うさぎの足の横が腫れていて、タコやこぶのようなできもの(しこりのようなもの)がある……。
これは要注意だな
なぜかというと、場合によっては手術が必要になるほどのものだから。
本記事では、この「うさぎの足にできたなにか」問題が解決するまでの記録をお話しします。
- うさぎの足の横にできものができた原因
- 動物病院でおこなわれた(簡単な)手術の内容
- 病院での治療費、その後の経過観察など
私が飼っているうさぎさんの足の横に、毛がはげた「ソアホックらしきもの」ができていたことがありました。
しかしこれは、まったくの見当違いで、原因はべつのことによる腫れだったのです。
ちなみに以下、お食事中は「閲覧注意」でおねがいします
では、この足の横のできものはなんだったのか?
結論からいうと、これは、膿がたまっていることによる「膿瘍(のうよう)」というものだったのです!
そこでこの記事では、
うさぎの足の横に異常が発生してから解決するまでの一部始終
これをお話しします。
うさぎさんの足に「なにかできもの」ができていたときは、どうぞご参考にしてください。
(※2018年9月~12月ごろのできごとです)
この記事に登場するうさぎ
- ミニレッキスのイブスター店長
- 2016年11月生まれのオス(現在7歳)
- やや詳しいプロフィールはこちら
うさぎの足の横に腫れたできものが?
(うさぎの足の横が赤く腫れている)
足の横に異常を発見したのは、イブスター店長が横になってくつろいでいるときでした。
右足の横の毛(一部)がはげ、赤くなっているのに気づいたのです。
なんだこれは……ソアホックか?
ちなみにソアホックというのは、
「うさぎさんの足裏の毛がはげてしまい、その部分が炎症を起こしてしまう」
といった、室内飼いのうさぎさんによくみられる病気です。
しかし、ソアホックが足の裏ではなく「足の横にできる」というのは、あまり聞いたことがありません。
ただ、この毛がはげた感じからして、ソアホックにしか見えない……。
そこで私は、ひとまずつぎのようにして、ソアホック対策用のクリームを患部にぬっておくことにしたのです。
(クリームをぬられたイブスター店長の足)
けれども、それは治らなかった……と
そう、治らなかった……というか、むしろ悪化している気配を感じました。
しばらくたってから見てみると、患部が「ふくらんできている」ように思えたからです。
これは、ヤバいやつかもしれない……
問題を確認してから2~3か月ほどたってしまいましたが、私は、いつも行く動物病院へ向かうことにしたのです。
うさぎの足のできものには膿がたまっていた
イブスター君、こんにちは
おつかれ
動物病院の診察室に入り、イブスター店長をキャリーケースから解放。
彼は獣医の先生とあいさつをかわします。
そして私は、例の、足の横にできた「ソアホックらしきもの」について獣医師に説明しました。
なるほど……これは
あっ、そういえば……
獣医の先生がイブスター店長の足をみてくれていたとき、私はあることを思い出します。
以前お世話になった「エンセファリトゾーン症(Ez症)」で気になることがあり、あとで聞こうと思っていたのです。
まえにあった寄生虫の件ですが……
いや、それよりも、これを見てください
そういうと、獣医師は、イブスター店長の足(患部)を両の親指でおさえました。
すると……!
ニュルニュルニュルニュル……
黄色くて、細長い、なにかが、足のふくらんだところから出てきたのです。
……え?
……寄生虫だ!
私は頭のなかで、そう叫んでいました。
うさぎの膿瘍(のうよう)とは
寄生虫はまだ生きていた……?
そうか、やつらはこんなところで生き延び、再戦の機会をうかがっていたんだ。
ならば先生、いますぐに、やつらを駆逐してくださ……!
これは「膿」ですね
……え?
この黄色くて細長いものは、寄生虫じゃなくて「うみ」?
説明しよう!
