気力を失い、生ける屍状態になってしまったときは、「デッド」になる前に手を打ったほうがいいでしょう。
ブログを運営していると、どうもやる気が起きないという状態になってしまうことはわりとひんぱんにあり、場合によっては、完全にやる気が出ないという、それ以上になにもする気がしない状態におちいってしまうこともあります。
なんだか記事を書く気になれないなぁ、くらいであれば、放っておけば直るかもしれません。しかし、問題なのは後者のようなパターンで、気力が完全にゼロになってしまうと、放っておいてもまったく回復する気配を感じられず、まるでゾンビのような状態が延々と続いてしまうことがあるのです。
これは、ブログにかぎった話ではありません。在宅ワーク、家事、掃除、なんだってそうでしょう。気力を失った歩く死者、ウォーキング・デッドになってしまえば、時間以外のすべてが停止するのです!
では、そんなときはどうすればいいのかというと、体に精気を吹き込み、強制的にやる気を出させ、ふたたび動けるように戻すしかないのですが、そんな方法があるのか? というといくつかあるので、今回は、「やる気ゼロからの強制リカバリー方法」についてご紹介します。
ブログはやる気がなくなることが多々ある
9割がやめていくといわれるように、過酷なブログの運営作業というのは、やる気がなくなることが多々あります。最初の1~2年目なんて、それは毎日のように起こるかもしれませんし、ある程度の期間を続けている私でさえ、いまだにそうなってしまうことはしばしばあります。
では、そもそもの話、なぜこうもやる気がなくなるということが多発するのでしょうか? 私は、これに関しては、「やりがい・達成感」というものが大きく関係しているのではないかと思っています。
ブログの運営作業というのは、基本的にソロプレーです。誰かといっしょに仕事をして、仕事中はお客さんと関わって、仕事が終わったら「お疲れ!」というものではありません。
最初から最後までソロ。一人で記事を書き始め、一人で記事を完成させ、一人で記事を公開する。そこに、お客さんとの関わりも、同僚との「お疲れ」もありません。あるのは、ただ一人の孤独だけ。
ブログの運営作業は、まさに孤独との戦いなのです。
もちろん、そんななかでも、「やりがい・達成感」といったものを、はっきりと感じられるものはあります。コメントをいただいたりするのもそうですが、とくにわかりやすいのは、収益やPV数(アクセス数)といった、目に見えてやったことが反映される数字です。
しかし悲しいかな、こういった数字というものは、1つ記事を書き終えたくらいではなにも変わりません。この数字は、何個も何個も記事を積み重ねていき、それらが一定の評価を獲得し、検索順位が上にあがることで、ようやく反映されるものなのです。
時期によるアクセス減、なんらかの理由による検索順位の下落、突然発生する長期的な伸び悩み、といったものだってクリアしていかなければならないでしょう。そのような状況でモチベーションを維持し続けるのは、もしかすると、ふつうに働くよりもむずかしいのではないかとも私は思います。
そして、私たちは考え始めるのです。こんなことをやっていて、ほんとうに意味はあるのか? と。
やる気ゼロからの復活は困難を極める
多少やる気が出ない程度であれば、おいしいものでも食べて、ぐっすり寝て、趣味に時間を費やすなどすれば、復活することはできると思います。
ところが、「ほんとうに意味はあるのか?」の疑問にとらわれ、ネガティブな思考が頭の中を支配してしまい、「もうだめだ、死ぬしかない……」とでもいったような極限状態にまで進んでしまうと、私たちはウォーキング・デッドになってしまいます。
そして、この状態にまで精神状態が悪化してしまうと、ちょっとやそっとでは復活することはできません。
寝ても覚めても屍、食べてもゾンビ、趣味に時間を費やすこともできません。ただ生存本能に従って生きているだけで、目的はとうに死んでいる、生ける屍になってしまうのです!
