ブログの記事をリライトしていると、いきなり検索順位が落ちてしまい、わりと本気であせることがあるわけです。
ブログの記事を書きなおして検索順位アップを目指す作業のことを「リライト」といいますが、このリライト作業後に、なぜか検索順位が下がることがあります。しかもけっこうよくあります。
検索順位を上げることを目的とした作業だというのに逆効果。リライト作業が完了してこうなってしまった場合、もともとの記事のアクセス数などによっては本気であせることもあると思うのですが、ひとまずは落ち着いてください。
そのまま放置していれば、また元に戻ることも多いからです。
ただ、残念なことに、なかには元に戻らない(あきらめるしかない)ケースもあるように思われ、記事によっては(大幅な)リライトはしないほうがいいように思われる場合も。
そこで、このようなリライトがらみの問題でお困りの方のため、今回は、この作業を数十回、数百回としている当ブログでのケースをもとに、リライト後の順位が下がった・落ちたときの対処法を、事前にできるリスクの回避方法とあわせてお話しします。
リライト後に順位が下がった時の確認点&対処法
そもそもの話、記事の検索順位を決定している、Googleなどの検索エンジンの基準がさだかではないことから、はっきりしたことはいえないともいえるのですが、一般的にリライト後で順位が下がる原因は、おもに以下のようなものがあるようです。
- 一時的なもの
- キーワード選びのミス
- SEO対策のやりすぎ
- 文字数の削りすぎ
- Googleの検索アップデート
まずは、これらの原因と思われるものを、それぞれの対策方法とあわせて確認しておくことにしましょう。
1. 一時的なもの
じつはいちばんよくあるパターンが、この「一時的なもの」。
リライト後にクローラー(巡回ロボット)がまわってきて、検索エンジンに記事がインデックス(登録)されると、変更の度合いによってはそこで記事の再評価がおこなわれるようであり、これによって一定期間、検索順位が安定しなくなることがあるようです。
早ければ1週間、長くても1か月あれば順位は安定することが多いのですが、もっと長いと2~3か月は変動がつづく場合もあるようで、検索順位落下の原因がこれの場合は、待つしかないともいえるでしょう。
個人的には、競合相手が強い・しのぎを削っているなど、記事の順位がギリギリの戦いをしている場合に起きやすいような気がします。
リライトをした記事に以下で解説していくような問題がなく、かつ順位が下がった原因が不明なのであれば、これへの対策は、順位のことはあまり気にせずにただ待つしかない、といえるかもしれません。
2. キーワード選びのミス
その記事にとって重要なキーワードを、記事のタイトルや見出しから抜いてしまう「キーワード選びのミス」があった場合。
これは、もともと設定されていたキーワードで検索されても、場合によっては、その記事にキーワードが入っていなかったりもするわけですから、こういったミスでも順位が下がることはあります。
じっさいに私も、そのようなミス(キーワードをいじったタイトルの変更)で順位を下げたことはありますし、よかれと思ってあえて変えたのがダメだった、ということも何度かありました。
この場合の対処法は、変更した(タイトル・見出しなどの)キーワードを元に戻すなりすれば、検索順位が落ちてしまうまえに戻せる可能性は高いといえるかもしれません。
3. SEO対策のやりすぎ
本文中にキーワードを入れすぎている、タイトルや見出しに不自然にキーワードを詰め込んでいる、複数のキーワードをねらいすぎていて、なにがいちばんいいたいのかよくわからない(整合性の低下)、など、過剰なSEO対策(検索順位アップの対策)は検索順位の低下にもつながるようです。
SEO対策の手法が悪質だと判断されたときは、ペナルティを受けて検索結果から消されることもあるらしいので、過剰な対策には注意が必要だといえるでしょう。
不自然なキーワードの連打や、詰め込みすぎ、整合性の低下などがある場合は、すこしようすを見たあとで、以前の状態に戻したほうがいいかもしれません。
4. 文字数の削りすぎ
リライト作業は、不要な文章をけずるのも重要ですが、文章をけずりすぎて文字数がすくなくなってしまい、記事のボリュームが落ちた(情報の質が低下した)と判断されてしまうと、検索順位も落とされてしまうことがあるようです。
本文は長ければ長いほどいいということはありませんが、極端に文字数を減らしてしまうのはやや危険とも思われるので、リライト時は、できるだけ文字数は維持したほうがいいような気はします。
もしこれだけが原因だと思われる場合は、文字数を増やせば改善するかもしれませんが、私はこれをしたことはないので、はっきりとしたことはいえません。
