ブログの方向性を見失ってしまうと、目の前に広がる景色はまるで迷路。しかし、迷路には必ず終着点が用意されていると感じた。
早いもので、当ブログの開設から3年の月日が流れましたが、これまで(というか現在も)順風満帆というわけではありませんでした。
アクセス数や収益性の問題から、やむを得ずブログの方針や方向性を変えることは何度かあり、時には「自分は一体なにがしたかったのか」と、迷走している感が否めないこともありました。
しかし、それらの変更を経て、私はある答えにたどり着いたのです。今回は、そんなブログの方針を変えなければならなかった理由、そして方向転換が生んだものについてお話しします。
ブログの方向転換と経緯
ブログの方向性を変えるかどうか悩む時というのは、アクセス数(pv)か収益の伸び悩みが原因となることが多いと思うのですが、例によって私もその2つが問題となってきました。
ブログは維持するだけでもお金がかかりますし、運営には膨大な時間を必要とするため、やるとなった以上はアクセス数・収益は伸ばしていかなければ、ブログの運営を続けることができなくなってしまうからです(趣味で行うのであれば別)。
そこで、アクセス数の伸び悩みなどから方向転換を余儀なくされた私は、最低限の方針だけはブレないように、その都度方向性を修正してきたのですが、まずはその経緯からお話しします。
1回目:Googleの健康アップデート
当ブログのメインテーマの1つは「メンタルヘルス」であり、これは開設当初から変わってはいないのですが、ブログ開設前に定めた方向性は、よりメンタル関係に特化したものにしたいと思っていました。
ブログ開設当初の具体的な流れは以下のとおり。
- 私自身が精神的にやられていた過去と克服するまでを書く
- 精神的な病が発症する仕組みについてまとめる
- 精神的な病を克服するための実践的な方法を書いていく
ところが、これはまさに寝耳に水で、なんと2016年にキュレーションサイトが起こした問題を受け、Googleは健康ジャンルのアップデート(2017年)を行い、これによって医療・健康に関する記事は専門機関が優遇されるようになってしまったのです。
しかもそのタイミングというのが、ブログを開設した数か月後という間の悪さ。
当時、健康ジャンルはやめとけオジサンは「健康ジャンルはやめとけ」と言っていましたが、そんなものはやってみなければわからないだろうと、私はその助言を無視。当初の方針のまま突っ込んでいくも……結果、やはり無理でした。
厳密に言うと全てが無理というわけではなく、どうも病気の核心に迫れば迫るほど冷遇されやすくなる傾向があるように思えたのですが(恐らく命により関わってくるから)、そうなると、実践的な話になればなるほど検索上位に浮上しにくくなると思われたので、私はまず、ここで方向性の変更を余儀なくされたのです。
2回目:ギャンブル依存症とカジノ旅行記
その後、メンタル関係はギャンブル依存症をメインに書いていくことにし、パチンコやスロットをやめる方法について記事を量産する方針へ転換。そんなある日、私は海外旅行記、というかカジノに行った記録を書きたくなってきました。
しかし、ギャンブル依存症を扱っているというのに、その真逆である記事、場合によってはギャンブル行為を助長しかねないものを書くというのはいかがなものかと。はたから見れば、このブログは「迷走」していると思われる危険性をはらんだものでもありました。
ただ、それでも「書きたい」と思ったこと、最終的にはギャンブル依存症に回帰するものだったので、私は当初書く予定がなかったカジノ旅行記に着手し始めます。
3回目:健康ジャンルリベンジ
しばらく経ったところで、最初に書いていた記事が活かされていないことに、もったいなさを感じ始めた私は、「本当に健康ジャンルは不可能なのか?」と考え、再び当初の流れをくんだ健康関係の記事を10記事ほど量産。
しかし、これはやはり無理だったことを知るだけとなり、再び無念の撤退。
4回目:広告収入に限界を感じ始める
ブログの運営に本腰を入れたいということもあり、私は長年勤務していたバーを辞め、ついに記事の量産態勢に入ります。
「時間さえあれば伸ばせる。今までは時間がなかっただけだ」
私は、記事数を増やせばアクセス数も増えていき、自然と収益も上がっていくだろうと、この時までは考えていたのです。
ところが、蓋を開けてみれば全くそんなこともなく、記事を量産してもアクセス数はあまり伸びず、収益はスズメの涙を維持。
このころからアドセンス(Google Adsense)頼りでは不可能なのではないかと感じ始め、物販系のアフィリエイトを頼り始めます。
