賃貸マンションの自分の部屋に、ほかの住人が吸ったタバコのニオイが入ってくる……。
そんなことあるのか?
残念なことに、これが引っ越し先で起きてしまいました。
そこで、この「マンションのタバコ問題」の解決を目的に、本記事ではつぎのことをお話しします。
- タバコのニオイの侵入経路を特定した方法
- 問題解決のために取った7つの対策&その結果
- 問題が解決しないときに有効と思われる2つの対策
私はこの「タバコのニオイ問題」の解決に約半年をついやしました。
その経験をふまえて結論からいうと、これをどうにかするのは「なかなかむずかしい」と感じます。
正直、引っ越すのがいちばん早いです……
ただ対策を打っていくなかで、(私のように)問題が解決する場合もたしかにあります。
この件をとおして聞けた、つぎのような人からの話も紹介するので、
- 管理会社の人
- 内装業者の人
- 同じ問題で困っている人
それらとともに、どうぞタバコのニオイ対策の方法をご参考にしてもらえればと思います。
ではさっそく、まいりましょう!
マンションでのタバコの臭いトラブルの状況
タバコのニオイがどこかから部屋に入ってくる……。
それに気づいたのは、引っ越し先のマンションに入居してからすぐのことでした。
- 食事をしているときに
- 寝ようとしている(または寝ている)ときに
- 家に帰ってきたら部屋がタバコ臭い
最初はまだ耐えられました。
でも、これが毎日何回も起こるとなると、まあストレスもやばくなってくるわけです。
紙巻タバコの副流煙は、吸わない側からすれば(しても)、シャレにならないくらいクサイと感じるものですから。
完全に物件選びをしくったと思いました……
そこで、2~3か月ほど特定作業を進めたところ、つぎのことが判明します。
- タバコのニオイは換気扇から逆流してくる
- ベランダからもサッシ窓を貫通して入ってくる
タバコのニオイが入ってくるのは「換気扇・ベランダ」からの2経路です。
発生元は、ニオイが入ってきたときの状況から、すぐに隣の部屋の住人だとわかりました。
画像でまとめると、つぎのような感じです。
私と隣の部屋は「対の構造」になっていて、換気扇のダクトがつながっています。
そのために、まずは換気扇からの逆流が起きているようでした。
またダクトから排出されたタバコの煙は、風の関係もあってか、私の部屋のベランダ(バルコニー)に滞留。
それがサッシ窓を貫通してくるので、窓を閉めていてもタバコのニオイが入ってくる状況となっていたのです。
換気扇のダクトがつながっているのは隣だけで、タバコのニオイがでてくる排気口も隣の部屋(ベランダでタバコを吸っているのも確認)だったので、特定するのは簡単でした。
「詰んでる感」ありますよね、これ
引っ越してからまだ数か月しかたっていないのに、もう引っ越したい。
でも、お金の関係もあるので、なかなかそういうわけにもいきません。
ということで、原因が特定できたところで、私はタバコのニオイ対策を取ることにしたのです。
タバコのニオイ対策で取った7つの方法
では、ここからが本題の「タバコのニオイ対策」で取った7つの方法です。
具体的な対策方法とあわせて、
- その対策をした結果(効果)
- 対策を取るなかで得た情報
こういったこともお話ししていくので、どうぞ最後までごらんください。
関係者から聞けた話もここでお話ししていきます
1. 換気扇周辺のすき間をふさぐ
タバコのニオイ対策で最初にやったのは、換気扇周辺のすき間をふさぐことでした。
換気扇(レンジフード)からの逆流をしらべていたところ、つぎのことが判明したので、
- 換気扇のフィルター部分から逆流してくる
- 換気扇が取り付けられているすき間からも入ってくる
- シンク(流し台)のすき間からも入ってくる
フィルター以外のすき間を「養生テープ」で徹底的にふさいでいくことにしたのです。
換気扇のフィルター部分を完全にふさぐ方法もありましたが、これをやってしまうと、料理ができなくなってしまいます。
それはきびしいですよね
ですから、ふさぐのは周辺だけにし、可能なかぎり換気扇はつけっぱなしにしておく対策を取りました。
換気扇をまわしていれば(ニオイの)逆流は起きにくくなったので、ここはいちおう、これでなんとかなりました。
2. サッシ窓にすき間テープを貼る
換気扇はつけっぱなしにしておけば大丈夫でしたが、問題はベランダのサッシ窓です。
閉めていてもタバコのニオイが入ってくることに加え、
- 換気しようと開ければ、よけいにニオイが入ってくる
- 場所的にもしばらくは換気のしようがない(=耐えるしかない)
と、そのままでは回避のしようがなかったからです。
そこでサッシ窓には、すき間テープなどを貼りつけ、タバコ臭の侵入をふせぐ対策を取りました。
具体的には、つぎのとおりで、
サッシ窓の両サイドと窓上のレール部分には、スポンジタイプのすき間テープを貼り、
中心(カギがある)部分には、モヘアタイプのすき間シールを貼りつけました。
しかしこれは、ほとんど効果なしでした。
たしかにすきま風は入りにくくなったものの、タバコのニオイに関してはダメ。
また画像のとおり、サッシ窓の下部には高さを調節できる(らしい)部分があります。
けれども、ここをドライバーでいじってみても、結局高さはいっさい変わらずでした。
調節機能が壊れていたんですかね……?