5. Googleの検索アップデート
わりとどうにもならなそうなのが、このGoogleの検索アルゴリズムのアップデート。
Googleは毎年2~4回ほど、検索アルゴリズムという検索順位を決定する基準を変更しているそうですが、近年は法人・企業サイトや、特化型のサイト・ブログが優遇される傾向があるように思われます。
そこで、そのような順位の変動が、もしもリライト後の再インデックス時(検索エンジンへの再登録時)で起きるようなことがあった場合、これはそのまま放置していても、どうも順位は元に戻らないような気がするのです。
なぜそう思うのかは、このあとで実例をもとに解説しますが、アップデートの影響を受けてしまう場合は、元に戻すのはあきらめてその後の順位で納得するか、べつのキーワードをねらうなどするしかないのかもしれません。
対策法:ひとまずは放置して待機(様子見)がベストか
そのほかでは、たとえば外部からの不自然なリンクがあるとか、ページの速度がいちじるしく低下していてそれが低評価につながったとか、あせっていじってインデックスのリクエストを連発したとか、いろいろな原因もあるかもしれません。
ただ、個人的には、リライト後の順位下落は、だいたい①~⑤が原因なのではないかと感じ、なかでも①の「一時的なもの」が圧倒的に多いように思うので、この問題を解決するには、ひとまずは待つしかないと思います。
原因が一時的なものでなくても、あせっていろいろといじってしまうと、それが逆効果になってしまうこともあるでしょう。
リライト後に順位が下がってしまったときは、最低でも1週間はようすを見てみて、元に戻らないようであれば原因と考えられるものを特定し、それから改善する、という方法をとるのがいいかもしれません。
リライトが失敗した(?)実例を紹介
当ブログは、この記事の作成時点では400記事近くがあり、諸事情によりひたすら過去の記事をリライトしつづけているのですが、大半は一時的なものだったとはいえ、リライト後に順位が下がったことはこれまで何度もありました。
そんななかでも、「これはリライトしなければよかったのか?」と思える動きをした印象にのこる記事がいくつかあるので、ここでは、リライトする記事の選別基準をこのあとでお話しするために、2つの例をご紹介することにしましょう。
1. インデックスの際にアップデートの影響を受けた?
1つめの例は、ギャンブル依存症の保険適用について書いた記事(ギャンブル依存症の保険適用はいつから?パチンコ依存者が病院に行く利点を解説)。
この記事は、まだ検討段階だった保険適用の話がメディア等で報じられた当時、「そんなことに保険を使うのであれば、もっとほかのことにお金を使ったらどうなんだ!」という批判的な声が上がったことを受けて、そもそもギャンブル依存症は、もとから保険は適用されていたりもしますよ、という話をした記事でした。
記事公開後はかなりの変動はあったものの、最終的には8番目くらいの検索順位となり、それを半年間以上は維持。
しかし、そのあいだにギャンブル依存症への保険適用が正式に決定となり、記事は「最終的にどうなるかは国の決定待ち」といったところでおわっていたまま放置されていたので、もともとの内容に保険の適用決定後のことも書き足して全体的にリライト。
すると、この記事の順位は……とつぜん100番目以降に吹き飛ばされてしまったのです!
その後は微妙な変動はあったものの、1か月が経過しても検索圏外なのは変わらず。この記事は残念なことに、リライトによって、ほぼ完全な「死」を迎えました(もう元には戻らないかもしれません)。
「YMYL」ジャンルのアップデート直撃か
このケースの場合は、記事の内容が「ギャンブル依存症・保険・病院」といった、もろに個人ブログが冷遇される「YMYL(健康やお金)」のジャンルであったことが原因だったと私は思っています。
「YMYL」にもかかわらず、当初は検索1ページ内に入ってきていたのは、自分でいうのもなんですが、ほかにはない有益な情報がかなり入っていた(情報の独自性が高かった)からだったのかもしれません。
しかし、ことがすんだあと(保険適用決定後)では、もはやそれも用なしといったところでしょうか。検索アルゴリズムの冷遇がこの再評価のタイミングであったのであれば、それに打ち勝つことができず、リライト後の再インデックスで吹っ飛んだのではないかと。
個人的な見解なので、はっきりとしたことはいえませんが、これまで検索アルゴリズムのアップデートの影響をまぬがれていた記事でも、リライト後のインデックス(リクエスト)のタイミングでその影響を受けてしまうなんてことがありうるのであれば、それで検索順位が落ちてしまうこともあるのかもしれません。
2. 再評価のせいで守っていた1位から陥落?
