バリ島旅行最終日は、シンガポールの言わずと知れた総合リゾートホテル、マリーナベイサンズのカジノへ。
ついにインドネシア・バリ島旅行も最終日を迎えます。
早朝から飛行機に乗ってバリ島を出発した私たちが目指す最後の地は、世界屈指のグローバル都市「シンガポール」。私はここで、人生で初となるカジノに行くことになるのですが、当時、重度のギャンブル依存症だった私は初めてのカジノにふれ、これまでに経験したことがないような高揚感を体感。
これから始まるカジノと、そしてギャンブル依存症との戦いの火ぶたは、まさにいま切られようとしていました。
バリ島旅行初日はこちら↓
【地上最後の楽園】インターコンチネンタルバリリゾートに宿泊しました
ミナト
海外旅行が趣味の兼業ブロガー。以前はカジノにハマるもギャンブルにはもう懲りて……? 現在は観光メインで旅行を楽しみながら、現地での体験や旅行に役立つ情報も発信中。いずれは海外を放浪する旅にも出たいと思っています。>> プロフィール詳細はこちら
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インドネシア・バリ島旅行(最終日)
バリ島で過ごした時間はあっという間に過ぎ去り、私たちはバリ国際空港へ。空港の免税店に立ち寄り、最後に残った現地通貨でお土産を買いに行きます。
私が購入したのはこれ、猫の糞コーヒー「コピ・ルアク」!
コーヒー好きの友人に渡そうと思っていたのですが、結局渡すのを忘れてしまい、これもいまだに自宅で保管されています。
コピ・ルアクは3日目を参照
→【猫の糞】バリ島にて幻の高級コーヒー「コピ・ルアク」の製造所に潜入!
そして、お土産を買い終えた私たちは飛行機に乗り、世界一快適な空港として知られるシンガポールの玄関口「チャンギ国際空港」に到着します。
日本に帰る飛行機が出るまでまとまった時間があったので、私たちは空港から出て次の目的地へ向かいました。
「パン パシフィック シンガポール」という、大規模ラグジュアリーホテルです。
パンパシフィックシンガポールは、シンガポールの中央ビジネス街に位置し、世界的に有名な建築家がデザインを手がけた5つ星ホテル。
総客室数は790部屋とかなりの大規模で、シンガポールの中心部という観光に便利な場所にありながら、ホテル屋外には巨大な半円形プールやプールサイドバー、さらにはテニスコートまであり、ホテルライフを満喫することもできます。
高級感漂う36階までが吹き抜けとなったロビーには、シェードで飾られた個性的なテーブル席が水辺に浮かぶようにして配された、南国リゾートを彷彿とさせる非日常的なラウンジ、「Atrium(アトリウム)」が。
さらに、ラウンジのバーカウンターはアジア最長クラスで、その長さはなんと44m! すごすぎるぞシンガポール!
【パン パシフィック シンガポール】
私はバーで飲みたい気持ちをぐっと抑えます。というのも、私たちがこのホテルに来たのは遊びに来たわけではなく、ホテルの2階にあるJTBラウンジに行くためだったからです。
今回の旅行は
ちなみに、パンパシフィックシンガポールにあるJTBラウンジでは、キャリーバッグなどの荷物の預かりはもちろんのこと、ソファに座ってくつろぎながら、日本の新聞や雑誌を読むことができたり、Wi-Fiのレンタル(有料)や、オプショナルツアーなどの申し込み、さらにはホテル内のシャワー施設も利用することができるそう。
見ているだけでも楽しいホテルなので、
マリーナベイサンズへ
シンガポールを観光というか、私たちが行く場所は初めから決まっていました。決戦の地、マリーナベイサンズです。
マリーナベイサンズは、広く知られた世界最大の屋上プール以外にも、多種多様なレストラン、ショッピング、エンターテインメントなどを満喫することができる総合リゾートホテルで、シンガポールのランドマーク的な存在。
数々のブランドショップが立ち並ぶ通路下の運河では、サンパン(ボート)ライドを楽しむこともできます。
また、運河をたどっていくと姿を現すのが、マリーナベイサンズの滝として知られる「レイン・オキュルス」。
国際的アーティストによってデザインされたレイン・オキュルスは、直径22mのアクリル製で、地上から突き出した半球型のボウルからは、1時間ごとに毎分2万2000Lもの大量の水が滝のように流れ落ち、運河へと流れていきます。雨水を利用したエコなオブジェで、願いごとをする泉としても有名なスポットです。
歩いているだけでも楽しいショッピングモールを散策したあと、私たちはお昼ご飯を食べ、いよいよ決戦の舞台、カジノへ……。