うさぎさん病気のひとつに、膿瘍(のうよう)というものがあります。
この膿瘍とは、細菌感染などによってウサギの体にできた、膿がたまった袋のようなもののこと。
(※またはその袋ができた状態をいいます)
不正咬合(噛み合わせ異常)がらみで、うさぎさんのアゴ周辺にできることが多い
ということで知られていますが、今回のように、全身に発生する可能性があるものです。
おそらく散歩中などに小さな傷ができて、そこから細菌が入って化膿したのでしょう
足の横という変な場所にできていたのは、そういった理由があったからだそうです。
ちなみに、うさぎさんの膿は、
- 乳白色
- クリームチーズ状(=濃くて固い)
という特徴があり、これは放っておいても体に吸収されるものではないといいます。
放っておけば放っておくだけ(基本的には)膿がたまっていく……。
私が最初に気づいたときよりも「ふくらんでいる」と感じたのは、これが理由だそうでした。
それから、さきほど患部をつまんだら破れたように、
なにかの拍子で、(膿の袋が)自然に破裂することもあるといいます。
しかしこれは、つぎのこともあって自然治癒は見込めず、
- 破れた傷口のまわりに細菌感染が広がるおそれがある
- うさぎさんが患部をなめて雑菌が入ると、また化膿してしまうおそれがある
状況が悪化してしまう危険性もあるそうでした。
つまり私は、破裂寸前と、けっこうギリギリだったわけです
そして以上のことから、治療は外科的なもの(手術)になり、つぎの手順になるとのことでした。
- 足の膿をしぼれるだけしぼりだす
- 抗生物質を飲んで体のなかから殺菌する
で、その手術はいつやるんだ?
いまからです……
手術!うさぎの足から膿をしぼりだせ!
イブスター店長の足にあった「膿瘍」は、すでに破られてしまっています。
二次的な被害(周囲への感染)をふせぐためにも、処置はそのまま進められることになりました。
では、いきます
そういうと獣医の先生は、イブスター店長の足をしっかりとつかみ、ふたたび両の親指に力をこめました。
こんどは、指先の爪が白くなるほどに……!
アアァァァァ!!!
はじめにドロリとした血がでたあと、問題の膿がでてきました。
その痛みから、イブスター店長は足を引っ込めようともがきます。
しかし獣医師は足を離しません。「しぼれるだけしぼる」の言葉どおり、全力で膿を出しにかかっているのです。
先生、もう、もう大丈夫です……
足が折れてしまいそうないきおいに、早くおわってくれるのを祈ることしかできません。
とはいえ、中途半端になってしまえば、苦しむのはイブスター店長です。
それぞれが耐えるしか、この問題を解決させる方法はありませんでした……。
グギギギギギ……
悶絶するイブスター店長。しかしこの戦いもいよいよ終盤です。
しばらく足の「しぼり」がつづくと、膿もでてこなくなってきたのです!
おわりました。腰を抜かしちゃいましたね(笑)
そして手術はぶじに(?)終了し、イブスター店長と足は解放されました。
その後は、飲み薬(抗生物質)の説明を受け、私は途中で気になった、
「再発した(=また膿がたまってきた)ときは、どうすればいいのか?」
これを獣医の先生に聞きます。
獣医師いわく、あまりにもひどいときは、切開して膿を取りだすことになるそうでした。
ようするに、今回のような処置でもダメなときは「より本格的な手術をすることになる」ということです。
そうならないためにも、もう一回しぼっておきましょうか
アガッッッ!!!
よけいなことを聞いてしまったかもしれない……。
イブスター店長は追撃をくらい、これで(ほんとうに)手術は完了となりました。
うさぎの膿瘍の手術費用と薬代
膿瘍の手術もおわったので、つづいて清算です。
手術の費用や飲み薬の代金などは、以下のとおりとなりました。
診療内容 | 数量 | 単価 | 料金 |
---|---|---|---|
外用処置 | 1 | 1000 | 1000 |
外用薬 | 1 | 1200 | 1200 |
内服薬 | 14 | 200 | 2800 |
処方料 | 1 | 330 | 330 |
手術(外用処置)の費用は1000円と、かなり安くすみました。
これは「麻酔などを使って切開するものではなかったから」ではないかと思います。
外用薬は傷口を消毒するイソジンのようなもので、1日1~2回、傷口にたらして使用します。
内服薬(飲み薬)は1日2回で、1週間ぶんをもらいましたよ。
さらばだ、マッドドクター
抗生物質での投薬治療とその後
足の手術がおわってからは、投薬治療がはじまりました。
でもここで、2つのトラブルが起きたんですね
これも参考になるかと思うので、補足しておきましょう。
最終的にはどうなったのかとあわせて、こちらもごらんください。
1. ペレットを一時的に食べなくなった
投薬治療中に、イブスター店長が3日間だけ「ペレットを食べなくなる」事態が発生しました。
このとき彼は、薬を飲むのをかなりいやがっていて、まあこれが大変でした。
そこで私は、獣医師の指導のもと、
イブスター店長の好物である「大葉」に飲み薬をたらして食べさせる
というワザを使うことにしたのです。
ところが、それがわるかったのかもしれません。
なんだこの大葉は? 食えたもんじゃないぞ!