というわけで、サッシ窓のすき間を埋めて、タバコのニオイを物理的に遮断する方法は失敗しました。
3. 大家さんに相談する
サッシ窓に関しては打つ手なしとなってしまったので、ここで大家さんに連絡することにしました。
管理会社に苦情をいわなかったのは、私が入居したのが「管理会社ではなく大家さんが直で管理している」物件だったからです。
- 隣の部屋からタバコのニオイが入ってくる
- 換気扇とサッシ窓から入ってきて、とくにベランダからがどうにもならない
こういったことを、大家さんに直談判することにしたのです。
その結果、どうなったかというと、
大家さんが管理会社に連絡 → 管理会社が隣の住人に「ベランダでタバコを吸わないように」と注意 → 大家さん「これでしばらく様子をみてほしい」
こうなりました。
結局、管理会社は出てきたんだな
ただ残念なことに、これはむしろ状況が悪化しました。
「ベランダはタバコ禁止」となったことで、隣の住人は、換気扇の下でタバコを吸うようになったのでしょう。
しかしこれにより、排気口の位置関係から、よけいにニオイがベランダに滞留。
サッシ窓からのタバコのニオイは、ベランダで吸われるよりも多く入ってくるようになってしまったのです。
まあ、ベランダでの喫煙はたまにだったので、
そこまで状況が悪化したわけではないですが、管理会社への苦情(ベランダでの喫煙禁止)も、直接の効果はありませんでした。
4. 内装業者に見てもらう
様子を見てみて、ダメそうだったらまたいってください
さきほどの対策のあと、大家さんからはこのようにいわれていたので、私はふたたび大家さんに相談。
こんどはサッシ窓を内装業者に見てもらうことになりました。
それで、その結果わかったのは以下のとおりで、
- サッシ窓は横にスライドする構造上、上下にすき間がある
- だからタバコのニオイの侵入を完全にふせぐのはむずかしい
- 適度に窓を開けて換気するなどして、やはり様子を見るしかない
ようするに、なにもしてもらえなかったんですね。
音をふせぐことはある程度できるんですが……
内装業者の話によると、カギ部分のハンドルを変えて(窓の)密着度を上げることで、「音」への対策はできるとのこと。
しかし問題がタバコのニオイとなると、やはりこれはむずかしいそうです。
ついでに換気扇からの逆流も聞きましたが、これもダメ。
換気扇のダクトは、排気するために「中が空洞になっている」らしく、結局は換気扇を回しっぱなしにするしかないとのことでした。
管理会社の人の話
またこの件に関しては、マンションの管理会社で働いている知り合いにも聞くことにしました。
ただ、そのときに聞けた話も以下のとおりで、
- ベランダは共用部なので注意もできるが、部屋の中(換気扇の下)となるとむずかしい
- 喫煙が禁止されている物件でないなら、いちおうは外にニオイを出さない努力もしているから
- なので、管理会社側としてできることは「全体への注意喚起」くらいしかない
やはり換気扇の下でタバコを吸う人に注意するのは「むずかしい」とのことでした。
過去にはベランダでの喫煙問題が裁判になり(2012年)、喫煙者側に賠償命令が下された例がありますが、これもベランダの話です。
サッシ窓からのニオイをどうにかしようと思ったら、
- タバコ禁止のマンションに住む
- 最初から「二重窓」になっている物件に住む
このような方法しかなく、管理会社側としても「どうすることもできない」のだとか……。
同じ問題で困っている知り合いの話
それから情報を収集していたところ、まったく同じ問題で困っている知り合いからも話を聞けました。
知り合いの状況はつぎのとおりで、
- 上の階の換気扇から出てきたニオイがサッシ窓から入ってくる
- サッシ窓は「後付けの二重窓」だけれどそれでもダメ
- 管理会社に相談しても「注意してください」の張り紙だけで終了
やはり、換気扇の下でタバコを吸う住人にたいしての「決定打はない」とのことでした。
後付けの二重窓でもダメなら、もうどうにもならないような気がしてきます。
