身近に消毒液がなければアルコール濃度の高いスピリッツで代用可能!?

飲めたものではないと虐げられてきた者達。彼らの真価がついに発揮される時が、彼らが人類を救う時がきたのだ……

2020年、新型コロナウイルスというパンデミックレベルのウイルスが拡散され、ドアノブやエレベーターのボタン、テーブルなどに付着したウイルスが接触感染の原因となってしまう恐れがあることから、消毒用のエタノール(アルコール)が完売。入手が不可能という状況になってしまいました。

見えないウイルスという存在から身を守れるものがない。不安が募るばかりです。

しかし、身近に消毒液がなかったとしても、消毒液の代わりとしてウイルスを撃退できる可能性がある最終兵器が存在するのです。それすらも既に入手できなくなっているかもしれないが……

酒が消毒液の代わりになる可能性

そもそもの話、消毒液とは何なのかと言うと、エタノール、もしくはエタノールとその他のアルコールを水で希釈した消毒用アルコールのことを言います。

エタノールとはアルコールの一種であり、お酒にも含まれている、酒を酒たらしめる化学成分のこと。つまり、消毒液に含まれているアルコールの成分(エタノール)は、実はお酒に含まれているアルコールの成分と一緒なのです。

それがどれくらい一緒なのかと言うと、消毒液の中には酒税がかかるものもあるほど。

そして、なぜ消毒液にエタノールが利用されているのかというと、エタノールにはウイルスなどに効く高い殺菌作用があるからです。日本では厚生労働省が定めた「日本薬局方」という基準により、消毒液のアルコール濃度は最も殺菌効果が高いと考えられる76.9~81.4%の間で調整されています。

そこで、これらのこと、消毒液とお酒に含まれているアルコール成分が同じものであるという事実から考えるに、以下のような可能性が出てきます。

「アルコール濃度を調整すれば、酒を消毒液の代わりとして使用できるのではないか」

恐らく検査などは行われていないと思うので効果は定かではないのですが、理論上はお酒に含まれるアルコール(エタノール)にも殺菌作用はあり、消毒液の代用品となる可能性はあると思われます。

事実、この件に関しては、エタノールなどの普及・研究等に従事する一般社団法人アルコール協会が「一定の消毒効果は見込めるが、推奨はできない」という旨の回答をしています。

そう、飲めたものじゃないと虐げられてきた高濃度のスピリッツたち。彼らが日の目を見る時が、本当の意味で火を噴く時が、ついに訪れたのだ……

火を噴く!高濃度のスピリッツたち

高濃度のスピリッツには様々なものがあるのですが、スピリッツはその製法上、味をつけるために色々なものが添加されていることも多く、ものによってはスピリッツに含まれる糖分などが拭いた箇所でベタ付いてしまう可能性もあります。

よって、消毒液として代用するのであれば、無味無臭のウォッカが最適と思われます。

そこで、ここからは割と手に入りやすく、アルコール濃度も高いウォッカに厳選して、いくつかのスピリッツをご紹介したい。

1.スピリタス(96度)

スピリタスは言わずと知れた世界最強のスピリッツ。原産国はポーランドで、アルコール度数は破格の96度を誇ります。

その製法は穀物を原料に蒸留を重ねることなんと70回以上。極限まで高められたアルコール度数は水とアルコールの混合物の限界値に達しました。

私も間違ってストレートで飲んだ(いや、飲まされた)ことがあるのですが、その強烈さは暫くの間唾液が止まらなくなるという異常事態が起きるほど。

消毒液の代用として使用する場合は、スピリタス4:水1で76.8%の液体ができるので、少し細かいですがスピリタス82ml:水18mlで消毒液推奨濃度の78.72%の液体が100mlできることになります。

2.バルカンウォッカ(88度)

スピリタスの知名度によって隠され、あまり知られていないのですが、世界ナンバー2のアルコール度数を誇るウォッカがブルガリア産のバルカンウォッカ。

バルカンウォッカはブルガリアの良質な大麦を原料に3回連続蒸留で造られるプレミアムウォッカで、蒸留後は同じく国内で作られた白樺の活性炭で濾過。その後、88度にアルコール度数を調整してボトリングされる、良質な麦の旨味を味わえるウォッカです。

