お酒に含まれる純アルコール量とカクテルのアルコール度数の計算方法

知っているか、ストロング系チューハイにはジントニックの2倍以上の純アルコールが含まれていることを……

ビール中瓶1本とテキーラ2杯のアルコール量は同じ。

このようなフレーズはどこかで聞いたことがあると思うのですが、こう聞くとお酒のイメージもあってか、多くの方がテキーラの方がアルコール量が多いと感じてしまうかもしれません。

しかし、そういった疑問を簡単に解決する計算式が実はあるのです。

これを知っておくと他のお酒のアルコール量も計算できるようになり、飲み過ぎていないかなどをチェックしたりすることもできるので、今回はお酒に含まれる純アルコール量の計算式と、併せてこれも知っておくと便利な、カクテルや割ったお酒などのアルコール度数の計算方法もご紹介しよう!

純アルコール量の計算式

日本の酒税法では、酒類は「アルコール分1度以上の飲料」と定義され、ビールやワインなどの醸造酒、ウイスキーやテキーラなどの蒸留酒、リキュールなどの混成酒といった、主に3つのものに分類することができます。

アルコールが入ったお酒を飲むことで私たちは、例えば食欲の増進、気分の高揚、リラックス効果などを得ることができるのですが、お酒の持つアルコールの強さはものによって異なるため、お酒の影響力は当然飲むお酒によっても変わってきます。

そこで、お酒の種類を問わず、お酒が私たちの体や精神に影響を及ぼす基準とされているものがあります。それが「純アルコール量」という、お酒に含まれるアルコールの分量をグラム単位で示したものです。

一般的に言われる適度な飲酒量は、男性・女性、お酒に強い・弱いもあるので一概には言えないのですが、目安として1日に純アルコール20gとされていて、純アルコールの分量は以下の計算式で求めることができます。

アルコール量の計算式

アルコール飲料の量(ml)×アルコール濃度(%)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(g)

ちなみにアルコール比重の0.8というのは、お酒に含まれているアルコールそのものであり、酒精とも呼ばれる化学成分「エタノール(エチルアルコール)」の比重が0.793なので、そこからきています。この数字は常に固定で計算します。

それでは早速、この計算式を使って色んなお酒の純アルコール量を割り出してみよう!

ビール、ワイン、日本酒などの醸造酒

まずはみんな大好きビールの純アルコール量から。

先程の計算式に一般的な度数5%のビール、中瓶1本(500ml)を当てはめてみると、以下のようになります。

アルコール飲料の量(500ml)×アルコール濃度(0.05)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(20g)

このように、ビールに含まれる純アルコール量は、中瓶1本、またはロング缶1本で20gということになるわけです。

ワイン

続いてワインの場合、ワインはものによってアルコール度数が変わりますが、間を取って度数を13%とすると、

アルコール飲料の量(750ml)×アルコール濃度(0.13)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(78g)

ボトル1本に含まれる純アルコール量は78gということになり、グラス1杯(ボトルの6分の1、125ml)で13g、2杯で26gとなります。

日本酒

そして日本酒の場合、アルコール度数は一般的な15%で計算すると、

アルコール飲料の量(720ml)×アルコール濃度(0.15)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(86.4g)

4合瓶1本(720ml)に含まれる純アルコール量は86.4gということになり、1合で21.6gということになります。

ウイスキー、テキーラ、焼酎などの蒸留酒

ウイスキーやブランデー、テキーラやラムといった蒸留酒も、ものによって容量やアルコール度数が変わりますが、一般的な700ml、40%で計算すると、

アルコール飲料の量(700ml)×アルコール濃度(0.40)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(224g)

ボトル1本に含まれる純アルコール量は224gとなり、グラス1杯(シングル30ml)で約9.6g、グラス2杯(ダブル60ml)で19.2gとなります。

焼酎

焼酎も同じくアルコール度数はものによるのですが、一般的な25%で計算すると、

アルコール飲料の量(720ml)×アルコール濃度(0.25)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(144g)

