うさぎさんには、いってしまえば凶暴化する時期があります。
思春期(反抗期)だな
この時期はうさぎさんの行動が大きく変化するため、お世話をするのもかなり大変になります。
そこでこの記事では、思春期のうさぎとの付き合い方、ようは問題行動への対策を紹介します。
- うさぎの思春期(反抗期)とは
- うさぎの思春期はいつからいつまで?
- 思春期をむかえたうさぎとの付き合い方(問題行動の対策)
結論からいうと、思春期はおわるのを待つのが最大の解決策です。
いずれは過ぎ去るものなので、うさぎさんが落ち着いてくれるようになるのを待つのです。
台風みたいなものでしょうか
とはいえ、お世話もできないほどの荒れっぷりだったりもするので、「思春期対策」が有効になるわけです。
ふだんどおりのお世話に、紹介する対策を加えていけば、きっとこの時期も乗り越えられるはず。
ここが踏ん張りどころです。うさぎさんが心を開いてくれるのを待ちながら、どうぞご参考にしてください!
この記事に登場するうさぎ
- ミニレッキスのイブスター店長
- 2016年11月生まれのオス(現在7歳)
- やや詳しいプロフィールはこちら
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うさぎの思春期はおしっこ関係の問題がよく起きます。そんなときはカンファペット消臭剤が役に立ちます。
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うさぎの思春期(反抗期)とは
本題に入るまえに、まずは「うさぎの思春期(反抗期)とはなんなのか?」から見ていきましょう。
うさぎの思春期は、性成熟(※)の時期からはじまる、うさぎの「自我の芽生え」のこと。
体が大人になっていくにつれて、自己主張が強くなる(ヤンチャになる)時期のことです。
私たちも中高生くらいのときにありましたよね
親からあーだこーだいわれての「うるせーなあ」です。
あの、感情のコントロールがしにくかった反抗的な気分が、うさぎさんにも起きているわけです。
具体的には、以下のような行動がみられるようになります。
- テンションがやたらと高い
- 動きがすばやく、落ち着きがない
- ブーブーと鼻を鳴らして興奮する
- スプレー行為(おしっこをまき散らす)をする
- トイレ以外でおしっこをするようになる
- ケージ内で暴れる(フェンスをかじる、餌箱をひっくり返す、足ダンをするなど)
- 掃除しようとすると噛みついてくる(ケージ内、うんち、おしっこなど)
- マウンティング(交尾行動)をする
こういった行動がとつぜん目立ってきた。
そんなときは、うさぎさんが思春期をむかえているのが理由かもしれません。
うさぎの思春期はいつからいつまで?
では、うさぎさんの思春期は、いつから始まっていつまで続くのか?
気になるポイントなので、確認しておきましょう
これは結論からいうと、
3~4か月くらいからはじまって、1歳~1歳半くらいにはおわる
とされています。
根拠になるものもあるので、いくつか引用しておきます。
排卵や射精が安定して、繁殖に供用できる状態になることを性成熟と言い、体が大きいものほど晩熟の傾向があります。また、春季に生まれたウサギは夏季に生まれたウサギに比べて性成熟が遅いという傾向もあります。〔……〕月齢及び体重を以下に示しておきますので参考にして下さい。
ウサギの飼養管理-家畜改良センター(pdf)
日本白色種 | オス | メス | 体重 |
---|---|---|---|
大型 | 7~8か月 | 6~7か月 | 3.4kg |
中型 | 6~7か月 | 5~6か月 | 3.0kg |
小型 | 5~6か月 | 4~5か月 | 2.5kg |
独立行政法人の家畜改良センターによると、同センターでのうさぎの性成熟(思春期のはじまり)はこのとおり。
ただ日本白色種(ジャパニーズホワイト)はけっこうデカいやつで、
ペットのうさぎさんはもうすこし小さいのが一般的なので、思春期の時期が早まることもあると思われます。
(こんな感じの体が白くて目が赤いウサギが「日本白色種/ジャパニーズホワイト」です)
また手もとにある飼育書には、つぎのように書かれていました。
青年期:4か月~3歳ごろ/前半は成長期&思春期、後半で大人に
性成熟の時期になると自我が目覚め、大人になる自分を持て余してやんちゃをするちょっと難しいお年頃。1歳を過ぎると体の成長は一段落し、心も成長して落ち着いていきます。
うさぎと仲よく暮らす本/新星出版社/p.44
4か月くらいから思春期がはじまり、1歳以降になると落ち着いていく(おわる)とされています。
と、いうことは?
