スリーカードポーカーが招いたマリーナベイサンズの悲劇【ルールも解説】

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カジノにおいて安易な判断、無知、希望的観測は命取りにしかならないのか?ついに訪れる、奈落の底へと突き落とされる時。

妄信していた基本戦術であるベーシックストラテジーが破れ、ブラックジャックで初めての敗北を味わった私は、ツラ追いという戦法を駆使したバカラでそれまでの負け分を取り返すことに無事成功。

しかし、夜が明けるまでにはもう少し時間があったため、私はこう思ったのです。

「あとちょっとだけ遊んでから帰ろう……」

この判断が後になって自らの首を絞め、自ら絶望の淵へと転げ落ちていくことになろうとは、この時の私は知るはずもなく……。

前回はこちら↓
【罫線を見極めろ!】BJの負けはバカラの「ツラ追い」で取り返す!

目次

裏シンガポール旅行(2日目・後編1)

マリーナベイサンズのタクシー乗り場でタクシーに乗り込んだ私は、運転手にホテルの名前を告げました。

湊
ミナト

すみません、このホテルまでお願いします……

運転手
運転手

OK!お客さん日本人?

湊
ミナト

そうです……

運転手
運転手

おお!私も日本何回か行ったことあるよ。今日はカジノ?勝てた?

湊
ミナト

5千負けました……

運転手
運転手

5千円負けたの?

湊
ミナト

いや、5,000SGD(約40万円)です……

運転手
運転手

えっ!?そんなに負けたの!?あちゃ~……

事の始まりは約2時間前、バカラでBJの負けを取り返した時点に遡ります。

地獄のスリーカードポーカー

バカラで片側5連続を見事に打ち抜き、それまで負けていた24万円を取り返した私は、極度の緊張感もあってかこれまでにないような疲労感を感じていました。

しかし、ホテルに戻るにはまだ多少の時間があったため、もう少しだけ遊んでから帰ろうと思いカジノの中をぶらぶらと歩いていると、そこで目に入ったのがスリーカードポーカーのテーブル。

湊
ミナト

そういえばスリーカードポーカーは「だらだら遊べる」とかなんとか見たな

シンガポールに来る前にいくつかのゲームのルールを確認していたところ、スリーカードポーカーは簡単に遊べて、浮き沈みも少なく、1日中だらだら遊ぶことができる。

なんて記述を目にしていたため、勝った負けたの真剣勝負に疲れた私は、最後にこのスリーカードポーカーでだらだらと遊んでから帰ろうと思ったのです。

実際は全くもって、そんな甘ったれたゲームではなかったとは知らずに……。

スリーカードポーカーのルール

スリーカードポーカーの基本的なルールは至って単純で、ディーラー、プレイヤーに3枚ずつのカードが配られ、その3枚で手の強さを競い合い、ディーラーの方が強ければ賭け金は没収、プレイヤーの方が強ければ配当を受け取ることができ、プレイヤーの手役が強ければそれに応じたボーナスが配当されるというシンプルなゲーム。

ポーカーの手役を競う良さを残しつつ誰でも簡単にプレイすることができるという、ライト版ポーカーのような感じです。

使用するカードは各スート(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)の4種類×13枚で52枚のデッキを1デッキ使用し、毎ゲームごとにディーラーによってシャッフルされます。

ゲーム進行

スリーカードポーカーのベッティングエリア

スリーカードポーカーはプレイヤーが「Ante(アンティ)」または「Pair Plus(ペアプラス)」、もしくはその両方のベッティングエリアに賭け金をベットするところから始まり、ゲームがスタートしたらプレイヤーとディーラーに3枚ずつ裏向きでカードが配られます。

「Ante」はゲームに参加するためのベット、「Pair Plus」は手役の強さに応じたボーナス配当が貰えるベットのことで、基本的には「Ante」に毎ゲームチップをベットするのが一般的。

(注:カジノにもよりますがPair Plusのみのベットでゲームに参加することもでき、マリーナベイサンズはPair PlusのみもOK。Pair Plusのみの場合はプレイヤーの勝敗に関係なく手役の強さに対して配当が支払われます)

続いて、配られた3枚のカードをプレイヤーは自分だけが見えるように開いて確認し、その3枚でディーラーと勝負する場合は「Play(プレイ)」に「Ante」と同額のチップを置いて再びカードを伏せます。