4合瓶1本(720ml)に含まれる純アルコール量は144gとなり、1合(180ml)で36g、グラス1杯45mlとすると、2杯の90mlで18gとなります。

ストロング系チューハイ

ここ数年で爆発的な人気が出たストロング系チューハイ。これは純アルコール量どうこうよりも、酒の残り方や気持ち良くない酔い方などから考えても、少なくとも上質な酒ではないものが多いことは確かで、私は危険なので手を出さない方がいいと注意喚起をしたりもしているのですが、一応これも計算してみると、

アルコール飲料の量(500ml)×アルコール濃度(0.09)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(36g)

度数9%のロング缶1本で純アルコール量は36gと、ビールの中瓶約2本分、ウイスキーやテキーラなどの蒸留酒3~4杯分に匹敵することがわかります。ちなみに350ml缶の純アルコール量は25.2gです。

酒は酔うために飲むものではなく、味わうもの。ストロング系チューハイは安いのでつい手に取ってしまうかもしれませんが、単純に美味しくないものも多いですし、純アルコール量の多さから考えてもやはり手を出さない方が無難でしょう。

それぞれのお酒の適量目安

さて、ここまでで大体のお酒に含まれている純アルコール量が出揃いましたが、これらを「節度ある適度な飲酒」量として、厚生労働省が示している20gに当てはめてみると、以下のようになります。

お酒の種類度数分量20g換算
ビール5%中瓶1本500ml
ワイン13%ボトル4分の1ちょっと約200ml
日本酒15%約1合180ml弱
ウイスキー40%ダブル1杯約60ml
焼酎25%約0.6合100ml
ストロング系チューハイ9%350ml缶8割280ml

ちょっと少ないと感じる方も多いかもしれませんが、自宅で飲む場合はこれくらいかこれ以下に抑え、外で飲む時には普段飲まない分今日はいいかな!というのが、私は一番いいような気がします。

それとストロング系チューハイ。このように一覧で見るとさらによくわかるのですが、他のお酒は分量を調節できる、または最初からちょうどいいのに対し、ストロング系チューハイは1缶開ければ飲み切らないといけなくなるため、缶を開けた時点で20gをオーバーしてしまうのです。そういうところもあまり良くない。

ちなみに厚生労働省によれば、純アルコール量の摂取が1日に60gを超えると多量飲酒者になるそうで、ストロング系チューハイのロングとショートを1本ずつ毎日飲めば、この基準はオーバーします。缶チューハイには気をつけよう。

カクテルのアルコール度数の計算式

お店でカクテルを作っていると、例えば「ジントニックのアルコール度数は何度なんですか?」といった質問をされることはよくあるのですが、実はこれにも計算式があり、どちらかというと純アルコール量の計算よりもこちらの方が実用的なので、併せてご紹介したいと思います。

基本となるカクテルや割り物のアルコール度数を計算する方法は以下の通り。

アルコール度数の計算式

アルコール飲料の度数(%)×総分量分の1+副材料の度数(%)×総分量分の1=アルコール度数

少しわかりにくいと思うので、こちらも実際にカクテルなどに当てはめて計算してみよう!

ロングカクテル、焼酎の水割りの場合

例えばジントニックをアルコール度数40%のジン30mlと、90mlのトニックウォーターで作るとすると、以下のようになります。

アルコール飲料の度数(ジン40%)×30/120(1/4)+副材料の度数(トニック0%)×90/120(3/4)=10%

このように、氷の解け具合を加味しなければ、1対3で作った総量120mlのジントニックのアルコール度数は10%ということになります。

ライムジュースを加えた場合

それではここに10mlのライムジュースを加えてみた場合はどうなるかと言うと、これも先程の計算式に副材料を足せばいいだけで、

アルコール飲料の度数(ジン40%)×30/130(3/13)+副材料の度数(トニック0%)×90/130(9/13)+副材料の度数(ライム0%)×10/130(1/13)=9.2%

と、このようにライムジュースが増えたことで、総量が10ml増えたジントニックのアルコール度数は9.2%となるわけです。

焼酎の水割り

焼酎の水割りの場合も同様で、アルコール度数25%の焼酎45mlと、割り用の水90mlの1対2で水割りを作った場合、計算式を省略すると、

焼酎(25%)×1/3+割り用の水(0%)×2/3=焼酎(8.3%)+水(0%)=8.3%

このように、総量が135mlの焼酎水割りのアルコール度数は8.3%となるわけです。計算はとても簡単だ!

