ミニレッキスという種類のうさぎさんが持つ性格や習性などの特徴を、詳細版ということでまとめておきます。
ミニレッキスという種類のうさぎさんを飼いはじめて現時点では5年ほどになりますが、立派な大人へと成長をとげる過程を見てきて、私はミニレッキス(とくにオス)の生態について理解を深めることができました。
ただ、賢い(知能が高い)・なつく(人懐っこい)・甘えん坊といわれている性格や、スプレー行為・マウンティングなどの習性・本能的な行動などは、じっさいのところはどうなのか? という情報はあまり多くはないような気もします。
そこで、うさぎさんのなかでも、とくにミニレッキスについて知りたいという方や、これから飼おうかと検討されている方のため、今回は、ミニレッキスとは何者であるのかを、種が持つ性格や習性といった生態に焦点を当てて、くわしくご紹介したいと思います。
あくまでいち個人(いち個体)の話ですが、一般的にいわれているものだけでなく、いい点・わるい点や、飼いやすい点・飼いにくい点など、できるだけすべてのことをお話しできればと思って当記事を作成しましたので、どうぞごらんください。
ミニレッキスの基本的なスペックはこちら
→【賢い】ミニレッキスの性格・体重・体長などの特徴とうさぎの歴史を紹介
ミニレッキスの名前の由来と性格の基本
アメリカ原産のミニレッキスは、フランス原産のレッキス種とオランダ原産のネザーランドドワーフを交配することで誕生した品種で、その名前は「小さなレッキス」を意味しています。
ちなみにレッキス(Rex)という名前は、その毛皮がビロードのような手ざわりで美しく、まるでビーバーのようになめらかであったことから、ラテン語に起源を持つとされるフランス語で「Castor rex(ビーバーの王)」と呼ばれていたことに由来しているそう。
レッキスとは王。ミニレッキスとは王位継承者。つまり、ミニレッキスは、ウサギ界のプリンスなのです……!
偉そうなウサギだな
さて、前置きはこのへんまでにして、ここからが本題。
ミニレッキスにもオスやメス、それぞれのうさぎさんによって、もちろん性格に差はあると思われますが、一般的にいわれていることからも、ある程度の傾向はあると思われるので、私が飼っているイブスター店長の場合も加えて、まずはミニレッキスのくわしい性格からご紹介します。
1. 性格は基本的に穏やか
ミニレッキスの性格は大きく3つの特徴に分けられるのですが、1つ目は基本的におとなしく、おだやかな性格をしているという特徴。
遊んでいるときや、散歩をしているときは元気いっぱいに走りまわったりしますが、遊びおわったあとは横になってくつろいでいたり、すわって休憩していたりと、基本的にはおとなしい。
あばれて部屋中を散らかしたりすることはないので、留守番中のイヌやネコが家の中をめちゃくちゃに荒らしていた、みたいなことは基本的にありません(ケージの中で留守番できる)。
また、遊びたがりすぎてもう手が付けられない! ということもないので、「かまってかまってはちょっと……」という方も飼いやすいのではないかと思います。
ミニレッキスは、いろんなことに興味を持ち、活発的で物怖じしない性格であるともいわれていますが、たしかに元気があり、しかしそれでいて、おだやかな、物腰がやわらかい気性を持ち合わせているといえるでしょう。
2. 人懐っこく甘えん坊(寂しがり屋)
2つ目は人と遊ぶのが大好きになる人懐っこさを持ち、とくにオスは甘えん坊であるといった特徴。
自分ひとりで遊んでいるよりも人に遊んでもらうほうが好きなため、人が歩くと付いて来たり、足元から離れなかったりすることもあるなど、たしかに人懐っこい。知らない人でも匂いを嗅いで慣れれば、すぐにいっしょに遊んでくれるようになったりもします。
また、人になでられるのが大好きになるため、なでてあげると歯を鳴らして気持ちよさを表現したり、手に頭を突っ込んできて「なでてくれ」と催促するようにもなります。
ただ、これはうさぎさんにかぎった話でもないのですが(動物はオスのほうが甘えん坊気質が強い傾向にあると一般的にいわれている)、ミニレッキスも人が長時間家にいなかったり、かまってもらえなかったりすると、寂しさや不安を感じやすく、たくさん遊んであげられない場合はそれがストレスになってしまうこともあるようです。
飼い主さんがふだん帰ってくる時間なのに帰ってきていないと、不安から餌をあまり食べていないということがあったり、飼い主さんが自宅にいるのにケージの中から出してくれない(かまってくれない)となると、ケージを噛んだり、扉を前後にガタガタ動かして出せ! とアピールしたり、といったように。
