鼻づまりの応急処置的な治し方を試してみても効かないときは、家の中にある問題を解決すると改善するかもしれません。
アレルギー性鼻炎や花粉症といった鼻づまりとはいっさい無縁の生活を送っていても、とつぜん鼻がつまりだし、なぜかそのまま治らなくなってしまうことがあります。
このような鼻がつまったときの対処法として、鼻をあたためる・ツボを押して刺激する、などの応急処置的な治し方もあるのですが、この手の方法はなかなかうまくいかないことも多く、まったく効果を感じられないということもあるかもしれません。
かくいう私も以前、1か月以上の長期にわたって、そのような慢性的な鼻づまり(鼻で息がほとんどできないことも)になってしまったことがありました。
ところが、いったいなぜこんなことが起きているのか? と原因の究明、そして対策に乗りだしたところ、なんとこれが劇的に改善!
ほとんど気にならないレベルにまで解消することができたので、今回は、鼻がつまったときの対策でとくに効果があった、または効果が見込めると感じた方法を、私の状況をもとに、鼻がつまったままでお困りの方のためにご紹介します。
コップ理論:鼻づまりの原因はアレルギー性鼻炎?
私の場合は、鼻づまりがはじまったのは冬の時期。これまで風邪以外で鼻がつまる経験がなかったことから、これも一過性のものかと思い、そのまま放置していたのですが、しばらくしても症状は消えず、気づけば1か月以上も鼻がつまったまま。
そこで私はさとったのです。
ついに「ガードブレイク」が自分にもおとずれたのだと……。
ガードブレイク、すなわち花粉症でいうところの「コップ(またはバケツ)理論」。
人はそれぞれ生まれながらにしてコップを所持していて、そのコップには年々花粉などのアレルギー物質がたまっていき、閾値(いきち)、つまり容量を超える限界域までアレルギー物質が達してコップからあふれてしまうと、人は花粉症を発症する。
ようするに、生まれ持った防御壁が、アレルギー物質によってすこしずつ攻撃され、ついにこわれてしまったことで症状が発現する、というものです。
しかし、現在では「減感作療法」といって、アレルギーの原因物質を体の中にすこしずつとり込んでいくことで(みずからコップの中に原因物質をためていくことで)、アレルギー症状が起こりにくい体質に変えていく、という治療法が一定の成果を上げていることから、このコップ理論はまちがいではないかとする指摘もあり、全容はいまだ解明されないままとなっています。
さて、話をもどして、ちょうど同時期に(別件で)私は眼科を受診していたのですが、そのときに医師から「アレルギーも入っている」といわれ、抗アレルギーの点眼薬を処方されていました。
つまり、この鼻づまりは、コップうんぬんは置いておいても、なにかしらの原因物質が、目の不調だけではなく、鼻炎というアレルギー反応(アレルギー性鼻炎)をも起こしているのではないかと推測されたのです。
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アレルギー性鼻炎の原因となる埃(ハウスダスト)の正体
アレルギー性鼻炎(鼻づまり)の原因は、おもに花粉や埃(ホコリ)などのハウスダストを吸い込むことによるアレルギー反応だといいます。
ハウスダストの正体はご存じの方も多いかと思いますが、その内容は、布団や衣服などから出た繊維のクズに、毛髪や皮膚のかけら、ペットの毛、花粉、カビ、そしてダニやダニのフン、ダニの死骸などがからまったもの。
お掃除サービス「ダスキン」の調査報告によると、平均的な一般家庭のホコリ1gの中には、2000匹のダニがいるそうです。
1gで2000匹です!
そして、この憎きダニこそが、私たちの体内に侵入することで鼻炎などのアレルギー反応を起こさせる、原因物質(アレルゲン)にもなっていると。
ダニが原因となる疾患の代表例が「気管支喘息」や「アレルギー性鼻炎」。事実、小児喘息のアレルギー検査の結果、ダニが関与している割合は50~80%だったという報告もあります。
とつぜん鼻がつまりだし、そして応急処置も効かないのであれば、根本の原因はこのダニがあやしい。ならば、こいつらを駆除すれば、鼻づまりから解放される可能性はおおいにあるといえるのではないでしょうか?

ダニ?……汚物は消毒だッ!
