ブログの一部(サブディレクトリで運営)を「サブドメイン」に変更することがありました。
この記事では、そのときにおこなった作業の全手順をのこしておきます。
- サブドメインを利用してブログの一部を特化サイト化させる方法
この記事でお話しするのは、ようは「サブドメインを利用して特化サイトをつくる」方法です
私の場合、わけあってサブディレクトリ化していた特化サイトを、サブドメインに移行させました。
しかしやった作業は、通常のブログからサブドメインで特化サイトをつくる方法とほぼ変わりません。
元サイトがなんであれ、やることはおなじです。
- ブログのいちカテゴリーを(サブドメインで)特化サイトにしたい
というときも使えるので、ぜひ参考にしてください。
ミナト
ブログ歴7年目の兼業ブロガー。月間PVは最高11万、ブログ収益は月20万円を達成。ブログで夢を叶えるのを目標に日々まい進中。ひとりでも多くの「うだつの上がらない生活から抜け出したい」と思う方のお役に立ちたいと思っています。>> プロフィール詳細はこちら
ブログをサブドメインにしたくなった理由
はじめに、今回の作業(サブディレクトリ→サブドメイン)をしたくなった理由からお話しします。
私はもともと雑記ブログを運営していました
そのなかのいちカテゴリーを独立させて、特化サイトにしたくなったときがあったんですね。
それで最初に選んだのが「サブディレクトリ」でした。
はじめは、サブディレクトリのほうがやりたいことに合っていると思ったからです。
しかしいくつかの問題があったんだ
まずサブディレクトリでは、検索結果に独自の「サイト名・ファビコン」は表示されません。
表示されるのはメインサイトのもので、使い分けはできなくなっています。ポジション的には「雑記ブログの一部」です(私の場合)。
特化サイトとして検索結果に表示させたかったのに、それができなかったのは正直誤算でした。
また、この「雑記ブログの一部」という位置づけも、考えてみるとちがうように思えてきました
サブドメイン・サブディレクトリを選ぶ基準は、一般的に以下のようにいわれています。
メインサイトとテーマが大きく異なる場合はサブドメイン、メインサイトとテーマが近い場合はサブディレクトリ
たとえば、ガジェット系ブログの「マクリン」は、サブディレクトリの使い方がうまいと感じます。
基本ガジェットで統一されたブログの、一部カテゴリーだけをサブディレクトリで特化サイトにして、
- マクリンピーシー/マクリンネット
と、サイトのブランドを使いつつ独立させているので、サイト名やファビコンもメインのものでよくなっています。
一方で、雑記ブログからカテゴリーを独立させて新サイトをつくりたい場合はどうか。
雑記ブログの一部ではなくて、独立した「新サイト」にしたいんだよなあ
それならサブディレクトリよりもサブドメインのほうが運用しやすくなってきます。
サブドメインなら、新しいサイト名・ファビコンで、「関連性のある別サイト」としてやっていけるからです。
「雑記ブログの一部をサブディレクトリ」では、結局そのサイトも雑記ブログの仲間になってしまう気がしました。
サブドメインは、ヤフー(メインは検索)もうまく使っています
- https://shopping.yahoo.co.jp/(ヤフーショッピング)
- https://travel.yahoo.co.jp/(ヤフートラベル)
- https://transit.yahoo.co.jp/(ヤフー路線情報)
ブランドをのこしつつ、異なるサービスはサブドメインでサイトを分けているわけですね。
このように話のジャンルが全然ちがうなら、サブドメインのほうが適している場合があります。
私がやりたかったのは、「雑記ブログの一部」ではなく、独立した特化サイトをつくることでした。
そうした理由から私は、いちどはサブディレクトリにしたサイトを、サブドメインに変更することにしたのです。
サブドメインで新サイトをつくる全手順
ではここからが本題の、ブログの一部(※)をサブドメインに変更する全手順です。
作業でやったことをのこしておきます。
なお冒頭のとおりで、これは「ブログのいちカテゴリーをサブドメインで特化サイトにする方法」でもあるぞ
元サイトが、
- メインブログでも、サブディレクトリサイトでも
やることは変わりません。
今回私がやったのは以下のものですが、
- abc.com/def(サブディレクトリ)→ def.abc.com(サブドメイン)