マリーナベイサンズのカジノに突入
さて、とうとうこの時が訪れたわけですが、じつをいうと、私はカジノに行く行かないはどちらでもいいと思っていました。
私の場合ギャンブルをやり始めてしまうと、歯止めがきかなくなることを日本のパチンコで嫌というほど思い知らされてきたので、カジノで負けてしまうと、楽しかった今回の旅にケチがついてしまいそうだったからです。
しかし、家族が全員行くということで、私だけ行かないわけにもいかず、そしてやはり気になってもいたので、私もカジノに初挑戦することになりました。
私たちのなかでカジノ経験者は弟のみ。彼いわく、初めてであればまずはラピッドゲーム(機械でプレイするゲーム)がいいとのことで、ひとまず私は、機械のゲームで遊んでみることにします。
ゲームは「バカラ」という、簡単にいうとトランプを2枚めくって、数字の合計数を競うゲームです。
ところが、これがまったくおもしろくない。
機械に映し出されるゲームの結果を見ているだけで、なにがおもしろいのかサッパリわかりませんでした。
そして、それはどうも父と兄も同じだったようで、少し遊んだだけでカジノには満足したらしく、彼らはマーライオンを見てくると言って観光へ。私はもう少しカジノを見てみたかったので弟といっしょに残り、のちほどカジノで合流するという段取りになりました。
テーブルゲームへ移動
弟はテーブルのバカラに移動するというので私もついていき、ゲームの説明を受けながら後ろで少し見物することにしました。
ここでは詳しい説明は割愛しますが、テーブルのバカラはカードをめくる「絞り(スクイーズ)」というアクションが加わることで、ゲーム性が一変します。
しかもこの「絞り」の持つ魔力というのはすさまじく、一度その魔力にとりつかれてしまった者は、一見すると「ただカードをめくるだけ」のことに、大金を賭けられるようになってしまうのです。
かくいう私もバカラの魔力にとりつかれてしまうわけですが、それはまたあとの話。
バカラの詳しいルールはこちら
パラダイスシティカジノでバカラの魔性に酔いしれろ!【ルールも解説】
大小(シックボー)でゲーム開始!
私はしばらくテーブルのバカラを見物していたのですが、このときは初めてだったこともあって、テーブルに着くことへのハードルの高さを感じていました。そこで、私は席に座らないでもできるテーブルゲームを探して移動することにしたのです。
まず、私が見つけたのはルーレット。これは立ったままチップをテーブルに置いていくだけなので、ゲームに参加するのは簡単でしたが、なかなか当たらないのでやめ。
それから、フロア内をうろうろしていたところ、私はなんだかおもしろそうなゲームを発見します。それは「大小」というゲームでした。
大小(シックボー)とは、3つのサイコロを振って出た目の合計を当てるゲームで、シンプルでわかりやすく、こちらも立ったまま遊ぶことができ、さらには人も少なかったので、私はこの大小でゲームを開始することにしました。
(出典:“Sic bo Table” by Wadems – Wikimedia Commons)
カジノにもよりますが、大小のテーブルのレイアウトはだいたいこのようになっていて、テーブルの横にサイコロ(ダイス)をシャッフルする、密封されたカップ型の機械がついています。
大小のルールはとても簡単で、
- 3つのサイコロが振られる
- 出た目の合計が4~10なら「小」、11~17なら「大」
- 大または小でのベットが当たれば、賭けたチップと同額を受け取ることができる
基本的にはこれだけです。ただし、サイコロの目が「111」や「555」といったゾロ目の場合、当たりは「大か小」ではなく「ゾロ目」となるので注意が必要です。
また、カジノのゲームはハウスエッジ(控除率)という、カジノ側の取り分があるのですが、大小の場合はサイコロが出る目の総数216通りから、大と小が出る210通りを引いた確率(大または小に賭けても当たらない確率、6/216)、つまり2.8%となっています。
大小には配当が大か小の2倍から、最高でゾロ目の150倍(180倍の場合もある)までありますが、最もハウスエッジが低いのが大か小に賭ける方法(2.8%)で、ゾロ目に賭ける場合は、配当はたしかに高いのですがまったく割に合いません。
というのも、ゾロ目が出る確率は1/216(0.46%)であるのに対して配当が150倍と、出目の出現確率よりも配当率が大幅に低く、この場合はハウスエッジは30.1%にまでなってしまうからです。