ミニレッキスは、そこまで「かまってちゃん」というわけでもありません。が、ある程度はかまってあげないと怒りだしたりもするので、この種のうさぎさんを飼うのであれば、
- ほとんど手間がかからない
- 放置しても大丈夫
- 観賞用として飼う
といった考え方や、そういった目的での飼育は、やめておいたほうがいいといえるかもしれません。
このようなうたい文句で、その場での購入をたきつけようとする無責任なペットショップもあるので注意してください。
ご自宅で仕事・趣味など、集中したい時間があるという場合、うさぎさんがケージの中で静かに(おとなしく)していてくれず、作業が中断してしまう、といったことは、おそらく出てくると思います。
「人懐っこい・甘えん坊」というのは、逆にいえば「寂しがり屋」でもあります。なつかないよりはいいと思いますが、それはそれで(かまってあげるのが)大変になることもあるというのは、事前に知っておく必要はあるでしょう。
うさぎの感情表現はこちら
→【感情表現】うさぎのブーブー、キューなどの鳴き声や仕草が意味する気持ち
3. 賢い(知能が高い)
ビーバーの王レッキスは、ウサギのなかで最も賢い品種だともいわれているのですが、その性格を引き継いだミニレッキスも、レッキス同様に賢さを持ち合わせている、というのが3つ目の特徴。
名前をつけて呼んであげると、自分の名前をおぼえてくれるようになるといわれ(名前をよぶと寄ってくるとよくいわれますが、私の場合はそうでもなかったです)、トイレなどのしつけはもちろん、たとえば人の手を噛むといったダメなことは、きちんと「ダメ!」などと伝えれば、してはいけないことを学習することができます。
そのため、これもミニレッキスにかぎった話ではないのですが、怒るときや叱るときに、うさぎさんの名前を呼んでしまうと、名前を呼ばれると怒られると学習し、飼い主さんに寄り付かなくなることもあるらしいので注意が必要といえるでしょう。
好奇心が旺盛で、遊べるものや、イタズラできるものを探したりするのが得意だったり、人のことをよく見ていたり(飼い主がなにをしているかなど)、知らない場所や知らない動物と会ってもしだいに慣れていったりする(適応する)など、そういったことも賢い・知能が高いといわれるゆえんなのかもしれません。
もっとも、これは後述しますが、習性や本能的な行動によってはダメもなにもなく、いっても人間側のルールを守ってくれないこと(しつけがむずかしい)はあります。
私たち人間でさえもできないことがあるように、本能・欲求などを、理性で完全にコントロールできるほどうさぎさんは賢いわけではありません。うさぎさんによる差はあるとは思いますが、頭のよさにも限度があることは知っておく必要があるでしょう。
ここからが「本番」か?
ミニレッキスの習性・本能行動などの実態
(画像:覚醒のイブスター店長)
ミニレッキスは性格が「穏やかで、人懐っこく、賢い」と、比較的飼いやすいほうではあるとは思いますが、そういいところばかりというわけでもありません。
むしろほんとうに知っておかなければならないのはそのさき。うさぎさんの習性や行動といった、種が持つ本能的な部分でしょう。
本能とは、学習や経験などの後天的な話ではなく、うさぎさんが先天的に持っているもので、いってしまえば人間が踏み入る余地などない、その動物がその動物であるための根幹をなしているもの。
そして、これがペットとして飼うさいには問題となってしまうこともあるように思われるので、ここからは、ミニレッキスの習性や本能的な行動について、ひとつひとつ見ていくことにしましょう。
1. 何でもかじる(部屋の中がボロボロになる)
うさぎさんの本能的な行動のひとつに「物をかじる」というものがあり、これは一生伸びつづける歯を、適切な長さに保つための役割をもった大切な習性となっています。
ところが、これを放っておくと大変。
部屋の壁紙(クロス)、扉や仕切りなどの木材部分、家具からプラスチック、紙まで、なんでも……というわけでもないのですが、やはりかじれるところにあるものは基本かじられてしまい、そのままにしておくと、家の中がボロボロになります。
ようは、賃貸物件などでは、退去時にこれが大きな問題(修繕費用を請求される)となってしまう可能性があるのです。
べつにかじって遊べるものを用意してあげる、かじってはいけない部分には防護フィルムを張る、柵をつくってかじれないようにする、など、そういった工夫を早めの段階からしておけば、家の中がボロボロになることをふせげますが、なにもしていなければ、まちがいなくやられると思っていたほうがいいでしょう。
これはもう、いえばやめてくれるとかそういう話ではありません。なぜなら、本能の話だからです!
