【メランコリー】うつ病になりやすい人に共通する特徴は真面目で完璧主義

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性格や考え方は人それぞれですが、ある一定の傾向を持った性格の人は、うつ病になりやすいといわれています。

仕事をしたり、職場の人間と関わったり、友人と付き合ったりと、私たちはつねに社会と関わり合うことで少なからずストレスを感じながら生活していますが、その際に一定の傾向を持った性格の人はストレスを感じてしまいやすく、それが危険因子となってしまうことで、うつ病発症のリスクが高まるといわれています。

性格が原因なのであれば、これはもうしょうがないのか? と思ってしまいがちですが、そんなことはありません。考え方というのは、少しずつでも変えることができるものです。

うつ病を克服し、再発させないためには、考え方を変えることは必須となります。今回は、そういったことをしていくために、まずはうつ病になりやすい性格や特徴、考え方とはどのようなものなのかを見ていきたいと思います。

目次

うつ病になる人に共通する「メランコリー親和型」性格

うつ病になりやすい、ストレスをため込んでしまいやすい人には共通する性格の傾向があるといわれています。

著書『メランコリー(憂うつ)』で知られるドイツの精神病理学者テレンバッハは、うつ病になりやすい性格の人々には秩序への特別な関わり方(秩序志向性)があるとし、そのような性格の分類を行いました。

秩序志向性とは、簡単にいえば自分の秩序(決まりやルール)を乱さず、自分の秩序にそって動くことを重視する考え方のことで、大きく分けると「几帳面」「他者配慮性」「道徳観」という3つの要素に分けることができます。

1. 几帳面な性格

一般的に几帳面というと、細かいとか、きちんとしているといった印象ですが、几帳面にもいろいろとあり、とくにうつ病になりやすい几帳面な性格の特徴には、以下のようなものがあります。

完璧主義

「1ミリのミス? 1秒の遅刻? そんなものは断じて許されない。99.9点は0点と一緒。完全無欠こそ正義! 完璧こそ美学!」

完璧主義な性格の人は、自身に完璧であることを課してしまうため、その完璧でなくてはならないという重圧がストレスとなって自身に襲いかかってきます。

とくに仕事で思うようにいかなったときなどは、逆に自身が完膚なきまでに打ちのめされてしまい、二度と立ち上がれないほどの精神的なダメージを負ってしまうこともあるでしょう。

日本人は完璧じゃないといけないから中途半端な英語は口にしない。だから日本人は英語を話さないとか、外国人に思われていたりもします。

真面目

「手を抜く? サボる? そんなものは道理に反する。けっして許されることではない」

なにごとに対しても誠実で、真剣で、ひたむき。まさに美しき和の心を体現したかのような性格ですが、真面目すぎるがゆえに自身に課した「誠実でなければならない」というルールによって苦しめられ、ストレスを感じてしまいます。

ちょっとしたミスをしようものなら、自宅では終わらない大反省会が始まってしまい、真面目だね、と言われれば「そうだ、自分は真面目でないといけないんだ」と、どんどん自分の秩序にはまっていってしまいます。

細かいことが気になる(几帳面)

「テーブルが1ミリずれてる……。床に髪の毛が1本落ちてる……。あそこに埃が……。あぁもう、最初から全部やり直しだ!」

几帳面というとまず思い浮かぶのが、細かいという性格でしょう。

統一感があって全部そろっていないと気がすまないとか、カレーをつくるときは裏の箱に書いてある水の分量をきっちり守るとか、新品の家電を買ってそわそわしているのに説明書を熟読してからじゃないと使い始められないとか、そういった細かいことにどうしてもこだわってしまう。

そのこだわりに反する行為(自分のミスも含む)があると、居ても立ってもいられないようなストレスを感じてしまいます。

責任感が強い

「自分に課せられた責任は自分一人で果たさなければならない。他者の手を借りる、万が一責務を放棄するようなことがあれば……腹を切ろう」

責任感が強い性格の人は、なんでもかんでも自分一人で背負い込んでしまいがちです。

この仕事は自分一人でやるという強い責任感で仕事に取り組み、人の手を借りることは責任の放棄、つまり自分の秩序を破ることになるため、無理があっても責任を果たそうとしてしまいます。

その結果、責任を感じすぎることでストレスは人一倍多くなり、責任とともに倒れてしまうリスクも高まってしまうのです。

このように、几帳面な性格の人は、自分のこだわりや自分のルールが乱れると強いストレスを感じるので、几帳面であればあるほど、こだわりが強ければ強いほど、うつ病のリスクは高まっていきます。

2. 他者配慮性が強い

他者配慮性とは、他人や周囲へ配慮する(気配りや心づかいをする)気質のことで、これが強い性格の人はうつ病になるリスクが高いとされています。

人に嫌われたくない(他人の評価を気にする)

「あの人いつもなにか頼んでくるけど、理由ぐらい聞いても大丈夫かな? でもそれでもし嫌われたら……。やっぱりいいや、自分が我慢すればいいだけだから……」

対人関係、交友関係は他人からの評価が最優先。

人から嫌われることを極度に恐れる八方美人タイプの性格の人は、他人にどう思われるかに気を配りすぎているため、自分の感情は二の次にしてしまいます。

その結果、犠牲になるのは自分自身の心。

失言というほどでもないようなことでも、あの言葉で人を傷つけてしまっていないか、嫌な思いをさせてしまっていないか、と一人でストレスを抱え込み、1段、また1段とうつ病への階段をのぼっていってしまうのです。