2つめの例は、うさぎのエサの分量について書いた記事(うさぎに与えるペレット&牧草の1日分の量を詳しく解説【適正体重の見分け方も】)。
この記事は、うさぎにあたえるエサの量を、各メーカー・専門店などの指標に加え、じっさいに私があげていたエサの量や、かかりつけの動物病院の意見などもまじえてまとめたもので、特定の検索キーワードで不動の1位を守りつづけていたなど、当ブログではトップレベルのアクセス数があった記事でした。
ところが、内容は変えずに全体的にこまかい修正&新たな有益な情報を加えてリライトしたところ、なぜか不動の1位は陥落。
2位~9位あたりをうろうろするようになり、1週間が経過しても1位に戻ることはありませんでした(どうも今後は2~3位くらいで落ち着きそう)。
ギリギリで勝っていたのが再評価で負けたか
このケースの場合は、情報の質・量・積み重ねなどで1位を獲得し、その後は維持できていた順位が、リライト後の再評価によって競合相手に追い抜かれてしまったことが原因なのかもしれません。
近年は、より専門性の高いサイト(企業・法人サイトなど)の記事が優遇される傾向がありますが、すぐ下(2~3位)にそういった競合がたくさんあったなど、検索結果はともすれば、なにかきっかけがあればすぐにでも動くかもしれない「緊張状態」のようでもありました。
そんなとき、私はみずから、べつにしてもらう必要もない再評価を(意図せずに)依頼してしまったわけです。そして、その再評価によって、優遇されるサイトに抜かされてしまったと。
このままいじらなかったとして、今後、この記事がいつまで1位を守りつづけられたかはわかりませんが、よけいなことをしなければ、1位からはまだしばらくのあいだは陥落することはなかったでしょう。
すでに上位を取れている記事は、リライト後の再評価で落ちる可能性があり、そこに検索アルゴリズムの優遇などがからんでくると、内容をもどしても元には戻らなくなる可能性もあります。特別な理由がなければ、そういった記事は、リライトはしないほうがいいのかもしれません。
リライトする記事の選別基準と書き直す際の注意点
ここまで、リライト後に記事の順位が下がる原因とおぼしきものや、じっさいに順位が下がった実例を見てきましたが、最後に、これらをもとにして、リライトする記事をえらぶ基準や、リライトするさいの方法や注意点について、当ブログなりにまとめておきたいと思います。
検索順位1位の記事はできるだけさわらない
ブログのリライトというのは、記事の検索順位を押し上げたり、クリック率を改善させることを目的とした作業ですが、検索順位の1位が取れていてクリック率もわるくないのであれば、それは最大の目的をはたしているともいえます。
したがって、リライト作業をする記事は、検索順位が5~10番目あたり、またはそれ以下といった、まだ上がる余地があるものからにしたほうがいいでしょう。
1位が取れている記事で、より多くのキーワードをねらえば、たしかにより多くのアクセス数が見込めるかもしれませんが、へんにいじってメインの検索キーワードでの1位から落ちてしまえば元も子もありません。
順位が下がるダメージはかなり大きいものです。ほかで挽回できたとしても、よけいなことをして下がったとなれば、やはりいじらなければよかったとなります。
検索上位の記事のリライトは、さらなるアクセス数が見込めることよりも、順位が下がってアクセス数が減るリスクのほうが大きいということです。
検索上位の記事は大幅な変更はひかえる
また、検索順位がそこまで高くはない記事であれば、べつに問題はないと思うのですが、検索順位が1位などの上位の記事をリライトする場合は、できるだけ内容は変えないようにするなど、大幅なリライトはしないほうがいいのかもしれません。
追加したい情報があれば、それだけを追加する程度にしておき、タイトル・見出しなどの全体的な変更はひかえたほうがいいということです。
どうもリライトは、記事の内容を大きく変えれば変えるだけ、その後の動きが不安定になるようにも感じます。内容が全体的に変わっていれば、いい意味でもわるい意味でも、再評価もされやすくなるということなのでしょうか。
大幅なリライト(記事の全体的な書きなおし)をしたければ、検索順位が(自然に)2位以下に落ちてしまったとか、競合相手に取られてクリック率が落ちてきたなど、それなりの対策が必要なときにしたほうがいいのかもしれません。
検索順位を上げるのも重要ですが、順位を下げないことのほうが重要だったりもするわけです。アクセス数だけではなく、ブログを運営するモチベーションにも大きくかかわってきますから……。
今回のまとめ
・一時的なものであれば元に戻るケースは多い
・検索上位の記事をリライトする際はとくに注意が必要
ブログの記事をリライトしたあとは、なんらかの原因によって、一時的に検索順位が下がってしまうこともありますが、とくに問題があるような直し方をしていないければ、これは放置していれば元に戻る可能性は高いといえます。
ここでへんにいじくってしまうと、それのせいで元に戻らなくなってしまうこともあるかもしれません。このようなことが起きたときは、最低でも1~2週間はようすを見てみるのがいいでしょう。
ときには、原因不明の検索圏外行きとなってしまうこともありますが、これもあきらめて放っておけば、いつのまにか元に戻っていたりもするものです。
結局のところこの問題は、そうなってしまったら、基本はまず放置するしかないということ。記事の内容を以前の状態に戻すなどの対策を打つのは、しばらくしてもダメだった場合ということですね。
なお、これは余談ですが、当ブログでは記事の品質を均一にするため、全記事のリライト作業を推し進めているのですが、そういった「そこまで重要ではない」リライト作業が順位を落としてしまうこともあります。
統一・均一なんてものは、いいだしたらきりがありません。以前書いたものは以前書いたものとして、ほんとうに必要がないかぎりは放置しておいたほうがいいのかもしれないと今回で考えさせられました。
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