うさぎの思春期は、やはり一般的にいわれる「3~4か月以降から(はじまって)1歳~1歳半くらいまで(にはおわる)」と考えてよさそうです。
ただし、これにも例外はあって、
- 思春期は数か月でおわることもある
- 思春期が(ほとんど)ないうさぎもいる
- 2歳をすぎてもおわらないうさぎもいる
と、この思春期は、そのうさぎさんによる部分も大きいようですね。
思春期はいつ始まっていつ終わったかの実例
うさぎの思春期は、そのうさぎさんによっても期間が異なることがわかりました。
そうなると、
え、じゃあ、結局いつおわるの?
という話にもなりますよね。
そこで、ここではミニレッキスのイブスター店長の場合はどうだったかを、さきにお話ししておきましょう。
(イブスター店長/ミニレッキスのオス/体は大きめでMAX体重は2.6kg)
- 思春期らしき行動が目立つようになったのは6か月ごろ
- 8か月ごろから強くなりはじめ、全盛期は1歳前後の期間
- 1歳半くらいにはだいぶ落ち着いていて、2歳までにはおわったといえる状態に
イブスター店長の場合、体が大きくなってきた6か月ごろから思春期特有の行動がみられるようになりました。
- 8か月くらいからエネルギッシュ
- 1歳くらいになるとテンションはMAX
になり、最初にあげた行動はすべてするように。
しかし1歳半には落ち着きがみられ、2歳までには「思春期はおわった」といえる状態となりました。
トイレ以外へのおしっこがクセとしてのこりましたが、
最終的にはそれもなくなり、その後は問題になる行動もいっさいなくなりましたよ。
ちなみに去勢手術はしていません。
手術なしでも比較的早めに落ち着くこともありますし、うさぎさんによってはもっと早い段階でおわることもあると思います。
しつけでどうにかなる部分もあるように感じるので、ここからの話を参考に、対策を打ってみてください!
うさぎの思春期の行動とその対策(5選)
それではお待ちかねの本題です。
ここからは、うさぎの思春期にみられる行動と、それへの対処法を紹介していきます。
ここで紹介するのは以下のとおりです
- マウンティングへの対策
- 噛みついてくる攻撃行動への対策
- スプレー行為への対策
- ケージ内で暴れる(自己主張)への対策
- トイレ以外へのおしっこの対策
対策を進めているあいだに「思春期がおわっていた」なんてこともあるかと思います。
ぜひ、できることからはじめてみてくださいね。
では見ていこう!
1. マウンティング
- マウンティングはスルーする
- ぬいぐるみにする場合はそれも撤去する
まずはマウンティングから。
腰をカクカクする疑似的な交尾行動のことですが、これがみられたときは、それ以上させないようにしましょう。
なぜかというと、マウンティングを放っておくと「上下関係が逆転」してしまったりもするからです。
上下関係の逆転とな?
自然界のうさぎさんには、群れのなかでの厳格な上下関係のルールがあります。
マウンティングは、その順位付けの「強さアピール」にもなるもので、無抵抗の相手は格下と認定されてしまったりもします。
ようは、自分(飼い主)にたいするマウンティングをゆるしてしまうと、
うさぎさんは「自分のほうがエライ」と思うようになってしまい、
それが噛みつきなどの(以降で見ていく)問題行動にもつながってしまうのです。
なのでマウンティングはスルーしたほうがいいと
手や足にマウンティングされたらすぐに離れる
こうすることで、クセになるのをふせげますし、マウンティング自体も減らせると思います。
ぬいぐるみなどにマウンティングをするときは、ぬいぐるみを撤去してしまうのもいいでしょう。
ストレス発散でこれをすることもあるので、かじって遊べるものをべつで用意してあげるのがいいですよ。
なついてくれているのかな?
と、初見では思ったりもしますが、たぶんそうではないのでスルーしましょう!