しかし、超自然的な現象で復活するゾンビというものがいる(?)ように、肉体さえ滅びていなければ、ゼロになってしまったやる気を、復活させることもできるというもの。
精神エネルギーがゼロの「生ける屍」になってしまったとしても、肉体が生きている以上は、私たちはまだほんとうの「リビング・デッド」にはなっていない。ようは、その状態からでも、復活するすべはある、ということです。
やる気を強制回復させる5つの技
前置きが長くなってしまいましたが、完全にやる気ゼロの状態からでも復活する方法というものはあり、実際に私も、何度もその状態から立ち直ってきました。
ここからは、そういった状態からでもやる気を回復させる具体的な方法、強制リカバリー方法について、いくつかお話ししていきたいと思います。
なお、やる気が「1」以上ある場合の復活法については、それを加えると長くなってしまい、「0」では使えないことも多いので、今回は割愛いたします。
1. ただひたすら寝続ける
やる気がゼロになってしまうと、記事を書くことも、趣味を楽しむこともできず、文字どおりなにもする気がしないという状態になってしまうため、逆にいえば、寝るくらいしかすることがありません。
だから、寝ます。
おなかが空いたらなにか適当なものを口に突っ込み、あとはただ寝るだけ。やる気が出ないというのは、精神的にも疲れている状態のはずなので、まる1日くらいであれば、ひたすら寝続けることもできるでしょう。
そして、そんなことを続けていると、寝すぎているせいで、だんだん眠れなくなってくると思うのですが、寝るくらいしかすることがないのに寝られないということになってくると、「なんかやったほうがいいかな」と、一瞬だけやる気が戻ることもあるのです。
その一瞬を逃してしまうと、すぐにまたやる気はゼロに戻りますが、やっぱりやったほうがいいのではないか、という、新たな疑問が頭の中に浮かんでいるあいだにパソコンを開くことができれば、そのまま回復することもあるというわけです。
なぜそのまま回復する可能性があるのか、というのは後述するとして、まずはなにも考えずに好きなだけ寝て、一瞬の「リカバリー準備状態」になるのを待ちましょう。
2. お風呂に入って体を清める
日本神話では、イザナギノミコトという神が、亡くなった妻に会いに行くために訪れた黄泉の国(死者の国)から帰ってきたあと、黄泉の穢れから身を清めようと、水で身体を洗う「禊(みそぎ)」というものをおこないました。
それが、神道でいうところの、罪や穢れを落とし、水で身体を清める「禊」のルーツになっているとされているのですが、そういった話があるように、「水」というものには、悪しきものを祓う力があるとも考えられています。
海外では、エクソシスト(祓魔師、悪魔祓い)が使ったりもする「聖水」がそれにあたるでしょう。水は、悪を祓うのです!
ということで、邪念にとらわれ、やる気が消え失せたウォーキング・デッドはお風呂に入り、ネガティブな思考や、それによって穢れてしまった魂を清めていきます。熱いシャワーを浴びたり、あえて冷たい水を浴びたり、浴槽にお湯を張って入ったりしてもいいでしょう。
自宅のお風呂で禊をおこなえば、黄泉の国から帰る、つまり「蘇る」ことができるかもしれません。
3. ほんのちょっとだけやる(作業興奮)
ものごとは最初が肝心で、スタートさえうまくいけば、あとは勝手にどうとでもなってしまったりもするもの。だからこそ、1記事全部を書こうと思うのではなく、最初の3行くらいとか、「ほんのちょっとだけやる」のです。
ブログの記事でいえば、冒頭部分だけ書こうと思っていたら、いつのまにか一気に作業が進んでいた、といったことや、掃除なんかでいえば、床だけ掃除機をかけようと思っていたら、いろんなところが気になりだして、ほかのところまで掃除していた、なんて経験はないでしょうか?
