【日本のバーの歴史】ショットバーの定義と普通のバーとの違い

ショットバーという呼び方が生まれた背景には日本のバーの歴史が大きく関わっているので、まずはバーの歴史からご紹介。

バーは大きく分けるとオーセンティックとカジュアルの2つに分けることができる訳ですが、そこで疑問となるのがよく耳にする「ショットバー」の存在でしょう。

「ショットバーは普通のバーとは何が違うんですか?」

このような質問は私も結構されてきましたので、今回はそんなショットバーについて、普通のバーとは何が違い、どのバーに分類され、そしてどんな意味を持っているのかについてご紹介します。

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日本人向けのバーの歴史

ショットバーとは何なのか。
この答えを探るためには先に日本のバーの歴史を知る必要があるので、まずはそこからお話しします。

日本のバーの歴史は1860年に横浜にオープンした「ヨコハマ・ホテル」から始まり、それ以降は貿易の中心地となった港街を中心に、主に外国人を対象としたバーが発展していきました。一方、日本人を対象としたバーの誕生はそれから遅れること1911年、東京・京橋日吉町(現在の銀座8丁目)に生まれた「カフェー・プランタン」が最初だと言われています。

「カフェー」では洋酒や珈琲、サンドイッチなどの洋食を扱い、営業の内容は現在で言うところの「Cafe」に近いものがありますが、それらの料理を女性が給仕することに特徴があり、この女性給仕人は「女給」や「女ボーイ」と呼ばれ、その後のバーの発展にも関わっていくこととなります。

また、同年8月には尾張町(現在の銀座4丁目)にバーテンダーのいる店として「カフェー・ライオン」や、同年11月には著名人が数多く訪れたことでも知られる「カフェー・パウリスタ」もオープン。こうして日本はバー時代の黎明期を迎えることとなったのです。

風俗営業化したカフェー

その後もバー(カフェー)は続出していくのですが、来たる1923年、東京は関東大震災に見舞われ、業界は壊滅的なダメージを受けることとなってしまいます。職を失ったバーテンダーの中には大阪に移る者も現れ、大阪でのバーの発展に一役買ったという話も。

また、震災翌年になると「カフェー・ライオン」の斜め向かいに「カフェー・タイガー」というお店がオープンします。

カフェー・タイガーでは先ほど登場した「女給」が客について話をするといったサービスが人気を博し、女給はウェイトレスではなくホステスのような役割を担うようになっていきました。さらに大阪からサービスが過激なカフェーの出店も相次ぎ、バー(カフェー)は現在で言うところのクラブやキャバクラのようなお店となり、特殊喫茶(風俗営業)として警察の管轄下に置かれることとなったのです。

イブスター店長
イブスター店長

ちなみに純粋に珈琲を売りにする「純喫茶」は、この女性のサービスがある「特殊喫茶」に対しての呼び方だ

そして第二次世界大戦後

戦後のバー元年は1949年。それまで自由ではなかった酒類販売が自由化されたことで、サントリーが1946年から販売していたトリス・ウイスキーは大々的に売り出され、トリス・バーの時代が開幕。カクテル・ブームの走りが見え始めたのもこの頃だったとも言われています。

その後トリス・バーは大型化していき、さらに1970年代にかけてはスナック、カラオケへとバーは展開。ウイスキーのボトル・キープと、ウイスキーの水割り全盛時代へと移っていきます。

そしてカクテル・ブームの到来、1980年代になるとカフェ・バーも登場し、遂に1990年代に入ると酒をメインとした本格バーと、それに次ぐショットバーの時代を迎え、現在に至るというわけです。

ショットバーとは

このようにバーはカフェーから始まり、現在のように様々なスタイルを取っているわけですが、この変遷(移り変わり)の中で生まれた言葉が「ショットバー」です。

ショットバー(shot bar)は、ワン・ショット、つまり1杯からお酒を飲むことができるバーのことを指し、かつてボトルキープが主流だった頃のバーに対して使われるようになった和製英語です。

イブスター店長
イブスター店長

ちなみに海外でショットバーと言っても通じないから注意してくれ

そこで気になるのがいつの頃のバーに対しての「ショット」なのかと思いますよね。これに関しては営業のスタイルからして女給がつくカフェー時代のバーか、ボトルキープ全盛期のスナック・バー時代のいずれかになると思われます。

特に「カフェー・タイガー」ではビールを飲んでお気にの女給に投票するという「アイドル応援システム」なるものがあり、恐らく他店でも同システムはあったのかもしれませんが、ボトルキープ云々という話はあまり聞かないので、これは恐らくボトルキープ、ウイスキー水割り全盛期のスナック・バー時代に対しての「ショットバー」ということになるでしょう。

ショットバーの定義と普通のバーの違い

このように、ショットバーはボトルキープが主流のバーに対して使われる言葉で、その定義は「1杯からお酒を飲めるバー」のことを指します。
よって、ホテルにあるバーも、オーセンティックバーも、カジュアルバーも、いわゆるバーはほとんど全てがショットバーに当てはまり、現在は普通のバーもショットバーも特に変わりはないと言うことができるでしょう。

ただし、ショットバーという言葉が生まれた背景には、本格バー(オーセンティック)に続いて誕生した、本格バーを少しカジュアルにしたバーという認識もあるため、一般的にショットバーと言うとカジュアルなバーを指すことも多いです。

また、ホテルにあるバーは「ホテルバー」、本格バーは「オーセンティックバー」、ビリヤードがあるバーは「プールバー」など、それらもショットバーのカテゴリーに含まれはしますが、呼称はそのバーが持つ最もな属性でカテゴリー分けされるのが一般的です。

今回のまとめ

・日本人向けのバーの歴史はカフェーから始まった
・ショットバーはボトルキープに対してのワン・ショットの意味
・一般的にショットバーというとカジュアルなイメージ

ちなみに銀座がカフェの聖地と呼ばれ、喫茶店が沢山あることや、高級クラブが立ち並んでいたりすること、そしてバーも老舗や名店が多いのは、今回見てきたような時代背景も関係しています。銀座のバーで時代の流れを感じるのもありだ。

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