そして最後に、両者のカードがディーラーによってオープンされ、プレイヤーが見事勝利できれば手役に応じた配当が支払われ、次のゲームに移行するというのが一連の流れ。

ちなみにスリーカードポーカーはカードのチェンジはできないため、勝負を降りる場合は「Play」にチップは置かず、カードを伏せてディーラーに返却します。

CHECK

Pair Plusにベットしていて手役ができていた場合に勝負を降りると、Pair Plusの賭け額も没収されて配当が受け取れなくなるので注意

手役の配当率と出現率

スリーカードポーカーは「Ante」「Pair Plus」によって手役につくボーナス配当が変わるのですが、これらの配当率と出現率をまとめると以下のようになります。

手役AntePair Plus出現率
ストレートフラッシュ5倍40倍0.21%
スリーオブアカインド4倍30倍0.23%
ストレート1倍6倍3.25%
フラッシュ4倍4.95%
ペア1倍 16.94%
ハイカード74.38%

スリー・オブ・ア・カインドとはスリーカードのことで、ハイカードとは手役無し、いわゆる「ブタ」のことを言い、通常のポーカーと違ってストレートとフラッシュの強さの順が逆になっている点には注意が必要。

また「Ante」ボーナスはストレート以上にしかつきませんが、これは例えば「Ante」「Pair Plus」「Play」に10ドルずつベットしていて、ストレートが出た場合のことを考えるとわかりやすく、その際の配当は以下のようになります。

【ストレート】
Ante:(賭け金返却)10ドル+(配当1倍)10ドル
Ante Bonus:(配当1倍)10ドル
Play:(賭け金返却)10ドル+(配当1倍)10ドル
Pair Plus:(賭け金返却)10ドル+(配当5倍)50ドル

「Ante」と「Play」の配当1倍は常に固定なので、要するにスリーカードポーカーの配当は、勝てば賭けた分が2倍になって返ってくる+手役ボーナスと考えておけば間違いはありません。

ちなみに「Pair Plus」は手役が成立しなかった時点で賭け金は没収となりますが、確率上、約4回に1回は何かしらの役が成立するということになっています。

CHECK

通常ポーカーでは「KA2」は繋がりませんが、「A23」は繋がることになっているので、スリーカードポーカーの場合も「A23」はストレートになるはず(要確認)

両者がハイカードの場合の勝敗の決め方

また、プレイヤー、ディーラー共にハイカード(手役無し)だった場合の勝敗の決め方ですが、これはスリーカードポーカーで使用するカードの強さを知っておくとすぐにわかります。

スリーカードポーカーのカードの強弱

このように(スリーカード)ポーカーでは「2」が一番弱く、「A」が一番強いのですが、両者共にハイカードだった場合、3枚の手札の中で最も強いカードを比べて、それが「A」に近い方が勝ちとなります。

最も強いカードが同点だった場合は2枚目のカードを同じように比べていくので、簡単に言うとカードの強さ比べで先に脱落した方が負けとなるような感じ。

例えば「A32」と「KQ10」では、一見すると「KQ10」の方が総合的に強そうにも見えますが、この場合は一番強い「A」を持っている「A32」の勝ちとなります。

ディーラーが降りる条件と控除率

スリーカードポーカーはプレイヤーは自由に勝負に出るか出ないを決められますが、ディーラーは勝負をする降りるの条件は明確に決められていて、その条件は3枚の手札がクイーン・ハイ(手役がハイカードで一番強いカードがクイーン)以上となっています。

つまり、ハイカードの一番強いカードがジャック以下だった場合はディーラーは勝負を降ります。

ただし、ディーラーのカードがオープンされるのはプレイヤーが勝負に出た後の話なので、ディーラーがゲームを降りる条件としては、

  • プレイヤーが「Play」にベットし勝負に出ている
  • ディーラーの手がジャック・ハイ以下

この条件が揃わなければディーラーがゲームを降りることはありません。逆に言えば、先に勝負を降りるリスクをプレイヤーは背負わなければならないと言うこともできます。

ちなみにディーラーが勝負を降りた場合の配当は「Ante」にベットした額の1倍のみとなっています。

CHECK

ディーラーが降りた場合は「Play」分はそのまま返却、「Pair Plus」にもベットしていた場合はプレイヤーに手役があればその分が配当されますが、どんなに強い手ができていても「Ante」ボーナスは無しになります

控除率(ハウスエッジ)

また、スリーカードポーカーの控除率は以下の通りとなっています。

賭け方控除率(ハウスエッジ)
Ante & Play2.01~3.37%
Pair Plus2.32~7.28%

「Ante & Play」は基本戦術(後述)を駆使することでハウスエッジは約2%まで下がり、「Pair Plus」はカジノの配当率によってハウスエッジも大きく変わるようです。

どういうことかと言うと、通常「Pair Plus」の配当は「ストレートフラッシュ・スリーカード・ストレート・フラッシュ・ペア」の順で「40・30・6・4・1」倍ですが、これが「40・30・5・4・1」倍になると5.57%、「40・30・6・3・1」倍になると7.28%になるからです。