5回目:時事ネタの解禁
私は記事を書く際に「残るものを書く」というポリシーを持ってブログを運営してきました。これは逆に言えば「残らないものは書かない」ということです。
しかし、2020年に入って起きたコロナショックによって、事態は一変します。
世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスの蔓延により、パチンコ店は閉店、バーも閉店、旅行は不可能、収益はスズメの涙すらも枯れるという危機的な状態を迎えたのです。加えて、健康関係のアップデートは変わらないわけですから、書いているジャンルのほぼ全てが停止することとなりました。
詰んだな、これは。流石にそう思いました。
ただ、手をこまねいていても仕方がないので、私はブログ運営上のポリシーを破り、過ぎ去れば残らないもの、つまり「時事ネタ」を書くことにしたのです。
その後
時事ネタは確かに、その場限りの強力な効果を発揮しました。しかし、1~2か月もすればその効力は薄れ、待っていたのは物販アフィリエイトもアドセンス収益も枯れた、さらなる危機的状況のみ。
幸い、アクセス数(pv)に関しては横ばい、もしくは微減を保ってくれてはいたので真の絶望的状況は回避することができたのですが、私は追い詰められたことで、ようやくある答えにたどり着いたのです。
方向転換を経てたどり着いた答え
前述のとおり、小さなものでいえばもう少しあるのですが、私は何度か大きな方向性の変更を行ってきました。そして、その全てが枯れた後になって、あることに気が付いたのです。
仕事を辞め、生活が追い詰められる中で、いつしか金に執着するようになっていたことを。さらには、ブログを純粋に「書きたい」から、義務的に「書かなければならない」になっていたことを。
「黄金の奴隷たるなかれ」
出光興産(出光昭和シェル)の創業者、出光佐三の言葉。事業を目標とし、金を目標とするなという意味合いを持っています。
私は、この言葉が好きです。金よりも自分の持つポリシーや信念を貫く。そもそもバーの仕事も金のためにやっていたわけではありません。しかし、皮肉にも、追い詰められた私はいつしか「黄金の奴隷」となっていたのです。
そして金のために、あれを書きたい、これを書きたいという気持ちはいつの間にか薄れ、義務的に記事を書かなければならないという強迫観念にとらわれていたのです。
これに気付けたのは大きな収穫でした。迷走を極めたような方向転換を経て、今後の方針が見えたのです。
初心に返ろうと思った
これまで方向性の修正はありましたが、当ブログを開設した目的でもある「人の役に立つことを書く」という方針だけはブレずにやってきたつもりです。訳のわからないカジノ旅行の話の中でも、現地で役に立つような情報を少しずつ織り込んであったりといったふうにです。
そして今後の方針としては、「人の役に立つこと」は前提に、書きたいことを好きなように書いていこうと私は思いました。
「書かなければならない」という焦りから、すぐに書けそうなもの、目の前のことを優先し、前々から書きたかったことはどんどん後ろに追いやられてしまう。そんなことが1年ほど続き、書こうと思っていたことが書けない焦燥感が、知らぬ間に自分の首を絞めていたことにも気付かされました。
金は後から勝手についてくる。当初はずっとそう思っていたのにも関わらず、状況が変わればその考え方も逆転してしまう。だからこそ金が持つ力は怖ろしい。
初心に返り、今後はお金にとらわれず、書きたいことを書いていこうと思います。もしかすると、なんの役にも立たないようなことでも、書きたいと思ったのであれば書くかもしれません。それはそれで、ありなような気もしてきました。
今回のまとめ
・芯がブレなければ問題はないと思う
・金に執着すると途端につまらなくなる
ブログにもいろいろなタイプがあるので、全てに当てはまる話ではないのですが、私のように収益を最大の目的としたブログでない場合、基本的な方針がブレなければ途中で方向性を変えても問題はないと思います。
というか、そのままの方向性でやっていても先が見えない場合は、思い切って舵を切るのも時には必要なことだと思います。後になって振り返ってみると、それが最適な選択だったと思えることもあるかと思います。
ただし、目的を見失って金への執着が始まると、ブログを書くのが途端にしんどいものに、つまらないものとなってしまうこともあると思うので、注意する必要があるとも感じました。
難しい話ですが、楽しさを見失ってはいけないということです。
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