鼻づまり対策で効果があったこと(掃除編)
夏場は窓を開けておけば「G」が入ってきたりしますし、冬場は寒いのであまり換気もできず、どうしてもホコリはたまっていってしまうものですが、「部屋の乱れは心の乱れ、心の乱れは体の乱れ」です。
ペットを飼っている場合は、その抜け毛がアレルギーの原因、さらにはダニのエサにもなるなど、とにかくダニの進軍を食い止めるには、ハウスダストを除去するために掃除をするしかありません。
そして、その考えから家の中を掃除していき、その状態を維持した結果、じっさいに鼻づまりの症状は(私の場合は)大幅に改善されたので、まずは鼻づまりの対策で効果があったこととして、重点的にダニを駆除した場所を掃除の方法とあわせてご紹介します。
1. エアコンのダニ駆除
夏や冬などのエアコンを多用する季節は、エアコンがつくり出す気流に乗ってダニが宙を舞い、さらには、エアコンのフィルターや内部で死滅したダニの軍勢はゾンビ化、エアコンの起動とともに部屋中に拡散されていきます。
ダニ・ストリームとでもいったところでしょうか。ついつい掃除をサボりがちなエアコンは、アレルギー発生の爆心地でもあったのです!
奴らを食い止めるには、エアコンの掃除は必須となります。まずは感電防止のためにコンセントを抜き、フィルターの掃除からはじめましょう。
エアコンのフィルターがあるのは、カバーを開けた正面。
もし、カバーを開けたことがないという方がいたら、いますぐに開けてみてください。とんでもない量のホコリがたまっていると思いますよ。
さて、フィルターの掃除方法はとても簡単で、掃除機でホコリを吸って、ブラシなどを使って水洗い。あとは乾かすだけ。
フィルターの奥にある「フィン」という部分の表面や、カバー上部にもホコリがたまっていたりするので、ここもいっしょに掃除機で吸ってあげるようにしましょう。(フィンは傷つきやすいので掃除をするさいは注意!)
ちなみに、私が掃除で使用している掃除機はこちら。ツインバードの「サイクロンスティッククリーナー」の旧モデル。
この掃除機は吸引力、使いやすさ、耐久性のどれをとっても申し分なく、7年以上は使っていますが壊れる気配はありません。そのあいだにさらに進化をとげ、後継モデルはスティック式とハンディー式の切り替え利用時に便利なON/OFFスイッチが、2つに増設されたもようです。
コロコロしか家にないという方は、これを手にした瞬間、目視できないホコリの吸引量に衝撃を受けることでしょう! 安くて使いやすいおすすめの掃除機ですよ。
仕上げにエアコン内部も掃除する
また、エアコン掃除の最後の仕上げとして、フィン内部に発生したカビを掃除できるアイテムがあるのですが、それがアース製薬の「エアコン洗浄スプレー」。
さきのとおり、ホコリの中にはカビもふくまれていて、その数はなんと、ホコリ1gに対して黒カビ3万個(こちらもダスキン調べ)。
カビ自体も私たちの体内に入ることでアレルギーの原因となる物質ですが、それだけでなく、カビはダニのエサにもなるやっかいものなので、これも除去しなければ平和な未来はおとずれません。
使い方はいたって簡単で、エアコンのフィンにスプレーするだけ。雑巾などを片手に持ってエアコン下部をガードすれば、液だれも完全にふせぐことが可能。
ただし、エアコンの洗浄スプレーは、ごく一部しか掃除できない、逆にカビを増やすおそれがあるので使わないほうがいい、という話もあり、万全を期したいのであれば、専門業者に依頼したほうがいいともいえます。
エアコンのクリーニングは、とんでもないよごれが落ちるので、1~2年に1回はしたほうがいいとよくいわれるもの。
しかしネックなのが業者選びで、いろんな業者があることから、どこにすればいいのかよくわからなくなってしまうのですが、そんなときは「イオングループのカジタク 」が、満足度97%・全国一律料金・7日以内は無料で再実施保証と、かなり評判がいいのでおすすめです。
プロにまかせれば、カビ除去・ダニ駆除は、まちがいないということですね。
2. 布団を干す、というか叩いてダニ駆除
ハウスダストの成分は、割合で見ると約56%が繊維(綿ボコリ)という報告があるのですが(2008年ダスキン調べ)、その繊維がもっとも多く出る場所といえば、それはまちがいなく布団でしょう。
とくに毛布やタオルケットは、飛び散る繊維のカタマリのようなもの。
ダニの繁殖条件は「高温多湿・エサ・すみか」の3条件であるので、布団は私たちの体温であたためられて汗を吸い、皮膚のかけらなどが飛び散り、繊維が豊富にある、など、ダニの増殖条件のすべてをクリアしています。
ようするに、なにもしなければ私たちは、ダニのジュウタンをかぶって寝ているのとおなじようなものなのです!
