バーで読書はどこまでがOKで、どこからがNG(マナー違反)となるのか?

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バーでお酒を片手に読み物にふける。それもなかなか乙なものですが、場合によってはアウツなこともあります。

夜遅くまで開いていて、お酒も飲めて、静かな空間というバーは、読書にはうってつけの場所かもしれません。自宅だと集中できないから外で本を読みたい、というときにも使えますし、お店の中でなにをすればいいかわからず、手持ち無沙汰になってしまったときには、間をもたせてもくれます。

しかし気になるのは、そもそもの話、バーで読書はOKなのか? ということでしょう。

私は7年ほどの現場経験がありますが、じつをいうと、「本を読むために来ました」というお客さんはゼロに近いといえるほど少なく、お店の中で本を読むお客さん(常連さん)もごく少数で、2人くらいしかいませんでした。

それだけ、バーで読書をする人は少数派ということになるわけですが、さきにいってしまうと、バーで本を読むこと自体はべつに悪いことではなく、マナー違反でもありません。

ただし、お店によってはNGとなる場合や、そうでなくても、「ここまではOKだけど、ここからはNG」という一般的な線引きもあるので、今回は読書好きな方のために、バーで読書をする際のルール的なものについてお話ししたいと思います。

目次

基本的には問題ないが推奨もされない?

バーという場所は、ほかのお客さんやお店に対して迷惑をかけなければ、好きなように過ごせる場所でもあるので、バーで読書をすること自体は、お店による部分や、なにを読むかにもよりますが、基本的にはマナー違反とはなりません。

したがって、読みたい本や新しく購入した本を持ち込んで、バーで読んだりしていても、とくに問題はないということができます。ただ、私個人の所見では、「マナー違反ではないけれど、推奨もしていない」といったスタンスのお店が多いのではないかなとも感じます。

その理由としては、バーは店内がうす暗いため、環境が読書には向いていないから、というともっともらしく聞こえますが、実際のところはどちらかというと、バーは少なくとも本を読むための場所ではなく、酒・会話・雰囲気を楽しむ、大人の社交場としての要素が強い空間であるともいえるので、そういったものを楽しんでほしいと思うお店が多いからではないのかなと思います。

初めから本を読むためにバーに行き、注文をすませたあとは、本を読み続ける。これは、好ましいか、好ましくないかでいうと、どちらかといえば後者、となるお店のほうが、もしかすると多いかもしれません。

では、冒頭で本を読む常連さんがいたと私はいいましたが、そういった方はどうだったのかというと、これはまったく問題はなく、むしろありがたいとさえ感じることも多々ありました。

そう、じつはバーには、読書が推奨されるようなタイミングもあるのです。

バーで本を読む絶好のタイミングとは

バーはいちおう飲食店なので、本を読むためだけに利用するのは、あまりよしとはならないこともあるとは思います。しかし、そんななかでも、本を読む絶好の機会というのは存在します。

それは……バーテンダーが忙しそうなときです。

たとえば、お店のバーテンダーが、ほかのお客さんへの対応であったり、別の仕事で忙しかったりするときがあったとしましょう。

そんなときは、それまでバーテンダーと話していた、もしくは話がしたいと思っていたお客さんは、話し相手がいなくなることで手持ち無沙汰になってしまうと思うのですが、そういったタイミングを見計らって本を読むことにすれば、対応できないバーテンダーとしても(落ち着くのを待ってくれているような感じにもなるので)ありがたいわけです。

本を読みたい方は自由に本を読むことができ、バーテンダーからも感謝される。これを絶好のタイミングといわずして、なんといえばいいでしょうか。

もちろん、バーに来たからには、バーテンダーやほかのお客さんと話さないといけないなんてルールがあるわけではなく、なにも話さずに、お酒だけ飲んで帰ってもいいわけですが、バーテンダーが忙しければ、いずれにしても対応はできないので、お客さんが本を読んでいてもまったく問題はないのです。

