ウォーカーヒルカジノではボロ負けし、帰りのタクシーではぼったくられる。
初日から最悪のすべりだしとなった韓国カジノ旅行2nd。
しかしこのままというわけにもいかず、私は結局、セブンラックカジノにもどることにしたのです。
やばい、これ「即死」あるぞ……。
そして立たされる絶体絶命の窮地。
はたして私に「ラック」はあるのか? そこで編み出した「起死回生の策」とは?
韓国カジノ旅行1日目は、死闘の後半戦に突入です!
韓国カジノ旅行2nd(1日目・後編)
せめてまともな夕食を……。
私はここまで、「食」にありつくためにカジノで戦ってきました。
入れそうなレストランがなく、もうカジノくらいしかなかったからです。
それが最後は結局コンビニメシじゃあ、締まりもあったものではありません。
絶対にうまいメシを食ってやる
こうなったらもう意地です。
私はレストランで食事をするため、ふたたびセブンラックカジノを目指すことにしました。
しかしそのまえに、日本円をウォンに両替しなければなりません。
カジノの両替所は、一般的にレートがあまりよくないです。
すこしでも多くの軍資金を得るには、さきにあそこを経由する必要がありました。
そう、明洞にある、24時間営業の(両替もできる)セブンイレブンです。
ここで私は、のこりすべての所持金である20万円を両替。約210万ウォンをゲットします。
移動のためのタクシー代が痛かったのですが、これはもうしかたがありません。
全財産を握りしめ、そのまま私は、セブンラックカジノに突撃をかましました。
死闘!セブンラックカジノ
さて、これからどうするか……
セブンラックカジノに到着した私は、まずはどうするかを考え、テーブルゲームのエリアをうろついていました。
稼働しているテーブルは、ブラックジャックは2台、バカラは3台くらい……。
ふと、キャッシャー(交換所)が目に入ります。
そういえば、いまさらだけど、セブンラックの両替レートってどれくらいだったんだ?
これが気になり、勝負のまえに聞いてみることにします。
すると、なんと両替レートは、セブンイレブン明洞店とほぼ変わらなかったことが判明。
マジか、しくったなあ……
タクシー代だけムダにしたようなものでした。
「暗雲立ち込める」とはまさにこのこと。すべてがかみ合わず、もはやイヤな予感しかしません。
落ち着け、メンタルで負けるな。闘志だけは失うな……!
私はなえそうになる気持ちを奮い立たせ、ブラックジャックで勝負をかけることにします。
これまでもBJでは救われてきました。
基本戦略を忠実に守れば、バカラよりも勝率は高いはず!
しかし、ゲームの展開は、ウォーカーヒルでのそれとほぼおなじ。
ディーラーに配られるカードが強すぎて、ほぼほぼストレート負けを喫していくだけでした。
ミニマムベットの5万ウォン(約4500円)がきつい……。
ましてBJはカードを引いての「バースト」、つまり自滅があるので、所持金がすくない勝負はよりキツイものに感じられました。
ダメだこれ、このままやったら終わるわ
所持金を150万ウォンほどにまで減らし、私はバカラに運命をたくすことにしたのです。
バカラがトドメを刺しに来ていた
バカラの場合、BJとはちがってバーストはない安心感のようなものがあります。
ただそのせいか、1ゲームに賭ける金額が高くなってしまうのがミソで、トドメを刺しにくるのもバカラと相場が決まっています。
コツコツ、ドカン。コツコツ、ドカンドカン。
ミニマムベットで勝って、より大きく勝とうとした勝負では負ける。
これがつづくとどうなるか?
所持金はジワジワと削られていくわけで、ついに私の手持ちは、約50万ウォンにまで減ってしまっていました。
まだ旅行は初日で、夕食すら食べていないというのに!
落ち着け……。メンタルで負けるな……。
闘志だけは……
いや、これもうムリか……?
- ウォーカーヒルで-約250万ウォン
- セブンラックでは-約160万ウォン
この時点での負けは、合計でマイナス約410万ウォン(約37万円)。
対して手持ちは、わずかにのこった50万ウォン(約4万5000円)+端数だけです。
ここから負けを取り返すのがどれだけきびしいかというと、
パチスロで4万以上負けている状態で、すでに夜9時30分だというのに、まだ現金投資をしている
これくらい。
最初の1発が奇跡的になんとかならないかぎり、“95割”はそのまま負けてジ・エンドです。
負ける。負ける未来しか見えない……。
私はもう泣きそうでした。
なんだこれはと。まだなんにもしていないのに、どうしてこんなことになっているんだ。
やっぱり、韓国になんて来るべきじゃなかったのか……?
