うつ病で心療内科、精神科のどっちに行くか悩んだときの選び方と注意点

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精神科、心療内科、神経科、メンタルヘルス科……。街なかにはいろんな標榜がありますが、うつ病の場合はどれがいいのでしょうか。

そもそもの話、私は「うつ病かもしれない」と思ったら、まずは病院に行くのではなく、自分だけでもできそうであり、かつ根本的な問題を解決するための行動を先に起こしたほうがいいと思っています。

しかしながら、うつ病になってしまうと、なんらかの行動を起こす気力がすべて、もしくはほとんどなくなってしまうため、自分自身ではもうどうしようもできないという状況になってしまうことも、めずらしいことではありません。

そこで、自分ではどうにもできずに病院に行くことを決めた場合、うつ病は何科に行けばいいのか? となると思うので、今回は、うつ病での病院の選び方と、私が付き添いで6~7軒を見てきて感じた、病院を受診する際に注意すべきことについて見ていきたいと思います。

目次

精神科、心療内科、神経科の違いと選び方

うつ病を診察してくれる病院を探し始めると「精神科・心療内科・神経科」という3つの診療科を目にすることが多いと思います。

初めてうつ病で病院に行く場合は、何科を受診すればいいのかよくわからなくなってしまうと思うので、まずはこれらの3つの診療科がどう違うのかを、簡単に確認しておきたいと思います。

1. 精神科

精神科が診療対象としているのは心の病気全般です。

たとえば、うつ病や統合失調症、双極性障害。対人恐怖症やパニック障害などの不安障害。PTSD(心的外傷後ストレス障害)やアルコール依存症、ギャンブル依存症なども精神科の分野です。発達障害なども診ています。

つまり、精神科は心の病気、精神的な症状を扱う診療科ということです。

2. 心療内科

心療内科は内科の一分野で、心理的な要因で身体に症状が現れる「心身症」と呼ばれるものを主な対象としています。

たとえば胃や十二指腸の潰瘍、心因性の嘔吐・下痢症、過敏性腸症候群、自律神経失調症などです。睡眠障害や不安障害、うつ病を診ていたりもします。

精神科との区別が曖昧なところもありますが、基本的には、心療内科は心の病気によって現れた身体の症状を扱う診療科です。

3. 神経科

神経科はそのまま神経科であったり、精神神経科と表記されていることもありますが、基本的には精神科と同じです。

脳を原因として生じる精神疾患であったり、ストレスなどの心理的な要因によって生じる不調を対象としています。

ちなみに、「神経内科」はまったく別の科で、精神的な問題からではなく、脳や脊髄、神経、筋肉などに病気があり、それによって身体に起こる症状を扱っています。

このように、心の病気を診察している診療科にはそれぞれ違いがあるのですが、簡単にまとめると、精神科は「心」、心療内科は「身体」、神経科は「精神科の別称」ということができます。

したがって、これも一概にはいえないのですが、目安としては、不安や落ち込みなどの精神状態の不調は精神科もしくは神経科、仕事に行く前にお腹をくだす、原因不明のめまいや耳鳴りといった、心理的なものが要因とみられる身体の不調は診療内科、ということができると思います。

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メンタルクリニックとメンタルヘルス科

さて、病院を探し始めてみると、今度は「メンタルクリニック」という病院の名前がたくさん出てくると思います。

病院のHPなどを見てみると、診療科は「精神科・心療内科・神経科」の記載があったりするので、これは先ほども見てきたとおりの内容と思われますが、なかには「メンタルヘルス科」なるものまであるわけで、これらはいったいなんなのさ? と思われる方も多いでしょう。

これに関しては、メンタルクリニックという病院名は、外来患者を訪れやすくするためのただの標榜、メンタルヘルス科とは、これも精神科(神経科)または心療内科の別称だと私は認識しています。

病院名は、「○○精神科」とか「○○診療内科」よりも、「○○メンタルクリニック」のほうがなんとなく行きやすいというただそれだけの話。メンタルヘルス科は、基本的には精神科(神経科)に相当し、厳密には心療内科とは異なるものの、両方の科で同じ疾患を診ることもあるため、同じようなものと考えても間違いではない科となっているようです。

ちなみに、私は知り合いの付き添いで、メンタルクリニックであったり、精神科・心療内科であったりと、心の病気を扱う病院を6~7軒は行きましたが、そこで分かったことは、いちばん大事なのは見せかけの標榜などではなく、主治医となる医師だということでした。

心の病院には、上記のような標榜であったり、女性が訪れやすくするための仕掛けがあったりと、いろんな工夫がほどこされています。が、とんでもない医師がいる病院があることもこの目で見てきました。

病院を選ぶ際には、このような標榜にまどわされず、まずは大きな病院にいって医師を紹介してもらうか、自分で探す場合は、最低でも病院の口コミを見てから行ったほうがいいかもしれません。

心の病院に行く際の注意点

それでは、心の病気を扱う病院と診療科目について理解が深まったところで、ここからは、実際に病院へ行く際の注意点を見ていきたいと思うのですが、その前に、私が病院で衝撃を受けたときの話をしたいと思います。

これは以前に私が、知り合いのアミさん(仮名)の付き添いで、とあるメンタルクリニック(精神科)に行ったときのことです。

アミさんは初めて精神科を受診したのですが、睡眠薬や抗うつ薬など、いきなり多くの向精神薬などを出され、薬に抵抗を感じて飲むことができませんでした。

しかし、その病院で検査もしていたことから、検査結果などを聞くためにもう一度病院に行かなければならず、医師の指示に背いている状態で一人で行くのは心細いということで、私も付き添いで行くことになったのです。

受付で同席することを伝え、順番がきたので私はアミさんと一緒に診察室へ。すると、私に向けられた精神科医からの第一声はこれでした。

女医
女医

……どちら様ですか?