ようするに、バーでの読書は、「バーを利用するメインの目的が読書は推奨されないことも少なくはないけれど、サブ的な目的としてのバーでの読書は推奨されることもある」といったところでしょうか。

バーで本を読みたい方は、バーテンダーが別の仕事をしているときを狙ってみるのがいいかもしれません。

読書が推奨されるバーもあるので安心

私の感覚では、一般的なバーというと、読書は推奨していないお店のほうが多いような気がします。が、なかには「どうぞ読書をするために来てください!」というスタンスのバーもあるので、本を読むためにバーに行きたいという方は、そういったお店を選んだほうがいいかもしれません。

その特徴はわかりやすく、店内にたくさん本が置かれていて、自由に本を読むことができること。こういったバーは、読書を推奨していると考えていいと思います。

なお、そのようなお店は、ラウンジやカフェ・バーのスタイルをとっているところが多いように思いますが、一般的なバーでも、店主の趣味などで店内に本が飾られていて、自由に手に取れるお店はあります。

必然的に読書家が集まると思うので、本を読むために来ていたのに、いつのまにか本を閉じていて、ほかのお客さんと話すことに夢中になっていた、なんてこともあるかもしれませんが、それもバーの醍醐味というものでしょう。

あまり多くはないものの、まわりを気にせずに本を読みたいという方は、そういったお店を探してみるのもいいかもしれません。

バーで読むのがOKなものとNGなもの

バーで読書をすること自体は問題はありませんが、これはおそらく、どこのバーでも共通することで、読んでいいもの、あまりよくないものの基準は存在します。

これに関しては、私の主観も入りますが、OKなものとNGなものの分類は、おおむね以下のとおりとなります。

読んでもOK読むのはNG
文庫本、単行本サイズの文芸書など漫画、雑誌、週刊誌、新聞紙など

以下、その理由について解説していきます。

文庫本、単行本(OK)

読書というと、こういったふつうの本のことを指すことが多いと思うのですが、これくらいのサイズであれば、ほかのお客さんの迷惑になることもなく、なにも問題はありません。

バーでの読書は、文庫本~単行本サイズのものが、最も適しているということができると思います。

漫画、雑誌、週刊誌(NG)

バーという場所は、非現実的ともいえる独特な雰囲気をつくることで、お客さんからお金をもらっているところでもあるので、その雰囲気を損なうようなことは、基本的にマナー違反ということになります。

そこで、漫画に関しては、わざわざバーで読むものでもなく、たしかに漫画などが置いてあって自由に読めるバーもありますが、一般的なバーでは雰囲気を損なうと考えられるものでもあるので、NGと見なされることが多いと思います。

雑誌に関しては、サイズも大きく場所を取ること、ページをめくるペラ音が、静かなバーの雰囲気を損なうことにつながり、週刊誌はニュースやスキャンダルなど、内容が俗っぽいことであることや、やはりペラ音が強いので、NGと見なされると思っていたほうがいいでしょう。

新聞紙(NG)

サイズが最も大きく、加えてページをめくるペラ音も最も大きい新聞紙は、内容は時事ネタなどの会話につながるのはいいとしても、雰囲気を損なうものとしてはレベルMAXとも考えられるので、やはりバーの中で読むのは控えたほうがいいでしょう。

読み終わったから捨てといてくれ? いや、ゴミは持ち帰りましょう!