私はこのあたりで、サッシ窓をどうにかする方法はあきらめることにしました……。
5. こっちも換気扇の下でタバコを吸う
- 換気扇からの逆流をふせぐには、換気扇を回しっぱなしにするしかない
- サッシ窓からのニオイの侵入をふせぐ具体的な方法はなく、換気するしかない
ここで私は、ある種の強硬手段にでました。
こちらも紙巻タバコを換気扇の下で吸い、ニオイの逆流を相手の住人に「わからせる」ことにしたのです。
私は元喫煙者なのですが、当時は禁煙をしていました。
部屋の中も臭くなるので、紙巻タバコだけは吸いたくなかったのですが、もうここまできたらしかたがない。
相手がタバコを吸わなそうな時間帯をねらって、換気扇の下で、何度か紙巻タバコを吸ってみることにしたのです。
ちなみに私は、騒音トラブルの経験者(被害者)でもあるので知っています。
この手の問題は、自分が出すものは気にならなくても、相手に出されると気になるものなのです。
ようは、自分が出す副流煙は気にならなくても、人に出される副流煙は気になる、という話です
隣の住人と部屋の構造がおなじなのであれば、
こちらが換気扇の下でタバコを吸えば、ほぼ確実に、むこうにも逆流するはず……。
たぶん「わからせる」ことはできたと思います。
私はつぎの対策に進みました。
6. 空気清浄機を導入する
私は「毒をもって毒を制す」の反撃にでたわけですが、それでもすぐに状況は変わりませんでした。
そこで、空気清浄機を導入する決意をかためます。
タバコ臭がサッシ窓から入ってきてから数分間は、ニオイに耐えつづけなければならず、その苦痛が尋常ではなかったからです。
ひどいときは1時間に1回以上のペースでしたからね
導入した空気清浄機は、SHARPの「プラズマクラスター加湿清浄機」です。
もう引っ越そうと(このあたりで)思っていたので、その準備ができるまでは、空気清浄機でしのぐことにしたのです。
ちなみにこれは、あるとないとでは大ちがいでした。
- 空気清浄機をつけっぱなしにしておくことで、帰宅したときにタバコのニオイがするのをふせげた
- サッシ窓からタバコのニオイが入ってきたときは、ニオイの軽減を図れた(=耐えるストレスも減った)
「ニオイの侵入をふせげないなら、入ってきたニオイをどうにかするしかない」
空気清浄機があれば、それができるというわけです。
1万円以上の出費になるのでしぶっていましたが、これはさっさと買っておくべきシロモノでした。
そしてタバコのニオイ対策は、ついに佳境をむかえます。
7. ニオイを感じたら毎回換気する
これが最後の対策で、サッシ窓からタバコのニオイが入ってきたら、かならず毎回換気するようにしました。
これは「タバコのニオイを換気する」ためにそうしていただけで、隣の住人にたいする威嚇とかではありません。
ただ、サッシ窓の開け閉めをする音って、
上下左右の部屋くらいなら、けっこうわかるものなんですよね。
ようは毎日、つぎのことが起こるようになったわけで、
隣の住人がタバコを吸う → しばらくすると私が窓を開ける → しばらくすると窓を閉じる → くりかえし
隣の住人からすれば、タバコを吸うたびに「隣(私)がサッシ窓を開け閉めしている」となっていたのです。
それを延々とくりかえしていたところ、さすがに隣の住人も気をつかってくれたのか、
- 換気扇の下でタバコを吸うのをやめた
- もしくはタバコを吸うこと自体をやめた
こうしてくれるようになりました。
なんと、解決しました
- トイレで吸えば玄関のほうに排気されるので、そこで吸うようにしてくれた?
- ニオイがでにくい電子タバコに変えてくれた?
いや、おそらくタバコ自体をやめてくれた気がしますが、いずれにせよ相手には以下のことが起きたと思われ、
- 管理会社からベランダ喫煙を注意された
- 換気扇からのニオイの逆流を認識した(はず)
- 排気口からよその部屋にニオイが入るのを認識した(はず)
私の場合はこのようにして、ひとまず隣の住人のタバコ問題は解決しました。
そのうちまた復活する可能性もありますが、とりあえずは解決させることができたのです!