しかしながら、そこまでメジャーではないこともあってか、市場に出回っている流通量は少ないように思います。

消毒液の代用として使用する場合は、バルカンウォッカ9:水1でアルコール度数79.2%の液体ができるので、バルカンウォッカ90ml:水10mlで、79.2%の液体が100mlできることになります。

3.ドーバー スピリッツ88(88度)

世界ナンバー2のアルコール度数を誇るウォッカ、バルカンウォッカと度数は同じながらも、さらに知られていないのがこのドーバースピリッツ88。

ドーバー(Dover)は日本唯一の製菓業界向け洋酒メーカーであり、世界から洋酒の直輸入を行う一方で、日本国内でも洋酒の製造を行っているメーカーです。

国産洋酒では抹茶や紫蘇などを使用した「和酒シリーズ」でも知られ、輸入洋酒ではオレンジリキュールの最高峰「グランマルニエ」や、マラスキーノ(さくらんぼ)リキュールと言えばこれ、「ルクサルド」を扱っていることでも知られています。

そして、このドーバーが国内で製造しているのが同着ナンバー2のアルコール度数を誇るウォッカ、ドーバースピリッツ88なのです。原料はワイン等のフルーツ系洋酒の原酒を利用して造られているため、少し変わったウォッカでもあります。

消毒液の代用として使用する場合は、バルカンウォッカと同じく、ドーバースピリッツ9:水1でアルコール度数79.2%の液体ができるので、ドーバースピリッツ90ml:水10mlで、79.2%の液体が100mlできることになります。

アルコール度数が低くても消毒効果はある!?

日本では消毒用エタノールのアルコール濃度は76.9~81.4%と定められているため、それ以下では消毒効果はないように思われがちですが、実は60~80%のアルコール製剤には殺菌効果があることが判明していて、手指衛生に関しては、WHOは75%のイソプロパノール(アルコールの一種)または80%のエタノール製剤を推奨しています。

また、一部の専門家の意見では、

70%エタノールがもっとも強い殺菌・消毒力をもつと言われてきましたが, 現在では60~95%の濃度範囲であればその殺菌・消毒力にはほとんど差がないと言われています。消毒用アルコールの濃度について

という、そこまで高濃度のアルコールでなくても殺菌効果はあるというものや、

エタノールの最適除菌濃度は70~80重量%で、80重量%以上になると逆に除菌力が低下します。食洗協-エタノールの除菌効果

といった、アルコール濃度が70%台が殺菌として使用するには最適という意見もあり、無闇やたらと高濃度の消毒液にこだわる必要は実はないのかもしれません。

よって、WHOの推奨を含めたこれらの意見を総合すると、一先ずは75度のアルコール濃度があれば殺菌効果は発揮されると思われるので、例えばアルコール度数が75.5度の「ロンリコ151」や、

同じく75.5度の「バカルディ151」などでも殺菌の効果はあるのかもしれません。

しかしながら、前述の通りこれらはラムなので、原料となるサトウキビの糖分がベタ付かないかが気になるところ。やはり消毒液の代用として使うのであれば、ウォッカが一番良さそうだ。

今回のまとめ

・高濃度のスピリッツが消毒液の代わりになる可能性はある
・アルコール度数が低くても消毒できる可能性もある
・代用品としては恐らくウォッカが一番いいと思われる

かつて錬金術師によって偶然生み出されたその液体は、燃えるように熱く、人の魂、精神、肉体をも目覚めさせる不老長寿の霊薬として信じられてきました。それ故、蒸留酒は「スピリッツ(Spirits)」と名付けられたとも考えられています。

本来は消毒の用途に使うものではないですが、ウイルスを駆除し、人類を救うために使用されるのであれば、スピリッツを生み出した錬金術師たちも怒らないだろう。

人類に仇なすウイルスを撃退し、不老長寿を目指せ。

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