うさぎさんはティッシュや新聞紙、ダンボールなどの紙製品で遊んだりしますが、放っておくと大変なことになってしまう場合もあります。
うさぎさんは遊ぶことが大好きな生きものなので、ティッシュや新聞紙、本などの紙製品を見つけるとかじったりして遊び始めると思うのですが、とくに好きなのがダンボールでしょう。
うさぎさんはダンボールを見つけると、こちらもかじったり、破いたり、ホリホリしたりと夢中になって遊び始めますが、問題なのはダンボールなどの紙製品を、遊んでいる最中にいっしょに食べてしまうことです。
はたして、うさぎさんはダンボールなどの紙を食べても大丈夫なのでしょうか? 今回はうさぎさんと魅惑のダンボールの関係についてせまりつつ、安全で楽しく遊べる代用品などについてもご紹介したいと思います。
目次
うさぎはダンボールを食べる

宅急便でーす

きたか……
私はうさぎさんの餌は基本的にすべてネットで購入しているのですが、ミニレッキスのイブスター店長が待ち望んでいるのはご飯のほうではありません。そう、じつは餌が入っているダンボールのほうなのです。
配達員の方からダンボールを受け取り、床に置くと、イブスター店長は一目散にダンボールに向かっていきました。
そしてかじる(一部を食べる)。
上に乗っかって掘る!
ダンボールの周りを走りまわる!!

……………………

なかなか太ぇヤツだったな
いったいなにが、うさぎさんをここまで駆り立てるのでしょうか……!?
うさぎがダンボールで遊ぶ理由
うさぎさんがダンボールを愛してやまない理由は、うさぎさんによっても異なるとは思いますが、おもに以下の理由があると思われます。
- ちょうどいいかたさ、頑丈さで壊しがいがある
- 上から掘ってもちょっとやそっとじゃびくともしないため、穴掘りの本能が覚醒する
- 歯が伸びるのを防ぐ目的もあるが、紙は興味深い
ちょうどいいかたさで壊しがいがある
これに関しては私たちもそうですが、簡単にクリアできるゲームや、難攻不落ではない城、釣り糸を垂らしていたらよくわからないまま釣れた魚など、そういった攻略しがいのないものでは達成感を味わうことができません。
それはおそらくうさぎさんも一緒で、がんばって壊れるからこそ楽しく感じるのだと思います。がんばった先にダンボールが壊れるというアクションがあるからこそ、うさぎさんはやりがいを感じることができるのです。
穴掘りの本能が覚醒する
この穴掘りに関しては、うさぎさんの習性に起因するものと思われます。
自然界のウサギは地中に巣穴を掘って生活しているため、穴を掘るというのは生きていくための本能的な行動であり、伸び続ける爪を研ぐという大切な役割を持った行動でもあります。
多少ホリホリしてもなかなか穴が掘れない(少しずつ壊れていく)ダンボールは、がんばって地中深くに巣穴を掘るうさぎさんの本能を刺激するのでしょう。それにもしかすると、ダンボールの色が土と同じ茶色なのも、穴掘り職人を本気にさせることに関係しているのかもしれません。
歯が伸びることを防ぐ目的もあるが紙は興味深い
物をかじるという行為に関しても、うさぎさんの本能による部分があります。
うさぎさんの歯は前歯(切歯)も奥歯(臼歯)も成長し続けるため、ふだんから牧草や木などをかじって歯をすり減らしているのですが、これがうまくいっていないと歯が伸びすぎてしまい、「不正咬合」という噛み合わせ異常の病気になってしまうことがあるのです。
不正咬合は、それになってしまうと、うさぎさんはうまくご飯を食べられなくなってしまうため、最悪のケースではそのまま命を落としてしまうこともある病気です。
したがって、なにかをかじるということは、うさぎさんがみずからの健康を保つための日課のようなものであり、おそらくほどよいかたさのダンボールは、歯をすり減らすのにもちょうどいいのでしょう。
それに加えて、新聞紙はビリビリ破れたり、ティッシュは箱からどんどん出てくるので、遊んでいても楽しいのだと思います。
しかし、だからといって、うさぎさんに紙を食べさせるのはいいことではありません。というよりもむしろ危ないので、注意が必要となってきます。
うさぎが紙を食べるのがよくない理由
ティッシュや新聞紙、ダンボールなどの紙製品は「パルプ」という木材から取れた繊維が原料となっているものが主流で、新聞紙のインクも大豆由来のものも多いため、いちおうすべて植物由来のものではあります。
そのため、基本的には消化できないと思っていたほうがいいと思うのですが、少量であれば消化することができる可能性はないわけではないようで、消化できなかったとしても、牧草などの繊維質をしっかりと食べていれば、おなかの中で繊維が異物を絡めとり、うんちといっしょに食べてしまった紙を排出することができます。
ところが、うさぎさんが牧草をあまり食べない、繊維質の少ないペレットやおやつばかりを食べている、水をあまり飲まないといった場合、消化できなかった紙を排出する力が弱ってしまっていたり、そうでなくても大量に紙などの異物を飲み込んでしまったりしていると、「うっ滞(胃腸うっ滞)」という危険な病気にかかってしまう可能性があるのです。
うっ滞(胃腸うっ滞)
うっ滞とは、繊維質の少ない食事や、ストレスなどによる体調の変化、毛玉や紙などの異物を大量に飲み込んでしまうなどが原因でうさぎさんの胃腸の動きが止まり、おなかの中に有毒なガスがたまってしまうという、うさぎさんの命にも関わる病気のことで、おもに以下のような症状が見られます。
- 胃腸が動かなくなることで食欲がなくなる
- 餌を食べない、もしくは食べる量が少ない
- うんちが出ない、小さい、量が少ない
- ガスによる腹痛でうずくまっていて動かない
- おなかをさわると痛がる、嫌がる
うさぎさんは日によってうんちが小さいときもありますが、上記のような状態がしばらく、または長時間続いているようであれば、なにかしらの異常が起きている可能性が高いため、すぐに動物病院に連れていってあげたほうがいいかもしれません。
治療はおなかの動きを促す薬や鎮痛剤を与えたり、点滴によって水分補給をさせたりしますが、対応が遅れてしまうなどの場合によっては、切開手術でおなかの中にたまった異物を取り出さなければならなくなってしまうからです。
うっ滞、不正咬合、胃拡張などの病気の症状はこちら
→【食欲不振】うさぎが急に餌を食べなくなった時にすべき確認と対策方法
このように、ちょっと目を離した隙にうさぎさんが少し紙を食べていたという程度であれば基本的には問題ないのですが、日常的に紙を食べている、大量に食べてしまったという場合、うさぎさんによっては紙が異物としておなかの中にたまってしまい、場合によっては深刻な事態を引き起こす可能性もあります。
よって、うさぎさんを紙で遊ばせるのはリスクが付きまとうので、楽しそうではあるのですが、やはりやめておいたほうがいいでしょう。