つぎのように、ふつうにブログのいちカテゴリーを独立させても結果はおなじです。
- abc.com(ブログ)→ def.abc.com(サブドメインで特化サイト)
以降は、移行前のサイトは「元サイト」とよぶことにします
またこの作業は、以下のブログの一部をサブディレクトリ化させた作業と似た部分も多いです。
必要に応じてこちらも見てみてください。
1. レンタルサーバーでサブドメインを作成
作業開始です。まずはレンタルサーバーでサブドメインを作成していきます。
私が使っているロリポップでは、以下の手順でサブドメインを作成できます。
ロリポップの管理画面から「サブドメイン設定」へと進みます。
サブドメイン設定画面のいちばん下「新規作成」をクリックします。
サブドメインの赤枠に任意の文字列を入れます。
後ろのタブはサブドメインをつくりたいドメインを選んでください。
公開フォルダにサブドメイン用とわかる名前をつけたら、最後に「作成」を押せばOKです。
サブドメインの作成はこれでOKだな
それができたら、そのままWordPressのインストールもしてしまいます。
ロリポップの場合は以下のとおりで、
- サイトURLには、さきほどつくったサブドメイン
- 利用データベースは、メインのドメインでつかっているもの
これらをタブから選択し、そのままWordPressをインストールしてしまいましょう。
WPのインストール方法を忘れた方はこちら
2. URLの統一作業をする
サブドメインでの新サイトができたら、URLの統一作業をしておきます。
初期状態では、「http・https」の2つにアクセスできるので、それらを統一していきます。
ちなみにサブドメインには「www」はありません
「www」のかわりに任意の文字列が入っている感じです。(例:www.abc.com → def.abc.com)
以下のようなURLはもともと存在しないため、
- ×:https://www.def.abc.com
URLの統一作業も、「www」のものは不要です。
「.htaccess」には、つぎのものだけを書き込んでおけばOKです。
RewriteEngine On
# httpをhttpsに統一
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
URLの統一作業の解説はこちら
3. SPFレコードを設定する
ロリポップの場合、SPFレコードを設定しないと、Gmailを受信できなくなってしまったりします。
サブドメインはSPFレコードの設定がべつに必要なので、これもしておきます。
設定方法は以下のとおりで、
- サブドメイン:作成したものを入力
- 種別:TXTを選択
- 内容:v=spf1 include:_spf.lolipop.jp ~allと入力
ムームードメインの場合は、これで「設定を追加」しておきます。
ロリポップのSPFレコード設定詳細
4. 各種設定の引継ぎをする
ここまでの設定ができたら、つぎはサブドメインでつくったサイトの設定をしていきます。
具体的には、つぎの作業をします。
- WordPressの基本設定
- プラグインのインストール&設定
プラグインの設定がちょっと大変だが、ひとつずつやっていこう
元サイトを見ながら、新サイトのほうもおなじように設定していってください。
5. 全記事をエクスポート&インポート
つぎは、全記事を元サイトから新サイトに移行させます。
記事のエクスポート&インポートのやり方は、別記事の「5. プラグインで全記事引っ越し」に書いてあるのでそちらを見てください。
「Export media with selected content」(※)というプラグインを活用します。
※記事を画像ごと全部移行させられるプラグインです。
サブディレクトリ→サブドメインでは、この作業はラクでした
投稿のエクスポート&インポートは「すべて」で1回でできました。
メインサイトの一部を移行させる場合は、基本はカテゴリーの数だけエクスポート&インポートをくり返します。
6. 固定ページの設定
全記事のエクスポート&インポートができたら、さきに固定ページの設定をしておきます。
固定ページなら数もそこまで多くなく、すぐにできるからです。
固定ページの作業でやるのは、こんなところ(↓)だな
- 固定ページの確認
- メニューから設定
- 内容を書き直すならそれも
プライバシーポリシーの「改定日」を変えたりするのも忘れずに。