2. オスは縄張り意識が強い(おしっこ、スプレー行為)
もともと野生のウサギは群れをつくって生活していました。
群れのオスのウサギには、仲間を守る本能があり、自分の縄張りに見知らぬオスが入って来ようものなら、自分が優位であることをはっきりさせるため、壮絶なケンカを仕掛けにいきます。相手のウサギを追いかけまわしたり、噛みついたりして追っ払うのです。
さて、そんなオスのうさぎさんが自分の縄張りを主張するためにおこなうのが「におい付け」というもの。これは飼育下のうさぎさんであれば、顎の下にある臭腺を家具などにこすり付けたり、床にうんちをしたりしてにおいをつけ、自分の縄張りを示します。
とはいっても、臭腺(顎の下)のにおいは私たちにはわかるものではありませんし、散歩中にしたうんちはひろって捨てればいいだけなので、これはとくに問題はありません。
問題となるのは、そう、ほかの動物にも見られる、「スプレー行為」とよばれるおしっこを飛ばす行為や、縄張りでおしっこをすることにあるのです。
おしっこ&スプレー行為による問題
ミニレッキスは、トイレは覚えてくれます。が、とくにオスのうさぎさんは、縄張りを主張するために、ケージのそと(部屋の隅など)でおしっこをしたり、スプレー行為(おしっこをまき散らす)をすることがあるのです。
粗相というよりも、そうしたくて(トイレではないところでおしっこがしたくて)わざとそうしている、といったところでしょうか。
これをしてしまうことの問題は、広範囲にまき散らされたおしっこ(壁についたおしっこ)を掃除するのが大変だったり、床に染みができてしまうということもありますが、いちばんは、おしっこでうさぎさんの足がよごれてしまって不衛生な状態となってしまいやすい、ということかもしれません。
なお、このおしっこ、スプレー行為に関しては、やめさせる方法もあることはあり、それでもちろん改善する場合もあるのですが、やはり本能的な行動であることや、うさぎさんの縄張り意識が強かったりすると、なにをしても改善しない場合もあります。
私が飼っているイブスター店長の場合でいうと、スプレー行為は生後1年前後によく見られ、現在は興奮させないようにする(後述します)ことでほぼなくなりましたが、ケージのそと(トイレ以外の場所)でおしっこをすることはしばしばあります。
3. 穴を掘る(興奮+スプレー行為)
ビーバーの王レッキスも、王位継承者ミニレッキスも、すべてをさかのぼれば「アナウサギ」という、地中に巣穴を掘って生活していた野生のウサギにルーツを持ちます。穴を掘ることは、うさぎさんにとっての習性、すなわち最も本能的な行動であるともいえるでしょう。
よって、布やタオル、クッションなどの掘れそうなものを見つけると、うさぎさんはホリホリ行為を始めるのですが、このホリホリ行為は前述のとおり、本能を覚醒させる行動なので、その他の本能行動を誘発させる場合があるのです。
そう、穴掘り+スプレー行為(またはおしっこ)といったコンビネーション技を。
床がフローリングであればとくに問題はないと思われますが、床がじゅうたんや畳であったりすると、穴掘り行為で興奮してきたうさぎさんがスプレー行為をする、という技を使うようになってしまうかもしれません。
よく、ソファー、カーペットの上、布団の上でくつろいでいるうさぎさんをネット上で見かけますが、すべてのうさぎさんがそういった場所で行儀よくしてくれるとはかぎりません。
むしろ個人的には、そういったうさぎさんのほうがレアなのではないかとも思えてしまいます。イブスター店長の場合は、カーペットの上に乗せると、高確率で興奮しておしっこをまき散らすから。うさぎさんの習性・本能行動は、そういうレベルでもあるのです。
ただ、これにもいちおう対策はあり、簡単なものではジョイントマットを床に設置したり、穴掘り(カーペットの上にのせるなど)は、おしっこをしたあとにさせてあげるようにすることで、スプレー行為はふせぐことができます。
4. その他(発情期のマウンティング)
オスのうさぎさんは生後だいたい4か月~が性成熟(繁殖ができるようになる)の時期とされていて、それから発情期がおとずれるようになるのですが、生後1年前後くらいの思春期と発情期が合わさったような時期には、すべての行動がパワーアップすると考えておいたほうがいいかもしれません。
気性が荒くなることで、ケージの中を掃除しようとすると、噛みついてくることがあったり、テンション高く走りまわったり、スプレー行為がはげしくなったり、マウンティングとよばれる交尾行動がみられるようになったり、といった具合にです(マウンティングはメスもすることがある)。
