今年もやってきたようだな……夏が
毎日暑いですよね。でも、それ以上に暑いと感じているのがうさぎさんでしょう。
ジメジメとした暑さはウサギにとっては大敵。
場合によっては熱中症になってしまうなど、夏は命にかかわることもある季節なのです。
そこで本記事では、そんなうさぎさんの「夏の暑さ対策」を紹介します。
- うさぎにとっての夏の適温
- 100均でもできる暑さ対策&自作のクーラーハウスの作り方
- 便利な暑さ対策グッズの活用方法
うさぎさんは寒さには強いですが、暑さには弱い生きものです。
そのため、真夏の閉めきった室内では、そのままでは無事に夏を乗りきれない危険性があります。
でも、暑さ対策をしてあげる方法はあるので、安心してください
いまは便利な世の中ですから、いくらでも方法はあります。
きちんとした対策を取ってあげれば、うさぎさんも快適に夏を過ごせるようになりますよ。
ではさっそく、うさぎさんにとっての「ここちよい環境」をつくってあげにいきましょう!
この記事に登場するうさぎ
- ミニレッキスのイブスター店長
- 2016年11月生まれのオス(現在7歳)
- やや詳しいプロフィールはこちら
うさぎが快適に過ごせる室温・気温・湿度
うさぎさんは高温多湿が苦手で、暑さには強くない生きものです。
一年中まとっているフサフサとした毛は、季節によっても生えかわるため、夏でもある程度の暑さはしのげます。
しかし本来であれば、夏場の自然界のうさぎさんは、巣穴を掘って涼しい地中で暑さをしのぐもの。
つまり……?
- 閉め切った室内
- ふだんはケージの中
という条件では、そのままだと、うさぎさんは夏を乗りきるのがむずかしくなってくるのです。
フローリングを掘るわけにもいきません
ちなみに、うさぎさんがもっとも快適に過ごせる適温は、
気温は16~21℃、湿度は40~60%
という指標があります。(アメリカ国立衛生研究所「NIH」より/参考:ウサギ-日本獣医師会〔pdf〕)
が、一般的には15~25℃くらい(または18~24℃くらい)とされ、手もとにある飼育書にも、それくらいで書かれていました。
ですから、春のおわりや秋のはじめ(26~27℃)くらいまでなら、温度管理はしなくても大丈夫な場合も多いです。
そこまで室温・湿度は上がらないですし、
逆にそれくらいのほうがちょうどよかったりもするからです
でも、湿度も上がる夏の季節で、気温が27~28℃を超えてくると、そういうわけにもいきません。
気温が28℃以上になると、私たちも暑く感じますが、
- うさぎは人間よりも基礎体温が高い(38.5~40.0℃)
- 人間のように汗をかいて体を冷やすことができない
と、うさぎさんはもっと暑く感じると思われ、じっさいバテてもくるからです。
ようするに、夏の室内飼いでは「温度管理は必須になってくる」というわけですね。
夏のエアコンなしはいけるか?
以上のことから、夏場はエアコンでの空調管理は必須といえるので、正直エアコンなしはきびしいと思います。
室温が高いまま放っておくと、うさぎさんは熱中症などで体調をくずしてしまうこともあります。
私たち人間でも命にかかわるように、熱中症はうさぎさんにとってもそう。
ですから、まずは基本的な対策として「夏場はエアコン」をフル活用し、室温が27℃以下になるようにしてあげましょう。
いつからエアコンをつけるかは、
- 自分が暑いとすこしでも感じたら
- 室温が26~27℃くらいになっている(夏は湿気があるのでこれくらいでも暑い)
などを目安にしてみてください。
ケージカバーをかけている場合は、通気性がよくなるので、はずしてしまってもいいと思いますよ。
2022年にエアコンが作動したのは、6月中~下旬だったそうだ
うさぎの暑さ対策(手作り&おすすめ)
うさぎの暑さ対策は、エアコンを駆使して、一日中(うさぎさんが)快適に過ごせる温度を保つようにしてあげればだいじょうぶです。
ただ、エアコンだけにたよっていると、つぎのような問題が発生する場合もあります。
- うさぎさんにとっては快適でも、私たちにとっては寒く感じる(=温度を上げたい)
- ケージの位置的に、部屋は涼しいのにケージのほうはあまり涼しくない
エアコンが突然故障してしまって室温が急上昇していた……なんてことが起こる可能性もゼロではありません。
なので、そんなときは、
うさぎさんのケージを直接冷やしてあげるのがおすすめです。
ということで、ここでは、簡単にできるケージ自体を冷やす方法をご紹介しましょう。
100均でもOK!ペットボトル&保冷剤を使う方法
うさぎの暑さ対策で、100均でもそろう手軽な方法に「ペットボトルや保冷剤を使う」があります。
具体的には、以下のようにしておこないます。
- 凍らせたペットボトルをタオルなどでくるんでケージの中に設置する
- 凍らせた保冷剤をケージの上に置いておく
- 100均のワイヤーバスケットをケージ外側(側面)に設置し、その中に保冷剤などを入れておく
ケージの冷やし方は、こういった方法もあるので、ぜひためしてみてください。
ただ、ケージの中にペットボトルやタオルを置いておくと、ホリホリ行為や(かじって)食べてしまう場合もあるので注意しましょう。
それ以外の注意点でいえば、つぎのとおりで、
- ケージの上に物を置いている場合は上から冷やすのはむずかしい
- ケージが大きい場合やレイアウトによっては、外側からの冷却効果は期待できない
- (または大量の保冷剤が必要になり、冷凍庫に入りきらない)
簡単にできるだけに、このような難点もあります。
あとは保冷剤がオシッコなどでよごれてしまって、冷凍庫に入れにくいとか……
そこでためしたいのが、ケージの中に小屋(ラビットハウス)設置して、それを冷やしてあげる方法です。
この、名づけて「クーラーハウス」は、簡単につくれて効果もバツグン!
