも美味しくないと思います。
しかしながら、一応(理論上は)飲めるものではあります。
3. ちょっと安い消毒用エタノール
ちょっと高い消毒用エタノールと同じ見た目・成分で、「IP」などの表記がされている、ちょっと安い消毒用エタノールがあります。
これも先ほどと同様に酒税法が関係しています。
「IP」表記の消毒用エタノールには、
- イソプロパノール(イソプロピルアルコール)という「第二級アルコール」に分類される、飲むと人体にとって有害な物質
が添加物として含まれているため、酒税がかからず少し安い値段で販売できているのです。
ちなみに、このイソプロパノールというアルコールを摂取すると、つぎように、人体が危険に脅かされる危険性があります。
- 生殖能、または胎児への悪影響
- 中枢神経系、腎臓、全身毒性の障害
- 呼吸器への刺激
- 血管、肝臓、脾臓の障害
よって、「IP」などの表記があるちょっと安い消毒用エタノール(イソプロパノール入りの消毒液)も、飲むようなものではないので注意しましょう!
消毒液と酒は主成分が同じ、副成分が違う


ということで、ここでの話をいったんまとめます。
当然の話ですが、消毒液(消毒用エタノール)はあくまでも消毒用であって飲み物ではありません。
物によっては人体にとって有害な物質が含まれていることもあります。



なので、成分がお酒とおなじエタノールだったとしても、消毒液は飲まないほうがいいです
また、上記のような消毒液に含まれている成分から、消毒液と酒の違いは何かに答えを出すと、
消毒液もお酒も主成分であるエタノールは同じものだが、消毒液には飲むと危険なものが含まれている可能性があり、お酒は飲んでも安全なものしか含まれていない。つまり副成分が違う
と、言うこともできると思います。
前述の通り、一部の消毒液には、たしかに安全なエタノールと水分のみが使われているものもあります。
しかし、そもそもそれは飲料用ではありません。



飲んでも美味しくはないという決定的な違いもあるだろう
エタノールという成分は同じでも、消毒液とお酒は似て非なるものと言うことができるでしょう。
メタノールとは:取扱注意な劇物のこと


また、これも併せて確認しておきたいのがメタノールです。
メタノール(別名メチルアルコール)もアルコールの一種です。
エタノールと名前が似ているので混同してしまいがちですが、メタノールは非常に危険な劇物なので、特に注意が必要となります。
メタノールは体内に入ると「ギ酸」という毒性の強い物質に分解されます。
これの量が多いとメタノール中毒を引き起こし、最もよく知られる症状で失明、最悪の場合では死に至ることもあるものです。



とくに海外の貧困地域では、メタノールを摂取して失明者・死亡者が出たという話は定期的に聞きます
こういった話の大体は、お酒にメタノールを混ぜた「密造酒」を飲むことで、メタノール中毒を引き起こしているのが原因です。
メタノールは純度100%であれば、10mlが失明量、30~100mlが致死量となるため絶対に飲んではいけません。
メタノールは、一般的には「燃料用アルコール」などの名称で販売されています。
これを扱う場合は特に注意する必要があるでしょう。
ちなみにこの燃料用アルコールは、消毒液としては基本は使えないのでご注意ください。
食品に含まれるメタノール
さきのとおりで、メタノールを経口で摂取するのは非常に危険です。
ただし、メタノールという物質は、以下のようなときにも生まれます。
- 果物に含まれる食物繊維(ペクチン)が分解される際
- 野菜などの穀類がアルコール発酵で分解される際
よって、じつは果物ジュースやワイン、蒸留酒などにも微量ながら含まれています。
しかしながら、日本では、
酒精飲料に含まれるメタノールの含有量が1㎎/1㎤(改正案1.2㎎/ml)を超える場合は食品衛生法に違反する
として厳しく管理されています。
通常の果物ジュース、お酒などを飲む場合は気にする必要はないでしょう。
要は怪しい密造酒などに手を出さないこと、お酒は飲み過ぎないことが大事ということですね。
今回のまとめ
- 消毒液もお酒も主成分はエタノール(アルコールは総称)
- 消毒液とお酒は似て非なるもの(消毒用と飲む用で製法などが違う)
- エチルは胃散る、メチルは目散る
消毒液に含まれているエタノールも、お酒に含まれているエタノールも、成分は一緒です。
これらはアルコールという総称で呼ばれ、なので消毒用アルコール・お酒のアルコール、といった言葉の使われ方をします。



ただし、成分の名前が一緒だったとしても、だ
消毒液の中には人体に有害なものが含まれていることもあります。
またメタノールのような、致命的に危険な物質が含まれているものもあります。
「飲料用ではないアルコールは飲まない」。これはもう鉄則と言えるでしょう。



エチルアルコールは「胃散る」、メチルアルコールは「目散る」なんて言葉を聞いたこともあるかもしれません
お酒であっても、飲みすぎには注意です。
またメタノールは非常に危険な劇物なので、たとえば海外にいったときなどは、密造酒にも気をつけるようにしてください。
海外の密造酒だと、最初から蓋の空いているお酒なんかはとくに注意が必要です。



コメント(確認後に反映/少々お時間をいただきます)
コメント一覧 (2件)
書いていることが難かいすぎて、整理できませんでした。
コメントありがとうございます。
定期的に記事を書きなおしておりますので、タイミングがあれば読みやすく書きなおしておきたいと思います。
記事を読んでいただき、またご意見もいただきありがとうございました!