30%のハウスエッジを簡単に考えると、1万円使うと7000円が返ってきて、3000円はカジノに持っていかれるということ
大小はほかにもさまざまな賭け方があるのですが、悪い賭け方をするとハウスエッジが最大で47.2%までになり、大だと思ったらゾロ目、またはその反対がしばしば起きたりと、白熱した場の空気が一気に冷める、なんてこともわりとあるゲームです。
勝って旅の締めくくりとなるか!?いざ勝負のとき
ビギナーの私はそもそも賭け方がよくわかっていなかったので(結果的にそれがよかったわけですが)、ベットするのは大か小のみでゲームはスタート。
ディーラーは、ふたをされたカップの中でサイコロをシャッフルするのですが、その際に出る「カシャカシャカシャ」という、なんともいえないような金属音、たとえるなら、鉄製の中華鍋にお玉を叩きつけるような音が変にクセになります。
カップの中でサイコロが飛び跳ねる心地のいいシャッフル音、ふたが取られる際に目に飛び込んでくる、勝敗がまだわからない一瞬の間。
とくに、このふたが開けられる「どっちだ!?」という瞬間は、テーブルに着いた人の視線が一点に集中し、ぱっと見で3つの数字が大か小にかたよっていれば勝敗はわかりやすいのですが、合計の数字が真ん中に近い、つまりギリギリの戦いになると、一瞬の高揚感が数瞬に長引くのです。
何度か勝負をしているうちに、これこそが大小が持つ最大の醍醐味なのではないかと私は感じ始めていたのですが……しかし、当たりません。
大と予想すれば小、小と予想すれば大と、大半が予想とは逆の結果となり、なかなか当たらない状況が続きます。ゲームに参加するには、そのテーブルのミニマムベットだった4000円は必要となるため、ミニマムとはいえ、やはり外れが続くとお金の減りはめっぽう早いです。
ちなみに、この日の軍資金は10万円を用意したのですが、気づけば大小では外れが続いて-500SGD(約4万円)。さらにその前にやっていたルーレットでも400SGD(約3万2000円)負けていたので、このときすでに、負け額は900SGD(約7万2000円)を突破していました。
しかし不思議と、外れが続いてイライラしたり、残金が残り少なくなってきて焦るなど、そういったマイナスの感情を抱くことはありませんでした。日本のパチンコで負けているときとは違い、負けているのに楽しいとさえ思えることに、私は驚きを感じます。
そして、そうこうしているあいだに、カジノでの残された時間は、残り30分を切っていました。
響き渡る中華鍋の喝采
空港に行く時間の関係で、私たちは事前に集合時間を決めており、残り時間も少なくなってきたことから、弟はバカラを切り上げて大小のテーブルで合流。
私は時間もそうですし、残金も少なくなっていたことから、今回はもう全部なくなってもいいか、とベットを「小」に連打することにしました。
カシャカシャカシャ……。
ダイスのシャッフルが終わると、プレイヤーのベットタイムに突入します。ほかのプレイヤーは思い思いの場所にチップをベットしていき、私は「小」に100SGDをベット。
ノーモアベット
ディーラーがベットを締め切ると、カップのふたが開かれ、当たりとなったテーブルのベッティングエリアが点灯。外れた人の賭け金は没収され、当たった人には配当が配られます。
そしてこのゲームの結果は、「3・5・2」で小が的中。これがだいたいの1セットの流れで、配当が終わると次の勝負が始まります。
カシャカシャカシャ……。
当然ながら2戦目も続けて「小」に100SGDをベット。その結果は「2・2・3」で、またしても小が的中します。
幸先がいい2連続HIT。私はさらに「小」にベットを連打。
カシャカシャカシャ……。
3戦目は50SGD上乗せすることにし、「小」に150SGDをベット。結果は、「5・1・2」で小が的中。
続く4戦目も「小」に150SGDをベットすると、なんと「4・3・1」で小が的中したのです!
なんだこれは……ボーナスステージにでも突入したのか?
透視でもイカサマでもなんでもありません。私はこの土壇場で、片側4連続HITをもぎ取ったのです!
カシャカシャカシャ……。
迎えた5戦目は、さすがに5連続はないだろうと思い、チップをさらに50SGD上乗せして、次は「大」に200SGDをベット。すると、これは「6・4・3」で大が的中。
来たる6戦目では、ふたたび初心に帰るとともにチップを50SGDを上乗せし、もう一度「小」に250SGD。そして、これも「5・3・1」で小が的中!
まるで千里眼の能力でも開眼したかのように当たり続ける大小! もはやこのシャッフル音は中華鍋の喝采にしか聞こえません!