7. エクセルでリダイレクト用のURLを作成
元サイトから新サイトに移行する場合、記事のURLはすべてリダイレクトする必要があります。
このリダイレクトに使うURL(元→新)を、記事のエクスポート・インポートができた、このタイミングで用意しておきます。
リダイレクト用URLは、以下のプラグインを使って準備します
- WP ALL EXPORT(Export any WordPress date to XML/CSV)
元サイトのURLと、新サイトのURLの両方を取得していきます。
取得したそれぞれのURLは、エクセルのファイルでひとつにします。
以下の手順を参考にしてください。
「新規プラグインを追加」から、「WP ALL EXPORT」をインストール&有効化します。
正式名称は「Export any WordPress date to XML/CSV」です
「Export any WordPress」で検索すればでてくると思います。
プラグインを有効化したらメニューにでてきます。
「すべてエクスポート」をクリックしてつぎに進みましょう。
新規エクスポートの画面になったら、「特定の投稿タイプ」から「投稿」を選択。
投稿を選択した状態で、画面下の「エクスポートファイルをカスタマイズします」を押します。
エクスポートするファイルを選ぶ画面では、まず「①すべてをクリア」を押します。
「ID/Title/Content」がすべてなくなったら、「②フィールドを追加」を押してください。
フィールド追加画面では、タブから「Permalink」を選択します。
それができたら画面右下の「Save」を押します。
この、パーマリンクだけエクスポートする状態にできたら、「続行」を押しましょう。
そのつぎ、「高度な設定を構成」の画面では、とくになにもする必要はありません。
「Save & Run Export」を押してください。
エクスポートがはじまり100%になったら、ファイルをダウンロードできるようになります。
「CSV」を押してファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルをエクセルでひらくと、このとおり!
全記事のURL(パーマリンク)が、記事の投稿順に取得できています。
元サイトのほうのURLはどうするんだ?
元サイトがサブディレクトリサイトの場合は、おなじ手順をくり返します。
元サイトがメインブログの場合は、以下の方法で移行前のURLを取得できます。
元サイトがメインブログの場合
さきほど取得した新サイト用のURLを選択し、
- ホーム → 検索と選択 → 置換(もしくはCtrl+H)
と進んでいきます。
「検索と置換」の画面になったら、各文字列は以下のようにします。
- 検索する文字列:サブドメイン部分を入力(この場合はgamble.)
- 置換後の文字列:空白のままにする
この状態で「すべて置換」を押してください。
置換ができるとこのとおり。
サブドメイン部分が削除されて、元サイトのURLになっています。
取得したURLをすべて選択してこれをすれば、新サイト用のURLから元サイトのURLも取得できます。
そして「元サイトの記事URL・新サイトの記事URL」の両方が取得できたら、以下のようにひとつのエクセルファイルにまとめます。
左側が元サイトで、右側が新サイトです。
1行目は、以下のようにしておいてください。
- 左の元サイト:sourse
- 右の新サイト:target
あとで一括リダイレクトに使うためです。
8. 内部リンクの張替え
つぎは(記事の)内部リンクの張替えです。
さきほど用意したエクセルのファイルが活躍するので、さきにやってしまいます。
内部リンクの張替えは、「Serch Regex」というプラグインを使います
さきほどのエクセルのファイルをひらき、
つぎのようにして、URLの検索&置換をしていきます。
「検索」に元サイトの記事URLを入れて検索すると、該当するものがあれば結果に表示されます。
「置換」に新サイトの記事URLを入れて「すべて置換」すれば、古い内部リンクはすべて新しいものに書き換えられます。
この作業をエクセルのファイルの上から順におこなっていきます。
URLをひとつひとつ書き換えていくのは、まあけっこう大変なわけだが……、
一気に全部はできないんじゃないかなあと。
なにか方法があれば、逆に教えてくれるとありがたいです!
