【美術館の聖地】車いす利用でも行ける箱根・仙石原周辺の観光スポット

美術館やミュージアムが密集する箱根の仙石原。ホテルに泊まった帰りはせっかくなので、寄り道するのもいいですよ。

ホテルに泊まったあとは、そのまま真っすぐ帰路につくのもいいですが、箱根の仙石原周辺には、アートや自然を楽しめる観光スポットがたくさんあるので、ちょこっと寄ってみるのも楽しいと思います。

箱根の仙石原といえば、とくに知られているのが美術館。しかし今回は、車いすを利用していた祖母のために来ていたので、数あるなかからバリアフリー対応の観光スポットを探すことにし、宿泊していたホテルからも近かった「ガラスの森美術館」へ行ってみることにしました。

せっかくなので、箱根・仙石原周辺でバリアフリー対応の観光スポットと併せて、ガラスの森美術館をご紹介したいと思います。

バリアフリー対応の箱根の美術館・ミュージアム

美術館が多いことでも知られている箱根ですが、私たちが宿泊した「箱根ハイランドホテル」は、周辺の美術館・ミュージアムへのアクセスが抜群によく、ホテル前のバス停からバスに乗って、または徒歩で、周辺の観光スポットへ繰り出すことができました。

ホテルから近くて行きやすく、車いすでも利用ができる施設には「ポーラ美術館、箱根ラリック美術館、星の王子様ミュージアム、箱根ガラスの森美術館」などがあるのですが、今回はこれらの観光スポットへの行き方と併せて、4つの施設をご紹介したいと思います。

箱根ハイランドホテル前のバス停

まずはこちら、箱根ハイランドホテル前のバス停です。

距離がある周辺の美術館・ミュージアムへ行くには、箱根ハイランドホテル前から桃源台行きのバスに乗っていきます。箱根湯本から行く場合は、「箱根登山バス」に乗って約20分ほどでここまで来ることができます。

品の木・箱根ハイランドホテルのバス停時刻表

また、時刻表にも記載がありますが、時刻の右上にPと表記されているバスは「ポーラ美術館」行きとなっています。

ポーラ美術館行きは、途中まで桃源台行きと同じルートを運行し、「箱根ラリック美術館」と「星の王子様ミュージアム」の最寄りのバス停にも止まりますが、途中で桃源台行きとは違う方向に向かっていき、ポーラ美術館で終点となります。

ポーラ美術館

ポーラ美術館は、印象派などの西洋絵画を中心に収蔵しており、印象派絵画のコレクションは日本最大級の数を誇る美術館。

館内はバリアフリー構造になっていて、車いす・ベビーカー用の入り口は正門入り口の右側にあり、駐車場のスロープを経由して入ることができます。

また、2013年に完成した森の遊歩道では、野鳥や小動物を観察しながら自然を楽しむこともできます(遊歩道には段差あり)。

箱根ハイランドホテルからはバスで15~20分(箱根湯本からは35~40分)ほどで、観光客に非常に人気のある美術館です。

開館時間9:00~17:00(最終入館16:30)
料金大人1800円/シニア(65歳以上)1600円/大学・高校生1300円/中学・小学生(土曜日無料)700円/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)1000円
休館日年中無休(展示替のための臨時休館あり)

箱根ラリック美術館

箱根ラリック美術館は、ジュエリーや装飾品、ガラス作品など、さまざまな作品を手がけたフランス人ガラス工芸家、ルネ・ラリックの創作活動の歴史と作品を鑑賞することができる美術館で、1500点のコレクションのなかから、選び抜かれた230点が常設展示されています。

ラリックが室内に装飾を施した、オリエント急行(ヨーロッパの長距離夜行列車)の車内で、優雅なティータイムを楽しむことができるのも魅力の1つとなっています(現地にて要予約)。

箱根ハイランドホテルからはバスで約5分(箱根湯本からは25~30分)、3つめの停留所「仙石案内所前」で下車してすぐのところにあります。

開館時間9:00~17:00(最終入館16:30)
料金大人1500円/大学・高校生・シニア(65歳以上)1300円/中学・小学生800円/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)750円
休館日年中無休(展示替のための臨時休館あり)

星の王子さまミュージアム

星の王子さまミュージアムは、『星の王子さま』の作者であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの生誕100年を祝して、世界的記念事業の一環としてつくられた、世界で唯一の『星の王子さま』をテーマにしたミュージアムです。