ちなみにかじって遊べるものは、「わらっこ倶楽部」という、わらで編んだおもちゃがおすすめです。うさぎ用おもちゃの記事でもまとめてあります。
2. 噛む(攻撃的な行動をする)
- 縄張りを荒らさないようにする
- 噛まれたらおおげさに痛がる → スリッパで床を叩く
- 逆にマウントをとって上下関係をわからせる
思春期になると、うさぎさんは噛みついてくるようにもなります。
私の経験上、これは以下の「縄張りを荒らす行為」にたいしておこなわれるケースが多いと感じます。
- ケージに手を突っ込んで掃除する
- うんちを目の前でひろう
- おしっこを目の前で掃除する
うんちやおしっこなど、自分のニオイがついたものを掃除されることに怒っているのですね。
なので、掃除はうさぎさんが「見ていないところでする」ようにしましょう
- ケージの中を掃除するときは、うさぎが部屋を散歩しているすきに。
- 部屋んぽ中にしたうんちやおしっこは、うさぎをケージのなかにもどしてから。
こうすることで、うさぎさんからは「縄張りを荒らす者」と認定されにくくなりますよ。
また噛まれてしまったときは、おおげさに痛がったあと、スリッパで床を叩いて怒りを表現するのも効果的です。
うさぎさんの「足ダン」をマネすることで、噛むのはダメだと教えてあげるのです。
なにもしていないのに噛んでくるんです……
というときは、やはり上下関係の逆転が問題になっているのかもしれません。
この場合は逆にマウントをとり、
うさぎの頭に自分の(飼い主さんの)アゴをのせることで、
上下関係をわからせることができます。
この方法も効果的なので、噛みグセがあまりにもひどいときは、ぜひためしてみてください。
抱っこをいやがって噛んでくるようなら、ほんとうに必要なとき以外はしないのも有効です。
思春期になると、うさぎさんは攻撃的にもなります。
こういった「うさぎがいやがること」はできるだけ避けることでも、噛まれにくくすることができますよ。
うさぎの噛みグセ対策はこちら
3. スプレー行為(+興奮)
- 部屋の壁をプラスチックのダンボール等で保護する
- 縄張りの範囲をせばめ、縄張り拡大のスプレーをふせぐ
- 興奮するもの(ホリホリできるマットなど)は撤去する
スプレー行為とは、思春期になるとうさぎさんが使うようになる、広範囲におしっこをまき散らすワザです。
これは本能的なもので、ある程度はしかたがないので、
- プラスチックのダンボール
- ふつうのダンボール、ビニールの袋
などを壁に貼り、まずは掃除をしやすくしておくのがいいでしょう。
またスプレー行為は、縄張りを主張・拡大するための行為です。
ですから、部屋んぽの範囲をせばめることで、
それ以上の縄張り拡大はふせぐことができます。
こういったものを導入し、遊べる範囲を制限することでも、スプレー行為の激化は食い止められますよ。
(※そこに消臭剤も活用すれば、より効果的です)
あとは興奮させないことだな
うさぎは興奮すると「さらに興奮していく」など、行動がエスカレートしていったりもするそうです。
部屋のなかにホリホリできるものがあると、
そのホリホリ行為で興奮し、スプレー行為へ……
という「連鎖」もあるわけですね。
ですから、うさぎさんが興奮するものは、ひとまず撤去してしまうのもおすすめです。
思春期の時期は、できるだけうさぎを興奮させない。
こうすることでも、スプレー行為を減らしていくことはできます。
ある程度はしょうがないですが、不必要に興奮させることは避け、スプレー行為がおさまるのを待ちましょう!
ペットサークルの使い方
うさぎのスプレー行為対策まとめ
4. ケージ内で暴れる(自己主張をする)
- ある程度は無視する(何でもいうことをきかない)
- 人の気配を消す、ケージ付近には近づかないようにする
ケージをガジガジしての「ここから出せ!」とか、餌箱をひっくり返しての「早くエサを持ってこい!」とか。
こういったうさぎさんの自己主張は、ある程度はスルーするのも大事です。
なぜかというと、
何でもいうことをきいてしまうと、うさぎさんは「主張すれば要求は通る」と思うようになってしまうから。
それが、自己主張をはげしくしていってしまうからです。
ケージから出たいの? あら、エサもほしいのね……!