気づけば6回連続の的中により+950SGD(7万4000円)と、わずか十数分でこれまでの負け額を取り返すことに成功しますが、ちょうどそこで出払っていた家族が戻り、そろそろいくぞと私にゲームの中止を促します。
しかし、かなりアツくなってきていた私もここでやめるわけにはいかず、最後にラスト1ゲームだけの猶予をもらうことになりました。
ラストゲームは最大ベットでなければ終われない
これまでの6連勝で得たチップは950SGD(約7万4000円)と、みごとに負けを取り返すことに成功し、収支はほぼプラスマイナスゼロ、というか若干のプラス領域にまで急浮上しました。
ギャンブルは負けないことが最も大事なことでもあるので、やめどきとしては間違いなくここ。お金もなくならず、カジノのおもしろさも体感することができ、連勝の勢いを味わうことができたいまこそが、最高のやめどきであることは私もわかってはいました。
しかし、病的ギャンブラーはこんなところでは終われないのです。
負け続けてきたものが一瞬でくつがえる高揚感、エスパーと化したかのように当たりが連続する怒涛の疾走感。こんなものを体感してしまえば、中途半端で終わることなどできるはずがありません。
そして、ラスト1ゲームの納得できる終わり方。それはやはり、今日いちばんの最大ベットで勝利を収めること、それ以外はありませんでした。
私は考えた末、増えたチップの約半分である450SGD(約3万6000円)を、「大」にベットすることにします。当然、ベット額はこの日では最大です。
1日ではなく「1回」のゲームに数万円を賭ける。そんなことはそれまで経験したことはなく、私はチップを持つ手に、感じたことがないような重圧を感じていました。
しかし悩んでいる時間もありません。私はベットエリアにチップを置こうと手を振りかざします。ところが、やっぱりやめたほうがいいのではないか、そんな考えが頭をよぎれば、振り下ろそうとした手は重力に逆らうように戻ってしまうのです。
置こうとする、戻る。置こうとする、戻る……。
右手だけがまるで壊れたおもちゃのようになっていたのですが、私は中途半端に壊れたおもちゃを完全に破壊すべく、無理矢理右手をテーブルに押し込みました。
置いたぞ……!
隣で私の連勝を見ていた中国人のおばちゃんが、ジロリと私が置いたチップを見ました。その後、ディーラーから発せられる「ノーモアベット」の声。ここからはもう結果を見守るだけ。ディーラーは、ついにカップのふたに手をかけました。
この一瞬、このカップが開かれる一瞬にすべてが凝縮されています。私はふたが取られ、内部が見え始めるわずかな領域を見るために刮目します。
そして、ディーラーがおもむろにふたを取りました。どっちだ? 大なのか、小なのか!? わずかな隙間から見えたサイコロの数字は……大きいような気がするぞ!
………………!
結果は……「4・3・6」で「大」。まさかの、怒涛の7連続HITが決まったのです!
こうして、私にとって初めてのカジノは、+525SGD(約4万2000円)という、当初懸念していたようなケチのつきようがない結果で幕を閉じ、驚愕の表情で私の目を見る中国人のおばちゃんに別れを告げ、私はカジノをあとにしたのです。
バリの旅と初めてのカジノを終えて
時間が迫っていたため、勝利の余韻に浸る間もなくカジノから離れ、JTBラウンジで預けていた荷物を受け取ったあと、私たちはチャンギ国際空港へ。いよいよ今回の旅も終わりです。
日本行きの飛行機が出るまでの待ち時間には、「SATSプレミアムラウンジ」という空港のラウンジが利用できたので、私たちはここで、最高の旅に乾杯をしました。
そして、搭乗時間がきたため、私たちは飛行機に乗り込みます。
またかならず来よう、シンガポールに。このとき私は、そう強く思っていました。
そして帰国後
チャンギ国際空港から飛行機に乗り込み、私たちは日本の成田空港へ。到着予定は朝の7時ごろとなっていました。
バリ島旅行は、スリや現地ドライバーなどいろいろとありましたが、すばらしい旅だったということができます。しかし、カジノでの興奮冷めやらぬ私はそんなことよりも、日本に帰ったらパチンコに行くことしか考えていませんでした。
カジノの、それまで味わったことがないような興奮や感動は、私に大きな衝撃を与え、それによって、パチンコへの衝動が強烈に大きくなっていたのです。
ただ、ディーラーやほかのお客さんと話したり、喜びを分かち合ったりと、同じギャンブルといえども、パチンコとカジノはまったくの別物だなと感じたこの日の経験は、のちに私が、自分自身が患っていたギャンブル依存症の本質にたどり着き、ギャンブル依存症の認識を変えるきっかけともなったのです。
空港からそれぞれ自宅に帰り、私は朝10時の開店からパチンコ店へ。その日、カジノで勝った以上にパチンコで負けたのは、いうまでもありません。
(インドネシア・バリ島旅行 完)
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