黄金のじゅうたんとして知られる仙石原のすすき草原。もちろんススキもそうでしたが、それよりも道がすごかった。
神奈川県箱根町にある仙石原は、一帯にすすきの草原が広がっていることで知られる、箱根で人気の観光スポットです。
秋になると穂が開き、黄金色に輝くすすきをひと目見ようと多くの観光客が訪れますが、私が箱根を訪れたのがちょうどそのシーズンだったので、ホテル到着後の空いた時間に、私一人で見にいってみることにしました。
それと先に言ってしまうと、ここを訪れる際は、履いていく靴に気をつけたほうがいいですよ。
今回の旅で宿泊した宿はこちら
→【森のレジデンス】箱根でバリアフリー対応の箱根ハイランドホテル宿泊記
道なき道を行く、仙石原のすすき草原
仙石原のすすき草原は、秋になるとすすきが黄金色に染まり、一帯は見渡す限りの金色の草原と化す、秋の箱根の観光名所。
開いた穂が風にたなびくその姿は「黄金のじゅうたん」とたとえられ、「かながわの景勝50選」や「かながわの花の名所100選」にも選ばれるほどの美しさを誇ります。
毎年3月にはその美しい景観を維持するために山焼きが行われ、9月下旬~11月下旬が見頃となっている人気の観光スポットです。
仙石原すすき草原への行き方は、箱根湯本から出ている桃源台行きのバスに乗って、「仙石高原」というバス停で降りれば到着です。
こちらは箱根ハイランドホテル前、桃源台行きの時刻表。今回は箱根ハイランドホテルに宿泊していたので、こちらからすすき草原を目指します。
平日でも1時間に4~5本はあるので、遅い時間でなければバスの時刻表を気にせずホテルから出てきても、待たされることなくすぐにバスが来てくれます。
ちなみに、時刻右上にPと記載されているのはポーラ美術館行きで、仙石高原のバス停には行かないので注意してください。
バスに揺られること十数分、仙石高原に到着です。
バス停を出たすぐ先がすすき草原の入り口となっています。訪れた時期は10月の上旬で、みごとにすすきの穂が開いていました。
すすき草原の中心は全長約700mの遊歩道となっていて、なだらかな傾斜のある丘のようになっています。
バスの中からは遊歩道をのぼっている人たちが見えたので、生い茂るすすきに囲まれた道を、早く歩いてみたいという欲がかき立てられました。
また、遊歩道の両サイドには灯ろうのような照明が設置されていて、あたりが暗くなってくると明かりがともるそうです。灯ろうの穏やかな照明と、月明かりに照らされたすすき草原も、これはまた美しいことでしょう。
すっかりと色づいたすすきを見ながらそんなことを考え、私は遊歩道を順調にのぼっていきます。すると……
なにやら怪しい気配が漂い始めます。
地面の土がむき出しになっている部分や、ゴツゴツした大きな岩もころがっていて、徐々に道が険しくなってきました。
さらに進むと、歩ける範囲も狭まってきます。
そう簡単に黄金のじゅうたんを見渡せるとは思うなよ、という仙石原の大いなる意志なのか、それとも遊歩道の整備が大人の事情でされていないだけなのかはわかりませんが、この程度の険しい道のりなら何度でも乗り越えてみせようとばかりに、私はさらに歩を進めていくと……
…………!?
いったいこれはなんなのか……?
いったいこれはどういうことなのか!? もはや道と呼んでいいものなのかもわからない、立ちはだかる険しさを極めた遊歩道!
しかし、すすき草原の絶景を目の前にしてこんなところで退くわけにはいきません。
いばらの道を越えた先には、きっとすばらしい景色が広がっているはず。そう信じて突き進むこと数分、
丘の上から草原を見下ろすと、黄金のじゅうたんが姿を現しました!
このまますすき草原の終点まで進んでいこうとしていたのですが、遊歩道を7~8割がた進んだところで無情にもタイムアップ。ホテルに戻らなければならない時間になってしまいました。
ここからは来た道を引き返していきます。
なんだかんだで、
遊歩道の前半(道が険しくなる前)のほうが、じゅうたんのような景色が広がっていましたが、まぁそれはいいでしょう。
箱根湯本方面に戻るには、仙石高原へ来たときのバス停とは反対側に青い待合所があり、そこが帰りのバス停となっています。
こちらは仙石高原から小田原行きのバス時刻表。
平日でも昼~夕方ごろは1時間に4本はあります。ホテルに戻り、温泉で足腰の疲れを癒やしたいところです。
私は、足の裏と膝にけっこうきました……。
遊歩道の終点と今回のまとめ
・遊歩道が激しいので歩きやすい靴を履いていこう(2018年10月時点)
・道が険しくなる前でも黄金のじゅうたんはバッチリ見られます
今回は残念ながら遊歩道の終点までは行くことができなかったのですが、遊歩道をいちばん奥まで進んでいくと「遊歩道の終点」という看板があるそうで、当然そこまで行ったあとは来た道を戻ることになるのですが、いちおう地図上にはその先も道が存在しています。
この謎の道はどうも、すすき草原の遊歩道にはかつて強羅や大涌谷方面へ抜ける道路を開発する計画があり、なんらかの理由によってその計画が中止になったことで生まれた道である、とする噂を目にしました。
開発工事が中止となったことで遊歩道は険しい状態のままなのか、それとも、遊歩道をきれいに整備してしまうと、立ち入り禁止エリア、つまり道路整備が中止となった終点の先に人が勝手に入っていってしまうかもしれないからなのか、詳しい事情はよくわかりませんが、遊歩道の険しさにはなにかしらの理由があるのかもしれません。
どうやら真の道なき道は、「終点の先」にあったようです。
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