味に異変を感じたのか、好物の大葉と、おなじく好きなペレットまでをも食べなくなってしまったのです。
うさぎさんに抗生物質を飲ませると、腸内環境が変化して「食べものの好みが変わる」という話があります。
それもあったのかもしれませんが、
好物に薬をまぜて食べさせる「フェイク」がわるかったのでは?
と、個人的には思っています。
(※「好物の味がおかしい → ペレットもあやしい」と感じてしまったのではないか、という話です)
なので、薬は口から飲ませてあげるようにしました
牧草はたくさん食べていたので、健康状態には問題はありませんでした。
その後しばらくすると、大葉もペレットも食べてくれるようになりましたよ。
うさぎにフェイクは通用しない、ということだ(?)
2. 飲み薬を蹴っ飛ばされた
これは私がわるいのですが、床に置いておいた飲み薬のボトルを蹴っ飛ばされ、また病院に行くことになりました。
最初は、つぎのようにして薬を飲ませようとしていました。
- 散歩中のうさぎさんの口もとにシリンジ(注射器のようなもの)を近づける
- 逃げ場がなくなる(追いつめられる)と、うさぎさんはあきらめて薬を飲んでくれる
けれどもさきのとおり、イブスター店長は薬を飲むのをいやがっていて、これがなかなかうまくいきません。
そして、そんなことをつづけていたときです。
彼はついに憤慨し、床に置いておいた(ふたが開いた)薬のボトルを蹴っ飛ばしたのです!
いちばん高かった薬が……!
これが3000円の蹴りの威力だ
私はもういちど動物病院に行き、追加で1週間ぶんの薬を購入しました。
しかたがなかったので、飲み薬は、イブスター店長をつかまえて飲ませました……。
(※以下、追加料金です)
診療内容 | 数量 | 単価 | 料金 |
---|---|---|---|
内服薬 | 14 | 200 | 2800 |
処方料 | 1 | 330 | 330 |
3. うさぎの足の状態(その後)
(膿瘍が治ったイブスター店長の足)
それから、これがいちばん大事なことで、その後の足の状態です。
手術後は、傷口もすぐにふさがっていて、そこを「しきりになめたり」といったこともありません。
1週間もしないうちに、(画像のとおり)きれいさっぱりと治り、すぐに毛でおおわれるようになりました。
ちなみに消毒薬(イソジン)ですが、
あれは結局1~2回くらいしか使えませんでした。
イブスター店長に「イソジン投下」を警戒されていて、横になっているときに近づくと、逃げられてしまっていたからです。
ただ、この外用薬に関しては、
消毒薬は、いりますか?
と、必須ではないような感じだったので、なくても大丈夫だったのかもしれません。
その後も再発することはなく、足の膿瘍は完治したので、これはまあ良しとしておきましょう!
壮絶な戦いだった……
今回のまとめ
- うさぎの足の横にソアホックらしきものがあったら要注意
- うさぎの細菌感染による「膿瘍」は手術の必要あり
- できる場所によっては治療が困難になるのでペット保険も検討
うさぎさんの足の横にできたソアホックらしきものは、膿がたまった膿瘍というものでした。
ちょうどソアホック対策をしていたときだったので、
これもそうなのかな?
と思ったのですが、ちがいましたね。やはり病院で話を聞いてきてよかったと思っています。
またイブスター店長の場合、この問題が起きたのは「生後2年くらい」のことでした。
それ以降は、目立った病気はしていないので、やはり生後1~2年はトラブルも起きやすいのかなと感じます。
前述したように、膿瘍は全身にできる可能性があり、できる場所によっては治療が困難になるといいます。
手術の費用も、数万円~と高額になることもあるそうです。
なので(とくに最初のうちは)ペット保険に入っておくのもいいと感じました
ペット保険情報は、以下の関連記事でまとめてあるので、そちらもご参考にしてもらえればと思います。
うさぎさんの年齢によっては、保険に入れなくなってしまうこともあるので、早めのチェックがおすすめですよ。
うさぎのペット保険情報
寄生虫との戦いはこちら
うさぎのソアホック対策
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