閃きによって甦ったシフトベット法とフラワーベット法の組み合わせで、私はルーレット完全攻略に乗り出します。
ルーレット必勝法「フラワーベット法」で最大の配当である144倍を見事に2回も直撃させることに成功し勢いがつく私でしたが、2回目のフラワーベット直撃の過程で私はあることに気が付きます。
「これは……とんでもないことに気付いてしまったんじゃないか……?」
フラワーベット法も言ってしまえば運。しかしその運を意図的に手繰り寄せることができればそれは真の必勝法となり得ます。
カジノでの戦いで成長を遂げた私は、必勝法に次ぐ必勝法でルーレット完全攻略に乗り出すのでした。
前回はこちら↓
秘策でルーレット攻略か!?パラダイスカジノ・ウォーカーヒルでの戦い
韓国カジノ旅行(1日目・中編2)
1つの数字を中心に9単位のチップを賭ける「フラワーベット法」。最初の直撃から私はフラワーベットの軸を左に1つずつずらしていき、左端から2つ手前で36倍のスプリットベットをHITさせ、左端から1つ手前でフラワーベットの直撃を成功させます。
ディーラーが配当のチップを準備している間、直撃の余韻に浸りながらベットエリアに置かれたフラワーベットとルーレット盤を眺めていたまさにその時、私の脳天に強烈な閃光を放つ稲妻が走りました。
いや、これ実は結構凄いことに気が付いたんじゃないか……?
ここで不発に終わったかと思われた「シフトベット法」が息を吹き返す。軸を1つずつずらしていったフラワー北上戦法と、スプリットベット、フラワーベットの連続成功、そして飛行機内で頭に叩き込んできたシフトベット法のベット配置。
これら全てがまるで古代エジプト人が築き上げたピラミッドのようにピッタリと合わさって行き、新たな必勝法を導き出しました。
新必勝法「シフトベット法+フラワーベット法」
私が気付いたことはこう。
まず、私は「11」を軸としたフラワーベットが「10」に入ったことでスプリットベットを獲得し、次のゲームで「8」にフラワーベットを設置してフラワーベットを直撃させることができました。
テーブルで見るとこのように1~36までの数字は並んでいるため、もちろん「8,10,11」は近接した配置になっています。
そこでルーレット盤を見てみると、基本的に数字はバラバラに配列されているのですが、「8,10,11」に至っては1マス飛ばしで数字が配列されているのです。
実は他にもベットエリアの数字の並びと、ルーレット盤の数字の配列が近接して対応している所がいくつかあり、それは「シフトベット法」で4つに分けたルーレット盤の配列とベットエリアの数字の並びを見れば一目瞭然となります。
シフトベット法は1日目を参照
→ ルーレット必勝法は嘘か真か!?戦略で挑む激動の韓国カジノ旅行開幕!
先にルーレット盤の数字の配列から見ていきますが、エリア毎に丸で囲った数字がテーブルのベットエリアでも近接している数字です。
「5」に関してはCのエリアの数字ですが近いのでBのエリアとして考えます。
これがAエリアの数字の配置。
枠で囲われた数字は先ほどのルーレット盤で丸く囲った数字で、Aエリアの場合は「17」を軸とした9マスに数字が密集しています。
これがBエリアの数字の配置。
「5」を含めると「8」を軸とした9マスになんと5つもの数字が密集しています。「5」を含めなかったとしても9マスに4つの数字が密集している部分が2か所もあり、数字の密集率は全エリアの中で最も高いです。
これはCエリアの数字の配置。
しかしCのエリアには9マスに4つ以上の数字が密集している部分がないため、このエリアは戦略から除外します。
そしてこれがDエリアの数字の配置。Dエリアは「26」を軸とした9マスに数字が4つ密集しています。
このように、ルーレット盤エリアの数字がベットエリアに密集している場所が大きく分けて3か所あるわけですが、それでどうするのかというと、このベットエリアに密集している数字をフラワーベット法で狙い撃つのです。
「シフトベット法」ではエリア毎に分けた数字の全てにチップをベットするという必勝法でしたが、このピンポイントで数字の密集エリアを狙う方法では約4分の1でA~Dの狙ったエリアに球が入れば、フラワーベットで4つ以上の数字をカバーしているので最低でも9分の4(44.4%)以上の確率で当たりとなり、当たった場合は約4分の1の確率でフラワーベット直撃の144倍の配当になるのです。
要するにこの方法は「シフトベット法」のエリアを狙う強さと、「フラワーベット法」の攻守の強さのいいとこ取りということ。
単純に確率だけを見れば数字の配列が偏ったエリアに賭けようが、全然関係ないところに賭けようが確率は常に一緒です。フラワーベット直撃は37分の1、スプリット・コーナーベットは合わせて37分の8です。
しかし、カジノではカードやルーレット盤、サイコロなど、リアルの物を使用しているため明らかな偏りが出ます。ゲームやシミュレーターなど、機械が計算してパッと出した結果では起きないようなことが普通に起こり得るのです。(と、私は思っています)
よって、その偏りを狙い撃つ。
どのエリアに球が落ちるかは完全に運。しかしそのエリアさえ当てられればフラワーベット直撃も現実的な確率です。私はこの偶然に閃いた合わせ技、名付けて「フラワーシフトベット法」を用いてルーレットの完全攻略に乗り出しました。
悪いねウォーカーヒルさん。この勝負、完全にもらったよ……!
必勝法の組み合わせ技の効果やいかに?