バーで本を読む際の注意点

最後に、バーで本を読む際の注意点についてお話ししておきます。

これまで見てきたとおりで、バーで読書をするには絶好のタイミングがあり、本を読むためだけに行くのであれば、そういったお店を利用したほうが心ゆくまで読書を楽しむことができ、読むものは、文庫本や単行本などを読むのが好ましいと考えられますが、いずれの場合も、時間には気を使う必要があります。

以下の関連記事でも解説してありますが、バーには滞在する時間にもルール的なものがあります。

本の世界に入り込みすぎるあまり、時間を忘れてしまうということもあるでしょう。しかし、バーは1杯だけで長々と居座るのはよしとはされないので、どこで本を読むにしても、最低1時間に1杯は注文をしておいたほうがいいと考えておけば間違いはないと思います。

また、初めて入ったバーなどで、バーテンダーと話したいけれど、その糸口が見つからず、ひとまず本を読んで間をもたすことにしよう……ということをすると、逆にバーテンダーからは話しかけられなくなるので、これもご注意ください。

お客さんが本を読んでいれば、バーテンダーはその邪魔はしまいと、気を使って声はかけないようにします。お客さんがほんとうは話したかったとしても、本を読んでいたのであれば、そこに大きな壁を感じることもあります。

バーテンダーとは話したい、けれど、それまでどうすればいいかわからない、という場合は、なにもせずにボトルなどを眺めていれば、ほぼ話しかけられると思っていていいと思います。間をもたせようとは考える必要はないということですね。

(番外編)電子書籍はどうなのか

現代という時代は便利なもので、近年は紙媒体を持ち歩かなくても本が読める「電子書籍」の需要が高まってきていますが、そうなると、バーでデジタルな本を読むのはどうなのかという話になってきます。電子書籍であれば、なにを読んでいるかはまわりからはわからないですし、音もしませんから。

ただ、これに関しては、控えたほうが無難でしょう。

基本的に電子書籍を読む場合は、タブレット端末を利用することが多いと思うのですが、タブレットはサイズが大きいため、画面のバックライトがまわりのお客さんの迷惑になってしまったり、ノートパソコン代わりに作業したりすることもできるため、そういった理由からタブレットを使用していると、お店によっては注意されることもあります。

唯一抜け道があるとすれば、スマホで電子書籍を読むことでしょうか。スマホでしたらいじっていても基本的には問題はありませんし、画面が小さくて読みにくいとは思いますが、読めないこともないとは思います。

しかし、そこまでするのであれば、ふつうに本を読める場所を探したほうが早いと思うので、初めからバーで読書がしたい場合は、読書ウェルカムなお店を探してみるといいと思いますよ。

今回のまとめ

・バーは読書目的はナシではないがアリでもないこともある
・読書家のための本を読むことが推奨されるバーもある
・店の雰囲気を損なう読み物はNGなので気をつけよう

バーで読書をする人はたしかに少数派です。けれど、だからといって、肩身のせまさを気にする必要なんてありませんし、多数派に合わせないといけないなんてこともありません。マナーを守っていればなにも問題はないのです。

ただ、読書自体をNGとするという話は聞いたことがありませんが、たとえば、無言の静けさをよく思わない店主のお店や、お客さんが読書のマナーを守ってくれないというお店などでは、店主の意向、または苦渋の選択で、読書自体をお断りとしているところもあるかもしれません。

そういったことも可能性としてはゼロではないので、気になるのであれば、本を読んでもいいのかを、まずはバーテンダーに聞いてみるのがいいと思います。そこで反応が悪ければ、お店を変えればいいだけですし、べつに問題はないとのことであれば、マナーを守って本を読んでいれば、これも問題はないでしょう。

読書好きな方で、バーで本を読みたいという方の、ご参考になればと思います。

ちなみに、私も本は好きなのでよく読みますが、本はバーでは読まず、自宅で読むことにしています。本の内容はいつ、どこで読んでも変わることはありませんが、バーではそのときにしかできない会話があったりもするからです。

じつは冒頭の常連さんの1人も、途中からはそっちのほう(会話)に楽しさを見いだされていた1人。べつに本を読むよりも、人と話したほうが楽しいといいたいわけではありませんが、バーでは会話を楽しんでみるのもいいかもしれません。

もしくは、読書も会話も楽しむという、いいとこどり。バーテンダーがほかの仕事を始めたときが、読書チャンスです。

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