サン=テグジュペリの生涯をたどりながら、自然豊かな環境のなかで、フランス風の街並みとヨーロピアン・ガーデンを楽しむことができます。

箱根ハイランドホテルからはバスで約5~10分(箱根湯本からは25~30分)、5つめの停留所「川向・星の王子さまミュージアム」で下車してすぐのところにあります。

また、箱根ハイランドホテルの宿泊者は、フロントでチケットを購入したり、美術館のチケット付きの宿泊プランを予約しておけば、ホテルの中庭から歩いて行くことができます。

箱根ハイランドホテルの庭園

ホテルの中庭を進んでいくと、川をまたいで橋がかかっているのですが、そこが「星の王子さまミュージアム」のいわば裏口につながっているのです。

箱根ハイランドホテルと星の王子様ミュージアムを繋ぐ橋の入り口

入ってしまえば二度と戻ってこられないようなゲート。

夜間に見に行ったので、なんともいえない気配を醸し出していますが、この門をくぐって橋を渡っていくと「星の王子さまミュージアム」へ行くことができます。

ただし、フロントに伺ったところ、この橋を渡った先には階段があるそうで、車いすをご利用の方は中庭からのルートはむずかしいようです。バスを利用されたほうがいいとのことでした。

開館時間9:00~18:00(最終入館17:00)
料金当日券:大人1600円/大学・高校生・シニア(65歳以上)1100円/中学・小学生700円
障害者手帳をお持ちのご本人:大人1200円/学生・シニア800円/中学・小学生500円/付添者(大人1名):1200円
休館日年中無休

箱根ガラスの森美術館

ガラスの森美術館は、「水の都」という呼び名でも知られるイタリアの都市ヴェネチアでつくられた、ガラス作品などを展示・販売している、日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館です。

箱根ハイランドホテルからは最も近くて行きやすい美術館で、今回、母と車いすを利用していた祖母と実際に行ってきたのでご紹介します。

開館時間10:00~17:30(最終入館17:00)
料金大人1500円/シニア(65歳以上)1400円/大学・高校生1100円/中学・小学生600円/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)800円
休館日毎年、成人の日の翌日から11日間

箱根ガラスの森美術館は徒歩で行けた

まず、ガラスの森美術館の行き方ですが、箱根ハイランドホテルを出て右に曲がり、真っすぐ歩いていくと……2分で到着します

箱根ハイランドホテルからは、周辺の美術館もバスで数分とかなり近いのですが、それらのアクセスの良さを圧倒的に凌駕するこの近さ! それに、バスに乗らなくても歩いて行けるというのは、車いすの方にとっても嬉しいところですね。

箱根ガラスの森美術館の入り口

歩いてすぐ、箱根ガラスの森美術館に到着です。

車いすの方用の入り口は奥の駐車場にあるので、入り口付近にいる従業員の方に案内してもらいましょう。

箱根ガラスの森美術館入り口前の階段

正面の入り口はこのように階段になっています。

入り口地下にはコインロッカーがあるので、大きな荷物はロッカーに入れてしまえばOK。大きすぎてロッカーに入らない荷物は受付で預かってもらえますよ。

箱根ガラスの森美術館正面テラスからの眺め

正面入り口のテラスからは、庭園を一望することができます。

庭園には、現代ガラス作品やクリスタル・ガラスのオブジェが設置され、季節の花々が咲き誇り、庭園の池周辺にはガラスの森美術館を陰から支える「マガモ」が住んでいます。

画像の右下にも写っていますが、マガモは池を泳いだり、池周辺を散歩したりしています。6~8月になると、メスのマガモが巣をつくって卵を抱くそうなので、この時期に行けば、マガモのヒナを見ることができるかもしれません。