それじゃあこの抑えがたい本能はどこで解放すればいいんだ?
本能を覚醒させるグッズを活用しよう
ダンボールはうさぎさんの本能を覚醒させる要素がたくさん詰まっているのですが、やはり安全性を考えるとあまりいいとはいえないので、ほかのものでうさぎさんの本能を解き放ってあげるのがいいでしょう。
ダンボールは、①頑丈で壊しがいがあり、②穴掘りもでき、③かじって歯をすり減らすという3アクションを取ることができるので、今回はそれぞれのアクションに対応した覚醒アイテムをご紹介します。
1. 破壊の覚醒グッズ
こちらは天然のチモシーを原料に、1つ1つハンドメイドで作られている「わらっこ倶楽部」というシリーズの座布団(うさぎの座ぶとん)で、イブスター店長も愛用しています。
うさぎの座ぶとんは、かなり頑丈に編み込まれているのですが、うさぎさんががんばればかじって破壊することができるかたさになっているので、うさぎさんが壊しがいを得ることができるとともに、①破壊と③かじるというアクションを同時に取れるすぐれもの。しかも天然素材なので、うさぎさんが食べても安心です。
Sサイズは少し小さく、Lサイズはかなり大きいので、ケージの中に置く場合はMサイズがちょうどいいと思いますよ。
また、わらっこ倶楽部のシリーズにはほかにもさまざまなアイテムがあり、うさぎさんが中に隠れたり、かじって壊したりすることができるトンネルハウスや、
中に隠れたり、休憩したりすることはもちろんのこと、①破壊し②穴を掘り③かじるという、うさぎさんの本能を完全覚醒させる「かまくらハウス」というものまであります。
いずれのグッズもすべてうさぎさんが壊して遊ぶことができるため、うさぎさんのストレス発散に役立つことは間違いなし。そしてなによりも、うさぎさんが食べても大丈夫なチモシーが素材になっているので、うさぎさんを好きなだけ遊ばせてあげられるという安心感がいいですね。
うさぎさんの気のおもむくままに破壊させてあげましょう!