9. 使用テーマの設定
WordPressで利用しているテーマの設定は、このタイミングで私はすることにしました。
このあと記事の確認・編集作業があるからです。
テーマの設定は、以下のとおりです
- テーマのカスタマイズ
- スタイルCSSのコピー
- functions.phpのコピー
元サイトの設定を引き継ぐだけなので、ササッとやってしまいます。
10. 投稿記事を確認・全更新
ここまでの作業ができたら、投稿記事をすべて確認・更新していきます。
なにかのブロックにエラーがでていて、うまく表示されなくなっていることもあるからです。
基本的に問題はないと思うので、すべて確認はしなくてもいいかもしれません。
でもなんらかのエラーがでている場合もあるから、ある程度は確認しておいたほうがいいぞ
そしてインポートした記事は、更新日がなく、投稿日だけになっています。
更新した記事を投稿日のままにしておくのはもったいないので、確認後に記事は更新していきましょう。
サイトリニューアルということで、全記事更新でもいいと思います。
11. 全記事リダイレクト
そしていよいよ、全記事リダイレクトです。
「Redirection」というプラグインを使って、一括リダイレクトをかけていきます。
「Redirection」の使い方は、以下のサブディレクトリ作業を解説したページで確認してくれ
途中でつくったエクセルのCSVファイルを元サイトにアップロードして、転送の設定をする作業です。
リダイレクトができたら、元サイトの全記事はひとまず「下書き」にしておきましょう。
なにかあったときに元にもどすこともできるからです。
サブディレクトリ→サブドメインの場合は、ブログのトップページや固定ページのURLもすべてリダイレクトをかけます。こちらも忘れずに。
12. サーチコンソールに送信&リンク切れの確認
新サイトはこれで完成ですが、あとちょっとだけやることがあります。
以下の手順でサブドメインをサーチコンソールに登録したら、
- 「サイトマップ」から新サイトのサイトマップを追加して送信
- URL検査から新サイトのURLの「インデックス登録をリクエスト」
この2つをやっておきましょう。
また内部リンクの張替えミスなど、最終的な確認もしておくといいと思います
リダイレクトの設定ミスなどは、「Broken Link Checker」というプラグインで確認できます。
くわしい使い方は別記事にも書いてあるので、そちらも参考にしてください。
13. 各ASPに必要ならサブドメインを登録する
最後に、アフィリエイトでASPを使っているなら、サブドメインを登録します。
ASPによって登録の必要ありなしは異なります。
これも以下の記事でまとめてあるので、そちらを参考にしてください。
各ASPへの対応はこちら
サブドメインへの引っ越し作業は、これでOKだ
大変おつかれさまでした!
私の場合、元サイト(サブディレクトリのサイト)はこれで不要になりましたが、リダイレクトの設定があるので1年はのこしておこうと思っています。ある程度時間がたったらサブディレクトリの元サイトは消してOKだと思います。
今回のまとめ
- サブドメインなら独自の「サイト名・ファビコン」を表示させられる
- 独立した別サイトにしたいならサブドメインのほうが適している場合がある
- サブディレクトリ or サブドメインはよく考えて決めよう
サブドメインで新規にサイトを立ち上げるのは、大変といえば大変です。
しかしむずかしい作業ではないので、サブドメインでやってみたいと思ったのならやってみましょう。
サイトを特化させることで、検索順位やアクセス数などが改善する場合もあると思います。
注意してほしいのは、「サブドメインなのかサブディレクトリなのか」の見極めです
サブドメインでも、サブディレクトリでも、ブログの一部を切り分けるという点ではおなじです。
しかしサイトの立ち位置は、けっこう変わってくるように感じました。
やり直しはいくらでもききますが、そのぶん労力や、リダイレクトをくり返すとSEO的な影響も懸念されます。
どっちにするかで迷ったら、以下のポイントも参考にしてみてください。
- サブドメイン:検索結果に独自のブログ名・ファビコンが表示される
- サブディレクトリ:検索結果に表示されるのは元サイトのブログ名・ファビコン
個人的には、これもサブディレクトリ→サブドメインにした大きな理由になりました。
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