セブンラックカジノにて「ブラックジャック作戦」は遂に発動。韓国カジノ旅行最後の夜、弟は奇跡の目撃者となれるか。
これまでの収支が一人だけへこんでいた弟を救うために始動した「BJ(ブラックジャック)作戦」。
先陣を切った私はBJの基本戦略であるベーシックストラテジーを短時間で頭に叩き込み勝負に挑みますが、付け焼刃ではどうにもならないことを実戦で思い知ることになります。
「ヤバい、かなり抜け落ちている……」
早くも雲行きが怪しくなってきた「BJ作戦」。しかし、そこに偶然居合わせた中国人プレイヤー達の助力によって風向きは一気に変わり始めたのです。
前回はこちら↓
【弟を救え!】韓国セブンラックカジノで挑む、決死のブラックジャック
ミナト
海外旅行が趣味の兼業ブロガー。以前はカジノにハマるもギャンブルにはもう懲りて……? 現在は観光メインで旅行を楽しみながら、現地での体験や旅行に役立つ情報も発信中。いずれは海外を放浪する旅にも出たいと思っています。>> プロフィール詳細はこちら
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韓国カジノ旅行(3日目・後編)
バカラでの50%を外しに外し、収支は-20万円と一人負け込む弟を救うために始動した「BJ作戦」。
完全攻略すれば控除率(ハウスエッジ)が0.3~0.5%までになるという、現時点では最も逆転の可能性が高いブラックジャックでまずは私が勝てることを「証明」し、続いて弟にも勝たせ(継承)、さらに負けた20万円を取り返させる(奪還)という超高難易度のミッション。
限られた時間の中で基本戦略であるベーシックストラテジー(BS)を頭に叩き込み、遂に「BJ作戦」は発動しますが、演習と実戦はまるで別物。
急ピッチで詰め込んだ戦略は土台がしっかりしていなかったため所々に穴があり、全ての戦況に応じた最善のアクションを取ることができないという状況に陥ってしまったのです。
やはり初心者にはBJは不可能なのか、ましてや弟を救うことなど……。と思われたその時、同席していた中国人プレイヤーが何やらこちらにハンドシグナルを送っています。
これは……謝謝!!
ミナト、ここを勝機と見る……!
BJ作戦に協力者現る
ブラックジャックはカードを引く「ヒット」やこれ以上カードを引かない「ステイ(スタンド)」などのアクションはハンドシグナル(ハンドサインやハンドアクションとも呼ばれます)で行います。
「ヒット」の場合はテーブルを人差し指や中指などでトントンと叩き、「ステイ」の場合は手の平を広げて水平にし、左右に振るのですが(バイバイのような感じ)、私がアクションに詰まると右隣りの中国人プレイヤーがBSのアクションをハンドシグナルで教えてくれるのです。
正直なところ、親切心で教えてくれているというよりも、初心者がBSを無視して場を荒らさないで欲しかったのが理由だと思います。
しかし、次第に左隣にいた中国人プレイヤー(こちらは気さくで親切)も私にBSを教えてくれるようになり、私は同席していたプレイヤー達のおかげで「ヒット・ステイ」に関しては完全な状態でゲームに臨むことができるようになったのです!
中国人の皆、今までマナーが悪いとか文句言ってて正直スマンかった
「BJ作戦」成功への強力な追い風が吹き始めたのです!
超絶ビギナーズラックで収支は一気にプラスへ
その後私はBSを忘れてしまった部分を両サイドの中国人プレイヤーに教えてもらうことで補完していき、ゲームを進めるにつれて大体一人でも何とかなるようにはなってきたのですが、気付けばチップは増えに増え、いつの間にか目の前のチップは300万ウォン(約30万円)に届くかというところまできていました。
まさに完全なビギナーズラック。
ほとんどベット額はミニマムの5万ウォン(約5千円)か7.5万ウォン(約7千500円)しか賭けていなかったのにこの増えようだったので、とにかく勝ちに勝ち続けました。
ピクチャー(BJでは絵札は強い)を引きまくり、カードの合計が「21」のブラックジャックを連発。危ないところで「ヒット」してもバースト(カードの合計が「21」をオーバーすると負ける)せずに手札が強化されるだけという、超絶的な無双状態!
テーブルの中で一人飛び抜けて勝っている私はもはやテーブルを支配する神になったような気分だったのですが、乗りに乗っていたまさにその時、背筋に強烈な悪寒が走る!!
(イライライライラ……)
いや、これ完全にキレてるでしょ……
それもそのはず、右隣りの中国人プレイヤーは私にあれこれ教えてくれてはいたものの、私ばかりが勝ちまくり、当の本人は無情にも大敗を喫していたのです。
流石に私も申し訳ないような気にもなりましたが、こればかりは運の話なのでどうこうできるものではありません。
私ができることと言えば祈ることくらいしかないので、右隣りの中国人プレイヤーも勝ってくれることを祈り、ゲームを続行します、が……。
てんでダメ……!
右の中国人プレイヤーは私に全ての運を吸い取られているかのように全くの見せ場もなく惨敗!そしてイライラが頂点に達した中国人プレイヤーが遂に暴挙に出る!