いまこそ編み込まれたわら製品を破壊し、本能を覚醒させる時がきたのだ
かまくらハウス詳細はこちら
→【うさぎの隠れ家】わらっこ倶楽部「かまくらハウス」のおすすめな使い方
2. ホリホリ覚醒グッズ
こちらはイブスター店長が子どものころに使用していたものですが、左上にぶら下がっている黄色いマットがホリホリ覚醒グッズです。
その名も「ウサギのマットでほりほり」。
ホリホリマットは、やわらかいネル生地(柄)とフワフワのボア生地(無地)のリバーシブルになっていて、端にひもがついているので、ケージなどにくくりつけることができます。
マットはフカフカと厚みがあるので、うさぎさんの穴掘りの本能をひたすら受け止めてくれるのはもちろんのこと、うさぎさんがマットの上で寝たり、マットの中に隠れたりすることもできます。汚れても洗って使うことができるので、コスパも抜群ですよ。
しかし、イブスター店長の場合は、大人になったことで縄張り意識が強くなったことも関係していると思うのですが、布を見つけると興奮しておしっこをまき散らしたりするようにもなった(スプレー行為)ので、ホリホリマットは残念ながら撤去し、その代わりに私のズボンなどを身代わりとして差し出しています。

あいつは犠牲になったのだ。古くから続く本能……その犠牲にな
なお、うさぎさんは布であれば基本的になんでも掘ると思うので、自作というか、手作りというほどでもないのですが、私のようにいらなくなった服やズボンをそのまま置いたりしておけば、そこでホリホリし始めるはずなので、そういった着なくなった服でも代用することができます。
ホリホリマットを活用するにせよ、服で代用するにせよ、布製品はいちばん掘れるのでうさぎさんの遊び道具にはおすすめですが、使用する場合は、うさぎさんがかじって食べてしまわないかも注意して見てあげるといいですよ。
3. 牙を研ぐ覚醒グッズ
こちらはうさぎさんがかじることで歯が伸びすぎることを防いでくれる、「かじり木コーン」というトウモロコシ型のかじり木です(Mサイズ)。
かじり木コーンは天然素材の木からできているので、うさぎさんがかじって食べても安心。うさぎさんには紙ではなく、かじり木をかじってもらいましょう。
かじり木コーンはこのように、かじり木本体、ワッシャー、ネジの3つパーツに分かれていて、ケージの中に取り付けられるようになっています。
取りつけ方は簡単で、かじり木コーンの本体をケージの中に入れ、ケージの外からワッシャーをはめたらネジで締めるだけ。
ネジはしっかりと締めておかないと、うさぎさんがかじっていくうちにゆるんでしまい、かじり木がケージの中に落っこちてしまうこともあるので、ネジはしっかりと締め、ときどきゆるんでいないか確認してあげるといいですよ。
新しいかじり木コーンをセットすると、イブスター店長はさっそくかじります。
みごとに破壊されたかじり木コーン。これをケージにセットしておくことで、①破壊と③かじるという2アクションをうさぎさんは取ることができるのです!
ただし、こういったかじり木は、うさぎさんが食べた木片がおなかの中で刺さってしまい、それが病気のもととなってしまうという意見もあります。
野生のウサギはもともと木の根や皮を食べていたことに加え、うさぎさんはものを食べるときは歯でこまかく磨り潰しているので、私は木製品でも大丈夫かなと思っているのですが、もし気になる場合は木の製品ではなく、わら製品を活用するようにしたほうがいいかもしれません。
かじり木コーンを利用する場合は、あまりささくれ立っていたりすると、うさぎさんがなにかの拍子でぶつかってしまったときに危ないので、さわってみてトゲトゲしているなと思ったら、早めに交換してあげるといいと思いますよ。
以上、3種の覚醒グッズでした。
覚醒アイテムを使って、うさぎさんの本能を解き放ってあげてください!
今回のまとめ
・うっ滞は危険な病気なのでふだんから気をつけるようにしよう
・わらっこ倶楽部シリーズはとくにオススメです
ダンボールを床に置いたところ夢中になって遊んでいたので、今回だけはいいかと遊ばせてあげたのですが、基本的にダンボールは(もちろんティッシュや新聞紙も)うさぎさんが食べていいようなものではないので、かじるのといっしょに食べてしまうダンボールや、その他の紙などで遊ばせてあげるのは、やはりやめておいたほうがいいでしょう。
もっとも、目を離した隙にうさぎさんが紙を食べてしまっていたときは、少しくらいであれば基本的には問題ないので、どうしよう! とあせらず、その後のうさぎさんのうんちの状態などを観察しながら、様子を見てあげるといいと思います。
牧草をたくさん食べさせてあげ、あとは抜け毛を飲み込んでしまわないように日々のグルーミング。これをしっかりしておけば、多少の異物を飲み込んでも大丈夫だと思いますよ。
うさぎさんは遊ぶものを見つけるのがとても得意なので、別のものを用意してあげればそちらで遊んでくれるようにもなります。
安全な遊び道具を用意してあげれば、うさぎさんもきっと喜んでくれると思いますし、とくにうさぎさんの毎日の健康のためにも、安全なかじってもいいものを用意してあげ、好き放題かじらせてあげちゃいましょう。
うっ滞予防には日々のグルーミングが効果的
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