小屋以外は、こちらも100均でそろうので、ぜひつぎの対策も参考にしてみてくださいね。
うさぎのクーラーハウスの作り方
それでは、うさぎのクーラーハウスのつくり方を紹介します。
これはとても簡単で、まずは小屋のサイズよりも大きめ、またはちょうどくらいのタッパーを2つ用意します。
タッパーは100均などで売っているものでOKで、
- ひとつは設置用
- もうひとつは氷をつくる用
として使用します。
(※画像のタッパーのサイズは「縦24cm×横18cm×高さ3cm」です)
つぎに、氷をつくる用のタッパーに水を入れて冷凍庫で冷やします。
氷ができたら、その氷をもう片方の設置用タッパーに移しましょう。
あとは、氷を移し替えた設置用タッパーのふたを閉め、ケージ下のトレーに設置するだけ。
トレーをもどしたさいに、タッパーが小屋(ラビットハウス)の真下にくるようにすればOKです。
そしてトレーを戻せば、クーラーハウスの完成!
じっさいに小屋の中に手を入れてみるとわかりますが、
- 氷の冷気が下からあがってくる
- 小屋は天面と側面が木で囲まれているので冷気が充満して逃げにくい
と、小屋の中だけがひんやりとした状態になります。
はじめのうちは、うさぎさんも気づかないかもしれませんが、これもだいじょうぶ。
毎日小屋の中を冷やしておいてあげれば、そのうちうさぎさんも気づいてくれ、小屋の中で涼んでくれるようになりますよ。
そんなわけでミニレッキスのイブスター店長は、すでに小屋の中が涼しいことを知り、暑い日は中でくつろいでいます。
このひんやり感が……たまらない(爆睡)
なお、タッパーの氷ではなく、おなじ形の保冷剤を使ったほうが、
- 冷却効果は高く
- 持続時間も長い
……のですが、小屋の中に設置すると、保冷剤もよごれるので洗うのが大変です。
そうなるとやはり、また冷蔵庫に入れるのも気になってしまいますよね?
その点、タッパーは水でまる洗いできて、
- よごれが気になるときは新しいものと交換するだけ
- 氷が溶けた水は捨てるだけなのでラク
- 氷をつくるほうのタッパーはつねに清潔なので安心
と、やはりタッパーの氷で冷やすほうが簡単です。
ケージのなかに小屋を設置できないときなどは、最初の「ペットボトル&保冷剤」が使えますが、設置できるなら断然クーラーハウスがおすすめです。
こちらも手軽にできるので、ぜひためしてみてください。
(※画像の小屋はこちら↓)
暑さ対策グッズも活用してみよう!
さきほどのクーラーハウスはおすすめですが、
- ケージの中に小屋を設置するスペースがない
- ケージの下に保冷剤を置くのがむずかしい(トレーが引き出せないなど)
こういった場合は、クーラーハウスを設置することができません。
でも、そんなときでも大丈夫です!
うさぎの暑さ対策グッズがあるからだな
そう、いまは便利な世の中なので、うさぎさんの暑さ対策には「専用のグッズ」も販売されているのです!