ショートカクテルの場合

ショートカクテルの場合も計算式は同じですが、ショートカクテルはベースとなるスピリッツにリキュールなどが加わることも多いため、少しだけ計算がややこしくなります。ただ、それらも先ほどの計算式に当てはめてしまえばいいだけなので、実際にはそんなに難しいものでもありません。

それでは実際に、代表的なカクテルの例として「マティーニ」の度数を計算してみよう!

マティーニ

マティーニ

マティーニは言わずと知れたカクテルの王様で、通常はベースとなるジン50mlとドライ・ベルモット(フレーバードワイン)10mlで作られますが、ジンの度数を40%、ベルモットの度数を18%とすると、マティーニの度数は以下のようになります。

アルコール飲料の度数・ベース(ジン40%)×5/6+アルコール飲料の度数・その他(ベルモット18%)×1/6=ジン(33.3%)+ベルモット(3%)=36.3%

この通り、使用するものが全てアルコール飲料の場合も計算式は先ほどと一緒で、このレシピで作るとマティーニのアルコール度数は36.3%といういうことになります。王様と言われるだけあって強烈だ!

ストロベリーマティーニ

ストロベリーマティーニ

また、お酒ベース・お酒その他・副材料となる場合の例として、マティーニに少しアレンジを加えたストロベリーマティーニの場合も紹介するぞ。

アルコール度数40%のジン30ml、アルコール度数18%のベルモット5ml、フレッシュイチゴジュース25mlでストロベリーマティーニを作ったとすると、総量は60mlなので、

ベース(ジン40%)×3/6+その他(ベルモット18%)×1/12+副材料(イチゴジュース0%)×5/12=ジン(20%)+ベルモット(1.5%)+イチゴ(0%)=21.5%

と、このレシピで作ったストロベリーマティーニのアルコール度数は21.5%ということになるわけです!これでショートカクテルの複雑な計算も完璧だ!!

(応用編)カクテルの純アルコール量の計算方法

ここまでご覧になった皆さんは、もしかするとこう思われたかもしれません。

皆さん
皆さん

ストロング系チューハイよりも、ジントニックの方がアルコール度数高いんだね

わかります、私もそうくると思っていました。

しかし、この疑問の根本的な問題を解決する方法があるのです!そう、そんな時は、純アルコール量の計算とカクテルのアルコール度数の計算を組み合わせればいいのさ!

どういうことか、実際に計算してみましょう。

まずは先ほど計算して求めたジントニックの度数(120ml、10%)を、純アルコール量の計算式に当てはめてみます。すると、

アルコール飲料の量(120ml)×アルコール濃度(0.10)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(9.6g)

なんとジントニックの純アルコール量は9.6gと、ストロング系チューハイ350mlの25.2gと比べて明らかに量が少ないことが分かります。

皆さん
皆さん

それでも、度数が36%もあるマティーニだったら……

はい、これも計算してみましょう。マティーニ(60ml、36.3%)の場合は……

アルコール飲料の量(60ml)×アルコール濃度(0.363)×アルコール比重(0.8)=純アルコール量(17.424g)

この通り、マティーニの純アルコール量は17.4gと確かに多くはありますが、それでも尚ストロング系チューハイには及ばない!やはり缶チューハイを飲むならバーでカクテルを飲むべきだ!!

今回のまとめ

・お酒(ml)×濃度(%)×0.8=純アルコール量
・お酒(%)×総分量分の1+副材料(%)×総分量分の1=アルコール度数
・お酒の適量は1日20g

ちなみに60~70㎏の人のアルコール処理にかかる時間は、1時間で純アルコール約5gとされているので、自宅で晩酌をする際はそれも頭に入れておくと役に立つかもしれません。

外で飲む場合は、そんなことを考えていると酔いもさめてしまうかもしれませんが、そんな時は……もう1杯飲んでみるのもアリだ。

やたらと外飲みを推奨していますが、私はバーの広報活動員なので、これからも推奨していきたいと思います。外で飲むのはいいですよ、特にバーで飲む酒は美味い。

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