もっとも、これらは生後1年前後のあいだだけというケースも多いと聞き、その後は落ち着く傾向にあるようでもあります。マウンティングも、一年中発情期といわれるうさぎさんでも、個体差がかなり大きいように思われ、じっさいイブスター店長の場合は、これはほとんどみられませんでした(私の場合はほんの数回ほどしか見たことはありません)。
あまりにも噛みつき・スプレー・マウンティングなどの行動がはげしいときは、去勢手術をすることによって改善する(落ち着く)場合も多いといいますが、いずれにせよ、うさぎさんが大人になるときは、多少は大変になるということです。
習性や本能的な部分は、ある程度覚悟しておいたほうがよさそうだな
今回のまとめ
・とくにオスは(一部のメスも)スプレー行為が大変な時期がある場合も
・本能や習性をなんとかしようとするのは基本的にむずかしい
ミニレッキスの人懐っこさや甘えん坊な性格は、裏を返せば寂しがり屋であり、賢いとはいっても、習性・本能的な行動に関しては、どうにもならない部分もあったりします。
ただ、さきほどもふれましたが、私たち人間でさえも、欲求・本能にしたがってしまうことがあるように、うさぎさんがしていることも、習性・本能にしたがっているだけであるともいえるので、それを責めて人間のルールに押し込めようとするのは、すこしかわいそうな気も私はします。
うさぎさんは、一般的にはとても飼いやすいといわれていますが、うさぎさんの性格によっては、そうともいいきれない場合もあります。今回お話ししたとおり、飼いにくさや、デメリットのような点もあることはあるので、飼育を検討されている方は、どうぞご参考にしてみてください。
また、ミニレッキスは毛が短い短毛種のため、足の裏の毛がはげる「ソアホック」という病気になりやすく、また、うさぎさんはメスの場合、大人になると子宮の病気が非常に多くなるということでも知られています。
お迎えをされるさいは、オス・メスかかわらず足への負担には気をくばってあげ、メスのうさぎさんをお迎えするときは、早い段階で、避妊手術を検討したほうがいいと思いますよ(ちなみに、オスの去勢手術はしなくても問題ない場合も多く、私もしていません)。
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コメント一覧 (4件)
初めましてᙏ̤̫
うさぎ小屋の記事を拝見させて頂きました( *˙˙*)
突然なのですが私もミニレッキスを飼っておりまして、イブスター店長くんの写真を見た瞬間運命を感じました!
と言うのもうちのうさぎも柄がはちわれでイブスターくんよりは薄い茶色ですが、名前がなんとイヴで……!
ちなみにうちのうさぎは1歳になりました!
兄弟かなぁとも思ってしまいました(*´∀`*)
私はTwitterをやっていて画像をよく載せるのですが、ぜひ我が家のイヴも見て頂きたいです( *´艸`)
ご迷惑で無ければお返事お待ちしております(*’ ‘)*, ,)✨
突然の書き込み失礼致しましたm(_ _)m
こちらこそ初めまして、コメントをありがとうございます。
私はTwitterは時々調べごとをする程度でほぼ利用はしていないのですが、CocoAさんのイヴちゃんを探させて頂いたところ無事に発見することができ、拝見致しました。確かにイブスター店長とそっくりで、年は違いますが、偶然にもお迎えの日も一緒のようです。そして、イヴちゃんはとてもお利口さんなうさぎさんなのだろうなとお見受けしました!
うさぎさんのことは時々ブログに書いているので、是非また見に来て頂けるとイブスター店長も喜ぶと思います。CocoAさんのイヴちゃんも、宜しければ、また見せて頂きたいなと思います。
ご返信ありがとうございます(*’ ‘)*, ,)✨
なんとわざわざ調べてくださったのですか……!
とても嬉しいです(*´∀`*)
お迎え日もクリスマスイブなのですね!
イヴとイブスター店長くんは何かご縁があるような気がします(´∀`)
うちのイヴは爪切りが苦手なので、湊様の記事が大変参考になりました(*´∀`)♪
今後とも是非ブログの応援をさせてくださいm(*_ _)m
血を分けた仲間かもしれないイヴちゃんを見ることができて、私も嬉しく思います。
爪切りは少し移動が大変ですが、動物病院で切ってもらうと体重測定や簡単な健康診断(ソアホックになっていないか等)もしてもらえたりもするので、こちらもお勧めです。
ありがとうございます。私も定期的にうさぎ小屋の記事を書けるよう頑張りますので、応援宜しくお願いします!