エアコンとあわせて使用すれば、うさぎさんはさらに快適に夏を過ごせることまちがいなしです。
ケージを周囲から冷やすのがむずかしい……。
そんなときにも活用できるので、ぜひこれらも使ってみてくださいね。
1. アルミボード
うさぎの暑さ対策グッズで定番なのが、アルミ製のボードやプレートです。
さわってみるとひんやりしていて、使い方は「ケージの中に設置しておく」だけ。
うさぎさんがボードやプレートの上で座ったり、寝そべったりして涼をとることができますよ。
アルミボードでのおすすめはマルカン製品です。
なぜかというと、マルカンやSANKOなどのメーカーは、私からの信頼度が高いからです!
ミニマルランドとかもあるブランドだな(マルカン)
2. アルミプレート
アルミボードと似たもので、アルミプレートがあります。
なかでもSANKOの涼感プレートは、以前ハムスターさんを飼っていたときに(Sサイズを)使用していて、ナイスな暑さ対策グッズだと感じました。
こちらもひんやりとしていて、夏場は置いておくだけで効果があります。
体が大きいうさぎさんには、Mサイズが適していますよ。
ハムスター氏も涼しかったそうだ
3. 天然石プレート
大理石やみかげ石などの天然石を使用したプレートも、うさぎさんの暑さ対策で定番の一品となっています。
自然由来のものなので、自然な冷たさや、高級感をうさぎさんが味わうことができます。
こちらもおすすめは、SANKOの涼感天然石。
水や酸に強い「花崗岩(かこうがん)」という天然石でできていて、うさぎさんはひんやりとした表面で、おだやかに涼を感じられます。
水や酸に強いことから、よごれたさいも洗いやすいのがグッド!
Lサイズなら「縦26cm×横19cm×高さ1.5cm」と、うさぎさんのケージの中にも置きやすいサイズですよ。
天然石の上に乗り、高級ウサギになるのだ!
うさぎの様子や行動がおかしいときは
夏の暑い時期はつねにエアコンをまわし、
- ケージの周囲を冷やしたり
- ケージの中に涼感グッズを設置することで
暑さが苦手なうさぎさんでも、快適に夏を過ごせるようになります。
ただ、万が一外出中にエアコンが故障してしまったり、
- エアコンをつけるのを忘れてしまった
- 間違って消してしまった、エアコンの効きがわるかった
といったりした場合、ケージを冷やす対策をしていないと(していたとしても)、うさぎさんが熱中症になってしまう危険性があります。
熱中症は、うさぎさんの命にかかわる危険な病気です。
万が一にそなえて、最後に、うさぎさんの熱中症対策についても確認しておきましょう。
うさぎの熱中症対策
うさぎさんが熱中症にならないようにするためには、最低限以下のような対策をしておく必要があります。
- ケージを直射日光の当たらない涼しい場所に置く
- 室温は27℃以下、湿度は70%以下になるようにエアコンで調節する
- 暑さ対策グッズなどでケージを冷やしてあげる
- 水分を切らさない
これだけしておけば、基本的には問題は起こらないでしょう。
苦手な夏でも、うさぎさんは快適に毎日を過ごせるはずです。
とはいえ、不測の事態はあるものです
うさぎさんに以下のような症状が見られたとき、
- 耳の血管が充血して赤くなっている、耳が熱い
- 呼吸が荒い、口で呼吸をしている
- 鼻や口の周りがびっしょりと濡れている、よだれを垂らしている
- ぐったりと横たわって動かない
- 下痢をしている、痙攣を起こしている
ものによっては、うさぎさんが熱中症にかかっている可能性があります。
うさぎさんの暑いときの行動としてよくみられるものに、
- 呼吸がハッハッハッハッと荒い(呼吸が早い)
- 横になってぐったりしている(バテている)
というものがありますが、うさぎさんがただ単に暑くてバテているだけなら、
- エアコンの温度を下げる
- うさぎさんを涼しい場所に移動させる
こうしてあげることで、症状は比較的早く落ち着いてくる場合も多いです。
ただ、温度調節をしても症状がおさまらなかったり、
よだれを垂らしている、下痢をしている、痙攣を起こしている
といった、あきらかに異常がみられる場合、これは熱中症を疑ったほうがいいでしょう。
応急処置として水を飲ませてあげ、うさぎさんの耳や体を冷たいタオルなどで冷やしたまま、すぐに病院に連れていってあげてください。
うさぎの専門店である「うさぎのしっぽ」さんによると、
- いちど熱中症にかかったうさぎは体温調節が乱れやすくなる
- つまり、以降も熱中症にかかりやすくなる
- 加えて、熱中症を起こした場合の救命率は50%とひじょうに危険
なのだそうです。(参考:第11回 うさぎSOS! 熱中症)
うさぎさんの熱中症は、空調や暑さ対策グッズで予防できるものですが、やはり不慮の事態はあります。
その場合は、一刻も早い対応がうさぎさんの命を救うことにつながるので、ぜひともうさぎさんを守ってあげてください。
夏場はうさぎさんの生活環境に気をくばってあげ、「異変を感じたら即対応が大事」ということですね。
うさぎの暑さ対策として扇風機はどうか?(番外編1)
そういえば、扇風機ってどうなんだ?