これは、「やる気があるからなにかをするのではなく、なにかをするからやる気が出る」という現象、いわゆる「作業興奮」と呼ばれるものが起きているからにほかなりません。(ちなみに「作業興奮」という用語の出自は議論の余地ありとなっていますが、効果自体は間違いないと思います)
寝続けているあいだに一瞬だけやる気が戻ったり、お風呂から出てサッパリしたときなどにこれ(ちょっとだけやる)をおこなうことで、やる気はほとんどなかったとしても、いつのまにかやる気が回復することがあるのです。
逆にいえば、誰だって最初はやる気なんてなく、「やる」からこそやる気が出ているだけ、つまり、やらなければやる気なんてものは出ない、と考えることもできるかもしれません。
やらなければ「0」のまま、少しでもやれば「1」以上。邪念が弱った一瞬のすきに、ほんの少しだけでもいいからやる、ということが突破口になるのです。
4. お酒を飲みながらやる
これはあまりおすすめできるものではなく、ドーピングに近いものがあるので、極力使わないほうがいいと思うのですが、「お酒を飲みながらやる」という方法があります。
どれだけやる気がなくても腹は減ります。ゾンビもおなかが空いているからこそ人を襲います。生きている以上、どこかのタイミングで食事はしなければなりません。
そこで、食事をテーブルにならべると物が増えるので、食事をとる前にお酒だけ飲むことにし、お酒を飲みながらなんとなくパソコンを開いてながめていたりすると、パソコンを開くというアクションによってスイッチが入ることがあり、そのまま作業を開始することができる場合もあるのです。
もっとも、お酒が入るので頭の回転は鈍くなりますし、この方法を使いすぎることによって、お酒がないとなにもできなくなるという危険なクセがついてしまうこともあるので、使用には十分な注意が必要となります。
どうせ酔っていてあとで書き直すから最初の2~3行だけ書いておこう、という使い方もたしかに有効ですが、それなりの危険がともなう方法なので、基本的には使わないほうがいいものと考えておくのがいいでしょう。
ちなみに私の場合は、記事を書き終えて、誤字脱字のチェックをするときなどに、これをしたりすることもありますが、それは「お疲れ」のお酒なので、セーフと考えています。
5. 外に出て走る、または歩く(闘争反応)
やる気を出すための方法で最も有効なもの、それは、ランニングなどの「運動をする」ことだと私は考えています。
私たち人間はもともと、狩猟採集の生活をしてきました。魚を釣ったり、動物を狩ったり、山菜を採ったりしながら生活をしていたわけですが、しかし、狩る相手によっては、狩る側が狩られてしまう、つまりこちらが命を取られてしまうということも、めずらしいことではなかったとも聞きます。
では、そんな「やるかやられるか」の状態で、どのようにして人間は生き残ってきたのかというと、狩りをおこなう際に、多くの動物にそなわった「闘争・逃走反応」という機能を使い、戦闘モードに体を切り替えることで、その場での最善の選択をしてきたのです。
そしてこの機能は、私たちの体にもなごりとして残っています。運動(=狩り)をすると、脳内で「ノルアドレナリン」などの脳内物質というものが分泌され、それによって、精神・肉体は覚醒し、いつでも戦える状態になれると。
近年では私たちの「骨」がその反応のトリガーになっているとも聞きますが、いずれにせよ、運動をすることによって、やる気が出ないとかではなく、やるかやられるかしかない状態に、精神・肉体をもっていくことができるのです。
とはいえ、やる気がない状態でランニングなどの運動をするなんて不可能だ、と思われるかもしれませんが、これも走りだしてしまえばいいだけの話。
人はそこまで他人に興味は持っていません。服装なんて部屋着だっていいでしょう。どうとでもなれと思いながらドアをぶち破って、ただ走りだせばいいのです。
走るのがむずかしければ、歩くのでもいいと思います。これぞまさにウォーキング・デッドとでもいった感じで、おもしろいじゃないのですか。人目もはばからず、フラフラとそのへんを歩いていればいいのです。
体を動かしていると、狩りの本能が覚醒し、やるかやられるかしかない状態になっていきます。歩いたり、走ったりしている最中は、冒頭の書きだしが頭に浮かんできたり、考え方がポジティブになってきたりもします。
自宅で寝続けているのはウォーキング・デッドですらありません。ただの「デッド」です。外に出て、ウォーキング・デッドになって、帰ってきたらお風呂で汗を流し、そしてよみがえりましょう。
今回のまとめ
・やる気ゼロからの復活は放置していてもむずかしい
・寝て、運動して、風呂に入り、(酒でも飲んで)ちょっとだけやる
一般的な仕事であれば、何時までに出社しなければならないという強制力があり、仕事に行ったら行ったで働かなければならないという、ここでも強制力があるので、たとえやる気がなかったとしても、復活することはできると思います。
しかし、ブログなどのソロプレーでおこなうもので、かつ強制力がないものの場合、一度やる気が枯渇してしまうと、きっかけがなければ、復活することができない状態が延々と続いてしまう可能性があります。
何時から何時まではやる、というルールを決めて、それを守ることができればいいですが、なかなかそうはいかないでしょう。だからこそ、一人で続けていくためには、やる気を強制的に引き出す技を見つけていくしかないのです。
ブログを始める前から長年一人で仕事をしていて、それに慣れている私でもしんどく感じることはあるので、ブログの運営作業はやはりきびしいものがあると思います。けれど、それでも続けられているということは、今回ご紹介したような方法に、有効性があるからにほかなりません。
お酒を飲みながらやるのはあれですが、ほかは間違いないので、やる気が枯渇したら試してみてください。とにかく、なにかをするという最初のアクション、ようは「行動する」のが重要だと思いますよ。
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