【漂白剤】キッチンハイター、ブリーチで消毒液を作る際は注意が必要

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不足する消毒液の代用品として利用できる漂白剤。しかし、漂白剤を消毒に使用する際は多くの注意が必要となります。

まな板の漂白やグラスなどに付着した取れない汚れの除去など、キッチン周りで大活躍する漂白剤。主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」には殺菌作用があるため、2020年現在流行している新型コロナウイルスに対して、不足する消毒液の代用品としても使用することができます。

しかし、この次亜塩素酸ナトリウムは使い方がやや難しく、場合によっては危険を伴うものなので、取扱いには注意が必要となるのです。

今回は、そんな「諸刃の剣」とも言える漂白剤の使い方について確認しておきたい。

目次

次亜塩素酸ナトリウム(ソーダ)

次亜塩素酸ナトリウム(または次亜塩素酸ソーダ)とは、殺菌や漂白に効果を発揮する塩素系の消毒剤の一種で、身近なところでは水道やプール、キッチンハイターやブリーチといった家庭用の漂白剤などに利用されています。

殺菌の効果は、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、サルモネラ菌、大腸菌など、様々なウイルス・細菌に有効であることが確認され、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて家庭用の漂白剤を用いた消毒方法などを公開。

食器、手すり、ドアノブなどの身近な「物」に関しては、

  • 80℃の熱水に10分間さらす(食器、漂白剤不使用)
  • 濃度を0.05%に薄めた上で拭く(身近な物、漂白剤使用)

これらの方法での消毒がアルコールを用いた消毒よりも有効であるとし、家庭用の漂白剤を用いた「次亜塩素酸ナトリウム液」の作り方も併せて公開しています。

次亜塩素酸ナトリウム液の作り方

次亜塩素酸ナトリウム液とは、要するにキッチンハイターやブリーチを水で薄めた希釈液のことで、商品によって次亜塩素酸ナトリウムの濃度が異なるため、厚生労働省では一例として3社のメーカーの漂白剤と薄め方を公開。

0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方は以下の通りとなっています。

メーカー商品名作り方
花王ハイター/キッチンハイター水1Lに本商品25mL(商品付属のキャップ1杯)
カネヨ石鹸カネヨブリーチ/カネヨキッチンブリーチ水1Lに本商品10mL(商品付属のキャップ1/2杯)
ミツエイブリーチ/キッチンブリーチ水1Lに本商品10mL(商品付属のキャップ1/2杯)

また、使用するにあたって、そしてこの表に記載されていないものに関しては、商品パッケージやHPの説明を確認して下さいとしています。

このように、次亜塩素酸ナトリウム液はとても簡単に作ることができるのですが、実は諸刃の剣となり得るこの溶液の問題はその先、実際に使用するには多くの注意点があるというところにあります。

漂白剤消毒液を使用する上での注意点

漂白剤1本の値段も安く、消毒用の液体も作りやすく、殺菌効果も高い次亜塩素酸ナトリウム液ですが、少し使い方を間違えると逆に健康被害を招いてしまうこともあり、特に感染者が最も多いアメリカでは、この漂白剤を用いた消毒でトラブルが多発しているといいます。

そこで、漂白剤で作る消毒液を実際に使用する前に注意すべき点を、キッチンハイターを販売する花王や、厚労省がHPで公開している注意点を中心に確認していこう。

1. ゴム手袋着用必須

漂白剤をよく使う方であればご存知だと思うのですが、漂白剤に直接手を触れると、触れた指先などがヌルヌルし、水で洗っても暫くヌルヌルが取れないような状態になってしまいます。

これは、漂白剤がヌルヌルしている液体だからではありません。アルカリ性の強い漂白剤に直接触れたことで、私たちの皮膚が溶けているからなのです。

これは希釈すれば大丈夫というものではありません。よって、次亜塩素酸ナトリウム液を用いて物の消毒をする際はゴム手袋の着用は必須となります。

2. 手指消毒には使用できない

また、原液はアルカリ性の強さから皮膚が溶けるものなので、希釈液でも皮膚を傷める恐れがあり、次亜塩素酸ナトリウム液を手指の消毒に使用することはできません。皮膚についた場合はすぐに水で洗い流す必要があります。