ダニ駆除のポイントは高温 or 低湿度
安息を邪魔するダニを布団から追い出すためにやることは「布団を干す」ことで、ダニ退治のポイントは50度以上の高熱を30分以上加えるか、湿度を55%以下にすること。これでダニは死滅します。ちなみに60度以上の高熱では一撃だそう。
しかしながら、毎日布団を干しつづけていると話はまた変わってくるそうなのですが、この条件は晴れた日にちょっと布団を干したくらいでは達成することはできず、これだけではまだダニは生存しているのです。
ゆえに、ここでの真の目的は、干した布団を叩くことにあるのですね。
ふだんから布団を叩いたことがない方は、ためしに叩いてみてください。とんでもない量のホコリが、見えないダニといっしょに無限といってもいいほどに出てくるはず。
よって、叩くのです!
どれくらい叩けばいいのかというと、「これくらいで勘弁してやるか」と、気がすむまで叩きましょう。そして、それがすんだら仕上げの作業。
ふたたびアース製薬の「ダニアース防ダニスプレー」です。
ダニアース防ダニスプレーは、天日干しでは駆除しにくいダニやノミを駆除・予防(増殖抑制)することができる、便利なダニ対策グッズ。
使い方はこちらも簡単で、1㎡(縦横1m)あたり4~6回ほどスプレーするだけ!
これで、しぶとい布団まわりのダニ対策もバッチリでしょう。似た製品にダニアーススプレーというものもあるので、こちらもおすすめですよ。
3. 棚周り、絨毯、その他の埃を除去してダニ駆除
エアコン・布団の対策が完了したら、あとは目についたホコリがたまっている場所を徹底的に掃除していくだけ。
棚の上や下、フローリングのすみ、じゅうたんの上など、こういったところにたまっているホコリも気流に乗って宙を舞うわけですから、放置してはなりません。
掃除機がかけられない場所は雑巾などでホコリをふき取り、掃除機がかけられる場所は物を動かして徹底除去。
最初は大変ですが、いちど掃除してしまえばしばらくホコリがたまることもないですし、なによりも部屋がきれいになっていくと、心が浄化されていくような気がして楽しかったりもするものです。
そして、すみずみまで掃除がおわったら、あとは定期的な掃除機がけや布団干し(叩き)を維持すればOK。掃除機がけは1~2日に1度、布団叩きは3~4日に1度くらいを目安にすれば、クリアな空気を維持できるのではないかと思いますよ。
鼻づまり対策でより強力な効果があったまたは見込める方法
ハウスダウスト対策の内容はこれくらいで、ホコリ(アレルギー)が原因によるものであれば、これで鼻づまりが大きく改善する可能性はあると思うのですが、改善するまでに時間がかかる場合もあるように感じます。
とくに、鼻づまりが両方ともになっている場合、息がしにくくて寝られない、というトラブルも起きてしまうこともあるでしょう。そんなときは、症状が改善するまでのあいだ、より強力な対策と併用するのがいいかもしれません。
そんなわけで以下、部屋を掃除しただけではすぐに効果が得られないときのために、さらなる対策方法をご紹介しておきます。
4. 市販の鼻炎治療薬を使う
パブロン鼻炎カプセルSaは、アレルギー性鼻炎などの症状の緩和に効果的な鼻炎治療薬で、鼻粘膜の炎症、アレルギー症状を抑える成分、鼻水などの分泌を制御する薬を配合した、「すぐに症状を止めたい方」におすすめな市販薬。
原因がアレルギーの場合は、たしかに、飲みはじめてから数時間程度で鼻づまりがスッキリしていくのを感じられる強力な薬です。
ただ、これにはひとつだけ問題があって、この薬の成分の「ベラドンナ総アルカロイド」というものが、鼻線に作用し、鼻水の分泌をとめる働きがあるそうなのですが、この成分はほかの分泌腺にも作用するおそれがあって、私の場合は鼻水といっしょに唾液の分泌も抑制されてしまい、副作用としてやたらと口が渇くようになってしまいました。