すぐに対応してあげたくなりますよね。
でも、ある程度は放置するのも必要です。ルールはルールで守ってもらうようにしましょう。
うさぎさんもダメだ(主張が通らない)とわかれば、あきらめてくれたりもしますよ。
あとは足ダンだな
要求が通らないことで、うさぎさんは怒って「足ダン」をケージ内で連打することもあるかと思います。
しかしこれは、ソアホックという足の病気につながることもあるため、させないに越したことはありません。
ですから「ケージのほうには近づかないようにする」のもありです
人の気配がなくなれば、うさぎさんもやはりあきらめてくれたりするので、この方法もためしてみてくださいね。
5. トイレ以外へのおしっこ
- トイレ以外へのおしっこは消臭する
- モノを置いてふさぐなどして、その場所でさせないようにする
思春期だったり、それ以降であったり、うさぎさんは「トイレ以外でおしっこをする」ようになることがあります。
これは放っておくと習慣化してしまうので、すぐに対策をとるようにしましょう。
具体的には、つぎのとおりで、
トイレ以外でされたおしっこはすぐに消臭し、その場所でのおしっこがつづくようなら、モノで物理的にふさいでしまうことです。
トイレ以外へのおしっこは、これも縄張りの主張行為としてみられます。
したがって掃除は、うさぎさんをいちどケージにもどしてからするようにしましょう。
目の前で掃除をしようものなら、ものすごい勢いで噛みついてきたりもするので、これには気をつけてくださいね。
またトイレ以外でのおしっこがクセになってしまうと、思春期以降もそれがつづいてしまうようにもなります。
そうなると対応が大変になってくるので、これは早めの対策がおすすめですよ。
おしっこのニオイがしみついてしまうのがよくないんだな
そんなわけですから、消臭剤は用意して、トイレ以外でのおしっこにそなえてください!
消臭剤はこれでキマり!
うさぎの思春期(反抗期)は落ち着くのを待とう
ここまでの対策を打っていけば、うさぎの思春期(反抗期)の行動は、ある程度はおさえられるはずです。
飼い主さんへのダメージも、最小限にすることはできるのではないかと思います。
ただ最終的には、この問題を(完全に)解決させるには、「思春期がおわる」のを待つしかありません。
なので最後に、心構え的な話をしておきます
当時の私もそうでしたが、思春期のうさぎのお世話をするのは、まあ大変でした。
ケージからだした瞬間にスプレー行為でおしっこをまき散らす!
とか、疲れてヘトヘトになっているときなんかは、「ほんとうに勘弁してよ」とも思ったものです。
ケージから出せオラァー!
みたいなのもすごかったですし、ウサギ・エネルギーの爆発で、ちょっとイライラしてしまうこともありました。
でも、これって、自分にもあったわけですよね?
「うるせーなあ、なにしても自分の勝手だろうが!」
って時期が、です
思春期の荒れぐあいは人それぞれだと思います。
とはいえ、親にたいして反抗的な態度をとっていた時期は、だれもが経験してきたはず。
ようは、自分も経験してきたものだからこそ、親のようなものである私たちは、思春期のうさぎさんを責めてはいけないと思うのです。
自分はいいけど、あなたはダメです
なんてのは通らないですし、これはフェアではないですよね?
それに、そういった時期があったからこそ「親のありがたみがわかる」というものでもあります。
つまりは、思春期を経験することで、うさぎさんも(私たちとの)キズナを深めてくれるということ。
思春期をともに乗り越えていくことが、うさぎさんと私たちを、よりよいパートナーにしてくれるのです!
そうなんだなあ
というわけですから、うさぎさんの思春期は、広い心で接してあげてください。
イライラしてしまいそうなときは、適度に距離を置いて(ケージから離れて)みるのがいいですよ。
気性があらくなる思春期も、いずれはおわるはずです。
どうしてもむずかしいときは「去勢・避妊手術」の手段もあるので、必要に応じて、これも検討しながら待ってあげてください。
きっといい関係をきずけるようになるので、「それまでは対策を打って待機」ということですね!
今回のまとめ
- うさぎの思春期は3~4か月以降からで、1歳~1歳半くらいにはおわる
- 適切な対策を打てば暴走行為のエスカレートはふせげる
- 思春期がおわればいい関係もきずけるので、それまで待ってあげよう
うさぎさんは行動をパターン化させる(習慣化させる)習性があるといいます。
思春期の時期は、いろいろと問題行動が起こりがちですが、そこでこれを「ヨシ!」とすればどうなるか?
この習慣化が発動してしまい、問題行動のエスカレートを助長してしまいますよね。
だからこそ対策が必要になるわけです
うさぎさんによる部分も大きいと思いますが、基本的に思春期は、いつまでもつづくものではありません。
いずれはおわるときがきます。
ですから、ここが踏ん張りどころだと、なんとかがんばってみてください。
その後はきっと、よりよい関係がきずけるはず。
あとになって「あれもいい思い出だったなあ」なんて思えるようにもなるはずです。
ある程度は放置しつつ、どうか広い心で、うさぎさんの成長を見守ってあげてください!
応援しているぞ!
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