箱根ガラスの森美術館の庭園にある池

マガモが下に巣をつくったりもする「パラッツォ・ドゥカーレ・シャンデリア」。

ヴェネチアにあるガラス美術館と、箱根ガラスの森美術館が姉妹提携を結んだ記念として制作されたもので、マガモの巣づくりや休憩所としても利用されています。

箱根ガラスの森美術館のクリスタルガラスのススキ

私が前日にのぼった、仙石原のすすき草原を思い出させる「クリスタル・ガラスのススキ」。

直径1.4センチ、合計2万5000個ものクリスタルガラスが輝きを放ちます。こちらは期間限定の展示となっていました。

母と祖母を探しながら庭園をざっと見たところで、レストランにいると連絡が入ったのでレストランへ向かいます。

箱根ガラスの森美術館のレストラン

庭園内にある「ラ・カンツォーネ」は、本場イタリア人歌手によるカンツォーネ(イタリアのポピュラーソング)の生演奏を楽しむことができるカフェ&レストラン。

公演スケジュールは、11時から1時間刻みで1日6回、毎回約15分間の演奏となっています。

レストランは、階段になっている正面入り口の右側に車いす用のスロープがあるので、スロープの入り口を開けてもらえばなかに入ることができます。

箱根ガラスの森美術館のレストランで注文したビール

私がチョイスしたのは、イタリアのビールを代表する「モレッティ」の、ドッピオ(ダブルの意)モルトという、濃い麦汁を使用してつくられたシリーズ。

芳醇な味わいと、アルコール度数7%の飲みごたえがありながらも口当たりは良く、飲み心地が良い一本です。

レストランでカンツォーネの生演奏を鑑賞したあとは、メインの美術館へと向かいました。

ガラスの森美術館は階段(段差)がけっこう多い

箱根ガラスの森美術館の光の回廊

レストランを出ると目の前に展開されるのが、高さ約9m、長さ10mのアーチに約16万粒ものクリスタル・ガラスがあしらわれた「光の回廊」。

庭園からメインの「ヴェネチアン・グラス美術館」のエントランスへ続く橋となっているのですが、橋を渡りきったところが階段になっているので、車いす利用の場合は、庭園をぐるっとまわることでメインの美術館へ入ることができます。

途中、好きなグラスを選んで文字や模様を彫り、簡単にオリジナルのグラスをつくることができる「サンドブラスト体験工房」や、メープルシロップとジャムのお店「アチェロ」、お花の庭園などがあるのですが、これらは基本的に入り口がすべて階段になっています。

箱根ガラスの森美術館のヴェネチアングラス美術館

メインとなるヴェネチアン・グラス美術館では、15~18世紀にかけて卓越した技で美を極め、ヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラスが展示されています。

繊細優美なガラス作品を鑑賞しながら内装の豪華な館内を歩けば、気分はさながらヨーロッパの貴族屋敷に招かれたよう。

車いす利用の場合は途中で段差があるため、一度入り口へ引き返し、出口のほうからもう一度入り直すことで、館内を一周することができます。

現代ガラス美術館とミュージアムショップ

ヴェネチアン・グラス美術館を出ると、目の前に「現代ガラス美術館」と「ミュージアムショップ」で構成された建物があります。

現代ガラス美術館では、時代の潮流により一度は窮地に陥ったヴェネチアのガラス産業が、19世紀後半にふたたび息を吹き返すこととなった現代ヴェネチアン・グラスが展示され、ミュージアムショップでは、世界各国から直輸入した約5千種類、10万点のガラス製品や、アクセサリーなどを購入することができます。

しかし、ここも入り口が階段となっているため、残念ながら車いすでの利用はむずかしくなっています。

このように、ガラスの森美術館は段差がけっこう多く、車いす利用の場合は移動範囲が限定されてしまうのですが、それでも一見の価値があると私は思うので、機会があれば、ホテルからの帰りなどにちょこっと寄り道してみてください。きっとすてきな時間を過ごすことができると思いますよ。

箱根ガラスの森美術館の車椅子専用出口

また、車いす専用の出口は、幸福をもたらすとされているガラスの森美術館のパワースポット「大王松(ダイオウショウ)」の脇にあります。

外の駐車場につながっているので、私たちは歩いてすぐのバス停からバスに乗り、帰路につきました。

バリアフリー対応の観光スポットまとめ

箱根ガラスの森美術館は、一部施設の出入り口や通路がバリアフリー非対応ではあるものの、庭園を散策したり、レストランでランチをいただきながら演奏を聴いたり、メインの美術館を鑑賞したりと、車いす利用の場合は制限はかかるものの、十分に楽しめる美術館だと私は思います。

じつは私は、以前にもガラスの森美術館を訪れたことがあるのですが、季節や時間によって景色が違ったり、さまざまなイベントが開催されていたり、エントランスなどで流れているテーマソングが帰ってからも頭から離れなかったりと、なかなか中毒性のある美術館です。さすがはリピーター率50%といわれているだけのことはあると思います。

また、今後「箱根ガラスの森美術館」が、一部改装などでバリアフリーに対応していく可能性や、バリアフリーに対応している「箱根ラリック美術館」でも、オリエント急行内へは車いすのままでは入ることはできなかったり、「星の王子さまミュージアム」も、入り口は階段になっていて別に車いす専用口があったりと、バリアフリー対応の施設でも、一部車いすでの利用ができない場所や車いす専用のルートがあったりもします。

そのため、実際に行かれる際は、事前に電話などで車いす利用の旨を伝え、利用できる範囲、できない範囲などを問い合わせておくといいと思いますよ。

宿泊していたホテルも含め、とてもいい旅になりました。車いすを利用されている方の、ご参考になれば幸いです。

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