バカラやブラックジャックの控除率が1%台やそれ以下だったりもするので、数字だけを見ればそこまで悪くはないとも言えますが、基本戦術を使用しない、「Pair Plus」の配当が悪いとかなり厳しい勝負となることは間違いないでしょう。

基本戦術(ベーシックストラテジー)と戦略

前述の通りプレイヤーは手札を見てから勝負をするかしないかを選択することができますが、ハウスエッジを低くするためには基本的な戦術を駆使する必要があります。

そしてその戦術というのがこれ。

スリーカードポーカーのベーシックストラテジー

「Q64」以上は勝負、それ以下は降りる。

つまり、手役無しのハイカードの場合は最低でもクイーンが無ければ降りた方が確率的には勝率は上がるということです。たとえディーラーのハンドが降りる手であったとしても。

また、これも前述の通りで、ディーラーが勝負を降りた場合はどれだけプレイヤー側にいい手ができていても「Ante」分の配当しか受け取ることができなくなるため、いい手が入った場合を考えると「Pair Plus」も毎ゲームベットする必要が出てきます。

なので、結局のところスリーカードポーカーはハウスエッジを考えると毎ゲーム「Ante」にベットした方がよく、手役ができていて損をしたと思わないようにするためには「Pair Plus」もベットする必要があり、さらに勝負をする場合は「Play」にも毎ゲームベットしなければならないため、基本的には1ゲームに最低でも3単位のチップが必要になってくるのです。

イブスター店長
イブスター店長

本当にだらだら遊べるゲームなのか?これ……

スリーカードポーカー開幕

マリーナベイサンズのスリーカードポーカーはミニマムベットが25SGD(約2,000円)と50SGD(約4,000円)があり、できれば安い方のレートが良かったのですが、実を言うとこの時の私は基本戦術程度しかルールを覚えていませんでした。

そのため、できればディーラーに分からない部分を教えてもらいながらゲームを進めたかったということもあり、私は席の大半が埋まっている安いレートは避けて先客が誰もいなかったレートが高いテーブルに着席し、ゲームを開始!

ディーラー
ディーラー

ジャックポットはどうします?

どうやらマリーナベイサンズのスリーカードポーカーにはジャックポットが導入されていて、毎ゲームジャックポット分にもベットすることで高額配当を狙うこともできるそう。

ジャックポットのシステムは配られる3枚のカードの他に場に2枚のカードが置かれ、それらを合わせた5枚で手役ができた場合に配当を受け取ることができるというもの。

あまりよく見てなかったのでうろ覚えですが、確かストレートかフラッシュ以上から配当が発生し、最高額はロイヤルストレートフラッシュでウン千万円とかウン億円とか、そういったありえないレベルの金額(だったと思います)。

ジャックポットへの参加料は確か毎ゲーム5SGD(約400円)で、ほとんどの人が参加しているというので私も万が一に備えて参加。

そしていよいよスリーカードポーカーでのゲームが始まったのですが、「Ante」「Pair Plus」にミニマムの50SGDずつ、勝負をする場合は「Play」に50SGDと、1ゲームに150SGD(約1万2千円)が最低でもかかり、勝負を降りるだけでも100SGD(約8,000円)と、かなりいかつい遊び代がかかることが判明。

しかし1日中だらだらと遊べるゲームなのであれば、最終的にプラスマイナスゼロくらいに落ち着くだろうと安易に考えていた私はそのままゲームを続行します。

が、まるっきりダメ……!

4回に1回は手役ができるはずが何も入らずにやたらとブタが続き、そもそもハイカードがクイーン・ハイ以上にならないことも多く、クイーン・ハイ以上になって勝負に出てもディーラーの強ハンドによって制圧されるという非常に苦しい展開。

当然そんな状態でジャックポットにかするはずもなく、JP分のチップでもジワジワと負けが込んでいき、なんとほとんど何もできずにほぼストレートで1,000SGD(約8万円)が消し飛んだ!

湊
ミナト

いや、これは……

だらだら遊べると聞いたスリーカードポーカーでしたが、もはや勝てないとかそういうレベルの話ではなく、そもそも勝つための戦場にすら立てていない感が尋常じゃない。

このゲーム、実はヤバいんじゃないだろうか……。

そんな気配をひしひしと感じ始めていた私は、この時点でもうゲームを切り上げようかとも考えていました。

しかし、ディーラーが親切に色々と教えてくれていたのですぐに席を立つのも何だか申し訳ないなと思い、もう少しだけゲーム続けてみることにしたのです。

もしかするとこの後浮上するかもしれないという、淡い期待を込めて……。

次回→【マリーナの悲劇】絶望を抱いて眠れ!致命的敗北を喫した災厄のバカラ

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