つねに水を飲みたくなり、そのぶんトイレも近くなるというわけです。
症状が改善されるまでのあいだの、鼻づまりがひどい・息ができないというときには使えますが、使用する場合は、一時的なもの、その場しのぎとして考えておいたほうがいいかもしれません。
5. 医者(耳鼻科)に行く
鼻づまりの原因がアレルギーではない可能性もあるわけですから、医者(耳鼻科)に行くという方法も有効です。
ちなみに、私も鼻づまりで耳鼻科に行ったことがあるのですが、医師いわく、

じつは、だいたいの人が片方は詰まっていたりもするんですよ。気にしてしまうと気づくといいますか……
とのことで、ほとんどの人(成人は90%とも)の鼻は、中心の「鼻中隔」という骨と軟骨にゆがみがあることや、「鼻サイクル(ネーザルサイクル)」とよばれる、数時間おきに片方の鼻粘膜が腫れてつまる生理現象により、たいていは、だれもがかるい鼻のつまりはあったりもするそう。
耳鼻科に行けば、こちらも一時的なものとして、「点鼻薬(血管収縮剤)」を処方してもらえたりもしますが、これも常用すると耐性ができてしまい、逆に鼻づまりが悪化することもあるらしいので、注意が必要といえます。
6. 鼻吸い器で鼻水を吸い取る
鼻づまりがひどくて鼻で息ができないようなときは、たいていは鼻水が奥のほうにつまっているように思われ、点鼻薬を打つと、つまっていた鼻水が出てきたりもするなど、鼻水が取れれば、ひとまずはそのつらさから解放はされます。
すなわち、つまっている鼻水を出してしまえばいいだけの話でもあるのですが、問題は鼻をかんでも鼻水が出てこないことであって、これがどうにもならないからこそ、鼻づまりを一時的に緩和するには、薬などにたよるしかなくなるわけです。
ところが、この問題を解決する可能性を持ったアイテムがありました。鼻吸い器という、ようは鼻水を物理的に吸い出すものがあるわけです。
なお、この鼻吸い機というものは、基本的には自力で鼻水をかめない赤ちゃん用のものなのですが、じつは大人用として使えるものもあって、それこそが「知母時(CHIBOJI)の鼻吸い器」。
CHIBOJIというブランドの鼻吸い器は、台湾製の医療機器として登録されたものであり、電動ではなく手動タイプ(鼻吸い機は電動式が多い)でもあるので、使い方もレバーを引くだけで安心・簡単・音もしずか。
根本的な原因がハウスダストであれば、症状が改善するまでのあいだ、いわば原始的な方法でしのぐのもありだと思います。ご自宅に赤ちゃんがいらっしゃるのであれば、赤ちゃん用・大人用として使用することもできるでしょう。
基本的には鼻の奥のつまり用ではないようですが、アレルギー性鼻炎にもいいらしく、お風呂上がりが効果的だそう。つらい鼻づまりでお困りの方は、ためしにということで使ってみては?
結果&今回のまとめ
・エアコン、布団がとくに危険なので徹底的に掃除!
・根本的な症状が改善されるまでのあいだ別の方法でしのぐのもあり
ダニの駆除を目的としたハウスダウスト対策の結果、私の場合ですが、1~2週間ほどで鼻づまりが改善しはじめ、3~4週間もするとほとんど気にならないようになりました。
なにもしていなかったときは、まったく治る気配がなかったので、鼻炎の原因はやはり、ダニをふくむハウスダウストのせいだったのではないかと思っています。
冬の季節は天候もありますし、寒いので換気もしなくなりますから、家じゅうハウスダウストだらけになりがち。ふだんから掃除をしているつもりでも、ちょっとさがしてみれば、ホコリだらけの場所も出てくるかもしれません。
ダニはいたるところにいますし、ハウスダウストは思った以上に凶悪です。もしもホコリが原因と思われる鼻づまりでお困りなのであれば、ためしに家の掃除からはじめてみてはいかがでしょうか?
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