暑い日には扇風機がかかせませんよね。
そこで気になるのが、
私たちは風にあたると涼しく感じるので、うさぎさんにも扇風機の風をあててあげれば涼しいのかな?
ということではないでしょうか?
これは、人間とうさぎさんの体温調整について知ればすぐに答えはでます。
番外編ということで、これも見ていきましょう。
まず、私たち人間が扇風機の風を冷たく感じる理由は、つぎのとおりです。
皮膚の汗が扇風機の風によって蒸発し、熱が奪われるから(気化熱といいます)。
これによって、私たちは体温を調節できるので、風にあたると涼しく感じるのです。
ところが、うさぎさんはそうではありません。
さきほども熱中症のところでふれましたが、なぜうさぎさんは暑いと耳が熱くなるのかというと、じつはウサギは耳で体温の調節をおこなっているから。
うさぎさんは皮膚の汗腺機能が未発達なため、汗をかかない生きものです。
その代わり耳には多くの血管がとおっていて、暑い日には「耳の血管を流れる血液を冷やす」ことで、体を冷やして体温調節をしているのです。
ようするに、です
うさぎさんは汗をかかないので、扇風機の風を直接あてても、基本的には涼しく感じることはないと思われます。
エアコンと連動させた冷風なら話は変わってきますが、扇風機の風を直接うさぎさんにあててしまうと、うさぎさんが不快に感じてしまうこともあります。
ですから扇風機は、エアコンの冷たい空気を循環させるために使用するのがいいでしょう!
ちなみにイブスター店長は、扇風機をまわすと怒りだすので、私は扇風機を使えなくなりました(最近使えるようになりました)。
あの回転音がうるさかったんだよな
うさぎに冷水(冷やした水)を与えるのはどうか?(番外編2)
あとは冷やした水だな
うさぎの暑さ対策として、飲み水を冷蔵庫でキンキンに冷やしてあたえる、という方法があります。
これもついでに見ていきましょう。
私もこれをしていたことが一時期はあったのですが、途中からはやめることにしました。
というのも、自然界のうさぎさんは、夏場にキンキンに冷えた水を飲むことはないと思われるからです。
それに、動物病院で飲み薬(要冷蔵)をもらうときも、
そのまま飲ませるとおなかを壊してしまうことがあるので、手で容器をにぎるなどして、あたためてからあたえてください
といわれていました。
そういったことから、夏場とはいえ、「あまり冷たいものをあげるのはよくないかな」と思いはじめたわけです。
冷やした水をあげてたらウサギさんが下痢をしてしまいました
という話はじっさいに聞いたこともありますし、
- 冷えている野菜・果物はできるだけ常温に近い温度にもどしてからあたえるようにしましょう
これもよく耳にすることでもあります。
うさぎさんも暑いと水を飲む量が増えます。
これは、水をたくさん飲んでおしっこをするだけでも、体温調節ができているからではないでしょうか?
なので、私は冷蔵庫で冷やした水をあげるのはやめました
水道水でもひんぱんに交換してあげれば、じゅうぶん冷たいのではないかなと思います。
というわけで、水を冷やすのなら、ケージのほうを冷やしてあげたほうがいいと思いますよ。
今回のまとめ
- うさぎは暑さに弱い
- エアコンで室温を27℃以下にするのが基本
- ケージの中や外を直接冷やしてあげるとさらにいい
うさぎさんについて理解を深めていくと、どうすれば快適に夏を過ごしてもらえるかが、だんだんとつかめてくると思います。
エアコンでの空調の調節や、
- 自作の冷却装置
- 市販の暑さ対策グッズ
こういったものを駆使して、夏場はうさぎさんが快適に過ごせる環境をつくってあげてください。
そんなわけで、今年もそろそろ夏本番だな
気合いを入れて、今年もアツい夏を乗りきっていきましょう。
では、うさぎさんとよい夏の日を!
冬の寒さ対策はこちら
うさぎが暑さで体調をくずしたときは
この記事登場のケージ&ハウス詳細
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いちどは使ってみる価値はあるので、ぜひこちらも試してみてください。
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