人に頼みごとができない

「これ自分一人じゃ無理なやつだ。でもどうしよう、人に頼むと頼んだ人の迷惑になっちゃうだろうし……」

自分一人ではむずかしいことや、人に手伝ってもらいたいことがあったとしても頼めません。

なぜなら、自分のことよりも頼んだ相手の迷惑や、相手からの評価を優先して考えてしまうからで、自分がやれば誰も迷惑はしない、と自己犠牲の精神で困難なことでも自分だけで処理しようとしてしまいます。

結果、精神エネルギーはしだいに消耗されていってしまうのです。

このような状態が続けば、うつ病という名の疫病神のささやきが聞こえるのも、時間の問題かもしれません。

人に頼まれたら断れない

「仕事を手伝って欲しいって? よし任せとけ! そんなもん楽勝よ!(いや、これ自分一人じゃ無理なやつだ)」

どんなにつらくても人には頼めないというのに、人から頼まれるとどうしても断れません。

あの人も大変だから、といった他人への気づかいや、断ったら嫌われるかもといった他人からの評価、自分がやればいいんだという自己犠牲の精神もあいまって、ほんとうは嫌でも嫌といえないのです。

疫病神の足音が聞こえてきましたね。

自分の意見を言えない(争いたくない)

「(いや、それは違うだろう。あんたら井戸端会議でもしてるのか? いい加減にしろ!)はい、それでいいと思います」

自分の持っている意見をいうということは、時として争いに発展するもの、というよりも意見は人それぞれ異なるので、意見を交換すれば、少なからずお互いが衝突することは避けられません。

けれども、他者への配慮が強い性格の人は、心が傷つく痛みを知っているので、相手を傷つけてしまうかもしれない争いごとは好まず、自分が思っていることや、いいたいことがあっても口に出していうことができないのです。

そのため、ほんとうはこうしたいのにできないという我慢によって、フラストレーションがじわじわと蓄積していってしまいます。

このように、他者配慮性の強い性格の人というのは、ひと言でいってしまえば「心のやさしい、いい人」なのです。しかし、現代社会という敵によって「都合のいい人」にされてしまってはいないでしょうか?

気配りができることはすばらしいことです。が、配りすぎて気が(精神エネルギーが)なくなってしまったら元も子もないですよ。

3. 道徳観が強い

道徳観が強い性格とは、簡単にいえばモラルやルールといった社会の秩序、自分の秩序を重んじることで、道徳観の強さもうつ病のリスクを高めるとされています。

正義感が強い

「どうしてコイツはルールを守らない? ならば正義の鉄槌を下してやる。これは犯罪じゃない、正義の執行だ……!」

現代社会にはルールを設けておきながらまったく守らせる気もないようなものや、ルールに違反している者に対して黙認が続けられているものなど、さまざまな秩序と秩序の乱れがありますが、正義感の強い人は社会が決めた秩序や、自分自身が決めた秩序の乱れに対して強いストレスを感じます。

ストレスの感じ方は人それぞれの「正義」によるのでなんともいえませんが、たとえば人に対して嘘がつけない(お世辞がいえない)とか、自転車では歩道を走ってはならないとか、そういったルールにしばられすぎてしまいます。なぜならささいなルール違反ですらも秩序を乱す「悪」だからです。

以上が「メランコリー親和型」性格の主な特徴です。まとめると、真面目で、完璧主義で、責任感・正義感が強い、いい人がうつ病になりやすいということですね。

環境の変化もうつ病の要因になるうる

メランコリー親和型性格の人は几帳面で、他者への配慮もでき、正義感も強いのが共通する特徴となっています。

そのため、きちんと仕事をこなし、周囲からも高い評価を受けることが多いですが、一方で他人から嫌われることや、他人と衝突することを恐れるため、嫌な仕事でも率先して行ってしまいます。

そういったことから、結果として精神エネルギーを消耗してしまい、うつ病になりやすくなってしまうというわけです。

また、メランコリー親和型性格の人にとっては、「秩序の大きな変化」もうつ病の要因となりえます。たとえば以下のような状況です。

  • 転職してまったく違う業種につくことになった
  • 異動で違う部署に行くことになった
  • 昇進して部下を持つ立場になった
  • 転居したことで長年慣れ親しんだ生活環境が変化した
  • 結婚して2人で暮らすようになった
  • マイホームを購入してご近所付き合いなどが増えた

通常は喜ぶべきことや、不安がありながらも期待のほうが大きいようなことであっても、自分自身の秩序が乱れることが脅威となってしまうことで、そのような環境の変化もうつ病の要因となってしまうのです。

今回のまとめ

・メランコリー親和型性格の人は真面目でいい人
・秩序の乱れは心の乱れになる
・正義の執行は犯罪と紙一重

皆さんはどれくらいメランコリー親和型の性格にあてはまったでしょうか? もし多くがあてはまったという場合、それは考え方を少しずつでも変えていく必要がある、変えていかなければならないということだと思います。

反対に、これらのメランコリー親和型性格にまったくあてはまらない、真逆の性格なのに抑うつ気分だという方は、いわゆる「新型うつ病」かもしれません。

新型うつ病にも共通する性格、考え方というものがありますが、これはまた別の機会に見ていきたいと思います。

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