それでもタバコのニオイ問題が解決しないときは
以上の対策を取ることで、タバコのニオイ問題は解決しましたが、正直これは「運がよかった」ほうだと思います。
相手が人の迷惑を考えてくれる人だったからですよね
そう、今回は相手がよかったからの話でもあって、残念なことに「世の中はいい人ばかり」ではありません。
それに、そもそも本人が問題に気づいていない場合もあると思います。
そこで最後に、今回は取らなかった対策で、有効と思われる方法を2つ紹介しておきます。
問題が解決しないときなどは、こちらも参考にしてみてください。
1. 相手に直接苦情をいう
問題の住民が特定できたら、相手に直接苦情をいう方法があります。
これは関係がこじれる可能性があるため、あまりおすすめできる方法ではありません。
ただ、相手の住人が「こちらの被害」に気づいていないケースもあるなど、いわなければどうにもならない場合もあるわけです。
管理会社に相談しても、全体にむけての注意文程度しかしてくれない場合も多いです。
結局のところ、問題を解決させるには、「タバコを吸う人が動いてくれないと」どうにもならないのです。
なので、こちらから出向いていき、被害を訴えると
- タバコを吸う場所を変えてほしい
- 副流煙は空気清浄機でなんとかしてもらえないか
- 自宅では電子タバコにしてくれないか
納得はいきませんが、あくまでこちらが「お願いをする」スタンスでいけば、相手によっては対策を取ってくれる場合もあるかと思います。
私もどうにもならない場合は、あいさつがてら、隣の住人に相談しようとは思っていました。
つぎの対策でお話ししますが、引っ越してしまえば、問題の住人とかかわることはおそらく二度とありません。
どうしてもダメなときは、引っ越し覚悟で(相手と)話をしてみるのもありだと思いますよ。
2. 引っ越す
冒頭でもふれたとおり、もっともてっとり早い方法が「引っ越し」です。
私は騒音トラブルで学びましたが、残念なことに「他人のことなんて関係ない」という人間も、世の中には一定数います。
ようは、だれがなんといおうが、
タバコを吸うのは人の勝手でしょ
と、対策を考えてくれない人もいるわけです。
ニオイ元の住人がこの手の人間だった場合、問題を解決させるのはかなりむずかしくなるでしょう。
ですから、いろいろと対策を取ってもダメそうなら、早めの段階から引っ越しも検討したほうがいいと思います。
被害者側が引っ越さなければならない、というのは、はっきりいって納得がいくものではありません。
でも、わけのわからない人間に延々と悩まされるくらいなら、お金を払ってでもエスケープしたほうがいいです。
なぜかというと、お金なんかよりも「精神的な健康」のほうが大事だから。
- 隣の部屋とダクトがつながっていない物件
- ほかの部屋の排気口とサッシ窓の位置が離れている物件
- 最初から二重窓、角部屋、喫煙禁止(禁煙)の物件
こういった物件なら、タバコのニオイ問題に悩まされる率も低くなると思います。
引っ越しは「最終手段にして最強の手段」です。
こちらも必要に応じて、ぜひ検討してみてください。
今回のまとめ
- 換気扇からの逆流をふせぐには「回しっぱなし」にするしかない
- サッシ窓からのニオイ侵入をふせぐ方法はほとんどない
- ダメそうなら空気清浄機で耐えて引っ越しするのがベストか
マンションでのタバコのニオイ問題に遭遇してみて、この問題を解決させるのはかなりむずかしいと感じました。
最終的には原因の人が動いてくれなければどうにもならず、タバコは依存性もあるので、そう簡単にやめられるものでもないからです。
ただ、住民が快適に住める環境をととのえるのは大家さんの仕事で、マンションに住む人はほかの住人のことも考えなければなりません。
ですから、このタバコ問題に気づいたのなら、
引っ越してきたばかりでも、さっさと言ったほうがいいです
こちらがいわなければ、だれも動いてはくれないので、最低でも管理会社に相談はしたほうがいいでしょう。
また換気扇からの逆流がある場合、問題の住人が電子タバコに変えてくれたとしても、
こんどは電子タバコのニオイが入ってくる
という事態も考えられるので、引っ越しを検討しながら動くのもありだと思います。
そうすれば、相手に直談判することになったとしても、(どうせ引っ越すからいいやと)気持ちも多少はらくになると思いますよ。
それとこの問題は、解決できたとしても「すぐに……」とはいかない気がするので、空気清浄機もぜひ活用してみてください。
タバコのニオイだけでなく、ストレスも軽減させられますし、その後も生活臭の除去に使えるのでおすすめですよ。
引っ越しを安くすませる方法
マンションでの騒音トラブルまとめ
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コメント一覧 (2件)
初めまして。
階下の住人の喫煙(副流煙)に悩まされています。
うちの場合は換気扇から入ってくるのですが、貴方のこの記事をとても興味深く読ませていただきました。
いろいろ対策を考えたいと思います。
コメントありがとうございます。
住人のタバコは、最終的には本人にどうにかしてもらうしかないような気がします。
ただ喫煙者でも、よその副流煙が自分の部屋に入ってくるのはイヤなはずです。
管理会社に相談してもダメなときは、直接本人にいえばやめてくれることもあると思うので、考えてみてください。
相手が周りの迷惑を考えられる人なら、電子タバコに変えるなども考えてくれるのではないかなとは思います。