前回のフラワーベット直撃により軍資金は+513,000ウォン(約51,300円)と余力は十分にあったので、私はフラワーベットを1単位4倍の4,000ウォンに引き上げ、1フラワーベット36,000ウォン(約3600円)で勝負を再開。
狙い撃つのは先ほど見てきたこの3か所。
Bのエリアの「8または11」、Aのエリアの「17」、Dのエリアの「26」。この3エリアの中のいずれかにフラワーベットを設置していくことにします。
前回のゲームでは偶然にも「8」に球が入りましたが、ルーレット盤の数字から見て1個飛ばしでベットエリアの数字が配列されているBのエリアが最も偏りが大きく狙い目だと見た私は、Bのエリアで一つ右隣りの「11」にフラワーベットを設置!
チン!チン!
ノーモアベット、プリーズ
ゴロゴロゴロゴロ……。
勝てる気しかしない……!
しかし、人間はこのように得意気になっている時が一番危ない。自分は凄い!とか自分は天才だ!とか自信過剰になっていると、いとも簡単に足をすくわれてしまう。
コンッコンッ……コンッ。
「36」。
この後私は知ることになります。戦略や必勝法、システムベット(ゲームの勝敗に応じて賭け金を一定の法則に従って変化させる手法)ですらも、大いなる「運」の前には時として何の力も持たなくなってしまうということを……。
花、枯れる時
その後、私は閃いた「フラワーシフトベット法」を駆使して戦いに臨むも、外れ、外れ、コーナーHIT、外れ、コーナーHIT、外れ、外れ、外れ、コーナーHIT……と、当たってもコーナーベットしか当たらないという非常に苦しい展開に。
コーナーベットの9倍とスプリットベットの36倍(フラワーベットの場合)は配当が4倍も違うのに対し出現率は1:1と、悪い方の50%に偏るとかなり厳しいのですが、まさにその厳しい方に思いっきり偏ってしまっている。
例えば先ほども見ましたが、このAのエリア。
これはAのエリアに入った場合スプリットベットの配当はありません。見ての通りエリアにある数字がコーナーベットの配当のみだからです。
しかしその代わりに「17」を軸としたフラワーベットの場合はCのエリアに入ればスプリットベットの数字が3つもあります。しかも「14」と「20」は隣同士です。
このように、狙ったエリアに入らなかったとしても別のエリアの数字でスプリットベットが当たることがあり、それはコーナーベットと同確率なのですが……コーナーベットしか当たりません。
数字の偏りが大きいBのエリアに球が来ても、球がヒョイヒョイ当たりを越えて約2分の1の外れに落ちるか、コーナーベット。
完全にコーナーベットに愛されている……!
じわじわと資金が削られ、フラワーベットの1単位も4,000ウォンから3,000ウォン、2,000ウォンへと下げざるを得ない状況。
こういう悪い流れは断ち切らなければそのままずっと悪いままというのが定説です。そこで私はこの流れを断ち切るため、半ば暴挙に近い行動に出ることにしました。
流れを断ち切れ!深紅のフラワーベット
コーナーベットに偏り続ける悪い流れを断ち切るため私が出た行動とは、そう、トリプルフラワーベット……!
B「8」、A「17」、D「26」を軸としたフラワーベットを各エリアに1つずつ設置!悪しき流れを断ち切るため、このトリプルフラワーベット「深紅の三連星」に活路を見出す!
これによりB~Dエリアの「4~30」までの数字27つをフルカバー。直撃は37分の3、コーナー・スプリットベットは共に37分の12ずつ。的中率は72.9%!
これでコーナーベットが来ようものなら、もうこの勝負は終わりかもしれない……。
賭け金は1単位3,000ウォン×3フラワーベットで81,000ウォン(約8100円)。最低でもスプリットベットの36倍(108,000ウォン/約10,800円)が当たらなければ意味がありません。コーナーベットが来た場合は9倍(27,000ウォン/約2700円)で赤字となってしまいます。
しかし私が今置かれている状況は、まるで脱出不可能な四角い形をした迷宮の中。出口は上下左右、そして中央にあるものの、いくら歩いても角の行き止まりにしか辿り着かない迷宮を彷徨い続けているのです。
私がこの迷宮から脱出するための方法はただ一つ。行き止まりの壁をぶち破り、突破口を開くこと……!
チン!チン!
ノーモアベット、プリーズ
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……。
ディーラーに投げ入れられた球は勢いよくルーレット盤を回転します。深紅のフラワーベットは視界を遮る濃霧を吹き飛ばせるか!?
ゴロゴロゴロゴロ……。
そしてだんだんと回転速度が落ちていき……。
頼む!せめてスプリット……!
コンッ……。
バウンドしたエリアは……Bのエリアか!?
でも大丈夫……この場所ならおそらくDのエリアか、もしくはAのエリアまで進んでくれるはず……!
コンッ……コロコロ……。
…………!? これは、直撃あるぞ!!
球はDエリアで直撃の「26」に吸い込まれるように向かっていく!
コンッ…………。
「26」で決まりか……!?
頼む!行ってくれ!!
そして…………溝に落ちた!
……………………「0」。
一瞬直撃の「26」に入ったかのように見えた。が、僅かに軌道が横に逸れてしまい、結果はフラワーベットでは完全にノーマークの、コーナーベットですらない、まさかの「0」!
一番大事な局面で、一番出てはいけないものが出てしまう!
これはもう、終わったのか……?
花は一生咲き続けることはありません。限られた生命を全うした後は花弁を散らし、無情にも枯れていくもの。
そう、私が手にした「花」は早い段階で生涯の輝きを放ち終え、とうの昔に枯れてしまっていたのです。
悪い流れを変えるどころかさらに悪い流れになりそうな気配。しかしこの時、私の心はまだ完全に折れたわけではありませんでした。
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