BJ作戦に不穏な空気が流れる
大した局面でもないような割と平凡な1ゲーム。
ブラックジャックは初期の状態ではこのようにディーラーに表向きのカードが1枚(韓国は裏向きでもう1枚)、プレイヤーに2枚のカードが配られ、そこからカードを引く、引かないのアクションに移行します。
ディーラーのアップカード(表向きのカードのこと)は「7」。これは強さで言えば半分よりちょっと強い程度。一方で私の手は「17」。これは結構強く、この状況では問答無用で「ステイ」が最善手です。
よって、私はディーラーに「ステイ」のハンドシグナルを送ろうとしますが……。
(トントン……)
は……?
(トントントントントントン……!!)
この状況で「ヒット」しろと言うのか!?
はっきり言ってこの状況の「17」で「ヒット」はありえません。まるで「お前も俺のようにバーストして散れ」と言っているかのように、右の中国人プレイヤーはテーブルを指で叩き、私に「ヒット」を指示している!
いや、これ完全に八つ当たりでしょ……
どう考えても八つ当たりにしか思えないのですが、正直なところ右隣りの中国人プレイヤーがいなければここまで私も勝てなかったというのも事実。
これはもう仕方がないので、そんなことで腹の虫が治まるのであれば、私は喜んで身銭を切ろう。そしてちょうど区切りもいいし、これで負けたら私もゲームを切り上げようということで、私はディーラーに「ヒット」を宣言します。
本当に「ヒット」でいいのか……?
ディーラーがそのような顔をしますが、私はディーラーの気持ちだけを受け取り、変わらず「ヒット」を宣言。
そして私に追加で1枚カードが配られます。
………………が、「20」!
結局私の手が強化されただけ……!
ジャパニーズさぁ……(呆れ)
負ける気配がない者に向けて銃を撃っても弾の軌道が逸れて当たらないか、なぜか銃自体が故障するというのがエンペラー状態の人間が持つ圧倒的な強さ。
(これ以上の無益な争いはやめにしよう。無駄に血を流す必要はどこにもない……)
私の豪運を前に心が折れた中国人プレイヤーはここで席を立ち、ほぼそれと同時にデッキのシャッフルが行われることになったため、ゲームは小休止となりました。
BJ作戦は第二段階の「勝利の継承」へ
何はともあれですが、「BJ作戦」の第一段階である「勝利の実証」は見事にクリア!
このタイミングで私は弟を呼びに行き、ブラックジャックのテーブルで弟と合流。そして「BJ作戦」は本作戦の要となる第二段階、「勝利の継承」に移行!
弟も弟でBSはカジノに来る前に頭に叩き込んできていたのである程度はBS通りにアクションを取ることができ、テーブルに残った左隣の中国人プレイヤーが合流した弟にもBSを教えてくれたりもしていたので、これなら安心だと私は弟にたすきを渡し、一旦ゲームを切り上げることにしました。
最終的に私の持っていたチップは260万ウォン。最初に80万ウォンをチップに交換したので収支は+180万ウォン(約18万円)と上出来すぎる結果で終了。
ここから先は本人の運次第ですが、流れ良し、協力者有り、テーブルの雰囲気良しと最高の状態でバトンタッチをすることができ、もはや作戦は成功するビジョンしか見えない!
完遂の時は近い……!ビール飲みにいってこよう
私は大いなる希望を残し、ブラックジャックのテーブルを離れました。
BJ作戦完遂か!?
ビギナーズラックで大勝を収め、満足した私はそれからカジノの外に出て周辺をぶらぶら歩いたり、カジノに戻ってビールを飲んだりしてくつろいでいました。
その後、弟の様子を見にいったり、バカラで中国人の兄ちゃんと仲良くなってワイワイ遊びながら90万ウォン(約9万円)勝つなど豪運は続き、BJのテーブルを離れてから1~2時間ほど経ったかと思われたところで再び弟の様子を見に行くと……。
………!!!
弟の手元には200万ウォン(約20万円)を超えるチップが……!
弟の話によるとミニマムベットが5万ウォンのテーブルがクローズになったため10万ウォンのテーブルに移動。その後突如としてピクチャーが連発する展開になり、「BJ作戦」は第三段階である「損失の奪還」まで一気に駆け上がったそうでした。
これは私も再び参加しなければ!と思い席に着くも、3ゲーム連続で負けて一気に3万円が消えたので私はここでこの日の勝負はやめ。
弟がゲームを切り上げるのを再びビールを飲みながら待っていると、案外早く弟は戻ってきました。
中国人に言いがかりつけられたからやめてきましたわ
なんと、弟の話によるとBS通りに「ヒット」したところ、途中から入ってきていた左隣の中国人の一番欲しかったカードを引いたらしく、それで文句を言われたそう。
中国人の方の中には八つ当たりやら言いがかりやら何でもありな人もいますが、これはブラックジャックを続けていれば誰もが一度は通る道なのかもしれません。そして、そうやって文句を言われたりして人は強くなっていくのかもしれません。
いずれにせよ、不可能と思われた「オペレーション・ブラックジャック」は見事に完遂することができたので、万事良しとしよう!
二人して大勝を収めることができた私たちは既に夜も更けていたので、最終日に備え、ホテルに戻ることにしました。
(ミナト)・・・ブラックジャック+15万、バカラ+9万。合計+24万円
(弟)・・・ブラックジャック+20万円【奪還成功!】
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