アミさんは一度、電話で薬が飲めないことを医師に伝えていたため、医師はあきらかに不機嫌なご様子。

さらに、一度電話をしたあとも、アミさんは薬が怖くて飲めなかったことを先生に伝えると……

女医
女医

……は? あれだけ時間をかけて薬のことを説明したのに、どうして私のいうことが聞けないの!?

湊
ミナト

…………!?

女医
女医

薬を飲まなければ病気は治らないの! 病気を治したくないんだったら薬は飲まなくて結構です! でも治したいのであれば、私のいうことを聞いて薬を飲みなさい!

女医
女医

そこのあなた、私の言っていることはなにか間違ってますか!?

開いた口がふさがらないとはまさにこのことでしょう。

精神科には、この手の高圧的な医師であったり、まったく人の話を聞いていないといった、いいかげんな医師がいることも事実です。後日、この病院の口コミを見てみると、医師の指示どおりに薬を飲み続けた結果、病状が悪化したというものも見受けられました。

さすがにその場ではいいませんでしたが、「薬を飲まなければ病気は治らない」は、ちょっと言いすぎだと思いました。

まずは心療内科などでのカウンセリングのみがいいかも

精神科というのは、基本的には薬物療法で精神疾患を治していくという診療科で、医師による診察(たとえば家族構成だとか、これまであったこと、現在の状態など)は初回であれば30~50分くらいはゆっくりと聞いてくれたりすることもありますが、それはカウンセリングではなく、最適な治療薬を選ぶことを前提とした診察です。

私はうつ病を克服する方法として、「まずは投薬治療」という考え方はどうかと思っているので、病院に行くのであれば、まずはカウンセリングだけもおこなっている病院に行ってみて、臨床心理士などと話をしてみたほうがいいかもしれません。

話を聞いてもらえるだけでも気が楽になることもありますし、自力でなんとかなりそうなのであれば、それに越したことはないと思います。

向精神薬に抵抗がある場合は、漢方薬での治療にしてくれる精神科もありますが、基本的に投薬が前提となっているように思います。

薬はまだ飲みたくないけれど、相談・診察だけはしてほしいという場合は、カウンセラーがいて、カウンセリングだけの診療も行っている病院を探したほうがいいかもしれません。

家族や配偶者、恋人などについてきてもらうとなおよし

投薬による治療でなければむずかしいという場合や、初めて精神科や心療内科に行く際、または病院を変える際などは、家族や配偶者であったりと、第三者の力を借りたほうがいいと私は思います。

そもそもうつ病を患っているあいだは、ものごとに対する集中力であったり、決断力などがものすごく鈍っているというか、抵抗する力のようなものがなくなってしまっていると思います。

そこで、そのような状態でたとえば精神科を受診した際に、医師から「じゃあこの薬、じゃあ次はこの薬」のようにいわれても、「はい、はい」とされるがままになってしまったりもします。

では、そういったときに、第三者がその場にいるとどうなるのでしょうか。あからさまに、精神科医の対応が変わることがけっこうあるのです。

きちんとした医師は、家族や配偶者など、いっしょに来てくれた人にも熱心に説明してくれたり、解決策を探してくれたりもしますが、いいかげんな医師の場合は、なにかやましいことでもあるかのように目を合わせなくなったり、突っ込んだ質問をすると、はっきりとした答えを返してくれなくなったりするなど、対応がまったく異なることがあります。

ようするに、第三者が同席していることで、いいかげんな医師かそうでない医師か、このときにわかったりもするのです。

さらに、うつ病の状態では、医師に質問したいことがあったとしても、言葉が出てこない、質問する気力が起きない、本当は聞きたいことがあるのに聞けない、といったことが起きてしまうのも当然のことですが、そういった場合も第三者がいれば、代わりに医師に聞いてくれたり、意見を代弁してもらうこともできると思います。

ただし、これには大きな問題があって、家族、とくに両親の場合、精神的な病気を理解してくれないということがあります。

精神的な病のつらさは当事者にしかわからないものがあります。ましてや両親の場合となると、自分の子どもが……という思いもあって、認めることを拒絶してしまうことも少なくはないのです。

けれども、信頼できる医師は、家族にもしっかりと説明してくれます。理解されるかはひとまず置いておいても、医師という立場からきちんと話してくれるのです。

家族に病気のことを理解してもらうためにも、信頼できる医師かどうか見極めるためにも、そして自分自身のためにも、病院に行くのであれば、家族などの力を借りたほうがいいと思いますよ。

今回のまとめ

・精神科は心、心療内科は身体、神経内科は別称
・精神科医のなかにはとんでもない医師もいるので注意
・家族などの第三者の協力が大事

うつ病は精神科がいいのか、心療内科がいいのかという疑問に関しては、ひと言で結論づけるのはむずかしいのですが、おもに「心」の状態の悪化がメインなのであれば精神科、「身体」の状態の悪化がメインなのであれば心療内科、という基準で選んでみても間違いはないかと思います。

ただし、うつ病かもしれないから投薬治療が始まり、仕事ができなくなって退職し、それからも「薬漬け」のような状態になってしまう、ということもめずらしい話ではありません。

私は、安易な精神科の受診や、投薬治療といった選択には、気をつけるべきだと思っています。それは知り合いのアミさんがまさに「薬漬け」のような状態となってしまっていたからです。

薬を飲み始めるのは簡単です。しかし、やめるのはとてもむずかしいことだと思います。だからこそ、冷静な判断力を失っているなかで、ふらっと病院に行ってしまうことがないように、気をつけなければならないと私は思っています。

病院に行こうか考えている方は、まずは慎重に判断するということを心がけておくといいかもしれません。

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