3. 目に入ると失明の恐れ

漂白剤が目に入ると失明の恐れがあり、これは希釈したものでもその可能性があります。希釈液を使用する際は液体が目に入らないように十分に注意し、万が一目に入った場合は流水で15分以上洗い流し、直後に必ず眼科を受診することとしています。

4. スプレーボトルに入れない

漂白剤を薄めた希釈液をスプレーボトルに入れて使用すると、スプレーした際に霧状の液体を吸い込むことで呼吸器に異常をきたしたり、スプレーの劣化による液だれや、思わぬ方向に液が噴射して目に入ってしまうこともあるため、次亜塩素酸ナトリウム液はスプレーボトルでの使用は厳禁としています。

5. 混ぜるな危険

次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤は、トイレ用洗剤などの酸性タイプの製品と混ざると毒性の強い塩素ガスが発生し、過去には死亡事故も起きています。漂白剤を使用する際は他の洗剤と混ざらないように注意し、その他にも食酢、生ゴミ、アルコールなどとも混ざらないように注意する必要があります。

アメリカでは食品を食べる前に消毒しようと、シンクに漂白剤とお酢、お湯を入れて果物や野菜を浸しておいた成人女性が、程なくして塩素臭を感じ、呼吸困難、咳、息切れを起こして救急搬送されています。

6. 換気する

漂白剤を使用していると塩素の臭いがしてきますが、これは人体にとって決していいものではないため、薄めた溶液でも使用中は換気をして使用する必要があります。

中国では希釈の割合をよく把握せず、換気もしないで自宅の消毒を行っていた2人の女性が、高濃度の漂白剤による化学物質を吸い込み続けたことで「アレルギー性肺胞炎」という病気になったと報じられました。

彼女らはその後、医師の指示により消毒に使用する物を漂白剤からアルコール製品に変えたところ、すぐに治療効果が出たと言い、2~3日後には肺の異常はほとんど消えていたそうです。

7. 希釈液を保管しない

漂白剤を薄めて作った次亜塩素酸ナトリウム液は、時間と共に消毒力(有効塩素濃度)が低下(分解)していくため、効果は長続きしません。よって、基本的には必要な分だけを作って使用しなければなりません。

有効塩素濃度は温度が高いと分解が早くなるため、もし保管する場合は冷暗所で、数日以内に使い切る必要があります。

ちなみに、これは金魚などのお魚を飼育している方であればよく分かる思うのですが、水道水に残った塩素(残留塩素)はお魚にとっては良くないため、水を日光に当てたり、水を数日間汲んだバケツの中に置いておいたりすれば「カルキ抜き」ができるのと大体一緒のことです。

8. 二度拭き必須

そして最後に、金属製品、繊維製品、木工製品などに次亜塩素酸ナトリウム液を使用すると腐食や変色する場合もあるため、溶液を使って拭いた後は、水拭きまたはアルコールで二度拭きをする必要があります。

今回のまとめ

・漂白剤を水で希釈したものが次亜塩素酸ナトリウム液
・身の回りの「物」には有効、しかし手指の消毒は不可
・漂白剤は使用する際の注意点が多い

厚生労働省は身の回りの物に関しては、殺菌・消毒作用があるアルコール消毒液よりも漂白剤の方が有効としていますが、消毒液よりも安価ということもあり、次亜塩素酸ナトリウム液は使用するリスクが高いとも言えます。

なので、こちらも厚労省が消毒液の代用品としての使用を認め、手指や物の消毒もでき、度数によってはボトルからそのままの使用も可能。そして、香りを嗅いでも、飲んでも大丈夫な、高濃度エタノール製品(スピリッツ)を使用した方が安全だと私は思います。

スピリッツも消毒液不足によって品薄状態が続いてはいますが、それはまだ入手できる程度。多少割高にはなってしまいますが、私たちの安全には変えられないでしょう。やはり消毒液の代用品には高アルコール濃度のスピリッツを私はお勧めしたい。

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