勝機を見いだせ!バカラ起死回生の策
まだ勝負は、おわったわけじゃないだろう
これまでも、似たような絶体絶命のピンチにおちいったとき、そこから生還をはたしてきました。
とくにカジノは、現実的な確率で「一発逆転」が起こりえます。
だったら、もうそれに賭けるしかありません。
そこで私は、この危機を乗り越えるため、起死回生の策を立てることにしたのです。
- 50万ウォンをはって勝つ(+50万ウォンで手持ちは100万ウォン)
- 100万ウォンをはって勝つ(+100万ウォンで手持ちは200万ウォン)
- 200万ウォンをはって勝つ(手持ちは400万ウォンでプラマイゼロ)
名づけて「超倍プッシュ作戦」。
バカラは基本的に、勝てば賭けた額と同額が得られます。
3連続勝利は、約8分の1(約12.5%)ですが、もうこれに賭けるしかありません。
もしも1発でもしくじれば、それでおわり。
でも、ここまで追い込まれた状況では、こうする以外に挽回する方法はないように思われました。
結局のところカジノに必勝法なんてなく、理論上でいえば、よりすくないゲームで勝負をつけるのが(控除率的にも)いちばんいいからです。
やるしかない……
もうあとはありません。
座っていたテーブルは、BANKERが連続する傾向にありました。
だからこそ、PLAYERにばかり賭けていた私は負けていたのですが、それなら勝負はBANKERです。
つぎにBANKERがきたら、そこをツラぬく。
私はBANKER連がはじまる好機を待ちました。
そして始まるBANKER連
きた。
勝負のタイミング(BANKERウィン)は、すぐにおとずれました。
このとき、バカラのテーブルは中国人旅行客でほぼ満席。
私が大きくはったほうはよく外れるので、私の動きを見ると、中国人客はPLAYERにベットしていきます。
逆張り。決死の覚悟がぐらつく。
負けたらその瞬間にすべてはおわりです。待っているのは、破産、破滅、爆死……。
いや、まどわされるな……
私は恐怖心から目をそむけ、じっと、ベットが締め切られるのを待ちました。
「チン!」
ノーモアベット
この「チン!」ベルは、天使が吹く笛の音か、悪魔があげる笑い声か。
初戦、
ここは、ナチュラル「8」でBANKERウィン!
カードがオープンされる順番が「PLAYER→BANKER」なので、PLAYERにいい数字がでたら、と心臓にわるい。
つづく2戦目、私の血走った形相でのBANKERベットに、中国人は観戦を決め込んだようです。
PLAYERへのベットがなければ、さきにBANKERを絞れます。
多少は気も楽になるというもので、ここでは、なんとか2連勝をもぎとることができました。
そして運命の3戦目、全額ベットの200万ウォン(約18万円)オーバーです。
ここは、なんとしてでも決めなければなりません。
50%を突破できれば生還、できれなければ終了の「真・デッドオアアライブ」。
まじで、たのむ……!
50%を2回突破できただけでも……じゃなく、この3回目を突破できなければ意味はないのです!
中国人客がかたずを飲んで見守るなか、私は全チップをBANKERへ。
なかには私を応援してくれる人もあらわれ、BANKERへのベットも増えはじめました。
たのむ、BANKERきてくれ……。
たのむ……!
おねがいします……!!!
しかしここは、BANKER「6」ウィンで、勝ちは勝ちだけれども(勝ち額が)半分に!!
3連勝はできたとはいえ、この勝負では+約100万ウォンと、まだプラマイゼロには届きません。
つまり、私は「もう1回」勝たなければならなくなってしまったのです!
積もう、ヒジの高さまで
ここまでの勝負、超倍プッシュ作戦が成功し、所持金は300万ウォン以上にまで回復していました。
ここまでもどれば上出来。
そう考えることもできたかもしれません。
しかし私のなかで、この勝負を負けでおわらせる気は、どこかへ吹き飛んでしまっていました。
つぎはどうするんだい? 兄ちゃん!
私の動きを待つ中国人プレイヤーたち。
どうも彼らは、比較的すくない額で遊ぶのを目的としていたようです。
そこに突然あらわれた、ぶっ飛んだ賭け方をしている私は、最高のツマミになっているようでもありました。
ならば……
積もう、ヒジの高さまで……!
私は手もとにあった大量の1万ウォンを(10万チップに)重ね、100万ウォンを超える金額をPLAYERにベット。
その光景は、チップでつくられたタワー以外のなにものでもありませんでした。
もうBANKER「6」で(勝ちは)半分とかはこりごりだ。
これでフィニッシュだと、ベット先をPLAYERに変更し、勝負を決めにいきます。
……が、これは成らず!
テーブルにうず高く積まれたチップは、無惨にもディーラーに回収されていきます。
負けてもまだセーフという心の余裕がそうしたのか?
ついに連勝はここでストップし、勝負は、またしても「デッドオアアライブ」へ……!
バカラ全額ベットの運命やいかに
生きるか死ぬかの感覚がマヒしてきている。
ようやくまともな勝負になってきたことに、私は、よろこびを感じていたのかもしれません。
もう、このまま行こう
私はつぎのゲームで、PLAYERに全額ベット(正確には225万ウォン/約20万円)を即断していました。
ノーモアベット
バカラのテーブルにひびく「チン!」の音。
BANKERにベットする人はおらず、視線は、PLAYERのカードに集中します。
私の手もとに、2枚のカードがスライディングしてきました。
ここですべてをおわらせる。
1枚目、そして2枚目と、私は渾身の絞りを炸裂させます。
……しかし、
ここでそううまくナチュラルとはいかず、PLAYERの合計は微妙な「4」。
運がよかったのは、BANKERも微妙な「3」と、勝負は3枚目にもつれこんだことでした。
心臓にわるすぎる……
ここにきて、負けたらおわりのリアルが頭をもたげ、私に襲いかかってきます。
ディーラーが最後の1枚をこちらへ。
手に汗をにぎりながら、私はその3枚目のカードを、一気に横からしぼりました。
ツーサイドこい、ツーサイドこい。
そう、ひたすら強く、念じながら……!!
……。
…………。
……は?
スリーサイド。
ちょっと待て、スリーサイドってことは……。
おい、おいおい待ってくれ、それはやめてくれ……。
それだけは、絶対に、あってはならな……
あああ……やっちまった!!
PLAYERの合計は、まさかの、最弱のゼロだ……!!???
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